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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【みちのく秘湯恋物語 Kai】恋とこいこいのみちのく路

   ↑  2012/05/02 (水)  カテゴリー: PS1
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誰の行いが悪かったのかは知りませんが、あいにくと全国的な雨模様になってしまった大型連休中日。
しかし私の気分の方は、決して雨模様というわけではありません。
何せ、この初夏の東北路を巡る私の傍らには、現地で捉まえたJKがぴったりと寄り添っているのです。
JKと 楽しいみちのく ふたり旅 (芭蕉)。
だけど、私の心が決して日本晴れな気分にまで至らないのは、二人の間に何故か無粋に広げられた花札にその理由があるのでした。
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「朱鷺子さん、ここが奥州藤原三代が栄華を極めた金色堂だよ」
「まぁ、綺麗!」
「じゃあ、こんなとこで何だけど、さっそく花札で勝負だ!」
「はいっ!」
「朱鷺子さん、ここが義経終焉の地、衣川だよ」
「まぁ、ロマンチック!」
「じゃあ、こんなとこで何だけど、さっそく花札で勝負だ!」
「はいっ!」
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芭蕉が思わず句を詠んだ歴史情緒溢れる地で、風光明媚な景色を進む川下りの船の中で、時と場所を全く選ばず花札を広げこいこいに興じる迷惑二人組。
私がもし猊鼻渓川下りの船頭だったら、自分の船の中で景色そっちのけでこいこい勝負にうつつを抜かすこいつらを、問答無用で川の中に叩き込んでいるところです。
ギャルと旅情と花札。まるで落語の三題噺のような取り合わせを、無理矢理ゲームに仕上げたフォグの実質的デビュー作、『美少女花札紀行 みちのく秘湯恋物語』。
続いてお色気度をちょっとアップしたサターン版『美少女花札紀行みちのく秘湯恋物語スペシャル』と、プレステ版オリジナルの内容をマイナーチェンジした『みちのく秘湯恋物語 Kai』が登場しました。
現在、ゲームアーカイブスで入手することができるのは、この『みちのく秘湯恋物語 Kai』です。
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のちに『風雨来記』(このタイトルを初めて耳にしたとき、てっきり忍者もののゲームだと思い込んでしまいました。だっていかにも風太郎忍法帖に出てくる忍者の名前みたいじゃん!)で、旅情ギャルアドベンチャーというジャンルを確立させたフォグでしたが、この『みちのく秘湯恋物語 Kai』は、そのプロトタイプとも言える作品。
しかし、メインディッシュとも言える、情緒豊かなみちのく路の旅も、執拗に差し挟まれる理不尽な花札勝負(花見酒なんて役に代表されるように、こいこいはバランスが極端に悪く、理不尽さが常に先に立ってしまうゲームです)や、ほとんどギャグの域にまで達した、借金を抱える薄幸の美少女と、典型的にも程がある脂ぎった金貸し屋の絡みに、完全に食われ気味で、プロトタイプならではの未成熟さも露呈しているのでした。
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だけど、そんなギャグ一歩手前のメインストーリーが、このゲームの魅力の一つとなってしまっているのもまた事実で、中でも金貸しの手先となり、スワンボート特攻、仲居変装など、あまりにもトリッキーなちょっかいを仕掛けてくる冴子さん(本作の裏ヒロイン)の登場パートは、この旅の真のハイライトと要っても過言ではありません。
この人を前にすると、JKなのにJKっぽさのかけらもなく、中途半端に大人びたヒロインは、今ひとつ分が悪い立場に追いやられてしまいます。
そう、私も本音を言えば、情緒あるみちのく路の旅は、こんな中途半端な生真面目JKよりも、往年の叶和貴子のような、和服の似合うしっとり熟女と一緒に巡ってみたいです。
何よりそんなメインキャラであれば、みちのく路と花札という、今ひとつ食い合わせの悪い両テーマも、何となくしっくり来るではありませんか。
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「朱鷺子さん、ここが奥州藤原三代が栄華を極めた金色堂だよ」
「まぁ、綺麗!」
「じゃあ、こんなとこで何だけど、さっそく花札で勝負だ!」
「(着物の胸元を正しながら)い、いけません、私には夫が!」
「朱鷺子さん、ここが義経終焉の地、衣川だよ」
「まぁ、ロマンチック!」
「じゃあ、こんなとこで何だけど、さっそく花札で勝負だ!」
「(着物の裾を押さえながら)い、いけません、私には夫が!」
「朱鷺子さん、ここが遠野物語の舞台となった遠野だよ」
「まぁ、神秘的!」
「じゃあ、もう花札とかいちいち面倒臭いから、そんなのかっ飛ばしてさっそく」
「ああああ、あなた、許して……」
こんな感じで、是非とも「みちのく秘湯恋物語・改々」を出して頂けないでしょうか、フォグさん。

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2012/05/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Dead to Rights: Retribution】追加DLC「GAC Pack」

   ↑  2012/05/03 (木)  カテゴリー: XBOX 360
PACはPacific Accreditation Cooperation(太平洋認定機関協力機構)。TACはTerrible Monster Attacking Crew(超獣攻撃隊)。
そして『Dead to Rights: Retribution』で、はみ出し刑事ジャック・スレイトと、その愛犬シャドウの前に立ち塞がったGACはGrant City Anti Crime Unit(この街の治安は俺たちが勝手に守るぜ部隊)。
傭兵あがりや警察特殊部隊崩れをかき集めたハイパフォーマンス戦闘集団だが、それが一人と一匹の前に壊滅させられた現実を見ると、逆上して前後の見境がつかなくなった男と、主人以外の者にはなりふり構わず牙を剥く狂犬のコンビに勝るものは、世の中にはないということがよく分かる。
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『Dead to Rights: Retribution』の追加ダウンロードコンテンツ「GAC Pack」に含まれる"Assault on the 87th Precinct"は、そんな狂人と狂犬のかませ犬となったGACの側で、グラントシティを機能不全に陥れた87分署占拠事件を体験することが出来るサイドストーリーシナリオだ。
本編を貫いていたアティチュードは、「悪党にかける情けはない。容赦せずにやっちまえ!」だったが、この"Assault on the 87th Precinct"のそれも、基本的に大差は無い。
「おまわりにかける情けはない。容赦せずにやっちまえ!」
どうせ相手は無駄飯食いの警察官どもだ。真の治安維持機関に備わった非寛容の精神をフルに発揮して、この街の治安と安全を委ねるに値するのが果たしてどちらの組織なのかを、奴らにたっぷりと思い知らせてやろうではないか。
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このサイドストーリーでは、三人のキャラクターを順番に受け持つことになる。
まず最初に登場するのは狙撃のプロフェッショナル、カッパーフィールド。その役目は狙撃銃と電撃ガンを駆使して、分署の屋上を制圧すること。
続いて担当するのは硬質アーマーに身を包んだコディアック。両腕に電撃ガントレットを装備したこいつは、格闘アクションに特化したキャラだ。チャージして放つ電撃パンチで、おまわりどもを次から次へと無力化して、分署の中を完全に制圧してやろう。
最後に登場するのは、本編でもジャックをさんざん苦しめた重装キャラ、タンク(♪だけど犬にはとっても弱いんだってさ)。本編で猛威を振るったガトリングガンで、分署の外に駆けつけた警察の増援を一掃してやるのだ。
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TPSと格闘アクションのキメラだった本編と違って、このサイドストーリーは、TPSと格闘アクションの担当がそれぞれのキャラクターに分けられている。
カッパーフィールドのパートではシューティングに、コディアックのパートでは肉弾戦に専念していれば、まず間違いはない。
この完全分業制によって、本編よりも理解しやすく、非常にすっきりとしたゲームになっているのが特徴だ。もっとも、それは本来の『Dead to Rights』らしさを非常に薄味にしているのでもあるのだけれど。
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やたらとごちゃごちゃしたシステムを使いこなそうとしてあっぷあっぷすることこそが、『Dead to Rights』の本分!
そう頑なに信ずる人にお勧めなのが、「GAC Pack」もう一つの看板、"Riot Control"モードだ。
これは次々と押し寄せる、ユニオンやチャイニーズマフィアやGACの群れを、制限時間いっぱいまでひたすら撃退する、おひとり様(プラス犬一匹)専用ホード。
しかし、ランキング上位に名を連ねるためには、ただ漫然と敵を倒し続けるだけでは、とてもおぼつかないだろう。
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ホールドからの高所蹴り落とし。ヒューマンシールド。爆発物射撃。格闘フィニッシュムーブ。ディスアームからのヘッドショット。犬が噛みついている相手にとどめ。電源盤に放り投げて感電させる等々。
『Dead to Rights』に備わっている、あらゆる攻撃手段をバリーエーション豊かに行使することで、スコアはようやく一定のレベルの上昇率となるのだ。
格闘、銃撃、犬と、てんでばらばらなシステムを満遍なく使いこなすことが要求される、このちょっぴり変態じみたモード。
コアな『Dead to Rights』ファンに向けられた(そんなファンが果たして居るのかどうかは定かじゃないが)、この"Riot Control"は、まさに究極の『Dead to Rights』と言えるモードだろう。



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2012/05/03 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Cliffhanger】クリフハンガーは雪山版たけし城

   ↑  2012/05/11 (金)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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「オッス! みんな体鍛えてるか? スタローンだ。本当は高いとこは苦手なんだけど、でも頑張ってぶら下がってるぜ!」
「ロックアップ」、「オスカー」、そしてもはやヤケクソの極みとも言える「刑事ジョー ママにお手上げ」と、90年代に入ってからのシルベスター・スタローンは、落ち目一直線。
色々とイメージチェンジを図るも、それがすべて裏目に出る負の連鎖が続いていたのですが、その流れを断ち切って、起死回生の作品となったのが、レニー・ハーリンと組んだ、'93年作の「クリフハンガー」です。
慣れないコメディに悪戦苦闘していた前作や前々作から一転、久々に単純明快なアクション路線に舞い戻ったこの映画。
初っぱなからハーリンのハッタリ魂溢れる、ド迫力の山岳救助シーンで、観る者の度肝を抜いてくれました。
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しかし話が本題に入ると、急に雲行きが怪しくなってくるのも、いつものハーリン流。
雪山に落ちた大金を回収せんとする悪党どもに、山岳救助員のスタローンとマイケル・ルーカーが、さんざんパシらされる巻き込まれ型のお話なのですが、ジョン・リスゴー以下の悪党どもは、どうやら寒い雪山で馬鹿をこじらせちゃったから、話は勝手にややこしくなってきます。
何せ崖の上にいるスタローンに向かって、「撃てーっ! 撃ちまくれーっ!」と盛大に発砲しては、「うわーっ、雪崩だぁぁ!」とマッチポンプで大騒ぎするような困った連中。
だからスタローンの行動が、これまた行き当たりばったりだったとしても、似た者同士で両者の駆け引きは妙にシンクロしちゃうのでした。
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このジェネシス用ソフト『Cliffhanger』は、その「クリフハンガー」のオフィシャルシネマゲーム。
オープニングのデモは、スタローン演じる山岳ガイドが、何の因果でTシャツ一枚の姿で雪山を彷徨かなければいけない羽目に陥ったのかを、原作映画の超ダイジェスト進行で解説。
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そしてスタローンの雪山を舞台にした孤軍奮闘が幕を開けるのですが、何故か始まるのは、この時期のシネマゲームやキャラクターゲームにありがちな、やたらと薄味なベルトスクロールアクション。
わらわらと現れる敵を、パンチやキックや拾ったナイフで片っ端から血祭りに挙げて行くスタローン。
この映画でのスタローンは、基本的に切った張ったとは無縁なクライマーという設定だったからこそ、新鮮味を感じさせたのですが、この劣化『ベアナックル』では、そんな設定も台無しです。
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そしてその合間に挟み込まれるのは、崖をフリークライミングしたり、迫り来る雪崩からダッシュで逃げるパート。
ここらは「クリフハンガー」らしさを、一応感じさせなくもないですが、崖パートでは中途に『クレイジークライマー』のゴリラよろしく居る大男が、石をぶん投げて妨害してきたり、雪崩パートでは、そこら中にある岩を、連続ジャンプで回避しなければならないなど、余計なギミックが自己主張しているので、こちらも次第に「クリフハンガー」ならぬ、雪山版風雲たけし城を、無理矢理やらされてる気分になってきます。

<北米版ソフト>

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2012/05/11 | Comment (0) | Trackback (1) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Test Drive Unlimited 2】追悼キャロル・シェルビー

   ↑  2012/05/13 (日)  カテゴリー: XBOX 360
数々の名車にその名を残すアメリカンマッスルカーの父、キャロル・ホール・シェルビーが、89年に渡る生涯を閉じた。
1950年代に、当時のF1やル・マンなどでドライバーとして活躍。レーサー引退後はコンストラクターとしてシェルビー・アメリカンを設立。
1960年代を代表する名車を次々と生み出し、アメリカンマッスルの礎を作った、米国自動車業界のレジェンド的存在である。
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しかし1970年代に入り、巨大資本化とマスキー法(排ガス規制法)の波を受けた自動車市場と、打倒欧州車を目指し、より早く、よりパワフルさを追求した氏の理念とは、次第に相容れない関係となり、長年パートナー関係を築いていたフォードとの関係も悪化してしまう。
そんなシェルビー氏とフォードの関係が修復したのは、21世紀に入ってから。2007年に登場したシェルビー・マスタングGT500は、氏が手がけた1960年代の名車、シェルビー・マスタングの21世紀型最新モデルとなった。
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シェルビー氏がこの世に最初に送り出した車は、英国のAC自動車と共同開発したACコブラ。
コンパクトなボディに強力なフォード製V8エンジンを搭載した、アメリカンマッスルの嚆矢的存在だ。
『Test Drive Unlimited 2』の中では、このACコブラはマップ内に散らばったパーツを集めると入手可能になる、トレジャーハントカーとして登場する。
軽量ボディにハイパワーエンジンの無茶な組み合わせで、アクセルを踏み込むとパワーを押さえきれずに、尻がぶるんぶるん左右に振れて蛇行する、人呼んでスネークダッシュは、この『TDU2』のACコブラも何となく再現しているような、していないような。
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ACコブラで手応えを得たシェルビー氏が、レースの舞台で欧州車を粉砕するために、満を持して送り込んだレーシングマシンが、シェルビーコブラ・デイトナクーペ。
溜息が出るほど美しいデザインの、最先端を極めたボディにフォードV8エンジン。
名前の由来となったデイトナ2000を始めとして、欧州と米国を股にかけ、幾多のレースを席捲したこの名車。
『TDU2』ではACコブラ同様に、トレジャーハントによって入手することができる。
多少の手間はかかるが、何せ僅か6台しか生産されなかった究極のレアリティカーだ。その走りっぷりもCクラスカーとは思えないくらいだし、手間暇かける価値は充分すぎるほどある。
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そしてシェルビーブランドの最後を飾る車となってしまったのが、2007年型シェルビー・マスタングGT500。
21世紀に蘇ったアメリカンマッスルにして、史上最強のモンスタークーペ。
デザインが変態じみた領域にまで達してきた、最近の欧州ハイエンドスポーツカーとは一線を画す、獰猛な闘犬を思わせる猛々しいルックスは、自動車大国アメリカのプライドをびんびんに感じさせるではないか。
このシェルビーGT500は、『TDU2』では有料の追加ダウンロードコンテンツ。カジノオンラインを始めとする『TDU2』の各種DLCは、日本ではつい最近になってようやく配信が始まった。
もはや今さら感漂いまくりの、この追加DLCだけど、しかしシェルビーGT500が入手可能になるという、あまりにも重要な意味を持ったコンテンツであることに変わりはない。
イビサの陽の下で、オアフの月の下で、赤白ストライプのこの21世紀版マッスルカーを、思うままに駆ろうではないか。もちろん、偉大なるキャロル・ホール・シェルビーへの弔意を胸に。



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2012/05/13 | Comment (0) | Trackback (1) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【シャーク・アタック!!】

   ↑  2012/05/14 (月)  カテゴリー: 映画・DVD
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巨大ワニ対巨大ヘビだとか、巨大サメ対巨大ダコだのと、最近の動物パニック映画は、やたらと巨大化した動物同士を戦わせる方向に行ってしまいがちです。
かつての東宝怪獣映画が歩んだのと同じ道ですが、しかし最近では、ジョー・ダンテの「ピラニア」をエクストリームに再解釈した「ピラニア3D」の大ヒットで、単体、あるいは一種の動物が人間を相手に暴れ回る、動物パニック映画本来の姿が、見直されつつもあります。
その動物パニック映画の原点とも言えるのが、スピルバーグの「JAWS」。つまりサメこそが動物パニック映画の保守本流であるのです。
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そんな保守本流のあるべき姿に立ち帰った映画が、この「シャーク・アタック!!」。
しかし、よりによって肝心のメガホンを取るのは、アメリカが誇るゴミ映画大将、フレッド・オーレン・レイだったのでした。しおしおしおしお(かなり控えめに見積もっていた期待が萎む音)。
唯一期待が持てそうなのは、パッケージにもその名が踊る、アフガンに投入する予定だったアメリカ軍の最新秘密兵器ウォーキング・タンク(四足歩行戦車)。
そしてオーレン・レイ先生。そのウォーキング・タンクを、惜しげもなく映画開始早々からお披露目。いよっ、太っ腹!
……やがてビーチに姿を現したのは、戦争博物館の骨董品に無理矢理脚を四本くっつけて、ひょこひょこと頼りなく歩く、一目でこりゃダメだと分かるようなシロモノ。しおしおしおしお(あまりアテにしていなかった期待が萎む音)。
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その一方で、理由も分からずに唐突に出現した巨大ザメの方は、冒頭でいきなり油田プラントの端っこを咥えて海中に引き摺り込んだり、原潜を体当たりで撃沈するなど、トゥーマッチな活躍を見せてくれます。
対する人間の方はと言えば、陸の上で呑気にビーチクイーンコンテストにうつつを抜かす始末。
このビーチクイーンコンテスト。言葉を変えれば"サメに喰われる姉ちゃんコンテスト"みたいなもんですが、そんな大切な役割にも拘わらず、恐らくは予算の都合上で参加人数は3人というセコいスケール。
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選出された姉ちゃんたちは、その翌日、めでたくビーチでサメの餌食となって、その役割を全うするのですが、しかしその最大の見せ場のシーンも、サメのあまりものデカさが災いして、頭からパクッとひと呑みされるという、カタルシスもなんもない喰われ方。
もっとこう、下半身からバリバリ噛みちぎられていって、ぎゃあぎゃあ泣きわめいたりしなきゃダメだろうが! なんて説教をオーレン・レイ先生に今さら言っても無駄なこと。
何せオーレン・レイ先生は、この調子でずっと30年間も映画業界の片隅で飯を食い続けてきたのですから、今さら何を言っても野暮というものです。
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この手の映画では、たいてい公的機関の対応は後手後手に回るものですが、本作の米軍は結構対応が早い。
サメの存在を、現地の民間人に先駆けていち早く探知し、精鋭を投入してビーチで巨大ザメを迎え撃つ準備に移ります。
しかし、これまた予算の都合上なんでしょう。ビーチに展開した米軍は、わずか3,4名という、田舎町の消防分団以下の規模。
そして遂に実戦投入される米軍の切り札、ウォーキング・タンク。
四本脚で不器用に歩くウォーキング・タンクと、ひれでぺたぺたと砂浜を歩く巨大ザメ。にらみ合う両者。実にシュールかつハリボテ感溢れる光景です。
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巨大ザメに炸裂するウォーキング・タンクの必殺兵器は、前蹴りと後ろ蹴り。ちなみに砲撃は、陸に上がっているサメに楽々とかわされる始末です。
さらに横に回られて押し倒されると、二度と立ち上がれないという、とんでもない弱点を露呈したウォーキング・タンク。
トビウオのように空を飛び、セイウチのように陸上を自在に歩き回る巨大ザメの前に、完全に劣勢に立たされる米軍。ああ、このまま人間は、巨大ザメに屈してしまうでありましょうか。
ちなみにシーンごとに、巨大ザメのサイズがやたらと伸びたり縮んだり一定しませんが、しつこいようですが、オーレン・レイ先生は、このアバウトさでずっと30年間も映画業界の片隅で飯を食い続けてきたのですから、今さら何を言っても野暮というものです。

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2012/05/14 | Comment (0) | Trackback (1) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |