- 【料理の鉄人 / キッチンスタジアムツアー】 [2009/10/01]
- 【ウータン】武闘派ヒップホップ格闘ゲーム [2009/10/02]
- 【Brutal Legend】体験版 [2009/10/03]
- 【X-Men Origins: Wolverine】カジュアルな殺戮ショー [2009/10/04]
- 【X2 Wolverine's Revenge】オフィシャルなのにパチモノ [2009/10/05]
total 5 pages 次のページ →

何気なしにテレビを観ていたら、CMタイムで突然、料理の鉄人の映像が長々と流れて、何事だと思ったらCR料理の鉄人という新しいパチンコ台のコマーシャルだったので、思わず苦笑してしまいました。
いったいどんな台になってるんでしょ?岸朝子の絵柄が揃うと、台から「美味しゅうございました」なんて声が響いて大当たりが始まったりするんでしょうか。
なんか最近のパチンコ台ってのは、もう何でもありですな。そのうちCRカノッサの屈辱とか、CR筋肉少女帯の深夜改造計画なんてのが登場してきたりして。
それにつけても羨ましいのは、こんな版権乱れ撃ち状態に突入しているパチンコ業界の景気のよさです。
かつての勢いのあった頃ならいざ知らず、今のゲーム業界は、真似しようと思ってもできませんよ、こんなこと。
もっとも、吉本芸人だの、流行のなんとか占いだの、ああ播磨灘だのと、上が引っ張ってきた訳の分からない版権を押しつけられる苦労が減って、現場の人たちはホッとしているかもしれないですけれど。

まだ勢いが残っていた頃のゲーム界で、料理の鉄人のソフト化に踏み切ったのは、ハムレットというレーベル。
これは博報堂マルチメディアソフト事業室のブランド名。広告代理店のブランドと聞くと、つい眉に唾つけてしまいますが、高城剛と結託して碌でも無いソフトの量産に携わっていた電通と違って、博報堂の場合は、まだ自前のブランドで責任もってソフトを出していた分、やや良心的と言えるかもしれません。

ここが最初にリリースしたゲームは、3DOの劇場運営シム『娯楽の殿堂』。続いて3DOで『電脳漂流』と『ピーター・フランクル・パズルの塔』。サターンに舞台を移して、この『料理の鉄人』に『風水先生』と、非常に香ばしいソフトばかりを連発して、ごく一部の好事家だけを楽しませてきました。
このハムレットは、マルチメディア系のソフトばかりを連発しているイメージがあったのですが、改めてこうして並べてみると、純然たるマルチメディアソフトは『電脳漂流』と『料理の鉄人』のみ。残りは曲がりなりにもゲームの体裁を整えています。

キッチンスタジアムツアーの副題通り、本作は料理の鉄人の舞台となった、あのキッチンスタジアムを自由に巡れるというのが売り。
一人称視点で十字キーで動き回り、所々にあるオブジェクトや鉄人、挑戦者、審査員たちの顔写真パネルにアクセスすると、それぞれのデータベースやムービーに移行するという仕組み。
嗚呼しかし、技術力不足とサターンの二重苦なのでありましょうか。テレビではあれほど豪奢に見えたキッチンスタジアムも、本作ではそのガビガビのポリゴンで、まるで収録が終わってからそのまま手つかずで30年くらい放置されていたかの様ですし、色鮮やかな食材が山ほど詰め込まれていたワゴンも、このソフトの中では生ゴミ捨て場にしか見えません。

そんなスラム街と見紛うかのようなスタジアムの中に、鉄人や挑戦者たちの、料理修行と人生の研鑽を積んだ濃い顔のパネルがぬぼーっと浮かび上がっている光景は、とてつも無くシュールです。
その顔パネルに向かって足を進めると、まるで泥沼の中を歩いているような重たい足取り。ちょっとの障害に簡単に引っ掛かって身動きがとれなくなったりと、キッチンスタジアムを自由に巡れるという売り文句には、だいぶ偽りがある始末。

各種ムービーは、シネパック方式にしてはだいぶ頑張っているような印象。サターンの同時期の実写物の中では、比較的綺麗な部類です。
唯一ゲームっぽい要素が、料理の鉄人にまつわるカルト問題を並べた料理の鉄人クイズ。
これに全問正解すると、晴れて美食アカデミーの新たな会員として認められるとのことですが、そんなものに名を連ねて、審査員席で当たり障りのないコメントを残す間抜けな姿を晒したくはありませんし、それ以前の問題として、「そんなもん分かるか!」級の問題が目白押し。
どうやら俺には美食アカデミー入りの資格はないようです。喜んで辞退させていただきますとも。
この記事に含まれるtag : マルチメディア
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-666.html
2009/10/01 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「生き延びるための少林カンフー 今、それを若い奴らに伝授すべき時なのかもしれん」<Wu-Tang Clan - Reunited>
スタテンアイランドから産まれた偉大なる武闘派ヒップホップ軍団、ウータン・クラン。
彼らの音楽的功績、特にファーストアルバムの凄さについては、改めて述べるまでもないが、そのファーストアルバムのタイトルは"Enter The Wu-Tang"。サブタイトルは"36 Chambers"。
メインタイトルはもちろん「燃えよドラゴン」からの、そしてサブタイトルは「少林寺三十六房」からの引用だ。日本国内盤には"燃えよウータン"という、そのまんまな邦題がつけられた。
彼らのカンフー映画趣味は付け焼き刃ではない。彼らは自身が生まれ育った地区を、自らシャオリン(少林)と名付けだくらいだ。
そしてウータン・クランの名前の由来は、中国武術の武壇からきていることは、言うまでもないだろう。
自身の曲のサウンドトラックには、カンフー映画の音声をコラージュし、挙げ句の果てにはウータンブランドのカンフー映画DVDシリーズまでリリースするほどである。

そんな彼らが、ウータンイズムを啓蒙する新たな手段として、ゲームに目を付けたとしても、別に驚くようなことではないのだろう。
そして登場した、ウータン・クランと格闘ゲームの奇跡のコラボが本作(原題は『Wu-Tang: Shaolin Style』)だ。
しかし、洋ゲー好きのダメ野郎どもなら先刻ご承知のことだろうが、このウータンには、原型となったゲームがある。
ヴァージンインタラクティブから発売が予定されていた、『スリルキル(Thrill Kill)』というゲームがそれだ。
フリークじみたシリアルキラーやサイコパスたちが、堕とされた地獄でフェイタリティ必須の凄惨な殺し合いを延々と繰り広げる、見ているだけで胸焼けしそうな”行き過ぎたモータルコンバット”。

何らかの事情により発売中止に追い込まれた『スリルキル』。その理由については、余りにも残虐すぎたからとか、身体障害者の描写がまずかったからとか、色々な説が飛び交っているが、とにかく一旦お蔵入りとなったこのスリルキルは、しばらくして二つの形で陽の目を見る事になる。

一つは、開発途中だったスリルキルのデータがそのまま流失した海賊版。
もう一つが、キャラクターをウータン・クランのメンバーに書き換えた本作。
『ウータン』(及びスリルキル)の基本操作は、いわゆる鉄拳スタイル。□ボタンと△ボタンがそれぞれ左右のパンチ。×ボタンと○ボタンがキック。パンチキック同時押しで投げ技が発動する、例のアレだ。
通常の対戦モードでは、四人までが入り乱れて闘うことができる。
選択できるキャラは、RZA、GZA、インスペクター・ディック、オール・ダーティー・バスタード、レイクウォン、マスタ・キラ、ゴーストフェイス、メソッドマン、U-ゴッド。ウータン・クランの個性豊かな中核メンバーたちだ(オサイラスことオール・ダーティ・バスタードは、'04年にドラッグのオーバードーズで死去)。
格闘ゲームとしてデキがどうかは、門外漢の俺にはちょっと判断できないのだけれど、海外産の格闘ゲームにしては結構遊びやすいほうなのではないだろうか。

ウータンイズムが爆発しているのは、クランのメンバーから一人を選んで挑むストーリーモード。
邪悪な中国武術一派モングーは、武術界を支配せんとの野望に燃え、その矛先を失われた武術ウータンに向ける。
そしてわざわざ中国からニューヨークはスタテンアイランドまでやって来て、ウータンのマスター、ジンを誘拐するのであった。
師匠を拉致られたとあっては、天下のウータン・クランが黙って見過ごすわけにはいかない。
「お師匠さんを取り戻すぞ!ウータン・クラン出動!」
そして中国風胴着にスニーカー、或いはジャージにカンフーシューズといった、クール極まりないファッションに身を包んだウータン・クランとモングー一派の闘いの火蓋が切って落とされるのであった。
まぁその後やることと言えば、延々と4WAY格闘ゲームの繰り返しなんだけど……。

ただし、最後に致命的(フェイタリティ)なことを付け加えておくと、この日本版ウータンには、オリジナルの北米版に当然の如く収録されているフェイタリティフィニッシュが、全てカットされているのだ。
プロアクションリプレイなどを使ってほにゃららすれば、日本版でもフェイタリティフィニッシュが拝めるという話も聞いたことがあるが、とにかくそのままでは、チートコードを入力しても全く受け付けてくれない。
そんな仏を作って魂入れずな日本版を発売したのはサクセス。
後にこのウータンは、サクセスの廉価版シリーズ、Super Lite 1500のラインナップにも加えられたりしたのだが、そんな迷走ぶりをみると、サクセスとしてもこのゲームをどうやって売ったらいいのか、皆目見当が付かなかったのだろう。
この記事に含まれるtag : タレントゲー
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-665.html
2009/10/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
全世界のヘッドバンガーたちが待ちに待つヘビーメタルアクションゲーム、Brutal Legendの体験版が、XBOX LIVE北米マーケットプレースでシルバー解禁された!
断片的なトレーラーやスクリーンショットから、純度の高いボンクラっぷりをびんびんに感じて、わくわくしてしていた俺にとっては、待ちに待った体験版だ。
とにかくこのBrutal Legend、一見馬鹿を装いながら、自分たちの顧客層への気の遣いようがハンパではない。

ベタ丸出しの、いつもと違うEAロゴに続いて現れるスタートメニューは、アナログレコードジャケットを模したもの。
聴きこんだレコードなのか、ジャケットのあちこちが擦り切れている。そのくせ値札は貼りっぱなし。
スタートボタンを押すと、ダブルジャケットをパカッと開いてニューゲーム、コンティニューゲーム画面が出現。

シングルアルバムなのに、無駄に豪華ダブルジャケット。メタルバンドによくありがちだった。くたくたになった折り返し部分もしっかり再現されている。
さらにメニュー画面を進めると、ダブルジャケットからインナースリーブが取り出される。

インナースリーブ面には、マルチプレイモードのメニュー。製品版ではマルチプレイもできるのか!
メニュー画面をどんどん進めていくと、インナースリーブからレコード盤が出現。A面はオプションメニュー、くるっとひっくり返してB面はエクストラモードのメニューだ。

この手の込んだ、そしてツボを押さえたサービス満点なメニュー画面だけで、もうお腹いっぱい。
そこのHM全盛の中で青春期を過ごしたヘッドバンガー。お前さんなら、もうこれだけでBrutal Legendが百点満点のゲームだってことが理解できるだろう!?

主人公は中年の専業ローディー、エディ。ヘヴィメタルが狂い咲いた、あの鋼鉄の時代の栄華をいつまで経っても忘れられない、時代錯誤な男だ。
担当の若手バンドの緩いミクスチャーロックに、思わず何かを言いかけるとそこでテロップが挿入。
「ダーティーワード、有りにする?それとも聞きたくない?」
有りを選べば、四文字言葉で若手バンドを罵り、無しの場合はちゃんとピー音が該当のワードに被さります。
さらにムービーが進行すると、今度は、「ゴアシーン見たい?見たくない?」
見たいを選ぶと首チョンパ。見たくないを選ぶとソフトな表現に。そんな配慮の皮を被ったギャグを横目で見送りながら行き着く先は地獄。
ここでデーモンクリーチャーどもを相手に、斧とギターの二刀流で暴れまくる、エディのオンステージが始まるのだ。

この体験版で遊べるのは、冒頭の一ステージのみだが、アクションゲーム部分は非常に手堅い造り。
そしてそれを彩る鋼鉄色の要素が、どれもとにかく入念に作られている。その筋の人間の期待は絶対に外さないはずだ。
ヘヴィメタルの歴史を網羅した豪華サウンドトラックの楽曲も、ここぞという場面でタイミング良くばっちりと鳴り響く。
とにかくこの体験版の手応えは抜群!製品版の発売が、もう待ち遠しくて堪らない。
発売前のゲームに、ここまでワクワクするなんてのも、実に久しぶりのことかもしれないぞ!
北米タグを持っているのなら、是非この体験版を落として遊んでみて欲しい。そして体験版に満ち溢れている鋼鉄の波動に魂がきゅんときたら、迷わず製品版をマストバイだ!
<ダウンロードには北米タグが必要です>
この記事に含まれるtag : オープンワールド
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-664.html
2009/10/03 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
日本では「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」の邦題で公開された「X-Men Origins: Wolverine」。
すいません、まだ観ておりません!近所のシネコンで、まだ上映しているみたいなんで、折を見て観に行きたいと思います。
映画版の方はまだ未見ですが、ゲーム版の『X-Men Origins: Wolverine』は、しっかりプレイ致しましたよ。
ええ、だからあくまでこれは映画ではなく、ゲームの方のウルヴァリン像から来る一方的なイメージなんですが。ウルヴァリンさんって、とんでもない極悪人。人を人と思っちゃいませんね、このおじさんは。

X-MENの中では、実は能力的に一番地味なのではないかとも言われるウルヴァリンですが、何でも切り裂く出し入れ自在の爪と、どんなダメージをくらっても一定時間で回復するタフネスさ。
このウルヴァリンさん独自の能力は、ゲームを作る上では物凄く都合のいいものであることは確かです。
何せ回復アイテムなんて野暮なものを設定する必要は無い。爪を突き刺せば壁なんかもがしがし登っていけるから、登攀アイテムなんて面倒なものも用意する必要もない。

このゲーム中でも、どんな高所から落下しようが、杭に体を貫かれようが、センチネルの巨大な足に蹴っ飛ばされようが、ちょっとどこかでやり過ごせば、みるみるうちに体力は回復していく。
しかもこのゲーム、体力ゲージなんて情緒のないものに頼る必要はありません。
そんなものを注視しなくても、ウルヴァリンさんの体を見れば一目瞭然。ダメージを喰らうと銃創ができたり、生皮が剥がれたりと大変な姿になりますが、時間が経てばみるみるそれは元通りに治癒していきます。
もっとも治る前の、全身がべろべろになったまま元気に動き回るウルヴァリンさんの姿は、ちょっと正視し辛いものがあるのも確かですが。

そんな無類のタフネスさと、圧倒的な行動力を持って突き進むウルヴァリンさん。
このゲームの彼を一言で表現すると、
ドーピング強化された切り裂きジャック。
歩く挽肉製造工場。
もみあげの四肢切断魔。
人体損壊愛好家。
なんか、コミックブックよりも、週刊マーダーケースブックの方がお似合いみたいな騒ぎになっていますが、本当の事だから仕方がありません。
少なくともこのゲームのウルヴァリンは、スパイダーマンやキャプテン・アメリカよりも、ジェフリー・ダーマーやピーター・サトクリフと名前を並べたほうが、しっくりすることは確かなのです。

いくら自分に立ち向かってくる敵とは言え、腹に爪をねじ込んでそのまま引き裂くとか、、引き千切った腕で相手を死ぬまで滅多殴りにするとか、首をねじ切るとか、相手の体を突き刺してそのまま高く掲げてシェイクシェイクシェイクとか、それはもう明らかにやり過ぎ、行き過ぎです。
そして恐ろしい事にこのゲームは、そんな残酷切り裂き殺戮劇が、非常に簡単な操作で実にカジュアルに実行できるときています。
軽快な操作で流れるように引き起こされる人体損壊ショー。誰かウルヴァリンさんに、「この人たちにも家族が居るんだよ」と言い聞かせてあげることはできないんでしょうか?
しかもウルヴァリンさんは、RBボタンで相手をターゲットして、そのままLBボタンを押すと、尋常じゃない跳躍力でターゲットした相手に飛びきつき、そのまま哀れな生け贄を好き放題蹂躙できる能力まで備えています。
つまり例えウルヴァリンと距離があろうが、高さがあろうが、崖を挟んで離れていようが、哀れな生け贄たちには、最初から逃げ場はどこにも無いと言うこと。

例えヘリコプターに乗っていても安心はできません。
RBでパイロットをターゲットしてLBを押せば、ジャンプ一閃ウルヴァリンはヘリコプターに飛びついてしまいます。
「うわあ、ごめんなさい!やめてくれえ!」と、いくら操縦席で懇願しようと無駄なこと。
無情なウルヴァリンは聞く耳持たずヘリコプターの風防をがしがし素手で叩き割り、哀れなパイロットの胸ぐらを掴んで引きずり出し、挙げ句の果てには酷いことに、回転するヘリのローターでパイロットの頭をがりがりと摺りおろしてしまうのです。なんて酷い男だ!
対ヘリコプター戦は数回あるのですが、特に中盤で展開されるヘリからヘリへ飛びつき周りながらの三連戦は、爆笑物の豪快さです。

宿敵セイバートゥース、センチネル・マーク1、ガンビットらを相手に繰り広げられる各ボス戦も、単なるHP削りにに堕すことなく、メリハリの効いたバラエティ豊かな展開で楽しませてくれます。
ジャングルと研究所。似たようなステージの繰り返しになる単調さは否めないものの、とにかくこの、ボタンをばしばし押していれば軽快に発動する、ブルータルな殺戮ショーは手応え抜群。
カジュアルな残酷劇ってのも、ちょっとばかり問題があるような気もするけれど、すくなくともコントローラーを握っている間は、そんな後ろめたさなんか、きれいさっぱり忘れられているって!
<北米版・リージョンフリー / 日本のXBOX本体で動作します>
この記事に含まれるtag : シネマゲーム
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-663.html
2009/10/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
『X-Men Origins: Wolverine』では、ゲーム中に隠しアイテムをゲットすると、以後ステージセレクトでマスク付きのオリジナル・ウルヴァリンを選択できるようになるのですが、我々の世代には一般的であったこのコミック版ウルヴァリンも、ヒュー・ジャックマン演ずるウルヴァリン像が広まった今では、レトロ・ウルヴァリン扱いされるようになるのでしょうか。
実写映画版のウルヴァリンがマスク無しの姿になったのは、ジャックマンがそれを嫌がったからなんて話も聞いたことがありますが、もしそれが真実だとしたら、ジャックマンも随分と罪なことをしてくれたもんです。
そんなわけで、もはや猫背にマスク姿ではなく、もみあげにおかしな髪型がトレードマークになってしまったウルヴァリン。
そのもみあげスタイルのウルヴァリンが初めてゲームに登場した作品は、恐らくこの『X2 Wolverine's Revenge』になるんでしょうか。
日本ではワールドコレクションのラインナップとして、中身は英語版のまま日本語解説書付きで発売された作品です。

ただしこのWolverine's Revenge。パッケージに写るのは、確かにヒュー・ジャックマンなのですが、肖像権が取れたのはそこまでだったのか、ゲームの中に登場するウルヴァリンは、ジャックマンとは似ても似つかない風貌になってしまっています。
むしろ日本の個性派俳優の井上昭文さんに似ているような気がするのは、俺だけでしょうか?
しかも、このウルヴァリンの声を担当しているのが、何故かスターウォーズのマーク・ハミル。
豪華なんだかそうでないんだか、ちょっぴり判別に困るようなキャスティングです(プロフェッサーX役は、映画と同様にパトリック・スチュワートが担当)。

こんな調子で非常に微妙な本作のウルヴァリン。しかもこのゲームのウルヴァリンは、物凄く鈍臭いときている。
要はカメラワークや操作体系が全く洗練されていないのですが、これにウルヴァリンの風貌や、当時の平均からは確実に落ちるグラフィックなどが相まって、とにかく野暮ったい凡作という印象しか残らない困ったゲーム。
北米・欧州のゲーム業界の、ゲーム作りに対する様々な技術の底上げは、ここ数年著しいものがありますが、五、六年前くらいに遡ると、まだまだこのレベルのゲームが頻繁に登場していたりしたのです。

後ろ姿はジャックマン・ウルヴァリンだけど、前に回れば似ても似つかない別人。
しかも敏捷さが売りのウルヴァリンとは思えないほど鈍臭く、おまけにウルヴァリンの癖にめちゃくちゃ打たれ弱いときている。
オフィシャルゲームなのにもかかわらず、パチモンの雰囲気をぷんぷん漂わせる、この『Wolverine's Revenge』。
ウルヴァリンの秘められた過去やウェポンXからの脱出など、『X-Men Origins: Wolverine』と被る部分が相当多いだけに、たとえ時代性を差し引いたとしても、『X-Men Origins: Wolverine』と比べると、とにかくしょっぱい部分だけが目立ってしまいます。
もっとも、ここ数年の洋ゲーの急激な進化ぶりを推し量るには、『X-Men Origins: Wolverine』と揃えると丁度良いサンプルになるかもしれませんが。
この記事に含まれるtag : シネマゲーム
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-662.html
2009/10/05 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |