- 映画【北国の帝王】 [2009/03/06]
- 【ロボトロン X】リメイク版Robotron 2084 [2009/03/08]
- 【Peggle】PopCapは、やればできる子 [2009/03/12]
- 映画【ポリス・バカデミー マイアミ危機連発!】 [2009/03/16]
- 【バーンアウト・パラダイス】と【Test Drive Unlimited】 [2009/03/19]
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「今までに観た映画の中からベスト10を挙げよ」と問われても、その日の気分によりランクインする作品とか順位とかは結構入れ替わってくる(でも『ストリート・オブ・ファイヤー』『ジャコ萬と鉄』『スカーフェイス』『ウェディングシンガー』あたりは、必ずランクインするかな)。
だけど「ベスト1は?」と問われるのなら話は別だ。オレの答えは決まっている。それはロバート・アルドリッチの『北国の帝王』だ。
以前、知人にこの映画の内容を尋ねられて「浮浪者のおっさんと車掌のおっさんが無賃乗車の是非を巡って延々死闘を繰り広げるお話」と説明したら、「そんな話が娯楽映画として成立するわきゃないでしょ」などと全く信じて貰えなかったのだが、成立しちゃったもんは仕方がないではないか。

出てくるのはムサい浮浪者とムサい鉄道員ばかり。女っ気なんか全く無いこの大傑作が、遂に日本で初DVD化。
いくらなんでも遅すぎやしないかとも思うけど、ここは素直に発売に踏み切ってくれたことに感謝するしかないだろう。
なにせこの国内版DVDには、小林清志と富田耕生による最高の吹き替えが収録されているのだ。
日曜の昼間に家でごろごろしていた当時中学生のオレは、この吹き替え版のテレビ放映で魂をがつんとぶん殴られたのだ。
リー・マーヴィンの面構えと小林清志の声という、これ以上はないくらい男っ臭い組み合わせに、「この青二才が!」と思い切りケツを蹴り上げられたのだ。

この映画でキース・キャラダイン演じるシガレットは、我々の代理人。
思い上がり甚だしく、身の程知らず。小理屈ばかりが達者で薄っぺらな若造。
リー・マーヴィン演じる浮浪者の帝王、A・ナンバーワンと、アーネスト・ボーグナイン演じる冷酷非道な車掌、シャックの争いに割って入ろうとするが、元よりそれだけの器量なんぞありゃしない。
認められる機会をことごとく自分の手によって潰し、最後の最後でA・ナンバーワンに一発喰らわされお説教を頂戴する。
「自惚れるんじゃねえ、くそったれ小僧が!おめえは見込みのある小僧だと思っていたが、爪の垢ほども人の心が分からねえ奴だ!おめえはいびつな人間なんだ。口先だけ達者でも、心はカラだ!おめえは北国の帝王にはなれんのだ!」
中学生のオイラをがつんと打ちのめしたこのお説教は、あれから年を重ねた今のオレにも痛いほどよく響く。
この映画の中のA・ナンバーワンとシャックからすれば、オレなんてまだまだケツの青い若僧でしかない。
そして上を向いてこの国のA・ナンバーワンやシャックと同い年の連中を見渡してみても、目に付くのはシガレットがそのまま成長せず大人になったような奴らばかりだ。

この映画で最高の一瞬は、ラストの列車上での死闘の末、深傷を負い丸腰になったにも関わらず、動かない体を奮い立たせ、闘志を失わないぎらついた目(あのボーグナインのギョロ目でだ)で、斧を振りかぶるA・ナンバーワンを睨みつけるシャックの姿に尽きる。
並みの悪役なら泣いて許しを請うシチュエーションで、そんな男の矜持を見せつけるシャックの姿は、その成り行きを列車の屋根にしがみついて傍観するしかないシガレットの姿と相まって、いっそう輝いている。
「殺せるものなら殺してみやがれ」そんなシャックの気迫に押されて、A・ナンバーワンは斧を握り直し、そしてシャックを列車から突き落とすに留める。あの勝負に決してシャックは負けてはいない。
そして上っ面の事象しか眺めず、A・ナンバーワンの表面的な勝利に無邪気に喜ぶ青二才シガレットに、いよいよA・ナンバーワンの怒りが爆発する。「おめえには人の心が分からねえ!」と。

「星は俺のために輝き、大統領だって俺には一目置く。俺は行きたいところに行けるんだ。ニューヨークの大金持ちでも、俺ほど自由じゃねえ。」
中盤、A・ナンバーワンがきる、最高の啖呵にして最高のはったり。
ああ、オレもこんなはったりが似合うおっさんになりてえ。だけどA・ナンバーワンからすれば、オレがそんな夢を抱くことすら「百年早いんだ。この薄っぺらな若僧」なんだろうけどな。
何度でも何度でも見返して、何度でも何度でもケツを蹴り上げられたい。やはりオレにとって最高の映画は、この『北国の帝王』ただ一つだ。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-487.html
2009/03/06 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
Robotron 2084の作者、ユージーン・ジャーヴィスは、後にRobotronのシステムを継承したスマッシュTVを開発。この作品も現在、LIVEアーケードのラインナップに加わっている。
そして'96年にプレイステーションで登場したRobotronの3D化作品が、このロボトロンX。ただし本作の開発には、ユージーン・ジャーヴィスは関わっていない。
日本ではゲームバンクが展開していた洋ゲーブランド、黒船サンパチの一環として発売された。
黒船サンパチは、主にミッドウェイの作品を中身は英語のまま日本語マニュアルをつけて、3800円で販売していたシリーズ。

ゲームの3Dポリゴン化に伴って、見下ろし型の固定画面から、斜め上からの俯瞰視点に変更され、フィールドも広くなり画面もスクロールするようになっている。
殺す気満々でこちらに押し寄せてくる大量の敵は健在なので、フィールドが広がり逃げやすくなったのは有り難いが、逆にスクロールする画面が災いして、画面外から突進してくる敵と衝突死するパターンも増えてしまったのはご愛嬌。
Robotron 2084に登場した脳状の敵が、本作ではポリゴン化されなまじ胴体がはっきりついてしまったのが災いして、脳と言うより萎びたブロッコリーにしか見えなくなっているのも、これまたご愛嬌。

方向キーで移動、四つのボタンで上下左右斜め八方向に撃ち分けるのが基本の操作法だけれど、面白い事に、シングルプレイで左右の手に一つずつコントローラーを持って操作するタイプも選択できる。
この場合は左手に持った1コンの方向キーで自機を移動させ、右手に持った2コンの方向キーで弾を撃ち分けるのだ。
こんなツインスティック操作へのちょっとしたこだわりが、ちょっぴり嬉しい。

ロボトロンは人類を超える能力を手にし、人類に反逆したロボットたち。世界はロボトロンに支配され、人間は彼らに虐殺されるだけの存在と化してしまっている。
プレイヤーは、そんなロボトロンに立ち向かう超能力戦士という設定。
人間に反旗を翻したロボットが支配する世界という設定は、否応なしに『ターミネーター』を連想させるけれど、このロボトロンのオリジナルが世に出たのは、『ターミネーター』が公開される以前のことだ。
Robotron 2084では、人間がロボトロンに殺されると髑髏マーク化するだけだったが、このロボトロンXでは、悲鳴と共に血だまりが残る演出に変えられている。

もし2000年代にロボトロンが再びリメイクされていたら、それこそロボトロンが人間の腹を引き裂いてはらわた引きずり出すゴアな演出まで進化していたりして。
そんな見かけによらないブルータルな設定のロボトロンだけど、モーコンならいざ知らず、この辺の立場的に微妙なゲームの権利は、果たして今後どのような運命を辿るのだろうか。
この記事に含まれるtag : STG ミッドウェイ XBLA
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2009/03/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
PopCapといえば、どっかで見たことのあるようなゲームや、詰めの甘いカジュアルゲームでお馴染みのメーカー。
嗚呼しかし、まさかそのPopCapのゲームに、こんなにも熱中させられる日が来るとは!
この『Peggle』は、以前にiTunes StoreでiPod Game版(iPhoneアプリではなく、第五世代iPodやClassic専用のゲームアプリ)が配信されていたのを見かけたことがあったけど、その時には全く気にもとめなかった。
なにせクリックホイール付きタイプのiPodは、そもそもゲームハードとしては根本的に無理があるし、メーカーは『パズループ』と『Zuma』の件で印象の悪いPopCapだ。
だけど画面写真から漂うエレメカ遊戯台風のテイストが気になったので、昨日配信されたXBLA版からとりあえずお試し版をダウンロード。そして三分後に思わず完全版を購入していた。
いや、だってこの『Peggle』、時を忘れるほど面白いんだもん!

スマートボール、ブレイクアウト、パズルボブル。Peggleのアイデア自体は、これらの過去のゲームの折衷でしかない。だけど、その融合具合が実に巧みでバランス感覚に長けている。
そしてゲームを彩る演出は、今までのPopCap風味のそれが、さらに大胆にはっちゃけたもの。
ラストのピン(ペグ)にボールが向かう時に挿入されるドラムロール。そしてステージクリア時に響き渡る大袈裟なまでのベートーヴェンの第九(あの曲がここまで馬鹿馬鹿しく鳴り響く例が、他にあったであろうか)。
Ultra Extreme FeverとCool Clearを同時に達成した時などは、ボールペンを指揮棒代わりに、まるでフルトヴェングラーよろしく両腕を振り回してしまったほどだ。

この『Peggle』の一番凄いところは、いわゆるライトユーザーからハードコアゲーマーまで、それこそ万人が気軽に楽しめて熱中できるという、この上なく高いハードルを見事にクリアしている点じゃないだろうか。
これぞカジュアルゲームの理想型にして、LIVEアーケードの理想型。XBLAのキーマンは、過去のアーケードゲームメーカーなんかじゃなくて、実はPopCapやBig Fishみたいなメーカーなのかもしれないな。
この記事に含まれるtag : XBLA
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2009/03/12 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
♪ ばっどぼーい ばっどぼーい わちゃごなどぅー
Inner Circleのテーマ曲、"Bad Boys"でお馴染み、日本にも根強いファンがいるFOX TVの警察密着ドキュメンタリー『全米警察24時 コップス』
巡回のパトカーにカメラクルーが同乗し、そこで勃発するB級事件、B級犯罪者の数々に警察官たちが辟易する様をとらえた、犯罪大国アメリカとは無関係な我々からすれば、もはやお笑いドキュメンタリーと化している人気番組だ。

『サウスパーク』でお馴染みコメディ専門チャンネル、コメディ・セントラルで、そんな『コップス』をパロディ化したフェイクドキュメンタリーが放映されているという噂は、前々から耳にしていた。
北米タグがあれば、XBOX LIVEのビデオマーケットプレイスから本作のプレビュービデオが閲覧できる。
そんな断片的にしか観ることができなかった『Reno 911』だが、本国ではいつの間にか、そこそこの予算で映画化される程度の、そこそこの人気番組になっていたようだ。
その映画版である『Reno 911: Miami』が、『ポリス・バカデミー マイアミ危機連発』という投げやりなんだか的を得てるんだか分からないようなタイトルで、DVDスルーとはいえ、ようやく日本でも陽の目を見る事になった。

テレビシリーズと同様の面子が、ホームグラウンドのリノを離れてマイアミで、いつも通りに巻き起こすろくでもない騒ぎを、これまたいつも通りにドキュメンタリー風味でとらえた内容で、全編を覆い尽くす低偏差値ギャグと下ネタ(ゲイネタ、レズネタ多し)の数々は、めまいがするくらい素晴らしいです。
特に鯨爆破ネタと、モーテルの各部屋でメンバーが揃ってマスターベーションに興じるシーンのくだらなさ(褒め言葉です)は特筆もの。
これは本編のテレビシリーズを、是非とも通しで観てみたいよなぁ。
ロック様もカメオ出演で登場。ウィーグル役のケリー・ケニー・シルバーの芸風は、どこかで観たことがあるなと思ったら、北陽の虻ちゃんの芸風にそっくりなんだよなぁ。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-476.html
2009/03/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |これはマップの大きさ、スケール感、密度によるものも大きいのだろうけど、何よりもこの二つのゲームの本質的な違いが理由なのだろう。
法定速度を守って呑気にドライブしていても、全く違和感がないTDUに対し、バンパラは常にアクセルのベタ踏みを要求される世界だ。
隙の全く無いゲームシステム、緻密なオープンワールドの空気が、オイラにアクセルを床にめり込むまで踏み込めと強く迫る。
そんなエンジンのけたたましい響きとタイヤの焼け焦げる臭いに追い立てられる時間は、確かに楽しいものではあるけれども、オイラにとってはある程度の時間を遊ぶと、その隙の無さ、緻密さに息苦しくなり、どっと気疲れしてくるものでもある。
この息苦しさ、気疲れは、コール・オブ・デューティー4を遊んだときのそれに近いものがある。
「それはあんたが隙の無いゲームと合わないだけなんじゃないの?」と言われればそれまでだけど、バンパラにしろCoD4にしろ、自分になんとなく合わない程度の理由ではスルーできないくらいの、圧倒的な完成度と面白さを誇っているから厄介だ。
バンパラもCoD4も、遊んでいるときは周りを忘れて熱中するくらい楽しんでいる。でもそれも二、三十分が限界。
そしてモニターから目を離して大きく息をついた後、今度は開放的な空気を求めてTDUやフロントラインに駆け込むのだ。
カスタムサントラから流れるクレイジーケンバンドに鼻歌を合わせながら、パールハーバー界隈を呑気にドライブしたり、ラジコンヘリのプロポを抱えて鉄塔の上に登り、「うわあ、下はドンパチドンパチ大変だぁ。」と呑気に高みの見物を決め込んだりするのだ。
そんな時、オイラは「ああ、こっちこそがオイラのホームグラウンドなんだ」と強く感じている。
ビジターの緊張感もいいものだ。そしてそれは帰ってくるホームグラウンドがあるから一層映えるものだ。逆にホームグラウンドの開放的な素晴らしさも、ビジターの張り詰めた空気を体験した直後だと、これまた一層映える。
その証拠に、バンパラを遊んだ後のTDU、そしてTDUを遊んだ後のバンパラは、いずれも輪を掛けて楽しい。
パラダイスシティでアクセルを床まで踏み込んで他車を蹴散らしながら走った直後の、オアフでの交通法規、法定速度、信号遵守のドライブは、それこそ脳汁が漏れるほど面白いんだって。本当だよ。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-473.html
2009/03/19 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |