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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【SIMPLE DSシリーズ Vol.34 THE 歯医者さん】

   ↑  2016/03/02 (水)  カテゴリー: ニンテンドーDS
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「先生、我がたけのこ歯科クリニックの評判は右肩下がりになる一方です。このままではいずれ経営が立ち行かなくなってしまいます。今日はその原因をみっちりミーティングしていきましょう」
心あたりがあるとすれば、待合室に貼ってある"歯をきちんと磨きましょう"ってポスターだなぁ。あんなの啓蒙するって、いわば武器商人が反戦運動やってるようなもんでしょ? あれはいけませんよ。
「先生、マジメにやってください」
マジメにやってるつもりなんだけどなぁ……。君、そんな怖い顔するなよ。
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「では私のほうから問題点をいくつか述べさせていただきます」
はい。
「まずですね先生、患者さんの健康な歯を削るのはやめましょうよ」
だってさぁ、エキスプローラーパートで、うっかり治療対象じゃない歯を選んじゃうと、もう後戻りできないんだぜ!? 君もさぁ、『ええええ~!?』なんて驚いてないで、『先生、その歯じゃありません!』って身を挺して止めろよ、そういう時は!
「だからって無意味に歯を削る事はないでしょう!?」
だって『歯を間違えました。今日の診療はここまで! お帰り下さい』って言うのは気が引けるじゃん。そんな場合でも治療費しっかり取るんだし。だったらなんかしておいた方が、患者さんも納得するかなぁ……、と。
「健康な歯を削られる方がよっぽど大迷惑ですよ!」
そうかなあ?
「当たり前でしょ!」
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「それと先生が頻繁に繰り返すミスなんですけどね……」
はい。
「麻酔をかけずに歯を抜くのはやめましょうよ」
……いっつも忘れちゃうんだよなぁ、あれ。
「今に訴えられますよ!」
だけどさぁ、患者も危機意識に欠けてるよな。痛い思いをするのは自分なんだからさ、抜く前に麻酔かけたかどうかは患者の方でちゃんと確認して申告しろよ。だってオレの体じゃないもん! 麻酔効いてるかどうかなんて分かんないもん!
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それをさぁ、歯を抜いてる間はガマンして、終わった後に『恨みます』なんて憎々しげに言われてもなぁ……。ガマンするなよ! 抜きかけたそのときに『おい、待て!』ってちゃんと言えよ!
「…………」
君も君だよ。横で黙って見てないで止めろよ、そういうときは!
「……歯科医が適切な治療をしないときの身を挺した止め方なんて、わたし歯科技工士の専門学校で習った覚えありません」
開業する前は双葉理保の口の中をいじくり回せるゲームと聞いてわくわくしていたんだけどなぁ。それがまさか映画「マラソンマン」の拷問士みたいなことをさせられるとは……。
「丁寧で適切な治療を施していれば、双葉理保さんだって来院するし「マラソンマン」もやる必要ないんですってば!」
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とは言うけど、あんまり慎重すぎても今度は手際のよさにマイナスポイントがつくしなぁ。参ったな、オレって不器用だったんだ。元々歯医者に向いてなかったかもな。まぁでも、このゲームに限って言えば、歯医者業務ってなかなか楽しくもあるんだけどな。
「スマホのアプリにも類似のものはたくさんありますけど、これは治療器具に見立てたタッチペン操作に特化しているのがいいですよね」
全体に作りが生真面目すぎるのが、ちょっと気になるところかな。まぁ医療行為は、たとえバーチャルであってもあまり茶化さないほうがいいってことかもしれないけど。オレももうちょっとマジメに頑張ってみるか。
「そうですよ先生、日本一の歯科医を目指して頑張りましょう!」
おう! そのためには君も横で麻酔をちゃんとかけたかどうかチェックを絶対忘れるなよ!

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2016/03/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【マカロニほうれん荘インタラクティブ】名作の陵辱

   ↑  2016/03/04 (金)  カテゴリー: 3DO
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変革はその時代のテンポを明らかに超越した、オーパーツ的なスピード感を持つ作品やメディアによってもたらされる。
プロレスにおいては80年代のタイガーマスクがそうだ。
その一種狂気的な躍動感とスピードに包まれたタイガーの試合は、それまでのプロレスのトラディショナルを感じさせない、まるで異次元からの来訪者のようであった。
しかしあまりにも時代を超えたスピードは、当人にもそれをはらむ運動体にも歪を生じさせる。
タイガーマスクは鮮烈な輝きと変革を残すだけ残して、アッという間に本人ともどもプロレス界からフェードアウトしてしまった。
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1977年、ロック界ではトラディショナルを打ち破る変革の嵐、パンクロックの旋風が吹き荒れていた頃に、「マカロニほうれん荘」は登場した。
それはやはりオーパーツという言葉でなければ説明がつかないくらい、時代をあまりにも先駆しすぎた狂気の疾走感で構成されたギャグ漫画であった。
だがそのハイテンションな輝きは作者をまたたく間に消耗させる。
誰もがタダ事で無さを感じた末期の変貌ぶりを経てなし崩し的に連載が終了すると、その後の作品は低調をきわめ、やがて作者の鴨川つばめは"消えたマンガ家"の代表例になってしまった。
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そしてこの3DOソフト『マカロニほうれん荘インタラクティブ』は、鴨川つばめが文字通り身を削って残したギャグマンガの金字塔とは、なんの関係もない。
スリーブにある「制作は高城剛率いるフューチャー・パイレーツ」「声の出演にあの吉本興業による豪華キャスト」「音楽は'93年グラミー賞のアレステッド・ディベロップメント」(マカロニに関わりのある音楽と言ったら、普通は70年代ハードロックだろう)の文字が、両作品の関わりのなさをハッキリと物語っている。
一応きんどーさんやトシちゃんなど、マカロニの登場人物に酷似したCGキャラが出ずっぱりではある。
しかしその声のキャストは、きんどーさん役は今くるよ、トシちゃん役はチャーリー浜。………極めて大雑把な見た目だけで声のキャスティングをするのは、止めていただけないだろうか。
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その他のキャストはというと、そうじ=清水圭(はぁ?)、かおりさん=ハイヒールりんご(……)、八千草先生=未知やすえ(あの可憐な八千草先生と「お前の頭スコーンと割ってストローで脳みそちゅうちゅう吸うたろけ!」のどこがリンクするのだろうか?)、ルミたん=小高紀子(これはまぁ悪くないような)、後藤熊夫=おかゆうた(だから大雑把な見た目だけでキャスティングするなと何度言わせる!)、ティディーボーイ団=ぜんじろう&ナインティナイン(この頃のナイナイっていいように使われてるなぁ)。
関西弁を隠そうともしないキャストたち、若々しさのかけらもない清水圭のそうじ、そして「いずこへ?」「……じゃ、あーりませんか」と、通常営業を臆面もなくかますチャーリー浜のトシちゃん。
原作レイプという言葉ではとても追いつかない目を背けたくなるような光景が、そこには広がっているだろう。
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CGキャラを申し訳程度にぎこちなく動かして、それをインタラクティブムービーだとうそぶくのはフューチャー・パイレーツの毎度の手口。
その手法がもたらすもたもたギクシャクとしたCG寸劇で、原作のあのリズミカルに畳み掛けるようなギャグの洪水を再現できるわけもなし。
フューチャー・パイレーツによるすっとこCG寸劇、素を隠そうともしない吉本芸人、間が悪く挿入されるアレステッド・ディベロップメントの三重奏を前に、原作を知る者も知らない者も、ただ言葉を失うばかりであろう。
原作者が隠棲しちゃっているのをいいことに、フューチャー・パイレーツは『チキチキマシン猛レース』や『モンタナ・ジョーンズ』を超える、やりたい放題の陵辱を働いたのであった。

この記事に含まれるtag : キャラゲー アドベンチャーゲーム 

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2016/03/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Ingress】ローソンパワーキューブ

   ↑  2016/03/06 (日)  カテゴリー: Android
今までにイングレスには2つの企業タイアップアイテムが導入されてきた。
フランスの損保会社の名を借りた最堅固の防御MOD、AXAシールドと、ポータルからのリンク距離とリンク本数を増大させるソフトバンクリンクアンプだ。
AXAシールドはそれなりに重宝されているものの、ソフトバンクリンクアンプに至っては、やはりというか"禿"呼ばわりされ、事実上ゴミのような扱いを受けている。
AXAシールドにしたって最終的には気休め程度の効力しか持たないし(それはそれで保険らしいが)、これらのタイアップアイテム、提携先にイメージ向上のメリットがあるのかは、ちょっと疑問なところだ。

そんなタイアップに新たに加わったのは、コンビニエンスストアのローソン。
全国の店舗のポータル化やパスコード付きのMACHIcafeカードなど、イングレスとは既に様々なコラボレーションを行っているローソンだが、それがついにアイテムの分野にも及ぶこととなった。
その名もローソンパワーキューブ(Lawson Power Cube)。
イングレスエージェントの活動の源となるXMを補給するパワーキューブ、その上位系のアイテムだ。
実装からしばらくの間は、これがローソンのポータルからしかドロップしないという縛りがついた。
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いずれ他のポータルからも出現し嫌というほど手に入るのだから、焦る必要はない。
だがイングレスというのは直接的な人のつながりが多くのウェイトを占めるゲームだ。
同じ青の仲間に「ローソンキューブ、まだ手に入れてないんですか? ほら、これですよ、これ。あげませんけどね」などと、誇らしげにスキャナーを見せられては、穏やかではいられなくなってくる。

ラッセルヨーヨーのスプライト、6輪タイレルのラジコン、リックドムのプラモ、PC-8801やFM7。ガキの頃、手の届かなかったガジェットを友だちにこれみよがしに見せつけられて屈辱に震えた思い出が、走馬灯のように蘇ってくる。
リックドムのプラモは、おもちゃ屋のオヤジの肩を揉んだり使いっ走りまでして、入荷した時にキープしてくれるように頼んだ。
しかしオヤジはそのわずかな入荷分のリックドムを倍額出せるガキどもに売り払ってしまい、パシリの屈辱に甘んじたオレによこしたのは、クソ不細工なジグ・マックのプラモだった。
たとえオレがガンジーに生まれ変わったとしても、あのオヤジだけは八つ裂きにしても飽きたらねえ、チクショウ!

つい興奮して脱線してしまったが、とにかく今はローソンキューブだ。
一刻も早く手に入れて、オレもまだ持ってない仲間に、「え、出てないの? これだよ、これ」と、いやみったらしく見せびらかしたい。
さっそくオレは近所のローソンに向かった。まだオレしかレゾを挿していないレベル5のポータルだが、そんなことお構いなしにベリーレアのヒートシンクとマルチハックをぶち込む。
補給仕様にしてとにかくハックしまくれば、いくらドロップ確率が低いとはいえ、そのうち出てくるだろ。
そのローソンで買ったコッペパンをむさぼり食いながら、オレはひたすらグリフハックを続けた。
出ない、出ない、出ない、ぜんぜん出ない、要りもしないX5バースターやレゾネーターだけが、がんがん溜まりまくる。出ない、出ない、ちっとも出ない、ポータルバーンアウト、しゅーりょー。

頭に血が登ったオレはいったん家に帰ってクルマに乗り換え、ちょっと離れたところにある別のローソンに向かった。
今度はクルマの中で、気を落ち着けながらのんびりとハックしよう。
そのローソンで買ったおにぎりをむさぼり食いながら、オレはひたすらハックを続けた。
出ない、出ない、出ない、ぜんぜん出ない、要りもしないX5バースターやレゾネーターだけが、がんがん溜まりまくる。出ない、出ない、ちっとも出ない、ポータルバーンアウト、しゅーりょー。
バーンアウトと同時にクルマを出す。めざすは別のローソンだ。もう気分はイングレスエージェントではなく、パチ屋で引っ込みがつかなくなった客のそれだ。
しかしそこでも出ない、出ない、ぜんぜん出ない。別のローソン、出ない、出ない、ちっとも出ない。

そのたびにローソンで菓子パンやらドーナツやらを買い食いして、売上に貢献してやってるのに、肝心のキューブはまったく姿を見せない。高まるのは糖尿の危険性だけだ。
しかしこればっかりは「出ねえぞコノヤロウ!」と、ローソンのバイト店員に食って掛かるわけにもいかない。警察を呼ばれるのがオチだ。
次のローソン、そのまた次のローソン、気づけば隣の隣の市まで来てしまった。しかしここで引き下がるわけにはいかない。
「ほら、これですよ、これ」。仲間のエージェントの自慢気な声がリフレインする中で、オレはひたすらハックを続けた。気づけば夜が白々と明けてきた。
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身も心もボロボロとなって、べそをかきながらハンドルを握り、オレは家路についた。
イングレスをやってこんなみじめな思いをしたのは初めてた。緑10人がかりでボコボコにされたときだって、ここまで情けない気持ちにはならなかった。
もういい、寝て忘れてしまおう。元々パワーキューブなんて余りがちだったじゃないか。ローソンキューブなんてオレには必要のないものだ。
そう言い聞かせてムリヤリ床に就いた翌日、ソジャーナ消化のために家の近所でアバウトにノーマルハックしたら、ローソンキューブがポロッとドロップした。どうやら今日から全面解禁されたらしい。
念願のローソンキューブ初ゲット。スキャナーの中でくるくる回転するローソンロゴのキューブを前に、オレはただただ虚しい気分にとらわれるのであった。

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2016/03/06 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Raze's Hell】可愛い奴やつらは皆殺し

   ↑  2016/03/08 (火)  カテゴリー: XBOX
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ある星にキューレッツという、それはそれは大変可愛らしい種族が住んでおりました。
キューレッツは高い塀で囲まれた土地にキュートピアと呼ばれる都市を作り、そこで可愛らしい文化に囲まれて平和に暮らしておりました。
ある日、キュートピアのプリンセスがこんなお触れを出したところから物語は始まります。
「可愛い私たちの可愛いライフスタイルと文化を、この壁を越えて可愛い私たち以外の生きものにも広く啓蒙しなければならないと思うの」
早い話が植民地政策です。キューレッツの軍隊はさっそく壁を越えて外界に侵出しましたが、そこで目にしたのはキューレッツにとって想像を超える野蛮な文明でした。
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キューレッツの軍隊は浄化作戦を開始します。
近代武器で武装したキューレッツの前に武器を持たない原住民たち(ここでは仮に彼らをローカルズと呼ぶことにいたします)は、次々と虐殺……、いえ、浄化されていきました。
「おい、そこの臭いの、どこ行くつもりだよ~」「逃げたって無駄だよ~」
声まで可愛いキューレッツの追っ手を避け、命からがら洞窟に逃げ込んだのは、レイズという名のローカルズの若者。
そこでシルヴという邪悪そうな外見の生きものと出遭ったレイズは、彼の導きで神秘的な力を手に入れます。
神秘の力で武装したレイズ。ローカルズは平和を愛する温厚な生きものですが、ここまで無慈悲に仲間を虐殺されたとあっては、いかに心優しいレイズといえど黙っていられる訳はありません。
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「うわわわわ、なんでこんな汚くて臭い奴が、一人前に反撃してくるんだよぉぉ!?」
手始めに追っ手のキューレットをミンチに加工したレイズ。減った体力は飛び散ったキューレットの肉片を吸収して回復です。敵の肉を食らうとはまさにこのことですね。
さあ復讐の始まりです。こうして可愛いキューレッツを蜂の巣にして切り刻んでぐっちゃぐちゃの肉塊に変えまくる、ファンシーでゴアゴアなレイズの戦いは火蓋を切られたのです。
レイズのメイン武器リッパーは、アサルトライフルに相当するような武器。殺傷能力が低いのが玉に瑕ですが、逆にこのリッパーに蜂の巣にされて、声にならぬ声を上げながら痙攣するキューレットの様子をじっくり見物できるというメリットもあります。あんまりあっさり殺しちゃ物足りないですもんね。
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さぞや楽しい殺戮ショーが続くと思われそうなレイズの道中ですが、忘れてはいけません、キューレッツが悪辣で狡猾で、見かけによらずやたらとタフネスな生きものだと言う事を。
キューレッツの正確無比な射撃に対して、レイズは見かけほど打たれ強くはないときています。
見てくれとは裏腹に、尋常ではない難易度を誇る本作。そう、『Raze's Hell』とはキューレッツにとってだけではなく、プレイヤーにとっても地獄なのです。
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レイズの道中に立ち塞がるキューレッツ軍の兵科は、実に多種済済。
一番数の多い一般兵、キューレットガンナーズは、レトロカメラにそっくりな銃器を携帯し、レイズの銃火を側転で避けたりするお茶目な奴ら。
虹色の光と共にテレポートで出現するキューティネーターは、体を半機械化したエリート兵。その打たれ強さは半端ではありません。
そしてパラシュートの替わりにハート型の風船に掴まって降下してくるキューレット空挺部隊。風船を撃ち抜いてやれば、可愛い悲鳴をあげながら地面に激突。
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その愛らしい外見とは裏腹にプレイヤーを恐怖に陥れるのが、爆弾のスペシャリストのくまさんたちです。
爆弾くまさんは、その大柄な体で榴弾砲を軽々持ち歩き、レイズの姿を見るや否やぶっ放してくるし、それ以上に怖ろしいのは、爆弾を腰に巻きつけ「む~!」と可愛い絶叫をあげながら突進してくる特攻くまさんです。
キューレットの狙撃兵は、ヘルメットに木の枝や草の替わりにお花を挿してカモフラージュ。
一番凶悪なのはガスグレネード兵とペイントボール兵。こいつらは直接攻撃力は持たないけれど、ガスグレネード兵は笑気ガスでプレイヤーのコントローラ入力をめちゃくちゃに変換してしまうし、ペイントボール兵は、画面いっぱいにペンキの飛沫を飛び散らせてプレイヤーの視界を塞いできます。
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これら一筋縄ではいかない連中に、さらに可愛い戦車、可愛いヘリコプター、可愛い野戦砲、可愛いタレットといった兵器が加わってくるのです。
その試練と言うにはあまりにも厳しすぎる凶悪難易度を乗り越えて、終盤レイズが足を踏み入れるのがキュートピアの本国。
無抵抗に逃げまわる可愛らしい一般市民を前に、レイズがどんな態度をとるのかはプレイヤー次第。
その贅沢なボリュームとキュートでエクストリームな設定、そして鬼のような難易度の前に、「あれ? これって実はTPSとしての根幹の部分は、案外凡庸な出来なんじゃないかな?」なんて事実はついつい忘れがちになってしまう、2005年発売の一作です。

<海外版>

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2016/03/08 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Alan Wake's American Nightmare】螺旋世界のアラン

   ↑  2016/03/10 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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操作やゲームシステム、設定や世界観への慣れと習熟は、未知なるもの、異型のもの、不慣れな事象に対する恐怖を減衰させてしまう。ホラー系のシリーズゲームが抱える宿痾だ。
『バイオハザード』に『サイレントヒル』、数多のシリーズが作を重ねるごとに、恐怖感の喪失という問題にぶち当たってきた。
ましてや主人公が変わらないのであればなおさらだ。
XBLAでリリースされた『Alan Wake's American Nightmare』は、2010年のホラー大作『Alan Wake』のスピンアウト的続編。
当然その主人公も、前作と同じく職業作家アラン・ウェイクさんだ。
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冒頭、唐突に始まる闇に獲りこまれた者たちとの戦闘。
闇の者は光を恐れる。懐中電灯の光で闇の衣を引き剥がして攻撃。そんな流れも前作をプレイした人間なら、もはや恐怖を伴わないルーチンワークとなっているかもしれない。
それを知ってか知らずか、アランさんはこの降って湧いたシチュエーションを、「ああ、またこれね」と、開き直って受け入れるのであった。
だってどうせ諸悪の根源は、またオレが綴った原稿っぽいし。ああ、もう創作者に心休まる時なんてないってえの。
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傍迷惑な創作者さまのエゴと妄言、そこから生まれるダーケストジャーニーに付き合わされる新たな舞台はアリゾナの片田舎。
そして今回、アランさんの前に立ち塞がるのは、闇の使者ミスター・スクラッチ。ひっかき傷の憎い奴。
姿かたちもアランさんと瓜二つなこいつは、要はアランさんのもう一つの人格みたいなものだ。
前作でアランさんの鼻持ちならないヤッピーぶりを、さんざん目の当たりにしているこちらからすれば、このミスター・スクラッチのサイコパスな振る舞いも、ちっとも不思議じゃない。
アラン、もう一人のお前だ。自己責任できっちりけりを付けろ。今回も全くプレイヤーから同情されないアランさんだが、それは自業自得ってやつだ。
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戦闘パートのマンネリ化を、アラン自ら「これはお約束みたいなもんだから」と開き直って受け流す。
それにモダン・ホラーとしての『Alan Wake』の真骨頂は、その物語構成にある。
じれったいテンポで展開した前作から一変、今度のそれはハイスパートの螺旋構造だ。
モーテル、油井、観測所、ドライブインシアター。ループする舞台で何度も出会うこととなる、お馴染みの人物にてお馴染みの死体。何度も何度もお騒がせしてすいませんね、また鍵を貰って行きますね。あ、それから成仏してください。
手順だってループする。バッテリーを装着して、バルブを回して、CDをかける。この流れは頭に叩き込んでおいて損はない。
なんでこんな回りくどいことを、毎回いちいちやらなきゃならないかって? 原稿に書いてあるからだよ! あ、それから忘れちゃいけない。CDをかけたら、後は全速力で走れ!
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循環する時系列にアランさんも他の登場人物も、みんな妙に物分りが早い。そのうち状況説明だって省かれるし手順だってショートカットされる。
ご都合主義? 小説世界の中でその指摘は、カラスに「お前は黒い!」って言っているようなものだ。
創作者アラン・ウェイクは万能の神。この世界はアランさんのご都合次第でどうにでもなる。
そして起承転、起承転で延々と続く時間に結をつけるために、懐中電灯片手にアランさんは螺旋の中をぐるぐると巡る。
そしてこの慣れと習熟を逆手に取った不思議な螺旋の物語に終止符を打ったとしても、アランさんに心休まる日は来ない。
「ナイトスプリングス」は一話完結の連続ドラマ。今回のことがまるでなかったかのように、次にはまた新しい悪夢の世界に投げ込まれるのかもしれないのだから。

<Xbox One互換対応ソフト>

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2016/03/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |