- 【バーチャコールS】90年代VRはサターンギャルゲー基準 [2016/11/01]
- 【Rage】ビッグバジェットの超B級 [2016/11/04]
- 【Need for Speed: Rivals】オレたちレッドビュー群野良警察 [2016/11/10]
- 【World's Scariest Police Chases】パトカー警官の日常 [2016/11/12]
- 【Tiny Troopers Joint Ops】ちまちま戦争賛歌 [2016/11/14]
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どんなに臨場感があっても、どれだけ迫真であっても、一方通行で享受していることが露わになれば、ヴァーチャルリアリティの化けの皮は剥がれる。
たとえ本物と見紛うかのようなデジタル彼女であっても、自分の本名を感情込めて呼んでくれなければ、それはもう提供を受けただけの存在だ。
PSVRを持ってしてもなかなか解決できないこの命題にあえてチャレンジしたのは、20年以上前のセガサターン。

バーチャと名のついたゲームを数多く出しながら、その実VRとは一番縁遠かったこのハードで、なぜそのような試みが?
それはもうサターンがギャルゲーの血で血を洗う激戦区となっており、どこもよそのギャルゲーとの差別化に汲々としていたからだろう。

ギャルゲーを極めてパーソナルな存在に変えてくれる力業アイテム。それはゲームの初回限定版に同梱されているもう一枚のディスク。その名も「よびかけ君」。
これはファーストネームの音声データのみを詰め込んだスペシャルディスクで、コレを利用するには、まず「よびかけ君」ディスクを起動して自分の名前を選択。
その音声データをパワーメモリーに記憶させてから本編ディスクに入れ替えてゲームをスタートさせると、登場キャラたちがこちらの本名をナチュラルかつ感情豊かに呼んでくれる(自分の名前が収録されていなかったら、それはVRに選ばれていないということです。諦めてください)。
『ときめきメモリアル2』のEVSに先んじた趣向だ。セガハードはここでも(ならなくてもいい)先駆者になっていたのだった。

スマートホンの普及で存在感が薄れている固定電話の復権にも、『バーチャコールS』は1998年の時点で早くもその解答を出していた。
その答えはやはりヴァーチャルリアリティ。
目の前に本当に話相手がいるかのようなVR機能を搭載したヘッドマウントディスプレイ状の電話。
それが普及した未来が『バーチャコールS』の背景舞台。
そしてそんな夢のようなVR体験を手にした人々がやることといえば、それはもう自宅でテレクラ以外に何があると言うのだろうか。

電話をかけてお話をして連れ出してフィニッシュ。
界隈がやれ泣きゲーだなんだとエモーショナルに盛り上がっていた時代に、あえてケンカを売るような即物っぷり。
その守旧の気概は信念があってのものではなく、単に当時のサターンギャルゲー恒例だった、一昔前のエロゲーをお色直しして店に並べるしみったれた商法の副産物だ。
そして自分の本名を呼んでくれる未来のヴァーチャルリアリティ電話という設定も、目の前に広がる90年代前半テイストの萌え絵キャラと、そしてこれまた90年代前半のエロゲーで胸焼けするくらい顕著だった、"オタが無理してC調を演じている"上滑りしたセリフやモノローグで、たちまちのうちにろくでもない現実に引き戻されるのであった。
この記事に含まれるtag : ギャルゲー
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2016/11/01 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
前評判、それは勝手な思い込み、期待の勇み足。
アメリカで首位打者を獲ったメジャーリーガー、携帯の画面に踊る「友だちからはSHELLYに似てるってよく言われます」の自己申告。
それらに一方的にに胸踊らせるのは勝手だが、いざ蓋が開いてみて落胆するのも自己責任だ。
冷静に考えれば現役バリバリ今が盛りのタイトルホルダーが日本にやって来るわけがないし、SHELLYが出会い系にいるはずもない。
これが前評判とかけ離れたギャップがあればネタにもなるが、打率は.260で一応2桁ホームラン打ったとか、尼神インターの片割れには似てたとかのレベルだと、こちらも拳を振り上げるわけにもいかず対応に困ってしまう。

アフターアポカリプス、DIY文明、しぶとく生き残るモーターカルチャー、with武装カー、適度に荒れた秩序vs野放図な無秩序、ウエスタン風味、そしてファーストパーソンシューティング。
手垢のついた諸要素をバリバリと継ぎはぎしていったら、そのまんま継ぎはぎだらけのぎこちない世界が一丁できあがり。
『Doom』でお馴染み老舗と今をときめくBethesdaが手を組んだ、前評判が否が応でも盛り上がる怒濤のDVD-ROM三枚組は、いざ蓋を開けてみたら大作感がこれっぽっちも感じられない、打率.260の大物メジャーリーガーやSHELLY自己申告の尼神インター的な、なんとも評価に困る一作だ。

がっちりと重厚に作り込まれたFPS部分。そしてアフターアポカリプス荒野とは抜群の相性をみせる武装カーのレース&バトルモード。
これらを軸に軽いRPG的な要素を絡めて、最近なにかと軽視されがちなシングルキャンペーンの歯ごたえを追求。
しかし理想はその諸要素がちっとも噛み合わないぎこちなさとして結実してしまった。
露骨なおつかいによる行ったり来たり、牽引力に欠ける陳腐なシナリオも足を引っ張った。
老舗idのフリーローム的な作法に対する不得手不理解もあるが、そうなってしまった最大の元凶は、やはりトータルプロデュースの不備だろう。

このゲームが一番真価を発揮する瞬間は、フリーロームとも武装カーとも「マッドマックス」的な世界設定ともおよそ無縁な、『DOOM』を彷彿とさせる狭所通路ショットガン出会い頭ぶっぱ行脚。
そこになんとも三つ子の魂百までを感じさせる、"ビッグバジェットのB級映画"。
過大な前評判も過去のことなった今だからこそ、その類まれなる超B級っぷりも、改めて光ろうというものだ。
<Xbox One互換対応タイトル>
この記事に含まれるtag : FPS
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2016/11/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
『ニード・フォー・スピード ライバルズ』は走り屋と警察、二つの立場を自由に選択できるゲーム。
犯罪者。その立場は人生を棒に振る気があればいつでもなれる。ましてやちんけな道路交通法違反ならなおさらだ。
だけど権力のもとに正義を行使する立場には、なろうと思ってもそうそうなれるもんじゃない。
ならばデジタルの仮想現実世界でチョイスすべきは、もちろん後者の方だ。
というわけでレッドビュー群警察に志願します!
「警察だ、ヴィン・ディーゼル気取りのアホども、さっさと停まれ!」

レッドビューカウンティの公道は無法地帯だ。
そこは走り屋映画を真に受けたバカどもが、改造した高級スポーツカーで違法走行の限りを尽くしている。
この度を越したYou Tuberたちに、正しい公道の走り方と権力の怖さを徹底的に叩き込んでやるのが、ハイウェイパトロールであるオレの仕事だ。
道路の向こうに、対向車線に、周囲の危険など顧みず迷惑な暴走をするスティングレイやベルリネッタやフォードGTの姿を見るやいなや、オレはサイレンのボタンに手をかけ、堂々と権力の行使を宣言する。
「警察だ、ヴィン・ディーゼル気取りのアホども、さっさと停まれ!」

停まれと言って素直に停まるようだったら警察は要らない。
オレたちとの追いかけっこを待ち望んでいたかのように、エナジードリンクの飲み過ぎでアタマがイカれたバカどもは、アクセルをさらに踏み込んで限界までスピードを上げる。
レクサス、GT-R、カレラGT、我々にも高性能パトカーが配備されてはいるが、限界までチューンナップを施した連中のスーパーカーにスピードでは敵わない。
しかしこちらには公の使命を共にする心強い同僚たちがいる。
本部からの応援要請に続々と駆けつける仲間のパトカーたち。サイレンをけたたましく鳴らし、時には先回りして待ち構えながら、自己顕示欲に取り憑かれたスットコドッコイどもをじわじわと追い詰める。
「警察だ、ヴィン・ディーゼル気取りのアホども、さっさと停まれ!」

レッドビューカウンティはEAのサーバーにある街。
アクセスすれば、そこに散らばるのは世界各国から集まったパトカー警官と走り屋たちの姿。
だが好き勝手な走り屋と違って、秩序のために尽くす我らには、たとえ野良プレイヤーの集まりと言えどしっかりとした連帯感がある。
今日の獲物はあのふざけた走りを繰り返すマクラーレンP1だ。
バカッ速いクルマだが、オレたちにはしっかりとした連携と、警察だけに与えられる各種装備がある。
最後にべそをかいて「点数ヤバいんですよー」と泣き言を訴えるのは、マクラーレンのドライバーの方だ。
「警察だ、ヴィン・ディーゼル気取りのアホども、さっさと停まれ!」

同僚の進路の前に誤ってスパイクベルトを投下。道路封鎖バリケードにダマになって突っ込むのはパトカーの方。巻き添えを食う一般車両。しまいにはパトカー同士で正面衝突。ボイチャから響き渡る「ファーーーーック!」の怒声。
しょせんは野良の集まり、連鎖する大惨事。気づけばレッドビューカウンティ中に交通パニックを引き起こしているのは警察の方。
だからこそ苦労と惨事の末に暴走車両を逮捕に追い込んだときの爽快感は格別だ。
「こんなオレたちに捕まるとはとんだマヌケ野郎だな! さあ、免停どころじゃ済まねえぞ!」
オレたち、レッドビュー群警察交通課。秩序の維持のためなら交通事故件数が数十倍にハネ上がることも厭わない。
今日もアバウトな連携で、フザけた走り屋どもを地の底まで追い詰めるぜ。
「警察だ、ヴィン・ディーゼル気取りのアホども、さっさと停まれ!」
この記事に含まれるtag : レーシング
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2016/11/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「やっぱりこの仕事をやっている限りは、帰りなんかはいつも遅くなるしね。そのことについては女房もそりゃいい顔はしないさ。まぁそれ以外に関しては上手くやっているはずだと信じているけどね。だけどやはり子供との時間がとれないのが一番辛いかな。でも誰かがやらなくちゃいけない仕事だ。そうだろ?」
~海岸通りにて不審車両を発見。対象は黒のセダン。最寄りのパトカーは急行してください。~
「そら来た、ご指名だよ。行くぞ。」
△ボタンを押してサイレンを鳴らし、アクセル代わりの×ボタンをぐいっと押し込む。
そして後部座席のつもりの背後をチラ見して「因果な商売さ。だけど誰かがやらなくちゃいけない。そうだろ?」
PSコントローラーを片手に、思わず警察ドキュメンタリー番組の登場警官になったつもりの一人芝居を始めてしまう、『World's Scariest Police Chases』は、そんなゲームだ。

元となった同名のテレビ番組は、「全米警察24時 コップス」をヒットさせたFoxテレビが同じ穴の狢を狙って送り出したドキュメンタリー。
「コップス」との違いはパトカー車載カメラやヘリからの空撮によるカーチェイスや犯人追跡に的を絞って構成されているところ。
そしてFoxテレビの同系列会社、Fox Interactiveによってゲーム化された本作は、一見マイアミ風の街中を自由に巡回し、"不審車両発見"の報で現場に急行しては、対象車両と車をがっつんがっつんぶつけあうカーチェイスを演じる、言わば箱庭版チェイスHQ。

メインとなるフリーパトロールで選べるパトカーは四台。
このうち、一番オーソドックスなノッチバックセダンタイプのパトカーは、性能が一番劣り不審車両にちぎられてしまう事もしばしばある。
だけどやはりここは高性能の覆面パトカーよりも、こちらを選択したいではないか。このゲーム中のオレは、「マイアミバイス」の二人組なんかじゃなくて普通の制服警官でありたいんだから。
いくらアクセルを踏み込んでも対象車両との差を詰められない場合は、なんだったら発砲もOKだ。
拳銃からショットガン、サブマシンガン、なんならロケットランチャーまでぶっ放すことだってできる。
だけどパトカーの不安定な挙動とアバウトなターゲットロックオン機能が災いして、対向して走ってきた罪のない一般車両をロケット弾が直撃してしまったなんて展開も頻繁に起こってしまうのが玉に瑕だが。

パトロールモードは巡回→不審車両発見→追跡をただひたすら繰り返すだけ。
だけど普段は交通法規を守って街中を流し、追跡モードに入ったらサイレンを鳴らしてアクセルを一気に踏み込む、この日常と非日常の連続が、メリハリが利いていて妙にクセになる。
このゲームをプレイすると、『GTA』などではプレイヤーを悩ませる邪魔者にしかすぎないパトカー警官にも、一人一人のドラマが存在することが認識できるのだ。
惜しむらくは視点のバリエーションが一つしか存在しないこと。特にドライバー視点の不在は残念。「コップス」気分を味わえる最良の視点なのに。
<北米版 / 日本のPS本体では動作しません>
この記事に含まれるtag : 武装カー
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2016/11/12 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
見下ろし型のオールドスクールなフィールド上で展開されるは、可愛いSDキャラたちのマチョイズム。
往年の名作『Cannon Fodder』リスペクトのチマチマ系全方位シューティング。
SD兵士たちを引き連れて臨むのは、半死半生の敵たちの可愛い断末魔が響き渡る非情な戦場。
このクルエルワールドにおいては、辺りをうろうろする民間人は単なる巻き添えの対象だ。まあ流れ弾でおっ死んでも、ペナルティスコアは微々たるもんだしな。

もっとも非情なのは自軍兵士も同等だ。
プレイヤーキャラとはいえしょせんは生身の兵士。地雷を踏んだり戦車砲の直撃を食えば、たちまちにキャノンフォッダー(砲弾の餌食)となりお陀仏だ。
ステージクリア後には蘇生のチャンスもあるが、それに必要なメダルに限りはあるし、それに一兵卒の代わりなんざいくらでもいる。
無事全ミッションをクリアして流れるスタッフロールの最後に踊るのは、無念の戦士を遂げた兵士たちの名前。
ありがとう。諸君の犠牲によってゲームのクリアはもたらされた。

手榴弾、バズーカ、空爆。Yボタンで要請できる各種物資は、手っ取り早いクリアを目指すなら不可欠な支援だ。
しかし時間が有り余っているのならそれらも必要はない。小銃でちまちまHPを削っていけば、戦車だろうがトーチカだろうが破壊できないことはない。
広めのマップにルート選択の戦略性……、は特にない。とにかく行き当たりばったり進んでいけば、なんとかなる。
一つのステージも短め。この極端なまでのテンポのよさは、いかにもモバイルゲーム畑の流儀。

盛り上がりが皆無の淡々とした流れは、オールドスクールって言葉で割り切るにはちょっとばかりツラいものがあるかもしれない。
それを補うかのように、Xbox One版のみに収録されているのは、押し寄せるゾンビの群れを撃退するホードモード。
もっともこれとて間延びした展開が思い切り足を引っ張って、作業感ばかりが先に立つ造りだが。

なにかとテーマやメッセージ性を付与しなければバツが悪い最近の戦争ゲーム風潮の真逆を行く、無邪気な無邪気な戦争讃歌。
突き進む兵士は消耗品。機数制限なんて野暮なSTG的縛りはない。後から後からいくらでも補充できる。
そしてオレがアバウトにコントローラースティックを倒している限り、兵士たちはどいつも勇敢で命知らずだ。
戦争ゲームが無邪気でいられた時代への郷愁混じりの回帰。それ以上でもなければそれ以下でもない。
ちまちま兵士たちのちまちまとした活躍に過度な期待は厳禁だ。
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2016/11/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |