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2010/06/14 (月) カテゴリー: その他ハード

今年のプロ野球パ・セ交流戦は、パシフィックリーグのチームが上位を独占する、パ・リーグの完勝に終わりました。
根っからのパ党としては、これ以上ない痛快な結果です。この結果をもって、今後スポーツマスコミは、”セ・パ”ではなく”パ・セ”と表記するように。
まぁ上位を独占したのはいいけれど、おかげでどこのチームも貯金を殖やせども殖やせども、パ・リーグ内の順位はちっとも変動しないというオマケもついてきましたが。
特に交流戦を優勝しながらも、未だにAクラスに手が遠いオリックスのファンは釈然としないものがあるでしょうとも。
今日はそんな”野球革命”とも言えるパ・リーグの日本プロ野球界制圧を記念して、やはり”野球革命”を謳ったこんなソフトを取り上げてみましょう。
ケムコことコトブキシステム(現ケムコ。ああ、ややこしい)が'95年に発売したバーチャルボーイソフト、バーチャルプロ野球'95。
「目にも止まらぬ速球が、改心の打球が視界せましと迫りくる。ピッチャーの息づかいが、バッターの緊張が、かつてないリアリティで感じられる。いま仮想は現実を超えた!」
パッケージ裏では、自ら『マトリックス』みたいなことを吹いていますが、”誇大妄想”とは、まさにこの事を言うサンプルのような一文ですね。
これを真に受けていざゲームを始めてみれば、1分後には「JAROってなんジャロー!」という叫びが口を突いて出てくると思います。
投球時、及びバッティング時は、ファミスタのようなキャッチャー後方からの視点。そして打球が飛ぶと、スタンドを斜め上から見下ろした画面に移行します。
しかしファミスタ風画面の時は3D的な感覚には乏しく、またボールがバッターに近づくにつれヌメーっと大きくなってくるという立体を意識した演出は、ただ単にタイミングを取りづらく打ちにくいだけの効果しか及ぼしていません。
フィールド画面は奥行きも感じられ、いかにも立体風。ちょうど野球盤を斜め後方から見下ろした感じでしょうか。
ただし野球盤との最大の違いは、こちらが選手を操作してボールを追いかけなければならないところ。そして上空にあがるフライが存在する事でしょうか。
妙なパースがつけられて、中途半端に立体になった画面でフライを追いかけるのは、実はかなり至難の業です。
まずボールがどの辺に飛んだのかが把握しづらいし、何よりボールとの距離感が全く掴めません。
おかげでフライが上がる度に、こちらの操作する外野手は、強風吹き荒れる千葉マリンスタジアムに初めて迷い込んだセ・リーグの野手状態。
また野手の足が極端に遅いので、ボールを後逸したらもう長打コースどころではありません。我らが荻野貴ならダイヤモンドを5周くらいして5点入っているところでしょう。
何よりも赤と黒のみの画面と、バーチャルボーイプレイ時の異様な環境により、本作内で行われてる行為が、一見野球に見えるけど明らかに野球とは違う何かに見えてしまうことが、野球ゲームとしては致命的なものに思えます。
まぁこれは本作に限った事ではなく、バーチャルボーイでは他にも釣りやテニスなどのゲームが出ていますが、やはりいずれも釣りやテニスに似てるけど明らかに違う何かになってしまっています。
テレロボクサーが実際のボクシングをだいぶデフォルメした内容になっていたのは、このバーチャルボーイの負の特性を理解した上での事だったのかもしれませんね。
選手は全て実名。もっともこんな画面にこんな内容なので、実名のありがたみは全くありませんが。
気になるロッテのスターティングメンバーは、4番にインカビリアが座る、実に心許ない打線。
今やBS12のマリーンズ・ベースボールアカデミーで、”泳いだ目をしてピッチング技術を指導してくれる人”としてお馴染みの我らが園川さんも、このゲームではばっちりローテーションの一角を担っています。
この記事に含まれるtag : 野球
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2010/03/28 (日) カテゴリー: その他ハード

「任天堂の新型ゲーム機、ニンテンドー3DOの開発が明らかに!」
そんなニュースを目にして、「任天堂もようやく3DO構想に参画する腹を固めたのか!」と勢い踊った俺ですが、勿論、ニンテンドー3DSの空目であったことは言うまでもありません。
トリップ・ホーキンスと笑顔で握手を交わす山内元社長。3DOのロゴマークの傍らでにっこり微笑むマリオ。高城剛と宮本茂の夢のコラボが実現(その後、高城は仕事を宮本に丸投げしてバリ島に逃走)。
様々な妄想が許されたのも、ほんの一瞬の間だけでした。ありがとうございました。
まぁ任天堂の3D立体映像マシンと言えば、いい年こいたゲームファンの皆様が即座に連想したのは、バーチャルボーイのことでありましょう。
俺もこのニュースを機に、本棚の上の飾りオブジェと化していたバーチャルボーイを、久方ぶりに手に取ってみることにしました。

長い間、本棚の上に放置していたため、もうバーチャルボーイは、満遍なく埃まみれという状態でした。
「横井さん、ごめんなさい」
そう心の中で詫びながら、まずはサッサや綿棒を駆使して本体の掃除。
顔を押し当てるアイシェードの部分は、特に念入りに消毒液をまぶした布でぬぐいます。一番劣化しやすいと言われるこのアイシェード部分ですが、分厚く積もった埃に逆に保護されていたのか、綺麗に掃除してみると買った当初とまるで変わらない姿がそこに。

ソフトの殆どは、どこにしまったのかも忘れてしまった(或いは売り払ってしまったかどうかすら記憶にない)状態なのですが、横着な俺のことです。どうせ本体に何かしらのソフトが挿しっ放しになってるでしょう。
そうソフトを確認しようかとして第一の関門にぶち当たりました。これってソフトをどこに挿してたんだっけ?
本体のあちこちを調べ、最後は逆さまにひっくり返して、ようやく本体下部にソフトの挿入口を発見。挿さっていたソフトは、T&E ヴァーチャルゴルフでした。
どうせ同じT&Eの作品ならレッドアラーム辺りが挿してあって欲しかったのですが、この際贅沢は言っていられません。
ここは挿しっ放しであったソフトが、とびだせ!ぱにボンのような、やっつけ仕事のソフトでなかったことを、幸運に思うべきなのかもしれませんし。

そして電源を入れようとして第二の関門。……電源スイッチってどこだったっけ?
本体を上下左右あちこちひっくり返して調べても、それらしきものは発見できず。途方に暮れてコントローラーに目をやると、その中心部にスライド式のスイッチがあることに気付きました。コントローラーに付いていたんだっけ!
しかし、このスイッチをオンにしても、バーチャルボーイはウンともスンとも言わず。コントローラーに装着するバッテリーパックの電池(単三6本)を入れ替えてみても、事態は一向に変化なし。
さすがに放置しっ放しで壊れてしまったのか。そう諦めながら、何の気なしにコントローラーのスタートボタンを押すと、うぃーーんと小さな音を立ててバーチャルボーイが振動し始めた。
そしてアイシェードを覗き込んだ俺の視界越しに、俺にしか見えない小宇宙が産まれた!

もっとも、最初に表示されるのは、あの不安を与える警告文。そしてオートポーズのオンオフ設定(これをオフにしとかないと、健康のため、一定時間で強制ポーズがかかってしまう)という、味も素っ気もない文章の連続なのですが、それを経て目の前に映し出されるのは、赤と黒のあやかしの空間。
サウンドは非常にチープなのですが、耳元で鳴り響くという独特の距離感のおかげか、どことなく奇妙で非現実的な響きで聞こえてきます。
やっぱりこのおもちゃ、めちゃくちゃかっこいい!
そう、初めてこのバーチャルボーイを遊んだときに、真っ先に思い出したのが、アタリのバトルゾーンというアーケードゲームに出逢ったときの興奮でした。

バトルゾーンの筐体は、スコープからモニターを覗き込む形式になっていて、周囲からゲーム画面を伺うことができません。
そしてそれを覗き込んだ者の目の前にだけ拡がる、黒と緑のベクタースキャンで描画された世界。
「俺の目の前に未来がある!」
そう興奮してスコープから目を離し、後ろを振り向くと、そこにあるのは見慣れたいつもの現実の風景。
後ろを行き交う人々は、この筐体の中にある未来のことなどまるで気付かずに、ぼんやりといつもの日常を営んでいる。
そんな白日夢のようなギャップが、バトルゾーンというアーケードゲームの、最大の魅力でしょう。
そしてバーチャルボーイの最大の魅力は立体映像云々ではなく、このバトルゾーンで感じた白日夢のようなひとときと全く同じものを感じさせてくれる部分にあると、俺は思うのです。

裸眼で立体映像が楽しめるらしいニンテンドー3DSは、恐らくバーチャルボーイとは、似て非なるようなハードになることでしょう。
いや、バーチャルボーイの、閉じられた世界、たった一人の秘め事という基本コンセプトそのものが、任天堂の歴史の中ではあまりにも異端過ぎたのです(その後に、目の前の人と繋がることがコンセプトのポケモンが登場したのは、実に対照的だ)。
こんなコンセプトのゲーム機は、少なくとも任天堂からは、二度と現れることはないでしょう。
覗き込んだものだけが触れることができる小宇宙。そんな余りにもパーソナルすぎる秘密の空間。
バーチャルボーイは、そんな現実とは隔絶した独特の体験を与えてくれる、恐らく唯一無二のものになるであろうハード。この没入感は、覗き込んだ者だけにしか理解できないものなのです。
ああ、レッドアラームのソフトを何とか探さなくっちゃ。久しぶりにあの「すっげーー」を体験してみたい。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-522.html
2010/03/28 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |