- 【Ingress】ぶらりポータルの旅 甲府ミッドナイト編 [2017/08/15]
- 【Ticket To Ride】鉄道路線図の旅愁 [2017/08/18]
- 【Ingress】ぶらりポータルの旅 山梨県立文学館編 [2017/08/20]
- 【Ingress】ぶらりポータルの旅 曽根丘陵公園編 [2017/08/21]
- 【Battlefielt: Bad Company】孤高のはみ出し小隊 [2017/08/23]

「お遊びするつもりはない!(少なくとも今は!)」
慇懃な物腰の客引きを振り払って献血ルームに駆けこみRedFactionミッション一列を終わらせた後、オレはホテルにチェックインしてユニットバスで汗を流し、本番の公式ミッションがライブする時刻に備えて身体を休めていた。
その間にコミュニティハングアウトやディスコードでは、「ログが出てないけどなにやってるんですか?」「ひょっとしてお楽しみの最中ですか?」「甲府の夜を満喫してるんですね」なんてメッセージが飛び交っていたが、ヒドい色眼鏡もあったものだ。
オレはこの地にミッションデーを純粋に追求しに来たのだ。

そしてポータルはただハックすればいいものではないし、ミッションはただメダルをキレイに並べれば済むものではない。それではスキャナの中だけですべてが完結してしまう。
ポータルやミッションは現実の街並みやオブジェクトや歴史や文化に触れるための、取っ掛かりであり道標だ。なんかオレいまスゲえ良いこと言った!
この甲府MDも、企画してくださった方たちが望んでいるのは、ただミッションをコンプすることではない。
それをきっかけにして、甲斐の国の風土、文化、歴史、名所、人々を体験して欲しいからこそ、あれだけの手間暇をかけてイベントを運営しているのだ。なんかオレいまスゲえ良いこと言った!

たとえばこの南銀座インフォメーションというポータルにしたって、ミッションの流れでポチッとハックしてそのまま通り過ぎてしまえば、それでなんの記憶にも残らず思い出にもならず終わってしまうだけである。
その先にある何かとの触れ合いがなければ、現実世界を舞台にゲームをやってる意味などないではないか。なんかオレいまスゲえ良いこと言った! だからこの先にオレは行く、止めるな!(……「お遊びいかがですか?」)

まぁそれは置いといて、歴史や風土とのふれあいはやぶさかではないが、さすがに炎天下の猛暑の中を歩き回る自信はない。
前乗りの一番の理由は、まだ気温が上がらない深夜のうちに回れる所を回っておきたかったから。
そして日付けが変わると同時にMD甲府公式全12ミッションが一斉に出現。この内、甲府駅周りの5つだけを夜のうちに済ませてしまう寸法だ。

西多摩や八王子の人間にとっては、甲府は西の山をちょいちょい越した先にある訪れやすい街。
三々五々甲府入りする地元コミュニティからの参加者も、過去のMDとは比べものにならないほど多い。
駅前でチャリにまたがる二人組、地元の人かと思いきや、よくよく見ればコミュの仲間。
「チャリで来たんですか!?」とびっくりしたが、まさかさすがにそんなわけはない。
それにしても地元エリアならいざ知らず、はるか甲府の駅前で深夜の1時にばったり会うというのもスゴい話である。

舞鶴城、印傳博物館、エル銀座、深夜の甲府中心街をぐるりと巡って予定のミッションをクリア。後は各イベントに備えて一寝入りするだけだ。
その前に飲み物だけでも買っておこうとホテル近くのコンビニに入ったら、別のコミュメンバーたちにばったり。
夜通し峠を越えてたった今甲府に着いたばかりだそうだ。地元エリアなら知らず、はるか甲府の、しかも駅からも幹線通りからも離れたへんぴなコンビニで深夜の3時にばったり会うというのもスゴい話である。

クルマで甲府を目指したメンバーからの到着の報告が、他にも続々と入る。みんなこのまま朝までミッションをこなしてクルマの中で仮眠をとるそうだ。
オレにはとてもそんな根性はない。蒸し暑さでボロボロになった身体を、クーラーがガンガン効いたホテルの部屋で癒やすだけだ。
それではみんなおやすみなさい! いや、マジで寝るから!
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2017/08/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
"あの娘は乗車券を手にしてる チケット・トゥ・ライドを持ってるんだ だけどそ知らぬ顔してやがるのさ" <The Beatles - Ticket To Ride>
お盆に夏休み。普段以上に鉄道路線図が身近になるこの季節。
あの色とりどりな線の交差に心惹かれるのは、決して鉄オタだけではあるまい。
オレも旅行に出た時に、初めて訪れる地方都市のターミナル駅に掲げられた路線図を、いつまでもボーっと眺めながら旅の妄想を膨らますことがある。

そして今オレの目の前に広がるのはアメリカの鉄道路線図。
広大なアメリカ大陸を、まるでフランケンシュタインの怪物の縫い傷みたいに張り巡らされた交通の動脈。
手の中にあるのはマイアミからボストンまでの片道切符。
普通なら飛行機を使う距離だが、たまには大陸の列車旅もいいものだ。それに鉄道ならば、パーサーが呼んだ空港警察に手荒に叩き出される心配もない。

マイアミ駅のホームで、オレは列車を待つ。ナシュビル、フェニックス、デンバー、異なる目的地に向かう旅客たちが、別のホームから次々と旅立ってゆく。
オレは辛抱強く列車を待つ。来ねえ。来ねえ。列車が来ねえ。ピンクのトレインカードがちっとも場に出やしねえ!
慌てて路線図を見返し迂回できるルートを探すが、時すでに遅し。ナッシュビル周りの列車はすべて押さえられてしまってる。
いっそのこと西海岸に行っちゃってそこからボストンを目指すか!? もちろんそんな回りくどいマネは、切符カードのコストにとうてい割が合わない。
オレはチケットを握りしめながら、ひたすら山札から運良く機関車カードを引くチャレンジを繰り返すのであった。

カタンにカルカソンヌにロストシティーズ。オンラインゲーム展開の実験場とばかりに、Xbox360の初期には、著名なアナログボードゲームのデジタル化作品がお目見えしたが、『Ticket To Ride』のその中の一つ。
アナログゲームにとってもっとも名誉あるドイツ年間ゲーム大賞を受賞した、その筋では知らぬ者のいない名作だ。
ただいくら高い評価を得ているボードゲームと言えど、いったんデジタル化されたからには、やはりビデオゲームとの相性が問われてくる。
だが心配はいらない。他プレイヤーの行動をある程度読みつつ、黙々とカードドローと列車配置を繰り返す。
マルチの環境で各自がソロプレイを行っているような『Ticket To Ride』は、複雑な交渉を必要とする『Catan』などよりも、はるかにオンラインゲームに向いた作品だ。

ボイチャでの賑やかなやり取りもなく、路線図を舞台に各人は思い思いに乗車券を握りしめ目的地を目指す。
一人旅は決して他者と隔絶した空間じゃない。並走する線路、ターミナル駅、ほのかだけとそこには人とのすれ違い、一瞬の邂逅がある。
その積み重ねの上に綴られるのは、縫い跡のような線が列車で埋められた路線図。『Ticket To Ride』の旅情は、むしろ顔を突き合わせない環境だからこそ、余計に輝くことがあるのかもしれない。
<Xbox One互換対応ソフト>
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2017/08/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
甲府駅北口よっちゃばれ広場、午前10時。ただでさえ低血圧なオレは、寝不足で併せ一本の青白い顔で、ふらふらとここに辿り着いた。
既に集まっていたコミュニティメンバーが「顔色めちゃくちゃ悪いですよ」と心配の声をかけてくれたが、それに続くのは「どうせビデオオンデマンドとかを朝まで観てたんでしょ」の一言だった。相変わらずヒドい色眼鏡もあったものである。
ホテルの柔らかいシモンズ社製ベッドの抱擁を振り切ってここまで来たのは使命があるからだ。注文のバイオカード束の運び屋という大切な任務が。
広場はチェックアウトの手続きに並ぶ気の早いエージェントたちで沸き返っていたが、わざわざ甚平に着替えてきたのが目印になったのか、取引のお相手たちともあっさりとコンタクトができ、受け渡しは無事に終了(このうちのひと束は、いったん東京に舞い戻った後、再び甲信を越えて北陸入りする流浪のルートをとることになる)。

山手御門の隣にある小洒落た一角にて、みんなでモーニングアイスを貪り食った後は、それぞれ思い思いの本日スケジュールをこなすために一旦散開。
この甲府MDのミッション構成、12個中5つは駅周辺の中心街を回るだけで済むが、それ以外は駅から離れた観光地となっている。
ミッションメダルを一列揃えるには、自然とどれか一つの遠い名所スポットに向かわなければならない練られた構成だ。
クルマやバイクなどの足があれば12個コンプも可能だろうが、路線バス移動となるAGは自然とどのスポットに向かうかの選択を迫られることになる。
善光寺、昇仙峡、科学館、遊亀公園動物園など、ミッションポイントは甲府の東西南北に絶妙に散っていて、みんなどれを捨ててどれを取るかに相当アタマを悩ませただろうが、オレは最初から心に決めた場所がある。

甲府の中心街からバスで10数分のところにある芸術の森公園。
彫刻が点在する園内には県営美術館と県営文学館が併設されている。美術館はよくあるが、地方自治体でこれだけの規模の文学館はそうはない。さすが数多の文人を生み出した山梨の地である。
園内の彫刻を巡るミッションをさくっと済ませてメダルを一列揃えたあとは、再びよっちゃばれ広場に集合する時間まで、ゆっくり文学館に腰を据えるのだ。
折しも文学館では作家のデビュー展という企画が開催中。さらにはコミック「文豪ストレイドッグス」とのタイアップ企画も行われていたようで、入り口でそのキャラクター缶バッジをいただいた。
特別展入口横のブースは樋口一葉。その最初の展示物は…………、5千円札!
「そう来るか!」と思わず力が抜けたが、まあ三ノ輪にある一葉記念館の方にも、きっと5千円札は飾られてるのだろう。今度行ってみよう。
細かい展示内容については割愛するが、太宰治の作為のないピュアな個人文献なんかを見てると、この人は今の時代に生まれてたら、その文学衝動をTwitterとか2ちゃんねるなんかで、きっとすべてムダ遣いしていたんだろうと強く感じた。こういうタイプの人、SNSとかでよく燃えてるよ。

時間ギリギリまで文学館を巡った後、エージェントが再びわらわらと集結しているよっちゃばれ広場に戻り、関係者の挨拶、そして記念撮影。
ミッションデーの公式のプログラムは、とりあえずここで終了。だが甲府MDはまだまだ終わらない。
飲み会や歓楽街の誘惑を振り切って向かうのは、今回のMDのメインディッシュとも言える、虫の姿を追い求めるミニツアーだ。
次回、夜の丘陵公園に蠢く虫と怪しい大人たち!
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2017/08/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
車窓から見える明かりがどんどん乏しくなってゆくタクシー車中で、オレたちの口数も次第に少なくなっていった。
MD甲府のアフター、The Insect Night。夜の甲府山中に繰り出して虫の生態を観察しようというイベントだ。
「ちょっと遠いところですが」
主催者は申し訳なさそうに言ったが、しかしオレはその時点では「いくら遠いと言ってもMDのアフターイベントだし、とんでもないとこじゃないだろ」と高をくくっていた。

だがオレは虫のためなら38度線も突破しかねないマニアを甘く見ていた。
不安に耐えかねて開いたGoogleマップの現在地は、甲府の中心街からはるか離れた地を指している。このまま山を二つほど越えたら、もう富士五湖ではないか。
やがてタクシーが辿り着いたのは、明かりのない丘陵地をがんがん登って行った先にある広大な公園。しかし今は夜の8時。公園の全容を目視で確かめる術はない。
こんなところを夜タクシーで訪れるおっさん二人組は明らかに不審なのだろう。
「なんかあるんですか?」そう訝しげに尋ねる運転手に、オレは「……虫です」と答えるのが精一杯だった。
まぁどう答えたところで、どうせあの運転手はこちらのことを"ホテルにあぶれた中年カップル"とでも認識したのだろう。

人っ子一人いない公園を奥の方に歩いて行くと、ほのかな灯りの中にボーっと浮かび上がったのは、捕虫網を持った怪しい集団。
不審者と呼ばれるエージェントの中でも、もっとも不審な人たち。虫部の皆さんと、それに誘蛾灯のようにつられて集まった人々である。
この不審な集まりの救いとなっているのが、網と虫かごを手に屈託のない笑顔を浮かべている数名のお子様たちだ。
思えばオレも彼らくらいの年頃には、虫にまみれた日々を送っていた。
カブトムシを獲るために台所からくすねてきた蜂蜜を雑木に塗ったり、地蜘蛛を捕まえてデスマッチをやらせたり、スズメバチの巣にどれだけ近づけるかチキンレースに興じていたものだ。
いつしか虫とも野山とも無縁になり、虫と言えばザ・スターリンのアルバムジャケットが真っ先に思い浮かぶ汚れた大人になってしまったが、いい機会だ。今日はあの頃の無垢な心に戻って虫と触れ合おうではないか!

では20分ほど移動してセミの羽化ポイントに向かいます」
しかしこの虫に取り憑かれた集団が。虫にまみれたこの丘陵地をスムーズに動けるわけがない。
ほんの数歩踏み出しては、「あーっ、バッタだー!」
間髪入れずそしてバッタの周りに群がり、まるでオートショーのカメコみたいな勢いで写真を撮りまくる一同。
ようやく動き出しては「あーっ、コガネムシだー!」再び歩きだしては「あーっ、セミの抜け殻だー!」。
しまいには「あーっ、ヒキガエルだー!」と、虫でもなんでもないものにまで群がる始末で、なかなか先に進めない。

夏の盛りということで、やはり一番目立つ虫はセミ。
元気に鳴いてるやつ、抜け殻、地面に落っこちて息も絶え絶えになってるやつと、そのバリエーションも様々。
木と街灯が隣接している場所なんてのは、まさにセミのホットスポットで、ちのっちさんが捕虫網を差し出せば、もうぶわさーっと無数のセミが一斉に大乱舞。
「ハムナプトラだ……」と思わず呟く者もいれば、「ぎゃー!」と絶叫しながら愛娘を盾にして身を隠す母親もいるなど阿鼻叫喚の騒ぎの中、B-29を竹槍で落とすかのような勢いで捕虫網をぶんぶん振り回す主催者。
一通り振り回した後の網の中には、もうセミの大群が「ぶおおお」と唸りをあげながら蠢いていて、またもや響き渡る「ぎゃー!」の叫び声。
「ではリリースしまーす」「ぎゃー!!!!」

そんなこんなの騒ぎの末にようやく辿り着いた羽化ポイント。
とは言えセミが羽化する瞬間なんて、本来なら「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」の中でしか観られないような光景である。
「ホントに観られたらラッキー」程度の気分でいたが、それは虫マスターに対してあまりにも失礼なテンションであった。
足を踏み入れたその一帯には、まさにいま羽化せんとするセミの姿があっちにもこっちにも!
冴えない色の殻から身を出したセミはまだ色も鮮やかで、みんなが照らすライトにショーアップされてさらに神秘的な風情で静かにゆっくりと身を動かしていた。
これを観ることができただけでも、タクシーを飛ばしてきた甲斐があったというものである。
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2017/08/21 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
アクションゲームやシューターにフィーチャーされている要素で、悩ましい存在なのがいわゆるコレクタブルアイテムの類だ。
中には録音テープやメモの形を借りて、ゲームのバックグラウンドを補完してくれるものもあったりするが、大半のそれは、「これを集めたところで、だからどうしたのよ?」と文句の一つも言いたくなる、どうでもいいものばかり。
生命の危機に直面していたり何か切羽詰まった状況にいるはずの主人公が、これを拾わんがために、そのシチュエーションではありえない遠回りとか、行き止まり探索を強いられているのは、明らかに整合性を欠いている。

だがこの『Battlefield: Bad Company』(以下『BFBC』)に於けるコレクタブルアイテムの場合は、その例に当て嵌まらない。
はみ出し小隊バッドカンパニーの連中が、マップを大幅に遠回りして呑気にアイテムを探して回るのは、それがズバリ金塊の山だから。
そしてバッドカンパニーが軍事行動を逸脱して、たった4人で好き勝手に行動しているのは、その金塊に目が眩んだから。
アイテムをわざわざ集めさせるのに、これほど説得力のある理由は他にはないだろう。

軍隊の問題児たちが、戦争の最中に欲に目が眩んで勝手なことをしでかす例で、真っ先に思い浮かぶのが、クリント・イーストウッドが主演した「戦略大作戦」。
第二次大戦下の欧州戦線。ドイツ軍が占拠する町に大量の金塊が置かれていることを知ったイーストウッドは、仲間を募ってその町に勝手に進撃開始。
民間人引き連れてどんちゃん騒ぎしながら進軍するわ、マカロニウェスタンのパロディを唐突におっ始めるわと、やりたい放題の娯楽戦争活劇。『BFBC』のプロットと非常に共通項の多い映画だ。

そう、『BFBC』は「戦略大作戦」に負けず劣らない一大娯楽戦争活劇。
このゲームには、チャプターごとに悲劇的な死を遂げる仲間たちだとか、お偉い政治家や将軍様たちの分かったような分からないような鬱陶しいお言葉だとか、炸裂するキノコ雲に表される世界情勢の現実だとか、無慈悲なシチュエーションをことさらに描いて表現する戦争の冷酷さだとか、そんなもっともらしさの押し売りは一切ない。
あるのはひたすら呑気な戦争ごっこ。バットカンパニーの仲間は、イベントで劇的な死を遂げる心配なんてする必要のない脳天気な連中だし、出てくる敵は、こちらが「ばーん」と叫べば、「うわあ、やられたあ」と素直に付きあってくれる、やられ役という役割から逸脱せずにでしゃばらない、実に後腐れのない奴らだ。

そして『BFBC』の能天気な戦争ごっこ世界は、愛すべきバッドカンパニーの連中が活躍するシングルキャンペーンだけではない。
攻守の役割がはっきりと別れ、筒状に細長い戦場が進行に応じてスライドして行くラッシュモードは、『Frontlines: Fuel of War』のフロントラインシステムと並ぶ、おおらかさとメリハリの効いたゲーム性を同居させたチーム戦マルチプレイモードとなっている。
やたらとだだっ広い戦場なのにダレ場をまったく作らないラッシュモードの秀逸さは、後に導入された旧態依然のコンクエストモードと比較すると、さらに明白となるだろう。

『CoD』とその亜流に対してアンチテーゼとして機能していた『BFBC』であったが、残念ながらその後のDiceは時流へ少しずつ歩み寄ってしまい、続編となった『Battlefield: Bad Company 2』は、シングル、マルチ共に、一作目にあったいい意味でのおおらかさが大きく減退した内容となってしまった。
『BFBC』には、『BFBC2』を経て『Battlefield 3』でさらにエスカレートする、タチの悪いレベル制装備&スキルアンロックシステムへの依存もない。
アメリカンフットボールの攻防にも似た横長な戦場での押し引き合いは、戦場が狭くなってしまった『BFBC2』のラッシュモードと比べても、遥かにメリハリとテンポの良さに満ちている。
『BFBC2』リリース後も、『BFBC』のオンラインがしぶとく盛り上がりを見せていた事実からも、この初代バッドカンパニーの他では代替の効かない魅力を物語っているだろう。
<Xbox One互換対応タイトル>
この記事に含まれるtag : FPS
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2017/08/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |