- 【Test Drive Unlimited 2】建設中の風景 [2012/03/02]
- 【The Boondock Saints Mobile Game】iOS版「処刑人」 [2012/03/03]
- 映画【蛾人間モスマン】 [2012/03/04]
- 【Mr. BONES (ミスター・ボーンズ)】追悼ロニー・モントローズ [2012/03/05]
- 【Battlestations: Pacific】トラ・トラ・トラ! [2012/03/07]
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俺が『Test Drive Unlimited 2』で、この太陽の楽園、イビサ島を訪れてから、早くも1年の月日が経とうとしている。
ここに来た当初の頃は、フェラーリを前にしては「僕の指紋がついちゃいました、どうしましょう!?」とうろたえ、賭けレースを挑まれれば「A2クラスの車でC4クラスの車にケンカ売るなんて、やめてくださいよう」と半べそ状態になっていた俺も、この1年で大きく変わった。
顔を整形し、車はもちろんのこと、服や家も買いまくり、高級カジノに入り浸り、そしてついには東地中海に浮かぶ豪華なガレージ付きヨットまで手に入れた。
格下の車と見ては、勝負を挑んでくる現金な連中に遭遇しても、もう怯えることはない。思い切りブレーキを踏んで追突を誘発してやり、「どこに目をつけて運転しとんじゃぁ! ……あれ? なんか首が、首がおかしい。あんた、保険は当然入ってんだろうな?」と、逆に絡む術も身につけた。

ステータスも、いつの間にやらスーパースターにまで上昇した。
イビサの全道路も、オアフの全道路も完全踏破した。主な景観スポットは、あらかたブックマークした。
スパイカーやヴェイロンも購入した。ちなみに両方とも、今じゃガレージの肥やしになってる。乗り回すのは、相変わらずアメ車かインプレッサかストラトスだ。
もう『TDU2』でやるべきことは、ほとんどやり尽くしたように思えるかもしれない。
しかし『TDU2』には、まだ最後の大花火とでも言うべき大型ダウンロードコンテンツが残されている。それが「The Bike Pack」だ。
このDLCパックの目玉は、ドゥカッティ2種とハーレー・ダビッドソン。そう、『TDU2』にも、ついに二輪車が加わるのだ。イビサやオアフでハーレーを乗り回す。これを叶えるまでは、イビサを後にすることなど、とてもできやしない。

このパックに追加される他の変更点は、バイクディーラーに新たなブティック。そしてコルベットZR1やダッジ・ヴァイパーSRT10、フェラーリF40など、新顔の四輪車六種。
さらには家具の数も大幅に増え、ガレージの車を入れ替えたり、イビサとオアフのマップをインスタントに移動できる機能も加わる予定だ。
「The Bike Pack」の登場が公式でアナウンスされたのが昨年の12月。
それによると、このDLCコンテンツは、2012年2月頃の配信を予定しているらしい。
そして、この2月は何ごともなく過ぎ去ってしまった。………Eden Gamesは、本当に今、息をしているんだろうか? なんかだんだん不安になってきた!

あのアナウンス以来、『TDU2』にインしては、建設中のバイクディーラー(場所はオアフの北東、実際だとブリガムヤング大学ハワイ校がある辺り)やブティックの様子を伺いに行っては、早くできないかなぁと、できかけの建物をぼんやりと眺めてばかりいる。
まぁ別に俺は『Tropico 3』のプレジデンテではないのだから、建設現場にハッパかけに行ったって、工事が早く進行するというわけではないのだが。
しかし、イビサの暖かい地中海風や、オアフの海岸縁の夜風を、体に直に感じながらの二輪車ツーリングは、やはり待ちきれないではないか。

頑張れ、Eden Games。最後の力を振り絞って、何とかこの「The Bike Pack」だけは、無事に我々の元に届けてくれ。
その上でまだ力が残っていたら、バイクに追加車種を加えてくれ。そう、俺がイビサで何としてでも乗り回したい二輪車、ベスパのスクーターを。
あの美しい街並みや海岸に最も似合う二輪車は、ハーレーやドゥカッティではなく、間違いなくベスパだろうから。
この記事に含まれるtag : テストドライブ
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2012/03/02 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「主のために守らん 主の御力を得て 主の命を実行せん 川は主の下へ流れ魂はひとつにならん 父と子と聖霊の御名において 」
トロイ・ダフィーの「処刑人」は、アイルランド系の兄弟が、You Tube投稿動画レベルのイカレポンチなノリでビジランテ行為を働いていたら、そのうちに本物のキチ●イたちが、どんどん寄ってきてしまう因果応報的な映画です。
そんな本物のイカレポンチを前に、当の兄弟が「こんな筈じゃなかった。どうしよう!?」とうろたえるわけでもなく、相変わらず中身のない薄らクールな態度に終始してしまうのが、この映画の限界だったりもしますが、なんやかんやでカルト映画の称号を得た同作は、10年の時を経て、まるで蛇足という言葉のサンプルみたいな続編まで登場する運びとなりました。

その「処刑人」をゲーム化しようとする動きが、つい先日、伝え聞かれてきましたが、「処刑人」のゲーム化は、これが初めての試みではありません。
iPhoneアプリとして登場した初の「処刑人」ゲーム、『The Boondock Saints Mobile Game』は。1作目ではなく、蛇足となった「処刑人Ⅱ」をベースにした作品。
コナーとマーフィー、兄弟のいずれかを操作して、街に巣くう悪党どもの元にかちこみをかけるシューティングゲーム。
幕間には、ガチキチ●イ2号ことイル・ドゥーチェや、1作目でおっ死んだロッコ、そしてⅡにおいてロッコの後釜的ポジションに座ったロミオ(「皆殺し定食を注文したのはどいつだ!?」)などが、本人そのまんまのイラストキャラで登場します。

左下のバーチャルホイールで兄弟を移動させ、右下のバーチャルホイールで360度に弾を撃ち分ける、オーソドックスな全方位型STGですが、まぁタッチセンサーによる疑似入力デバイスですから、操作性はあんまり宜しいもんじゃありません。
ホイールの上で指をぐるぐるさせれば、映画のような360度大回転射撃も可能ですが、映画と違ってこちらはさっぱり弾が当たりません。
さらに兄弟の移動速度も、やたらとスローモーで、その上に頻繁に処理落ちを起こしますから、これまた映画のようなスタイリッシュな銃撃戦とは、およそ程遠い有様です。

ゲーム内で稼いだコインで、映画にも出てきた例の武器密売人から、アップグレードの銃器を購入することができたり、ステージセレクト画面がタトゥーショップになっていて、ゲームを進行させるごとに、兄弟の背中に彫られたキリストのタトゥーが、どんどん完成に近づいて行くなど、気の利いたギミックもいくつかはありますが、基本的には映画とタイアップしていることだけが取り柄の、あまり見るべきところのないゲームですね。
この記事に含まれるtag : シネマゲーム
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2012/03/03 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
一時はノアと全面対抗戦を展開するなど、プロレス界を局地的に席捲し、現在は冬眠状態(雪男なのに何故冬眠!?)に入っているUMA軍団。
UMA軍団の才知と美貌を兼ね備えたエージェントは、東スポ読者には言わずと知れたハル・ミヤコ女史ですが、そのハル女史が今回、UMAに関する専門的な知識と経験を買われて、アットエンタテインメントがDVDで展開するUMA映画シリーズの親善大使に任命されました。
シリーズは、「新トレマーズ モンゴリアン・デス・ワームの巣窟」、「マンドレイク 人喰い植物のえじき」、「蛾人間モスマン」、「人喰い怪物ゴブリン」の4本。
その中でハル女史が「一番のお気に入り」と表明した作品が、この「蛾人間モスマン」です。

モスマンと言っても、別に太陽ケアのことではありません。
1960年代の中頃に、ウェストバージニア州で目撃例が相次いだ、体長2メートルほどの人間型飛行生物です。
このモスマンに関しては、ジョン・A・キールという、その筋では有名な人物が書いた、「モスマンの黙示」と題されたべらぼうに面白いノンフィクション(?)があり、この書は後にリチャード・ギア主演で映画化(邦題は「プロフェシー」)されたりもしました。
宇宙人説、単なる鳥の見間違え説、厄災を予言するスピリチュアルな存在説、様々な憶測が語られたモスマンの正体ですが、この「蛾人間モスマン」が採用したのは、アメリカ先住民族の呪い説。
入植者たちに虐殺されたインディアンが、「この地で殺人を起こす奴は、みんなモスマンに殺されてしまえ」と呪いをこめて生まれたのが、その由来だそうです。

そんなモスマン伝説も過去のものとなったある日、同地の湖で、ある若者グループが仲間の弟を、過ぎた悪戯で溺死させてしまいます。
そして月日はさらに10年流れ、事件後に街を離れていた若者の一人が、再び街に戻ってきたことから、惨劇は幕を開けるのでした。
序盤はモスマンの都市伝説をベースにしたホラーの趣きがあるのですが、しかし肝心の「この地で殺人を犯した奴は必ず報いを受ける」というフォークロアが、ちっとも流布されていないため、若者たちが受ける因果応報な報いも、ただ唐突なだけ。
"都市伝説と過去の罪に怯える若者たち"という基本設定が全く為されていない状態ですから、都市伝説ホラーとしては早々と馬脚を現してしまいます。

作っている方も、まとまりがつかなくなったのか、「モスマンは鏡などの反射するものからしか出てこれない」、「目を合わせない限り、モスマンには襲われない」、「モスマンに呪われた者は、決して街を出ることはできない(これなんかは、肝心のヒロインが事件後にあっさり街を後にしているので、最初から破綻しています)」などといった決まりや、ぼんやりと張った伏線など、前半部分で提示した約束事を全部反故にして、後半は悪霊的存在であるはずのモスマンが、ばっさばっさと空を飛び回り、お祭り会場を襲撃する、完全に怪獣映画のテイストに様変わり。
しかも、その暴れっぷりも、死傷者が推定2,3人と、極めてスケールの小さなもの。
そもそも、なんで呪いの悪霊であるモスマンが、わざわざ無関係なお祭り会場を襲撃したのかが分かりません。モスマンの存在意義自体が、さっぱり整合性を欠いています。
まるでそこらのヤンキーがアンパンでラリった頭で、モスマン伝説を自分勝手に解釈したあげく、収拾つかなくなったような映画。
同じ都市伝説、同じUMA伝承をベースとしながらも、「プロフェシー」とは天と地ほどの違いもある作品となっています。
是非ともワンカップ片手にUMA軍団のプロレスを観戦するときのような、寛大な心でご鑑賞なさってください。
「プロフェシー」も未見であれば、一緒にレンタルして見比べてみることをオススメします。「プロフェシー」が口直しになるでしょうし。
そんなハル女史一推しの「蛾人間モスマン」でしたが、女史がこれをチョイスした理由は、4作品の中で最もリングの上に具現化しやすそうなUMAだからなのではないでしょうか。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-1480.html
2012/03/04 | Comment (5) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
アメリカのハードロックギタリスト、ロニー・モントローズが、現地時間の3日にガンで亡くなりました。
彼が率いたモントローズは、後にヴァン・ヘイレンに加入するサミー・ヘイガーを輩出したバンドとして知られていますが、そのひたすらタイトなハードロックサウンドは、70年代アメリカンロックの潮流の中では、目立って個性的な存在でした。
特にデビューアルバム"Montrose"(邦題は"ハード・ショック")は、僅か30分弱の総演奏時間にエネルギッシュな楽曲が詰め込まれた、ショートシャープショックな名盤です。
しかし、このバンド自体はいまいちブレイクしきれず、ロニー・モントローズはソロに転身。様々なセッション仕事の合間に、多くのソロワーク作品を発表しました。
ロニーのミュージックワークは、やがてゲーム関連にも及び、3DOで出た超大作『デイドラス 難破船のエイリアン』を始めとしたいくつかの作品に曲を提供。
そんなロニーのゲーム仕事の中でも、白眉とも言えるのが『Mr. BONES(ミスター・ボーンズ)』への参加です。

セガサターンは海外での定着に失敗したためか、オリジナルの海外産ゲームに恵まれなかったハードですが、そんな洋ゲー不遇のサターンにあって、綺羅星の如き一等星として輝く海外産タイトルが、この『mr. BONES』。
悪の吸血鬼、ダ・ゴーリアンは死霊魔術によって復活させた死者たちの軍団で、世界を征服しようという怖ろしい野望を企てておりました。
しかし、蘇った死者の骸骨軍団の中に、一人だけ様子の違う奴が居ます。
「おっかしいなあ? 前には皮とか肉とかがついていたような気がするんだけどなあ」
彼こそが、このゲームの主人公にして、あらゆるゲームヒーローの中で最もロック魂がほとばしる男、ミスター・ボーンズです。
彼だけが何故、ダ・ゴーリアンの呪縛から逃れた骸骨となったのかは不明ですが、まぁこれは持って生まれた(この場合は持って死んだというべきでしょうか)楽天的で人を食った性格のおかげなのかもしれません。

ともあれ、ダ・ゴーリアンと、その邪悪な軍団から追われる身となったボーンズ。
「なんだか分からないけど、あいつをやっつけなきゃなんないみたいだな」
そう割り切れば話は早い。小人の国や氷の世界、果ては冥界までをも巡る、ボーンズの冒険が始まります。
しかしボーンズは、徒手空拳どころか、皮や肉すらない身。骸骨軍団相手にひたすら逃げ回るしかない彼は、追われて迷い込んだ山中で、何やら奇妙な音楽が漏れ聞こえる山小屋を発見します。
「なんだろう? 聴いていると、何故か熱いものがこみ上げてくるような」
その山小屋の主は盲目のロックギタリスト。演じるのはロニー・モントローズ。

「考えて弾くな。魂で弾くんだ」
ロニーはそんな極意と共に、ボーンズに一本のギターを渡しました。ボーンズはついにダ・ゴーリアンに立ち向かう最強の武器である、熱きロックンロール魂を手にしたのです。
さぁ、さっそく魂のギターソロで、彼を追ってきた骸骨軍団を改心させてやるのです。
このギタープレイがうまく決まれば、骸骨どもを覆った邪悪な気配が晴れて行き、やがて感極まった彼らは、高く掲げたライターを左右に振るという、いかにも70年代的なオーディエンスアクションで、ボーンズに応えてくれるでしょう。

この『mr. BONES』はCD-ROM2枚組の超大作ですが、その実態は様々なミニゲームの詰め合わせです。
そのミニゲームは、どれも説明不足のまま問答無用に始まり、そしてシビアなバランスや難易度を誇っているものがほとんど。
通常であれば、「こんなもんやってられるか」と投げ出すところですが、本作に限っては、ボーンズのパーソナリティと、骨故にぞんざいに扱われまくる波瀾万丈の道のりが、こちらのプレイ意欲をぐんぐん引っ張ってくれるのです。
それに考えてみれば、ボーンズは骨だけの体なうえに孤立無援。油断すれば体のパーツがぽろぽろ外れてく、不自由極まりない身の上です。
そんなボーンズの境遇仁比べれば、ミニゲームがちょっとクセがあってシビアなくらい、一体何だというのでしょう。

ミニゲームのできはホントばらつきがあるのですが、その中でも屈指の面白さを誇るのが、ダ・ゴーリアンの本拠に乗り込んだボーンズが、邪悪に囚われた同胞たちを小粋なジョークで打ち払う「Funny Bones」.
このどうやってローカライズしたらいいのか、頭を抱えるようなミニゲームを、本作の日本語版スタッフは「アメリカンジョーク=ダジャレ」という、デーブ・スペクターも真っ青な閃きで、強引にがぶり寄ってしまいました。
「お相撲さんが」「びっくりしたときに」「言う言葉」「どっひょーん!」
ボーンズのベタベタなダジャレ連発の前に、たじろぐ邪悪の骸骨軍団。そしてダジャレを一つ飛ばすたびに、ドヤ顔でのっしのっしと前進するボーンズ。まさに奇跡のローカライズと言えるでしょう。

常人ならばとっくに打ちのめされていそうな苦難の道のりを、実に飄々と歩み続けるボーンズに共鳴して、やがて手を差し伸べてくれる人々。
小人の国の住人たち(「♪ボーンズ!ボーンズ!ボーンズ!)に冥界のレイス。そしてちょっぴりワイルドな門番の骨翼竜。
そしてボーンズの師であるモントローズは、ボーンズと離れたところからも、ずっとこのゲームのサウンドトラックから流れる熱きギタープレイで、ずっとボーンズのことを見守ってくれていました。
もうボーンズは孤立無援ではありません。さぁ、いよいよダ・ゴーリアンとの最後の決戦です!

全編をロニー・モントローズのオリジナル曲が彩る、この骨をもとろかす熱く極上なゲーム。
海外ではサウンドトラック盤も発売され、これはロニー・モントローズ正規のソロアルバムワークに、きちんと加えられています。
ゲーム畑にロニー・モントローズの名前は馴染みが薄いかもしれませんが、この素敵なゲームのボーンズと並ぶもう一人の主役として、彼の名前を記憶の片隅に留めていただければ、彼の弟子であるボーンズもさぞ喜ぶことでしょう。
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2012/03/05 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「ニイタカヤマノボレ三六〇」」
俺のXBOX360に発信されたそんな暗号電文と共に、帝国日本海軍第一航空艦隊から出撃した攻撃隊は、ハワイはオアフ島にある、アメリカ太平洋艦隊の軍事拠点、パールハーバーに突入を開始した。
今ここに、太平洋を戦火で覆い尽くす『Battlestations: Pacific』の戦いが幕を開けたのである。
とかくWWⅡものの日本軍というと、奇声を上げながら刀振り上げて突っ込んでくるおかしな奴らという描かれかたしかされてこなかったが、前作『Battlestations: Midway』の日本軍は、意外と好意的な描写がされていたのが、ちょっと印象的だった。
そしてその続編である、この『Battlestations: Pacific』では、ついに帝国日本海軍を率いてキャンペーンを戦い抜くことができるのだ(前作では一部のショートシナリオのみで、日本軍を担当できた)。

リアルタイムストラテジー、エアーコンバット、軍艦シミュレーター。
太平洋戦争に於ける、艦隊規模の立体的な海戦を再現するために、様々なジャンル、スタイルのゲームを無理矢理つなぎ合わせ、そのおかげでやたらと煩雑でハードルの高いものとなったこのゲーム。
前作では、チュートリアルからしてが、2時間近くかかる大ボリュームとなっていたが、本作はチュートリアルらしきものは一切なし。
いきなりその超マルチタスクで、複雑極まりない戦いの中に放り込まれるのだ。
海軍士官学校(ゲーム添付のマニュアル)をの授業を、思い切り寝て過ごして卒業した俺に、果たしてそんな多忙な海戦を戦い抜くことができるであろうか。
大丈夫。このゲームのキャンペーンは、それ自体が10数時間かかる長大なチュートリアルみたいなもの。
その緒戦であるこの真珠湾奇襲攻撃は、その長いチュートリアルの第1章、「まずはひこうきのうごかしかたをおぼえよう」。

昼下がりののどかな空気を切り裂くかのように、米国太平洋艦隊が駐留する真珠湾に突撃する、我が攻撃隊。
まずは露払いとばかりに、地上に呑気に駐機しているP-40ウォーホークを、バリバリと地上掃射で破壊。
例え空に上がってきたところで、ゼロ戦の敵ではない鈍臭い奴らだが、飛び立つ前にスクラップにしておいて損はないしな。
制空権をしっかりと確保した後は、いよいよ艦艇への攻撃だ。
「ワレ、奇襲ニ成功セリ、トラ・トラ・トラや!(cv. 田村高廣)」
まずは戦艦ネバダを、九九式艦爆の急降下爆撃で大破させ、次の目標は戦艦ウェストバージニア。

ここで連合艦隊司令官である俺は、飛行機が九九式艦爆から、九七式艦攻に切り替わっていることにさっぱり気付かず、ウェストバージニアに向けて魚雷を真上から直接投下を繰り返し、
「あれは不沈艦です。ちっともダメージ与えられません!」
と、一人パニくっていたが、ようやく自機に搭載されているのが、爆弾ではなく魚雷だと気付いたのは、この不毛な艦攻による急降下爆撃を、20分くらいずっと繰り返した後だった。
この時点で早くも、俺の連合艦隊司令長官としての資質には、大きな疑問符がつくところだが、しかし目の前の戦果に浮かれる俺は、それどころではない。
おい、あとはこの辺りの空域に、ベン・アフレックとジョシュ・ハートネットがうろうろしている筈だから、とっとと叩き落として「ケイト・ベッキンセイルは俺のもんだ!」と伝えといてやれ!

猛火に包まれる米国太平洋艦隊の戦艦群。太平洋艦隊の再建には、しばらくの時間を費やすこととなるだろう。
もう俺の脳内では、無数のちっちゃい俺が提灯行列をなして、「この勢いでアメリカ本土に侵攻だ!」と浮かれているのであった。
しかし、緒戦の勝利に早々と戦勝ムードとなる俺には、見過ごしているある重大な事実があった。
この真珠湾攻撃は、「まずはとまっているふねに、ばくだんとぎょらいをあててみよう」という、長い長いチュートリアルの最初の1ページみたいなものであること。
これからキャンペーンが進行するごとに、1つのシナリオで動かすべき艦艇や飛行機がどんどん増えて行き、そのマルチタスクな要求の前に、俺のハムスター並みな頭は、間違いなく破綻をきたすであろうことを。
XBOX360上に展開する俺の連合艦隊は、今、束の間の栄光に包まれている。そしてその前途は、かつての帝国海軍のように、濃い暗雲が待ち構えているのであった。
この記事に含まれるtag : ストラテジー
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2012/03/07 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |