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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Carrier: Fortress At Sea】海上の要塞カールビンソン

   ↑  2009/08/04 (火)  カテゴリー: 3DO
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ニミッツ級原子力空母。排水量10万トン近くにも及ぶこのアメリカ海軍の主力艦は、まさに海上の要塞。
そのニミッツ級の三番艦、カールビンソンの全てに、何故か3DOが迫ったマルチメディアCD-ROMが、このCarrier: Fortress At Seaだ。
これの製作にあたったのは、何故か電通のアメリカ法人。そしてこれはディスカバリーチャンネルで放映された、同名のドキュメンタリー番組の関連作品。
ディスカバリーチャンネル版『Carrier: Fortress At Sea』は、普段なかなか迫ることのできない原子力空母の内部や実際の任務の様子、さらには空母内での乗組員たちの生活の様子を追ったドキュメンタリーとして、ちょっとばかり話題になった番組。
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このソフトは、ブリーフィング、データバンク、キャプテンズ・パス、チャレンジ、四つのモードに分かれています。
ブリーフィングは、テーマごとに編集されたカールビンソンの映像を鑑賞できるムービー集。中でも一番興味深いのは、City at Seaと題された船内での生活の様子を追ったムービー。ただしどのムービーも、尺自体はそんなに長いものではありません。
データバンクは、その名の通りデジタル事典。ここではカールビンソンについての詳細なデータの他に、航空母艦そのものについての歴史も掲載されています。
空母創生期の発着実験の様子から第二次大戦、冷戦時代を経て現代に至る航空母艦運用の歴史が、画像付きで記載。
チャレンジは艦載機を空母に着艦させるミニゲーム。とは言ってもあくまでおまけ的シロモノなので、過度の期待はかけないように。
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メインとなるのが、艦長の許可を得て艦内を自由に探索するという設定のキャプテンズ・パス。
これは船内マップを自由に移動して、デッキやエンジンルーム、艦橋など、所定の場所に行くと、その場所の解説ムービーが流れるという、一種の疑似艦内ツアー。
まあマップと言っても3Dポリゴンで生成された大層なものではなく、昔のアドベンチャーゲームのような一枚絵が繋がっているだけのものですが。
なにせマルチメディアCD-ROMなので、今の目から見てしまえば非常に微妙なソフトなのですが、それでもテーマ的に惹かれる人はそれなりに居るんじゃないかとも思います。
アメリカ海軍が全面協力して作成されたこのソフトが、何故、開発が電通、発売がパナソニックのコンビでリリースされたのかは、ちょっぴり謎ですが。
3DO版は日本未発売ですが、PC版は国内でも発売された模様です。
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このCarrier: Fortress At Seaに対抗したわけではありませんが、日本でも自衛隊に関係した3DOソフトが存在します。
しかもこれ、既存の会社のソフトに自衛隊が協力した、なんて程度のものではありません。防衛庁(当時)そのものが製作を統括したソフト。
そう、3DOはゲーム機ではなくマルチメディアプレイヤーを名乗っていたため、官公庁や企業関連などで使用されたケースが多多あるのです。
いくら何でもゲーム機に予算は下りないが、これがマルチメディアプレイヤーと言う名目であれば話は別だったのでしょう。
このソフトのタイトルは”自衛隊ワールド”。各地の駐屯地や自衛隊施設などに、3DO本体と共に設置されて自衛隊のPRに勤めたらしいですが、本当に置かれて稼働していたかどうかは確認していません。
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このソフト自体は確かに存在しているらしいのですが、ものがものだけに一般には全く流通せず、3DO全タイトルの中でも屈指のレア度を誇るソフトとなってしまっています。
噂では"実写シミュレーションゲーム"を名乗っているらしいですが、……ちょっぴりやってみたいなあ、それ。
3DOにはこの手の、官庁、企業系の非売品レアソフトが結構ありますよ。

<海外版 / 日本の3DO本体で動作します>

この記事に含まれるtag : マルチメディア 

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2009/08/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ザ・キックボクシング】パンタロンの時代

   ↑  2009/08/07 (金)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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ドン・星野・ウィルソン。通算戦績71勝(うち47KO)5敗 2分。
WKAのライトヘビーとスーパーライトヘビー二冠をはじめ、北米系のキックボクシングタイトルを総なめにした、アメリカキックボクシング界きっての強豪である。
しかし、日本や欧州では(そして本国アメリカでさえも)、その実力に疑問を呈するものも少なくない。
キックボクシングをダシに映画俳優に転向してしまった経緯が、生真面目な格闘技ファンに不快感を与えたのも理由の一つだが、それ以外にもアメリカキックボクシング全般のレベルに対する疑問もある。
さらにウィルソンには、強豪との対戦を避けてまわっていたとの風評もある。欧州の帝王ロブ・カーマンとの一騎打ちが結局実現しなかったのも、ウィルソンが逃げたからというのが、もっぱらの見方だ。
だけどウィルソンにしてみれば、もうその頃は現役チャンプと言ってもあくまで名目だけのもの。フルタイムの俳優業が本来の仕事となっている時期に、なにも好き好んで本人には全くメリットのないカーマン戦を受ける必要なんて、そりゃああるわけもない。

それ以前のウィルソンは、決して強豪との闘いを避けてばかりいたわけではない。
当時欧州ヘビー級最強と呼ばれたブランコ・シカティック(後に第一回K-1GPを制したあのシカティックだ)を迎え撃ち、堂々逆転のTKO勝利でこれを退けているのだ。
上の動画の最初の試合がその対シカティック戦。赤のパンタロンがウィルソンで青がシカティック。最後はウィルソンがシカティックをコーナーに詰めての滅多打ちでタオルが投入。シカティックのセコンドには、日本でお馴染み、ドージョーチャクリキのハーリック会長の姿もある。
シカティック戦の次に収録されている試合は、ボクサーとの異種格闘技戦の模様。この対戦相手、アート・ジマーソンは、UFCの第一回大会に於いて、片手だけにグローブをはめるというファンキーなスタイルでホイス・グレイシーと激突したあのボクサーだ。
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そのウィルソンが多用するのが、サイドキック。
いや、彼に限らず、アメリカ系のキックボクサー(マーシャルアーツ戦士なんて懐かしい呼称もある)が好んで使う技だ。半身に構えてジャブの感覚でひょいひょいと繰り出す。
アメリカ系キックボクサーの元祖であるビル・ワラスは、前蹴りではなくサイドキックを基本に置く理由を「だって前蹴りと横蹴り、同時に放ったら先に届くのは横蹴りだろ?」なんて答えていたが、そこで「いや、だって先に届けばいいってもんじゃねえだろ!?」ってツッコミも当然出てくる。
しかし、ムエタイと日本のキックボクシングが基本的には違う競技であるように、アメリカンキックと日本のキックやムエタイも当然違う競技なのだ。
アメリカンキックにはアメリカンキックなりの、リズムや間合いの取り方がある。それの象徴的存在が、あのサイドキックなのだろう。
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パンタロンを履きこなし、華麗なサイドキックをひょいひょい繰り出すアメリカのマーシャルアーツ戦士たちは、泥臭い日本のキックボクサーとはひと味違う香りを運んできてくれた。
その日米キック対戦は、もともとの両者の土壌の違いもあってか、どことなく噛み合わないちぐはぐな試合になることが多かった。やはりマーシャルアーツ戦士はマーシャルアーツ戦士同士で闘った方が、その真価を発揮したのであろう。
このザ・キックボクシングは、そのアメリカンキック、マーシャルアーツの数少ないゲーム化作品。
元のタイトルは、Best of the Best: Championship Karate。メガドライブの他にもSFCやPCエンジン、そしてゲームボーイなどにも移植されていたので、遊んだことのある人は結構多いのではないだろうか。
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ボタンと方向キーの組み合わせで繰り出す技は、自分で任意にプリセットできる。
この技の設定だけで、自分の好むスタイルのキックボクサーを自由に作り上げることができるのだ。この他にはあまり例のないシステムが結構面白かったりする。
オイラは一番出しやすい技には、もちろんサイドキックをプリセット。こいつで間合いを計ってパンチの射程にいっきに飛び込む。ドン・星野・ウィルソンお得意の戦法だ。
日本ではカーマン贔屓が多かったけど、もしウィルソンとカーマンが闘っていたら、WKAルールならウィルソン、欧州キックルールならカーマンという、身も蓋も無い結末になっていただろうと思う。
結局こういうものは、自分の土俵に引っ張り込んだもんの勝ちだ。だから結果的に二人は闘わない方が良かった。
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異なる競技同士を闘わせるグローバルなルールが発展した今の格闘技界は、結局は足し算引き算で全てが計れてしまう、夢のない世界になってしまっているような気もする。
六十億分の一を標榜するPRIDEは、「ヤクザが一番強い」なんて夢も希望もない現実を公にしただけに終わってしまった。
選手たちがパンタロンを華麗に履きこなしていたあの時代のほうが、よっぽどロマンに溢れた世界だったと思うのだ。
だからここであえて力強く宣言しよう。ドン・星野・ウィルソンはマジで強かったんですって!


この記事に含まれるtag : スポーツゲーム 

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2009/08/07 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Monkey Island: Special Edition】海賊島珍道中

   ↑  2009/08/08 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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タイムリーなソフトとして鏡の国のレジェンドを取り上げようと思ったんですが、押し入れの奥から引っ張り出してきたPCエンジン(コアグラとCD-ROMROMの合体型)のCD-ROMドライブが、異音を発するばかりでまともに動作しませんでした。
我が家に限らず、今回の騒動で久々に電源が入れられ、そして死亡が確認されたPCエンジンの数は全国で相当の数に上るのではないでしょうか。
そんな訳で今回は、オリジナルは鏡の国のレジェンドとほぼ同時代のアドベンチャーゲームである、LIVEアーケードのMonkey Island: Special Edition(日本未配信)。ガイブラシ・スリープウッドの冒険です。
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知事邸でのスラップスティックムービー風演出の大乱闘、猛犬に毒薬を飲ませて連中が地面に横たわるとすかさず出る「死んでません!眠ってるだけです。モンキーアイランドは動物を虐待しません!」とのテロップ、キングスイングリッシュを話す人食い人種たち。
徹底した楽屋オチが詰め込まれたこの作品に影響を与えたと思しき映画は、やはりボブ・ホープとビング・クロスビーの珍道中シリーズでしょう。
エスニック情緒溢れた冒険、非力な主人公が才気と舌先三寸でマッチョな大男たちをやり込めるストーリー、そして映画の構造すらもネタにした楽屋オチの数々。
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このモンキーアイランドに限らず、この時期のルーカスアーツ製アドベンチャーゲームは、往年のハリウッド映画的な要素を巧みに消化した作品が多いです。
これらの作品はいずれもマップの中をマウスカーソルで指定して、キャラクターを動かしたり行動を指示したりするもの。
当時としては斬新でとてもグラフィカルなゲームだったのですが、それでもその頃の最新のハリウッド映画的な技法を盛り込むには、当時のゲームの表現力には限界がありました。
必然的にこれらのアドベンチャーが規範としたのは、最新ではなく古典のハリウッド娯楽映画となったのではないでしょうか。
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苦労してかき集めたのに、いざ海に出てみれば日光浴ばかりしてちっとも働かない三人の仲間たち(あの心底腹が立つ慇懃無礼な「ミスター・スリープウッド……、そこ邪魔」も、今回は音声付きだ)。
こいつらに立腹して、連中の乗る船を撃沈してしまうのも、ある意味このゲームのお約束でもあるが、クリアして判明したのだが、船を撃沈してしまうと実績を一つ取り逃してしまうではないか!つくづく最後まで祟る連中だ。
キャラクターのバストアップ画面は、オリジナルと大幅に印象が変わっているのだが、特にヒロインであるマーリー知事は、原型を全く留めてなかったりする。
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もはやゲームの中でも古典と呼んでもおかしくない位置にいるこのモンキーアイランドだが、その面白さ自体が全く古びていないのは、ハリウッド古典であるホープ&クロスビーの映画と同様だ。
サム&マックス、モンキーアイランドと立て続けに来たのだから、今後もさらにこの一連のルーカスアーツADVのリメイクが、LIVEアーケードに登場してくれれば嬉しいんだけど。
次回はLOOMかマニアックマンション辺りをお願いします。次こそは是非とも日本でも配信して貰いたいところだけど、このシリーズに限っては機械翻訳で済ますというわけにはいかないから、そうもいかないのか。

<日本未配信 / ダウンロードには北米タグが必要です>

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2009/08/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Freedom Fighters】祖国解放戦争in U.S.A.

   ↑  2009/08/11 (火)  カテゴリー: XBOX
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大人数マルチプレイFPSの傑作『フロントライン』の流れを引く、Kaos Studiosの次回作『Homefront』。
近未来アメリカを占領する北朝鮮軍と、アメリカ解放を目指すレジスタンスの激突という、北朝鮮とソビエトの違いこそあれ、もろに「若き勇者たち」な設定。
しかも、この『Homefront』のシナリオには、その「若き勇者たち」を監督した、あのジョン・ミリアスが関わっているという。
これは「若き勇者たち」同様に、しまいには侵略軍そっちのけで内ゲバの殺し合いに至るのではないかと、今から期待してしまうではないか。
公開当初は好戦的プロパガンダ映画と非難された「若き勇者たち」だが、他のミリアスの同傾向作品と同じく、結果としてそんなプロパガンダとしては、とてもじゃないけど成立していない作品だ。本当の意味でのタカ派プロパガンダ映画ってのは、もっと巧妙な形でやって来るものだ。
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実は『フロントライン』のキャンペーンモードシナリオも、非常にミリアス風テイストが溢れるものだったのだが、決定的な部分でミリアスとは違うところがあった。
ミリアスのタカ派的、右翼的な思想には、国家という概念が根本から欠落しているように思える。
「国家や公よりも優先されるべきは、俺様の個人的マッチョイズム」
そんな体制側にとっては眉をひそめるような、実はアウトロー的な思想がミリアスの根底に流れているのではないか。
『Homefront』のトレイラームービーには、北朝鮮軍の攻撃によってアメリカの田舎の街並みが瓦礫の山と化すシーンが映っているが、これとて「侵略者に蹂躙される我が国土」なんて扇情的なイメージではなく、「(あの腹立つ)平和な街並みを粉々にぶち壊したい」ミリアスの個人的な妄想や願望を具体化した図のような気がしてくる。
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他国に侵略された米国という設定のゲームは、何も『Homefront』が最初ではない。この『Freedom Fighters』なんかもその一つだ。
"冷戦の勝利者はソビエト"なIF世界を舞台に繰り広げられるサードパーソンシューター。
主人公はソビエトの統治に反抗する元配管工のレジスタンス兵士(アイルランド人とアメリカ先住民の血を引くマイノリティって設定が、なんか姑息だ)。最深部に翻るソビエト国旗を引きずり下ろして星条旗を掲げ直すことによって、各ステージをクリアしていく。
なんか我々からすれば、思わず鼻白んでしまうような設定だが、本作を作ったのはデンマークのスタジオということもあってか、全般に非常にシニカルというか、醒めた視線によって貫かれているのも特徴だ。
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主人公にはカリスマ値という数値があり、これによって配下として帯同できる仲間のレジスタンスの上限が決まってくる。
カリスマ値が全く無い序盤では、いくら仲間に誘おうと「お前と一緒に犬死にはゴメンだ」と拒否られるのがオチだ。
しかし、戦果を挙げて仲間を連れて行けるようになれば、この主人公はそのドス黒い一面を発揮し出すのだ。
仲間には攻撃や防御などの指示を与えることができ、主人公を信頼しきっている仲間は、その命令になんの疑問も抱かず従ってくれる。
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「祖国の自由のため」「同胞のために死を恐れるな」「U.S.A! U.S.A.!」
ゲーム中実際にそう言っているわけではないが、まぁ恐らくはこんなことを彼らに吹き込んでいるのだろう。
そして敵の銃火に怯むことなく勇敢に突撃する彼らを、時には盾に、時には囮に使い姑息に立ち回る主人公。
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多くの仲間たちの命を代償に得た戦果は、すべて主人公が独り占めだ。
それによって上昇するカリスマ値。この値は仲間の血を吸って膨れ上がっていく悪魔の数値に他なりません!
レジスタンスたちのほとんどが、一刻も早くこの国土からロシア人を叩き出そうと苦闘する中、恐らくこの主人公は来るべき戦後をどう立ち回りのし上がるかに知恵を絞っているのだろう。
(まずは暫定政府の軍事部門の然るべき地位に就いた後、やがてゆくゆくは新生合衆国政府の大統領に)
そんな彼の皮算用も決して夢物語ではない。何せ彼はアメリカ解放の英雄だ。
彼が戦闘中に「俺が対戦車ロケット砲を探している間に、お前らはあの戦車にバンザイ突撃で足止めしてこい」なんて非情な命令を下していたとしても、それを証言する者たちは、みんな戦車の砲撃でミンチになっているし。
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舞台となる戦場のスケールが、非常にちまちましていることもあってか、この『Freedom Fighters』には、どことなくそんなブラックな寸劇を感じさせる部分も垣間見えたりする。
そんな印象を別にしても、非常にタイトにまとめられて遊びやすい、TPSとしての完成度の高さを誇る秀作。
PS2版は『フリーダムファイターズ』の邦題で日本でも発売され、現在は廉価版が入手可能。

<アジア版 / 日本のXBOX本体で動作します>

この記事に含まれるtag : TPS 

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2009/08/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Trials HD】超絶!モト・トライアル

   ↑  2009/08/13 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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イーブル・クニーブル。
並べられた十数台のバスの上を飛び越すなど、命知らずなバイクスタントで一世を風靡した、失われたアメリカンヒーロー。
スターズ&ストライプスをアレンジしたエルビス・プレスリー風のド派手なコスチュームで挑んだ、死をも恐れぬチャレンジの数々は、数百回にも及ぶ骨折とそれを遥かに凌駕する栄光を彼にもたらした。
この人の全盛期は、まだオレが物心つく前、'70年代の半ば頃。
そしてオレは日本の玩具メーカーから発売された、このクニーブルのスタントセットというおもちゃをどこかで見掛けたことがある。
星条旗コスに身を包んだクニーブルのフィギュアに、モーターか何かで動くスタント用バイク。そしてジャンプ台がセットになった、実に大掛かりなおもちゃだった。
オレの記憶に間違いがなければ、そのおもちゃは確かに日本製。クニーブルの名声は、この極東の島国にまで、しっかりと及んでいたのだ。
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そんな命知らずなクニーブルですら、この『Trials HD』のコースを一目にすれば、「殺す気かっ!訴えてやる!」とダチョウ倶楽部化してしまうかもしれない。
何せ彼の目の前でこのコースにチャレンジするライダーの末路といえば、空中制御に失敗し数メートル下のランプに顔面から突っ込んで血を噴出させたり、ジャンプ台の先の梁に首から激突して回転しながら十数メートル下の地面に落下したり、意味もなくコースに設けられたガラスボードを次々に突き破りながら地面に並べられたガソリン入りドラム缶の上に落下、ドラム缶が誘爆してさらに百メートルほど宙に吹き飛ばされたり。
全身から力が抜けたまま地面に横たわって動かないライダーの姿は、バイクスタントの無茶さと最新の物理エンジンの生々しさを同時に伝えてくれるかのようだ。
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モトトライアルを題材にしたゲームは、今までもいくつか存在したが、このTrials HDは純粋なモトトライアルのゲームとは、ちょっとばかり色合いが違うかもしれない。
モトトライアルをダシにして物理エンジンでいかに遊ぶか、或いはバイクを使ったインクレディブルマシーン、そんな趣だ。
肝となるのは、前方や後方への体重移動。しかし、この制御がけっこう繊細なタッチを要求する。うっかり気を抜くと平地走行時ですら後ろにひっくり返ってしまうくらいだ。
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イージーやミディアムモードですら、ゴールドメダルクリア狙いは相当ハードルが高いし、ハードモード以降は、その難度は呆れかえるくらい劇的に急上昇する。
だけどBボタンを押せば即座に一番近いチェックポイントから再開可能。このシステムのおかげで、壁にぶち当たって何度死のうが、ストレスはほとんど溜まらない。
上位メダル、フレンドの記録、或いは世界記録など、高みのさらに高みを目指す求道的なプレイには勿論だけど、「クリアできればラッキー」程度のカジュアルな心構えでも充分楽しめる。
ライダーたちの壮絶な死に様(あれが実際なら間違いなく死んでる)を目の当たりにするだけでも面白いので、ミスをネガティブに捉えなくて済むのが、オレみたいな下手ッぴいにもありがたい。
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気が向いたときに軽く一、二ステージ遊ぶつもりで、気軽に手を出せるのも魅力だし、そしてそんなつもりで始めたのにも拘わらず、気がつけば一時間くらいトライ&エラーを繰り返してやり込んでしまう中毒性も兼ね備えている。
さらに自作コースエディット機能まで使い倒す気であれば、1200MSPという一見高額な価格設定すら、抜群なコストパフォーマンスに思えてくるほどだ。
最後になるが、「イーブル・クニーブルですら二の足踏むほどの無茶コース」と例えてしまったけれど、実際のクニーブルなら、
「ここを俺に走れってか?警察とか止めに来ないだろな?よしっ、いっちょう派手にやったるぜ!」
と、嬉嬉としてチャレンジするであろうことは、”ラスト・アメリカンヒーロー”クニーブルの名誉の為に付け加えておこう。

この記事に含まれるtag : XBLA 

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2009/08/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |