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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【祇園花2 金沢文子編】ニチブツのお家芸

   ↑  2017/03/14 (火)  カテゴリー: PS1
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ナウシカやクリィミーマミに酷似したキャラを脱がしたり、PCエンジン初の公式18禁ソフトを送り出したりと、ニチブツは怖いもの知らずなことを平気でしでかすメーカーだが、そのやんちゃ坊主ぶりは、プレイステーション時代に突入しても健在であった。
『ニチブツマージャン女子高名人戦』という、これまたコテコテなタイトルの作品でプレイステーションに参入した同社は、麻雀、花札、競艇など、お得意のオヤジテイスト路線を展開する。
『祇園花』は、そんなニチブツの花札ゲームシリーズだが、特有の投げっぱなしなストーリー設定と、味わい深いキャラクターデザインを別にすれば、非常にオーソドックスな一作目のインパクトが弱かったことを懸念したのだろうか。このシリーズ第二作では、かつてアーケードやPCエンジンで展開した実写AV麻雀路線を彷彿とさせるような路線に切り替えてきたのだった。
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そして看板娘として引っ張り出されてきたのが金沢文子。"かなぶん"の愛称で知られた、この頃人気絶頂だったAVアイドルだ。
タイトルにも堂々と金沢文子の名をフィーチャー。国民機であるプレイステーションに、セクシー女優の名を冠したソフトを悪びれず送り出す。
ニチブツの怖いもの知らずっぷりは、プレステ時代になっても全く衰えしらずであった。
それにしても、よくこのタイトルにSCEがOKを出したものだ。もしかして担当者は"かなぶん"のことを、まるっきり知らなかったのだろうか。
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時間の止まってしまった世界で唯一動ける主人公が、とあるお屋敷に囚われた"かなぶん"を、こいこい勝負で救い出す、缶チューハイの勢いを借りて10秒で考えついたような、相も変わらずニチブツテイスト溢れる設定。
どうして主人公だけが動けるのかという疑問に対しては、"かなぶん"の使いとかいう妙な人形が、「運命だからじゃない?」なんてアバウトな一言で済ませているが、まぁニチブツおやじゲームのいい加減な設定に、いちいちまともな説明や解釈を求めること自体が馬鹿馬鹿しいので、そこら辺は適当にスルーしておこう。
ちなみにナビゲーター人形の"かなぶん"の紹介文句は、「モデルで活躍している子」。
「微妙に違うだろ!」というツッコミがすかさず入ったことは言うまでもない。
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"かなぶん"解放の為に、屋敷の各部屋に待ち構えている住人たちを、こいこい勝負で打ち倒して行くのだが、こいこいってのは実は基本的にもの凄くバランスの悪いゲームだ。
さらに最初の一手で"月見で一杯"なり、"花見で一杯"を揃えて逃げられてしまうなど、CPU側がズルをする余地がいくらでもあるときている。
そんな釈然としないバランスのこいこいに、何とか勝利するたびに手に入るものはと言えば、"かなぶん"の画像一枚だけ。
しかもどの画像も、パジャマやセーラー服着用の、露出度云々以前のシロモノばかり。
「がんばって!」「早く助けに来て。待ってるわ!」程度の、お約束肉声メッセージすらないときている。
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はい、またもややられてしまいました。これはニチブツお得意の、麻雀や花札にセクシー女優の適当な宣材写真やプロモーション映像をくっつけてでっち上げたゲーム。
金沢文子編というサブタイトルから察するに、恐らくこの後も、適当なAVアイドルのプロモ写真を引っ張り出してきて、似たような続編を次々と作ろうとしたのだろうか? 松本コンチータ編とか、朝倉まりあ編とか……。
そんなニチブツの面の皮の厚さ、バッタ商売っぷりは、アーケードゲーム創成期からの老舗の面目躍如とも言えるだろう。

 

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2017/03/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【天城紫苑】名探偵松本コンチータ

   ↑  2017/03/16 (木)  カテゴリー: セガサターン
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金田一二三(きんだいちふみ)は、人気ミステリ作家。
彼女はフィクションの世界に留まらず、その卓越した推理力で実際の事件も何度も解決に導き、現在では作家業と探偵業を両立させているスーパーレディーなのだ。
彼女を演じるのは松本コンチータ。AV女優としての代表作は「ベロリン、天使の舌」。
マルチエロアーティストを名乗りジャンルを超えて活躍したコンチータに対して、もう一人のメインキャスト、老舗旅館の女将役の冴島奈緖も、ミュージシャンやライター業など、やはり幅広い活動で知られた方。代表作は「乳輪火山」。
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金田一先生とこの女将は、なんでも古い知り合いか何かで、女将の切り盛りする旅館、天城荘の60周年記念パーティーに先生が助手と共に招かれる、というのが事件の発端。
そう、プレイヤーは金田一先生自身ではなく、先生の新米助手。
そこで起こる殺人事件。急な悪天候。「たった一本しか無い道がガケ崩れで埋まりました! ついでに電話も通じません!」の、あまりにもベタベタなお約束展開。
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そして事件の真相以上に恐ろしい、金田一先生の名探偵ぶりの真実を、自ずと知ることになるのだ。
何せ旅館についてから先生がしていたことと言えば、自室で呑気にお茶をしているか、或いは自室に重要容疑者の一人を引っ張り込んで乳繰り合ってるくらいのこと。
そんなお気楽ご気楽な先生を尻目に、哀れ助手であるプレイヤーは、こちらを無表情にさせるおちゃらけテキストで強引に水増しされたシナリオを駆けずり回って、聞き込みや証拠集めという名のフラグ立てに奔走する羽目になるのであった。
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いや、でもこの世界にはアームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)という言葉もあるくらいだ。きっと先生もその一人なんだろう。
そう信じて旅館の中を右往左往し、いよいよクライマックス。ロビーに集められた事件の関係者一同。さぁ、お膳立ては揃いました。先生、一つバシッと名推理をお願いします!
「そう?では犯人が誰なのかを君が指摘してみなさい。」
……え?……いや、まぁ犯人はXXXではないかと思うのですが。ぶっちゃけた話、物凄いバレバレの犯人でしたし。
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「そういうわけで犯人はXXXさん、貴方です!」
ちょっと待てやぁ先生、そりゃねえだろう!美味しいとこだけ獲っていくんじゃねえよ!
じゃ、じゃあ犯行の経緯とか全部あんたが説明してみろよ。部屋でずっとお茶してたあんたには説明できねえだろ、おい!
「さすがは先生。こうなったら何もかも正直にお話いたします」
あんたが喋るなや!それにさすがなのは先生じゃねえだろう!
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事件解決をほとんどプレイヤーに丸投げな先生の役割はと言えば、18才以上推奨レーティングに沿った、今どきの中学生でも欲情しないような微エロサービス。
そしてプレイ中に入手できるエクストラアートワークは、松本コンチータ画伯による絵画やプライヴェート写真。
「2時間ドラマ風旅情サスペンスの線を狙ったんですが、プロローグ過ぎたあたりでもうどうにもならなくなりました」レベルのシナリオを、役者の大量動員と松本コンチータ推しで無理やりソフト化したような一本。
そして肝心のコンチータ金田一先生も、業の深い顔立ちとナチュラルにビブラートする声がはまりまくった、女将役冴島奈緒の生真面目な役どころに食われまくり、このサターンが生んだゲームオリジナル探偵は、わずか一作だけで退場を余儀なくされてしまうのであった。

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2017/03/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Mutant Storm Empire】ミュータントたちの死亡遊戯

   ↑  2017/03/18 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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突き進むは漆黒の異空間。自機はかっちょいい宇宙戦闘機ならぬ、なんだかわからない球体のクリーチャー。
左スティックで移動、右スティックで射撃制御はXboxコントローラにアジャストした快適なコントロールスタイル。
そして目の前に湧きあがるのは、まさにミュータント以外に適当な表現が見当たらない、奇矯で生々しく気持ち悪い生物たち。
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今や懐かしいXbox LiveアーケードのフレーズがDL専売ゲームの習慣とともにまだ目新しかった頃、そこを賑わしていたのは何故かツインスティックシューターであった。
XBLAの定番となる『Geometry Wars: Retro Evolved』や、『Smash TV』に『Robotron 2084』といったレトロタイトルの復刻が混在する、そのツインスティックシューター群にあって、オリジナルタイトルの一角として名を馳せたのが『Mutant Storm Reloaded』。
XBLAの原型となった初代Xbox版LIVEアーケードでひっそりとリリースされていた『Mutant Storm』のリメイク作品だ。
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『Geometry Wars』のエンドレススタイルでも、前作『Mutant Storm Reloaded』の独立面クリア型とも違う、ステージがシームレスに繋がる様式がその特徴。
そしてもう一つのセールスポイントが、有機的で多種多彩な敵クリーチャーの数々。そしてこれまたバラエティに富んだその攻撃パターンだ。
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一つのステージをクリアして進んだ階層に待ち受ける、さっきまでの奴らとはその様相をまるっきり違える新たでトリッキーな敵たち。
スコアハンデシステムに導入された段位(色帯)制も含めて、そのストイックな勝ち上がりシステムはツインスティック版「死亡遊戯」の名が相応しいかもしれない。
敵クリーチャーもジャバールや金帯のおっさんみたいに、何を考えてるのかわからないような輩ばっかだしな。
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前作のジェフ・ミンター的なサイケデリック風味は薄れた代わりに、横スクロール面などをフィーチャーして一般的なSTG(どことなく『R-TYPE』ライクでもある)に歩み寄りを見せた『Mutant Storm』の最終進化系。
独特の音色で心地よく響く、まるでパーカッションのようなSEは、『Geometry』やジェフ・ミンター作品とはまたちょっとばかり違った感触で、ツインスティックシューターがリズムアクションゲームの変種のような存在であることを教えてくれる。ミュータントだけに。

この記事に含まれるtag : XBLA  STG 

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2017/03/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Xbox Liveアーケード】幻のプレXBLA

   ↑  2017/03/20 (月)  カテゴリー: XBOX
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Xbox Liveアーケードのサービスは、2005年の6月に初代Xboxで開始された。
しかしその年の12月に後継機であるXbox360の発売が予定されていたタイミングで始められたこのサービスは、ほとんど捨て駒に近いものだった。
このゲームディスクは、ファミ通Xbox05年7月号に付録として添付されたものだが、その7月号からして、表紙から何から何まで360の記事一色。
そんな状況の中でひっそりと始められたサービス、初代Xboxユーザーの中に於いても、その注目度は皆無に等しかった。
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しかもこのプレLIVEアーケードサービスは、360時代のそれのようなカジュアルな存在ではなかった。
何せ無印Xbox時代には、マーケットプレイスなどという便利なシステムが存在しない。
この付録ディスクには、Liveアーケード第1弾ラインナップのデモが収録されているのだが、しかしこれは単なるデモディスクに留まらない、Liveアーケードのタイトルを購入するために必須なユーティリティディスクの役割もある。
そう、物理メディア流通からの解放を目論んだXBLAも、その始まりはバリバリの物理メディアであったのだ。
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このユーティリティディスクは、ファミ通Xboxの付録として以外には、マイクロソフトに直接申し込んで郵送して貰うことで入手できた。
そしてそのラインナップは、そんな面倒なプロセスには見合わないほどの貧弱なもの。
デモディスクに収録されているのは5つのアクション系ゲーム、2つのテーブルゲーム、5つのパズルゲーム。
しかしLiveアーケードのオリジナルタイトルは1つもなく、そのほとんどがPCのカジュアル系ダウンロードゲームを引っ張ってきたもの。
中でもアクション系ゲームは冴えないものばかりで、ギャラガの焼き直し(『Alien Sky』)とか、ディフェンダーの焼き直し(その名も『Guardian』)とか、ブロック崩しの焼き直しであるアルカノイドのさらなる焼き直し(『Ricochet Lost Worlds』)とか、そんなんばっか。
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このディスクにデモが収録されたタイトルの中では、『Mutant Storm』、『Bankshot Billiards』、『Bejeweled』、『HardWood Solitaire』、『Zuma』、『Astro Pop』 といった辺りが、バージョンアップされたり、或いはそのままの形で360のLIVEアーケードサービスに引き継がれた。
デモディスク以降には『フィーディングフレンジー』などが配信ラインナップに加えられたりもしたが、その頃はもう360が発売される直前。
Liveアーケードサービスも、360発売に合わせて仕切り直されるといった状況下で、旧Xboxで展開されたプレLiveアーケードサービスは、なし崩し的にうやむやにされてしまったのだった。
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開始された時期からみても、この旧Xboxで展開されたLiveアーケードは、360で本格的に行われるそれの予行演習的な意味合いを、多分に含んでいたのかもしれない。
しかし、その冴えない立ち上げ時期の姿を知る者としては、これがまさかあそこまで賑わいを見せるサービスに変貌を遂げるとは全く思いもよらなかったのであった。

この記事に含まれるtag : XBLA 

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2017/03/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Undercover A.D. 2025 Kei】大沢在昌とドリキャスの邂逅

   ↑  2017/03/23 (木)  カテゴリー: ドリームキャスト
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ゲーム好きを標榜する小説家は多い。しかしその立場は一介のゲームファンに留めておいた方が本人のためでもファンのためでもある。
せいぜい宮部みゆきのように推薦コメントを寄せるとか、あるいは赤川次郎のごとくノベルゲームの原作者にしておくのが無難だ。
間違ってもゲーム制作に深く関わらないことだ。下手にネームバリューがあれば、宣伝やらパッケージやらに名前を大きく出されてのっぴきならないことになる。
それが良ゲーだったらいいだろう。でもそうは行かないのが世の常だ。そう、直木賞作家の大沢在昌だって。
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西暦2025年。財政破綻した東京はゴーストタウン化が押し進み、それに乗じた中華系やロシア系などの犯罪組織が根を伸ばす多国籍犯罪都市と化していた。
そして犯罪模様がグローバルになれば、それに対抗する警察組織も多国籍化する。
警視庁刑事、鮫島ケイ(大沢作品では由緒ある苗字だ)の公私共の相棒は中国人。
この美人刑事の声の担当は勝生真沙子。外画などを中心に活躍する、仕事ができるがちょっと険のあるクールビューティをやらせたら一品の声優。
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ここまでは大沢在昌ワールドのイメージを損なわない対応だ。
しかしいきなり不安を掻き立てるオープニングムービーに続いて、主人公の刑事コンビがマネキンのように無表情無躍動で突っ立つカットバックシーンに、こちらは早くも「おい、大丈夫か、これ?」という疑念を、なぜか大沢在昌にぶつけたくなるのであった。
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ちっとも大丈夫じゃなかった。
謎のテロリストに占拠されたビルの中でおっ始まったのは、不穏なイントロダクションからなんとなく想像がついた、劣悪極まりない操作性と、とてもじゃないけど付き合いきれないカメラワークで展開するへっぽこバイオハザード。
『リング』に『七つの秘館 戦慄の微笑』など、ドリームキャストは「ずばりバイオハザードみたいなことをやりたかったんですが、ぶっちゃけ全然できませんでした!」な作品の宝庫だが、『Undercover A.D. 2025 Kei』は、その中でもエース級のヘボっぷり。
そしてちっともままならないキャラクター操作と、泥縄という言葉すら生温いぐだぐだなゲーム展開に対するプレイヤーの怒りは、これまたなぜか大沢在昌に向けられるのであった。
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なにせ大沢在昌しかウリがないようなゲーム。
ストーリー原案を提供したら原型を留めずに戻ってきた先生にとっては、およそ理不尽な話かもしれないが、パッケージからプロモーションまで、大沢在昌の名前が製造責任者のようにプッシュされてているのだから、諦めてもらうほかはない。
『バイオハザード』のロケットランチャーに相当するクリア特典は、「ゲーム中で大沢在昌、宮部みゆき、京極夏彦に会える」。
ここでもダシにされる大沢先生とお友だち。
しかしこの大極宮をあげてのサービスも、こちらは「ゲームの中で先生方に会えたとしても、一体どうしろと……」と、ただ困惑するしかないのであった。

この記事に含まれるtag : TPS ミステリ 

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2017/03/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |