- 【Lovers In A Dangerous Spacetime】危険宙域の恋人たち [2016/06/01]
- 【BraveKnight(ブレイブナイト)~リーヴェラント英雄伝~】 [2016/06/03]
- 【Foes of Ali】スポーツ史上もっとも偉大な男 [2016/06/05]
- 【BIT.TRIP Presents… Runner2 Future Legend of Rhythm Alien】 [2016/06/08]
- 【Pinball Arcade】Creature from the Black Lagoon [2016/06/10]
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大宇宙の危機に飛び立つのはショッキングピンクの丸型宇宙船。
見てくれは風俗店のネオンみたいだが、これでもバリアに四方向の砲台、波動砲のような超強力キャノンにナビゲート室を備えたハイテクスペースシップだ。
ただしこの宇宙船を作り上げたファンシーうさぎ博士、肝心なとこをハイテク化するのを忘れていた。
それはシステムの自動化。
おかげで乗組員は各部所を走り回って人力でそれぞれの部署に取り組まなければならない。
ところでこの全部で八ブロックある宇宙船、一体何人で運行するの? え、オレ一人!?
ファンシーなのは見かけだけ。その実態はかってのすき家なみのワンオペブラック運営。カナダからやって来た一風変わった全方位シューター『Lovers In A Dangerous Spacetime』。

しかし「もっと人手増やさないとやってけませんよ!」なんて抗議を送ったとしても、開発会社はきっと冷淡に受け流すだろう。
そのタイトルに表れているように、本作は元々ペアでのプレイを前提としたゲーム。
カウチに仲良く並んで腰掛け、コントローラをそれぞれ手に「あ、下、下! ちょっと下の砲台に回って!」「いやーん、たかし君、こっち手が放せなーい」などと、カップルであたふたするのが本来のプレイ方法なのだ。
件の抗議など、観覧車に一人で乗って「高いところに上がって降りてくるだけでちっとも面白くねえぞ! カネ返せコノヤロウ!」と猛り狂うくらい虚しい行いだろう。

だが哀れなぼっちにも救済策は残されている。
それはやはりけばけばしいネオンカラーで彩られた愛らしいスペースペットの存在だ。
このぼっち唯一の相棒は、Yボタンで部所を支持すれば、そこに忠実忠実しく駆けつけて任務をアバウトに遂行してくれる。
ああ、なんて頼りになる心の友。このスペースペットさえいれば、コントローラ片手に隣に座ってくれる彼女なんていらないさ。ああ、必要ないとも!

そう割りきっていられるのもほんの序盤のうちだけ。地形が複雑化し敵の攻撃が激しくなるにつれ、ペットに指示を出す余裕はなくなり、気づけば置物状態のペットを乗せてただ船の操縦にあくせくするだけになり。
贅沢は言いたくないけど、もうちょっと自立して動いてくんねえかなあ。
ペットはしょせんペットでした。ああ、もうちょっと機転の効く相方が欲しいよう!(できればバスト90以上のむっちり体型を希望)

テキストの語感やキャラクターデザインなどにジャパニーズファンシーテイスト、特に『塊魂』からの影響を強く感じるこのゲーム。
ただし単なる和風ファンシーの模倣に留まらなかったのは、そこにこれまたジャパニーズな盛り場ネオンの色彩感が混入しているから。
アバウトなマップを頼りに宇宙空間を任意方向に漂うという点で、個人的に共通感を覚えたのは懐かしのアーケードゲーム『ボスコニアン』。
その一方でゲームバランスにはかなりの難があるが、これはもうインディー系ゲームの宿痾みたいなもんだから仕方ない。
ロケット噴射口を360度動かして漂うのはネオンファンシーな宇宙。お供は従順で気の利かない宇宙ペット。それで物足りなければ何としてでも彼女を捜せ。
このけばけばしい宇宙の中なら、たとえいびつでキツいゲームバランスも、二人の仲を深めるきっかけになってくれるかもしれないさ。
この記事に含まれるtag : 宇宙
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2016/06/01 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
愛しのあのお方は自分より遙かに高い身分。しかし恋に上下の隔てなしというじゃないか。
その相手はこの国の第一王女様。バリバリの皇位継承者、もしものにできたら逆玉なんてレベルの話ではない。
当然そこに至るハードルはとてつもなく高く険しいが、しかし王女様の中の人が職業17才のあのお方とあっては、そりゃあ頑張らずにはおけないだろう。
このリーヴェラントは騎士によって興された国家。当然一番の立身出世を図れる道も騎士となる。
騎士としての地位も向上すれば、かけ離れた身分の差は越えられるかもしれない。
そう発奮する主人公の前に立ちはだかるのは、ゲーム開始からわずか2ヶ月間の間に立て続けに登場する15人の女の子なのであった。
おい、ずいぶん景気よく盛り過ぎの『ときめきメモリアル』だな!

強制イベントで次から次へとプレイヤーの前に現れる彼女らですが、大変ですよ先生! 顔がみんな同じです!
もう同一人物がヅラと衣装をとっかえひっかえしてプレイヤーの前に現れてるんじゃないかと疑うほど、ギャルゲーすれした人間にも判別が難しいキャラのオンパレードだ。
これで演じている声優が別じゃなかったら、客一人女の子一人の流行っていないイメクラにると錯覚しそうである。

その彼女たちの区別をつけるポイント、それは身分。
プレイヤーの身分がまた下っ端の見習い騎士である頃、親しげに接してくれてデートの誘いにも応じてくれるのは武器屋の娘や酒場のウェイトレスといった庶民の女の子たちだ。
『ときめきメモリアル』丸写しのシステム下で進行する、単調な騎士の修行と任務に明け暮れる毎日に、打算がなくあけっぴろげな彼女たちとの付きあいは、なんと心のオアシスに思えてくるだろうか。
王女様をものにするなんてバカみたいな夢を追うのもほどほどにして、この辺で妥協しておくのもいいかもしれない。どうせ顔はみんな一緒だしな。

そんな気の迷いも能力パラメータが上昇して騎士としてのステータスが上がるとカラリと晴れる。
おいおいおい、オレ様はもう昨日までの見習い騎士とは違うんだ。お前らみたいな下々の女が気安く口をきける身分じゃねえんだよ!
出世を果たしたオレに新たに秋波を送ってくるのは、教会のシスターや王女付きの侍女といった、氏素性のそれなりにはっきりした娘たちだ。
単調な騎士の修行と任務に明け暮れる毎日に、家庭的な彼女たちとの付きあいは、なんと心のオアシスに思えてくるだろうか。
王女様をものにするなんてバカみたいな夢を追うのもほどほどにして、この辺で妥協しておくのもいいかもしれない。どうせ顔はみんな一緒だしな。

そんな気の迷いも騎士としてのステータスが再び上昇するとカラリと晴れる。
おいおいおい、オレ様はもう昨日までの下っぱ騎士とは違うんだ。お前らみたいな平民出身が気安く口をきける身分じゃねえんだよ!
騎士として頼もしさを増したオレに、昨日と打って変わって親しげに接してくるのは同僚の女騎士たちだ。
単調な騎士の修行と任務に明け暮れる毎日に、共に志を同じくする彼女たちとの付きあいは、なんと心のオアシスに思えてくるだろうか。
王女様をものにするなんてバカみたいな夢を追うのもほどほどにして、この辺で妥協しておくのもいいかもしれない。どうせ顔はみんな一緒だしな。

そんな気の迷いも騎士としてのステータスがさらに上がるとカラリと晴れる。
おいおいおい、オレ様はもう昨日までの一般騎士とは違うんだ。お前らみたいな汗臭い鎧を着込んだ奴らが気安く口をきける身分じゃねえんだよ!
開始からゲーム内時間で2年、ようやく王族子女をデートに誘える身分に達しました。長えよ!
ここで新たに立ちふさがるのは貴族のご令嬢たち。あー、もうなんかこの辺で手を打っておいても、みんなよく頑張ったって言ってくれるかもしれない。どうせ顔はみんな同じだしな!

藤崎詩織と虹野沙希は均等な高校の同学年だが、その二人の間に身分の違いがあったら当然対応は変わってくる。
『ときめきメモリアル』をそのまま中世ファンタジーの階級社会にコンバートしたら、見かけとは裏腹のとことん打算に満ちた世界に早変わり。
元はドリームキャストで発売予定が、セガのハード撤退の煽りを食って立ち上げ間もないXboxにプラットフォームを移した作品。
恋に上下の隔てなし? 誰だ、そんな寝ぼけたことを言ってんのは。あるに決まってんだろ!
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2016/06/03 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ヘンリー・クーパーはオーデコロンの匂いをプンプンさせた、気取ったイギリス人だった。
こいつと最初に闘ったのは、まだオレが奴隷の名前だった時だ。そういやこいつは後に貴族かなんかになったんだっけ?
ソニー・リストンは危険極まりない男。でもあの頃はオレも何もかもが絶頂だった。
ファイトスタイルから弁舌まで、モハメド・アリのスタイルは奴との一連の闘いで磨き上げられたといってもいい。
そしてオレの伝説も。ボックスを飾る野蛮なまでに官能的なスナップ、これはリストンとの試合で撮られたものだ。
ここまで芸術的なスナップを残せる被写体なんて、古今東西のスポーツ界を探してみてもオレ様しかいやしない。

トニー・シュバロ? ああ、あのマフィアの使いっ走りみたいな顔をしたカナダ人か。
恐ろしいまでにタフな野郎だったな。洗濯女なんて呼んで悪かった。
スモーキン・ジョー・フレージャー。認めるよ。オレのボクシング人生における最大のライバルだ。
あいつとの試合は毎回とんでもなくしんどい思いをさせられた。それは向こうも同じだろうけどな。
ジミー・エリスは同郷で気のいい男だ。オレのスパーリングパートナーでもあった。でもリングの上で相対するとしたら話は別だ。
ボブ・フォスター、こいつもテリブルだったな。でもやはりライトヘビーの選手だ。

ケン・ノートンはやっかい極まりない野郎だった。奴には手こずらされたが、でもオレという太陽と向かい合えたことは、奴のキャリアに輝きをもたらしたはずだ。
チャック・ウェップナーはその典型だな。オレはきらめく光だ。影にいる奴を照らしだす。おめでとうチャック、人生の一発逆転だ。お前は試合には負けたが、その名を歴史に刻み込めたんだ。
そしてレオン・スピンクスか。消耗しきったキャリア最終盤だ。並の奴なら晩節を汚して終わるとこだが、あいにくオレ様はザ・グレーテストだ。二度目にはきっちりと借りを返した。返り咲いたのさ。
フォアマンがここにいないのは何故だ? ああ、そうか。ジョージはこの頃カムバックを果たしていて、現役の最前線でバリバリやってる真っ最中だったっけな。

オレは常に革命をもたらしてきた。ボクシングだけじゃない、リングの外のことまでだ。
プロスポーツマンとしての立ち居振る舞いに始まり、ポリティカルなことからカルチャーに至るまで。ヒップホップはオレの孫みたいなものだ。
ゲームでもそうだ。ボクシングゲームに2Dから3Dへの革新をもたらした先駆けの一つが、オレ様の偉大なキャリアを追体験できる、この『Foes of Ali』だ。
3Dポリゴンで構成され、いつでもアングル切り替え可能なそのスタイルは、後に多くの奴らが追従した。
でもみんなオレのコピーだ。同じEAの『ノックアウトキング』や『ファイトナイト』シリーズも、要はオレに対するラリー・ホームズみたいなものさ。

もっともゲームの技術進化は、ボクシングのそれよりもはるかに速くて激しい。
この『Foes of Ali』も、当時の技術的限界で、いたらない部分も細々とある(蝶のように舞い蜂のように刺すってのは、なるべく脳内で補ってくれ)。
でもここまでオレを徹底的にフィーチャーしたゲームも他にはない。美しいボックスアートを皮切りに、すべてがオレ尽くしだ。これを遊べばどんなボンクラ野郎でも、このようにアリになったような気分になれる。
この手の個人名版権ボクシングゲームは、たいていが当の本人以外はみんな架空キャラでお茶を濁すのが相場だが、『Foes of Ali』はそうじゃない。
オレと闘うことで歴史に名を残せた奴らがズラリ9人実名で登場。連中もモハメド・アリの対戦相手となれたことの重みを承知している証しなのさ。
<日本国内版未発売>
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2016/06/05 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
コマンダービデオはピクセルドットの2Dゲームヒーロー。簡素なナリをしているが、これでもキャラは立ちまくったやつだ。
ピクセルドットで表現されたゲームは世に数多いが、上っ面だけの表現に留まっていたり、貧弱な中身をレトロゲーム風の見た目でごまかしているモノも少なくはない。
そんな"なんちゃってピクセル"なゲームが氾濫する中にあって、コマンダービデオが主役を務めた一連の『BIT.TRIP』作品は、走る、ジャンプする、申し訳程度のアタック。シンプルな行動の中に、2Dアクションゲームの真髄をたっぷりと凝縮したシリーズだった。

そんな虚飾を否定したアクションゲームのアイコンが、ほんのちょっぴりゴージャスになって帰ってきた。
だけど変わったのは見た目だけ。そのプリミティブで中毒性の高いスタイルはちっとも変わっちゃいない。
ベースとなったのはオートランゲームの傑作『BIT.TRIP RUNNER リズム星人の激走』。
いったんスタートを切ったら、ゴールラインを超えるまで止まれない。
道中の障害物をシンプルなボタン押しでひょいひょいひょいと乗り越えていけば、発動するアクションはいつの間にかクセになるBGMと一体化して得も言われぬグルーブを生み出す。

ランゲームの秀作には、この手のステージの構成やギミックが、音ゲーにおける譜面の役割を果たしているような作品が多いが、中でも『RUNNER』のそれは群を抜いて心地よく中毒性が高い。
ピクセルドットのガワを脱ぎ捨てたこの続編『BIT.TRIP Presents... Runner2: Future Legend of Rhythm Alien』も、その魅力を余さずきっちりと継承。
今回画面右にひたすら走るのは、お馴染みのビデオコマンダーとその相方ビデオコマンドガールの他に、新たに加わった4人の仲間たち。
彼らが披露するジャンプやスライディング、トランポリン飛翔などの各アクションは、手堅いビートを刻み続けるリズム隊(オートラン)に合いの手を入れるパーカッション的な役割。
それらを駆使してステージを走りぬけば、その様はただちに極上の楽曲へと変貌する。、

駆け抜けるステージは、いずれもが所要時間数十秒。途中でミスしたら容赦なく引き戻される相変わらずの仕様だが、そのミスからリスタートのパターンも実にリズミカルで、それすらも楽曲の一部であるかのようだ。
初見殺しは本来プレイヤーの神経を逆なでするゲームデザインだが、この『Runner2』はそれすらも軽快なテンポの一部分に昇華させて、逆にプレイヤーを思わずニヤリとさせてくれる。
それに本作からはステージ中途のチェックポイントも用意されて、難度もある程度カジュアルになっている。

もう一つ本作から加わったRBボタンで発動するダンスアクションは、このオートランゲームの皮を被った楽曲演奏に、プレイヤー任意のアドリブを許してくれる新要素。
人を食った幕間寸劇を挟み込みながら、リズム星人たちはステージからステージをリズミカルに駆け抜ける。
その抜群のテンポのよさは、ステージセレクト画面でちょっと逡巡したり中断を選んだりするのも憚れるほどだ。
ステージ毎のイントロダクションはラモーンズばりのワンツスリーフォーカウント。
短いステージを畳み掛けるように繋いでいく構成も、やはりラモーンズのノンストップステージをどことなく思わせる。
この問答無用なマンネリ天国は、単調なんて評価を一切撥ねつけるぜ。イッツアライブ!
<Xbox One互換タイトル>
この記事に含まれるtag : XBLA
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2016/06/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |そのドライブインシアターが、全長130センチほどのささやかな箱の中で、色鮮やかに甦る。
時は1950年代末期のアメリカ。夜のドライブインシアターでスクリーンを彩るのは、ユニバーサルの怪奇映画「大アマゾンの半魚人」のリバイバル上映。
渋滞するクルマや夜の銀幕に蠢く半魚人をよそに、暴漢を怖れることなく車内でいちゃいちゃできるのは、ここだから許される若者の特権だ。

そんな夜に賑やかに色を添えるのは、"Rock Around the Clock"や"Willie and the Hand Jive"などの50年代ヒットチューン(この『Pinball Arcade』版は、"Get a Job"など一部の曲が省かれている)。
Bally社が1992年に放った『Creature from the Black Lagoon』は、古き時代のポップカルチャーを、極彩色のまま切り出した傑作ピンボール。
カラフルで猥雑な色使い。盤面にホログラム風味に浮かぶ半魚人の姿は、まるで澱んだ水の中に蠢くかのよう。

そしてマルチボールが始まると、ユニバーサルピクチャーズプレゼンツのテロップの元に、映画に負けないくらいスリリングな物語が幕を開けることとなる。
入り口で混雑するクルマ、実る恋、若者たちの狂騒にはお構いなしにスクリーンに投影され続ける「大アマゾンの半魚人」。
そして持ち玉をすべて落としてしまっても、余韻はまだまだ続く。ゲームオーバー時に流れるのは、本日のプログラムの終了を告げる"蛍の光"的な役割のセンチメンタルバラード、ファイブ・サテンズの"To the Aisle"。
50年代ミュージックとレトロで猥雑なビジュアル、そしてピンボールの楽しさが絶妙なアンサンブルを奏でる『Creature from the Black Lagoon』は、最高にオススメのテーブルだ。
この記事に含まれるtag : ピンボール
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2016/06/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |