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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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映画【ブレア・ウィッチ・プロジェクト】と【ブレア・ウィッチ(2016)】

   ↑  2020/04/24 (金)  カテゴリー: 映画・DVD
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アメリカのメリーランド州にはブラックヒルズといういわくつきの深い森があって、そこでは何人もの人間が死んだり行方不明になったりしている。
オレの中では半分フィクションで半分ノンフィクションのお話だ。
時は1999年の終わり、アメリカで一世を風靡したこのお話は、勢いをそのままに日本にもやってきた。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は劇映画なんかじゃない。
不穏な噂に事欠かない森を浮かれた学生たちが自主制作のドキュメンタリー映画の撮影に訪れ、そのまま消息を絶ち後に遺留品だけが発見された。
その中にあったフィルムを再編集した、そんな触れ込みの映像が一般的な劇映画の体をなしてるわけもない。
なにせこの映像の大半は学生たちが森の中でだらだら迷い続けているだけなのだから。

でもその一見冗長な映像は、怪談フォークロアが大好きで心霊スポットをよくのこのこ訪れていたオレにとっては、とても身につまされるものだった。
まだネットがそこまで一般的にならず、SNSはおろかブログすらも広まっていなかった時代において、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は都市伝説の極めて手の込んだ共有であった。
そのプロモーションは本国のそれに倣ったのか、魔女の森に関する因縁話をあらかじめ人々に共有させて外堀から埋めてゆくスタイルが取られた。
180年前の少女失踪事件。それから約60年後、コフィンロックと呼ばれる場所で村人の惨殺死体が発見された事件。そして1941年、森の中の館で起こったラスティン・パー事件。
ブラックヒルズで起こったこれら主要な事件をあらかじめ頭に刷り込まされた上で、オレはこの魔女の森の最新因縁話の遺留映像と映画館の暗闇で向き合ったのだった。
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「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を虚仮威しと呼ぶのは簡単だ。怪談フォークロアなんてそもそもすべてそんなものだから。
オレだってオカルト心霊話をホントに信じているわけじゃない。でもあえてその嘘に乗る。乗って怪談話や心霊スポット巡りを大の男が半分ビビりながら楽しむ。
ましてや「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はすべてが完全なフィクションだ。
しかしこの映画はフィクションであること、劇映画であることからの外れ方、逸脱の仕方がとても巧妙だ。
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2016年に公開された「ブレア・ウィッチ」は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の(一応)正統な続編だが、この両者を観比べると「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の疑似ドキュメンタリーとしての巧妙さが一層際立つ。
失踪した学生の一人ヘザーの年の離れた弟が、仲間と共にブラックヒルズを訪れる2016年版「ブレア・ウィッチ」は、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のフォーマットを何から何までなぞった作品だが、スマホやgoproなど劇中の撮影機材が大幅に進化したにも関わらず(だからこそと言うべきかも)、この不肖の弟は姉に及ぶべくもない。

2016年版「ブレア・ウィッチ」の映像は写しすぎる、説明しすぎる、饒舌に語りすぎる。
これは「ブレア・ウィッチ」に留まらず、「クローバーフィールド」から最近の和製心霊ものまであらゆるモキュメンタリー映画に共通したことだけど、当事者が写したフィルムを建前とする劇映画としては限定的な手段を取っているが故に、不自然な演出過多になって作り物っぽさを逆に際立たせてしまうことが多い。
しかし本家「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はこの点を極めて抑制している。
フィクション創作を齧った者ならば、どうしても語りたがらずにはいられないような所でも、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は潔く投げっぱなしにしている。
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曖昧なところは曖昧なまま放ったらかし決して明晰には語らない。
劇映画としての役割を半ば放棄して怪談フォークロアの語り口に忠実に徹したことで、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は、なんとも言いようのないもやっとした後味の悪さを残すフィルムとして、ホラー映画史にその名を刻み込んだ。
そんな自分たちの資質を知った上でか、あるいは一生暮らせるだけの金を得てしまったからか、この超低予算映画の共同監督たちはこれ一本を残しただけで映画界の表舞台から身を引いてしまう。
これも都市伝説の後始末としては、なんだかよくできたエピソードだ。

この記事に含まれるtag : ホラー 

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2020/04/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【DOOM/ドゥーム: アナイアレーション】

   ↑  2020/01/20 (月)  カテゴリー: 映画・DVD
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ロック様主演の2005年版映画「DOOM / ドゥーム」からはや10数年。
リブート版ゲームのヒットを受けてまた性懲りもなく立ち上がったDOOMの映画化企画。
しかしそのキャストは主演のエイミー・マンソンを始め、ルーク・アレン・ゲイルにハードロックバンドLetters from the Fireのボーカリストでもあるニナ・バーグマンと、2005年版よりも大幅に地味化した顔ぶれ。

配給側もさすがにセールスポイントに窮したのか、「ドゥエイン・ジョンソン主演で大ヒットしたシリーズの最新作!」なんて売り文句を無理やりひねり出してきた。
あのな、10何年も前のことだからって強引に盛るんじゃねえ! 大ヒットした覚えなんかこれっぽっちもねえぞ!
売り文句はさらに「前作の製作陣が再び集結!遺伝子を本作にも注入している」とヤケクソに続き、その前作を知る者は「集結しちゃまずいだろ!」「注入しちゃまずいだろ!」「そもそもそれをセールスポイントにしちゃまずいだろ!」と、まずいの多重奏で迎えるのであった。

そんな観る前からこちらを不安にさせるDOOM映画の最新作「DOOM/ドゥーム: アナイアレーション」。
火星に施設を展開する軍産複合体UAC。それに所属するスペースマリーンチームが衛星フォボスに向かったはいいが、赴任先の研究施設は通信途絶状態。
実は極秘研究の過程で地獄へのゲートを開いていしまい、施設はのっぴきならない状態になっていた。

そんなわけでゾンビ化した施設職員たちとスペースマリーンチームとの死闘がおっ始まるわけだが、結論を言うと、確かにキャスティング面では落ちるものの、ロック様版よりはるかにちゃんとDOOMしている。
物語の中心になるのはヘルズゲートだし、BFGやキーカード、チェーンソーといった原作ゲームではおなじみのアイテムも、物語にきちんと沿った形で登場する。
海兵隊の名を借りたスチャラカ集団であった前作のチームに対して、この「アナイアレーション」のスペースマリーンチームは曲がりなりにも未来の海兵隊の雰囲気を出している。

だけどSFホラーアクション映画として面白いかと言われると、「うーん…………、普通!」としか返しようがないくらい中庸なデキであることもまた確かで、まぁそんなところもゲーム原作映画らしいというか、このジャンルが現在のアメコミ原作映画のような隆盛を迎えるのも、まだまだ先の話なのかなあと思わずにはいられないのであった。

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2020/01/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【DOOM / ドゥーム】

   ↑  2020/01/17 (金)  カテゴリー: 映画・DVD
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DOOMはゲーム史にとって忌まわしき存在。ではそのDOOMの歴史の中でもっとも忌まわしいDOOMは何か?
初代? 一番血みどろな最新作? ニンテンドウ64を血に染めたDOOM64?
いや、ファンにとってもっとも忌々しいDOOMは、やはり多くの人をずっこけさせた、この映画版をおいて他にはないだろう。
本国での公開は2005年末。ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「バイオハザード」やアンジェリーナ・ジョリー主演の「トゥームレイダー」など良作も出始め、ゲーム原作映画といえば色物であった時代も過去のものになりつつあった頃。

しかしカール・アーバン、ロザムンド・パイクと並ぶ、それなりの顔ではあるんだけどいまいち華に欠ける出演者にどことなく不安を覚える。
そしてキャストのトップに名を飾るのはザ・ロックことロック様。
だが今でこそドウェイン・ジョンソン名義で押しも押されぬトップアクターの地位を築いているロック様だが、まだこの頃は"プロレスラーの色物キャスティング"の印象が強かった時代だ。

そのロック様を隊長とする海兵隊チーム。白人からアジア系と人種も適度にバリエーションがあり、信心深い堅物からこれが初任務の小僧っ子とキャラクターも多彩。というか色んなアクション映画でさんざん使い古されて、もはや手垢にまみれた編成。
そんな既視感バリバリのチームが送られたのは、救援信号を発してきた火星の研究所。
ロック様率いる部隊は、そこでクリーチャー化した職員たちに遭遇し、一人、また一人と斃れていくのであった……、って、頼むからDOOMやってくんねえかなあ?

いや、『DOOM 3』を下敷きにしたのは分かるんだけど、ぶっちゃけ『DOOM 3』のプロットって、ありがちなSFホラー映画を元にしたようなところがあるから、ぐるっと一周回ってそれを再び映画でやられても困るんだよ。
途中なんの伏線もなしにBFG9000(DOOMシリーズにおける最強武器)が出てきて、ロック様それをぶっ放してご満悦なんてシーンが出てくるんだけど、それも製作者側の「これを出しときゃ原作ゲームファンへの義理もとりあえず立つんだろ?」程度の意識しか感じられず、案の定その後はストーリー的にまったく意味のない存在に。

物語が進むにつれてどんどんキ……、いや、エキセントリック度を増していくロック様が唯一と言っていい見どころではあるんだけど、こっちはロック様ではなくDOOMを目当てに観ているわけで。
そんなこちらの「DOOMやってくんねえかなあ」気分を見越したかのように終盤に炸裂するのは、劇場を失笑の渦に巻き込んだ伝説の一人称視点パート。
これはFPSのプレイ視点をそのまま実写映像化したようなパートが、なんの前触れもなく唐突に繰り広げられるシロモノ。

ご丁寧に今まで劇中に一度たりとて出ていなかったチェンソーまで無理やり登場させる始末で、ごくありふれたB級SFホラー映画の中に忽然と登場する異形の映像に、観ているこっちは「DOOMやれってそういう意味じゃねえんだよ!!」と、椅子の上で憤るしかなかったのであった。



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2020/01/17 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【ブッシュマン キョンシーアフリカへ行く】

   ↑  2017/07/03 (月)  カテゴリー: 映画・DVD
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映画「霊幻道士」の予想外のヒットと、キョンシーというキャラクターの急速な認知。その後に出てくるのは、そう、際限ない雨後の筍、柳の下のどじょうだ。
なにせ両手を前に突き出しぴょんぴょん跳ねてるやつを出すだけでキョンシー映画として成立してしまうのだから、これほど楽な話はない。
香港は元より、台湾、日本、フィリピンと、アジアのありとあらゆる国から登場した無数のパチキョンシー映画たち。
その中身もキョンシーがロボコップ(のパチモノ)と絡んだり、ニンジャと絡んだり、セクシー女優と絡んだりと、ゲテモノ同士の近親交配のオンパレード。
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アフリカはコイサン語族のニカウさんは、キョンシーと同じく80年代の映画界に瞬間的なブームを巻き起こしたキャラクター。
そんな美味しい人物をアジアの映画屋魂が放っておくはずもなく、さっそくキョンシーと掛け合わせてはい一本と相成るのであった。
そんなキワモノに出て道士ツラするのはどんなマヌケかと思いきや、これがなんと本家「霊幻道士」シリーズの最重要人物ラム・チェンイン。
なんのことはない。キョンシー狂騒の煽りを受けて、本家の「霊幻道士」シリーズも、回を重ねるごとに着実にゲテモノ化を極めていったであった。

ロンドンのオークション会場でご先祖様のミイラを競り落とした香港のドラ息子とお付きの道士様。
しかし、帰りの飛行機がアフリカ上空で故障。パラシュートは2つしかないからと、まずはキョンシーとなったご先祖様のミイラをダイレクトに投下。
その下に居たのは我らがニカウさん。
なにせ空から落ちてきたモノは、たとえコーラの空き瓶であろうと神様認定しちゃうお方だ。落ちてきた死体を新しい神様だと村に連れ帰っちゃっても、なんの不思議もない。
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一方、遅れて着地した道士様たちは、素敵な野生動物様たちのご歓待を受け、ライオンに追いかけられたり、サイと方術で闘ったりなど、ベタなアフリカネタをさんざん展開した後、やっとブッシュマンと接触。
「これはうちのご先祖様だから」「オラたちの神様をどこに連れてこうってんだ」などと、大岡越前でも裁ききれないようなキョンシーの取り合いを演ずる。
そこにやってきたのが、悪い白人とその手下の悪い部族のご一行。

キョンシーと道士様はブッシュマンに加勢して戦い(ブッシュマン、ステロタイプな悪い白人、ズールー族、キョンシー、カンフー、方術が交錯する乱戦は、限りなくカオスだ)、悪い呪術師の呼び出したアフリカンゾンビとキョンシーの東西死体合戦まで勃発(巨漢のアフリカンゾンビにびびるキョンシーが、今まで自分を慕ってくれたブッシュマンの子供たちが失望する様子をみて、勇気を出してアフリカンゾンビにぴょんぴょん突進するシーンは、ほんのちょっぴりほろっとさせられる)。
そして道士様は最後の手段として、ブルース・リーの霊を呼び出しニカウさんに憑依させる荒業に打って出るのだった。
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この後の観客に残されているのは、怪鳥音を轟かせたり、鼻を擦りあげたり、相手を踏みつけて悲しみの表情で絶叫したりなど、やりたい放題のニカウさんブルース・リー完コピ物真似芸を、呆けて目でただ見つめることだけである。
キョンシーがアフリカの大地をぴょんぴょん跳ね回っている光景だけでも、もうお腹が一杯なのに、さらにダメ押しのようなブルース・ニカウ・リーの登場。
こんな強力キャラを前に、基本的なペースをまったく揺るがさないラム・チェンイン道士様もさすがなら、ちっともキャラ負けしていないキョンシーもさすがである。
たとえ瞬間的であろうと、起こしたブームはダテではないのだ。

 

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2017/07/03 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【血の魔術師】

   ↑  2017/05/30 (火)  カテゴリー: 映画・DVD
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楽天SHOWTIMEに突如降って湧いた血糊と臓物の雨。
昨年大往生を遂げたスプラッター映画の祖、ハーシェル・ゴードン・ルイスの代表作5本と、その足跡を追ったドキュメンタリー「ゴッドファーザー・オブ・ゴア」(監督は「バスケット・ケース」のフランク・ヘネンロッター)が一挙配信開始。
日本でこの血みどろゴア映画のオリジンが最初に注目を浴びたのは、特殊メイクブームやスラッシャー映画の流行などでジャンル自体が一般的に認識されるようになった1980年代中頃だったと思う。

そのジャンルの創造者としてにわかに脚光を浴びたルイスの作品は、当時のマニア系映画雑誌や書籍などに頻繁に取り上げられるようになった。
誌面のカラーページを飾る毒々しく血なまぐさい色に彩られたスチル写真に目を奪われたオレは、当時はかなり高価だったビデオソフトを観る機会を待ち望んだ。
そして友だちの友だちの父親だか、とにかくそんなルートから回ってきたビデオを前にして、そのあっけらかんとして虚仮威しな内容を前に、思わず拍子抜けしたのであった。
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マニアが撮りマニアが観るジャンル。しかしその偉大なるオリジネイターは、ジャンルやその表現に対する深い情念を持ったマニアでもなければ、世間の神経を逆撫せんとする愉快犯的な気質とも一切無縁だった。
ただ単に商売になるから血と臓物がドバドバ出る映画を撮った。
もし彼が当初の目論見の通りエロ映画でそれなりの成功を収めていたら、ハーシェル・ゴードン・ルイスは凡百のエクスプロイテーション映画屋に留まり、その名が映画史に残ることもなかったであろう。

だが幸いにも(?)エロ映画が不発に終わったルイスは、今度は血糊に目をつけた。
こいつがドバドバ流れる映画を撮ればウケるんじゃないか。そしてそれは思っていた以上の注目を浴びた。
後に脈々と続く因業なジャンル映画、スプラッターホラーの生まれた瞬間だ。

ルイスのスプラッターに対するこだわりは単純明快だ。
若く美しい娘が惨たらしい目に遭う。そんでもって血とモツがいっぱい流れる。そうすりゃとにかくお客にウケる。それ以上の思い入れはまったくない。
そのシンプルな興行師魂は意外なほどカラッとした作風となって反映され、そしてそれは毒々しい色彩の絵面と奇妙な相乗効果を及ぼして、ハーシェル・ゴードン・ルイスでしか生み出せない個性となってスクリーンに現れた。
その頂点が悪趣味映画史に燦然と刻まれる、"カラッとして明るい大虐殺劇"「2000人の狂人」だろう。
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そんなこだわりのないルイスだから、一度その分野で頂点を極めてしまったら、後はささやかな成功の方程式をなぞるだけになるのも必然であった。
「血の魔術師」はルイスのキャリア最末期の作品。「血の祝祭日」で世の夜の度肝を抜いてから、もう10年近い時が流れている。
その筋ではルイス最末期の力作との評価もあり、マジシャンによる舞台上での公開殺戮という見せ場もそれなりにはあるが、しかしやはり惰性の商売との印象は免れない。

この映画の紹介文で定形となって出て来る"アッと驚くどんでん返し"も、実際に目の当たりにすれば思わずルイス本人を「おい、ちょっと校舎裏にツラ貸せ」と呼び出したくなるだろう。
そんなグダグダな延長戦的末期作も一切合切ひっくるめてこそのハーシェル・ゴードン・ルイス。
"スプラッター映画の父"。後世からの敬意を込めた呼び名や後継者たちからの熱い信奉も、晩年の彼はきっとムズ痒く受け止めていたんじゃないだろうか。

 

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2017/05/30 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |