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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

このページの記事目次 (カテゴリー: メガドライブ&メガCD

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【クラックス】繁忙期の心象風景

   ↑  2020/12/22 (火)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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「ある日、地平線の彼方から色とりどりのタイルがなだれを打って転がってきたらどうしますか!?」
パッケージ裏の紹介文は、そう色をなして訴えかけてくるが、すいません、オレはそんな抽象的なシチュエーションをパッと頭の中に思い描けるほど、想像力豊かな人間ではありません。
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そんなこちらの煮え切らない態度に業を煮やしたかのように、目の前に具体化するそのビジュアル。
パースのついた奥行きのある画面の向こうから、パタンパタンと音を立ててこちらに転がってくるカラフルで無機質なタイル。
『テトリス』の大ヒット以降、世には似たようなパズルゲームが溢れたが、アタリの『KLAX(クラックス)』は雨後の筍の中にあって、落ちモノというプラットフォームからあっさりと無自覚に逸脱し、一種独特の存在感を放っていた作品。
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次から次へと無表情で押し寄せてくる事案を、わずかなエリアの中に効率よく押し込んで処理しなければならない。
処理スペースのリソースの小ささが、否応なしに実際の仕事とそれに対するおのれのキャパシティを連想させる。
落ちモノパズルというのは、どれも現実とは隔絶した独自の小宇宙世界を構築しているのが特徴だが、『KLAX』のそれは、まるでデッドライン間近の仕事がテンパって、にっちもさっちも行かなくなったときの心象風景みたいで妙に現実的だ。
特に師走のこの忙しい時期は、パドル上のリソースがもう一杯になっているのに、後から後からタイルが無情に押し寄せてきてる『KLAX』の場面を、つい悪い夢に見たりして、寝汗びっしょりで起き上がり、そのまま「探さないで下さい」と書き置きを残して失踪したくなってくる。
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オリジナルのアーケード版に端を発し、アタリ2600やMSX、コモドールにスペクトラム、ファミコンにアタリST、各種携帯機にセガマスターシステムと、もうありとあらゆるハードに景気よく移植された『KLAX』だが、それぞれの内容も、なんとか系ラーメンの派生みたいに、移植先ごとに微妙に異なっていたりする。
また移植版のリリース元がまちまちだったりするのも特徴の一つで、日本で出たバージョンでは、ファミコン版がハドソンから、PCエンジン版は本流のテンゲン、そしてもっともテンゲン版が出て当たり前の印象があるメガドライブで出しているのは何故かナムコであった。
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このナムコ発メガドラ版『KLAX』。オリジナルにあった、やはりお仕事感を強烈に感じさせる気のない拍手が削られているなど、マイナスポイントも多いのだが、メガドラパッドの斜め入力暴走によって思わぬ形で発動してしまうタイル弾き飛ばしが、「あ、そんなつもりじゃなかったのに!」という、仕事に追い詰められた末ののっぴきならないミスをケガの功名的に連想させて、これまた切羽詰まった心理状態を強烈にイメージさせるのだ。

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2020/12/22 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【スーパーサンダーブレード】伸びるウエハース

   ↑  2020/09/11 (金)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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その昔、アーケードゲームと家庭用ゲーム機の間には険しい山がそびえ立っていた。
ハードのスペックやデバイスの都合上、ゲームセンターにあるゲームをそのままコンバートするわけにはいかず、各メーカーはアーケードゲームの家庭用機移植にあたっては、どこもいかに移植元の雰囲気を崩さずそれらしいものに仕上げるかに苦慮していた。
特にそれが顕著だったのが、アーケードと家庭用ハード事業の両方を展開していたセガだ。
中でも体感的な部分の感触が楽しさに大きなウェイトを占める大型筐体ゲームの移植は、サターンやドリームキャストの時代に至っても難問であったことだろう。
ましてや明らかにファミリーコンピュータより非力であったSG-1000への『ハングオン』の移植などは、もうマイクロカーに欅坂46を詰め込むような不可能案件である。
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『サンダーブレード』はセガの体感ゲームの中では比較的マイナーな存在で、ぶっちゃけそれほど優れたデキではないのだけれど、映画「ブルーサンダー」やドラマ「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」が大好きだったオレは、それらを思わせる無二の戦闘ヘリ体感ゲームとして結構お気に入りだった。
その『サンダーブレード』が家庭用ゲーム機ソフトとして発売される!
なにせ当時はそんな移植事情だから、そんなニュースも「ふーん」と聞き流すところだが、しかし今回はちょっとワケが違った。
セガが鳴り物入りで発売する新ハード、メガドライブのロンチタイトルとしての登場である。
金文字で16-BITをヤンキー風にアピールした最新鋭の家庭用ゲーム機だ。なんとかそれ風に仕上げましたな移植とは一線を画してるんじゃないか。
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そんなほのかな期待と共に向かった電気屋の店頭で、その名も『スーパーサンダーブレード』と改めたソフトは、噂のハイスペックゲーム機メガドライブのデモンストレーションとして稼働していた。
格納庫からエレベーターで発進位置まで移動する戦闘ヘリ。機体の青にコクピットの骨組みが赤で塗装されたカラーリングは「ブルーサンダー」準拠。
アーケード版には無かったオープニング演出だ。これだけでも期待が嫌が応にも高まる。
さあ、これからビルの谷間を縫っての戦闘ヘリ祭りの始まりだ!
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そう心の中で盛り上がりながら他人のプレイを覗き込んでいたオレの眼にやがて飛び込んできたのは、予想を大きく違えた光景であった。
戦闘ヘリの進行方向に地面からニョキニョキと生えてくるお菓子のウエハースみたいな謎の物体の群れ。
それが無理やりな拡大によって迫りくるビルを表現したものであることを理解したのは、しばらく経ってからだった。
しかしいくらその意図を理解したところで、目の前にあるのが地面から生えてくるウエハースである事実は揺るぎはしない。
そしてもう一つ期待を大きく外れたのがサウンドのショボさ。SEの類に至っては、効果音モノマネ芸人のケント・フリックに肉声で全部やらせてるんじゃないかと思ったほどだ。
こうしてオレはメガドライブのキャッチコピーだった「ビジュアルショック!スピードショック!サウンドショック!」を本来とは違った意味で認識させられたのだった。
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さらに問題だったのが、これと共に発売されたもう一つのロンチソフトが『スペースハリアーⅡ』。
アーケードの体感ゲームから移植された疑似3Dシューティングと、何から何まで『スーパーサンダーブレード』と丸かぶりのソフトを一緒に出してどうしようというのであろうか。
しかもこの二つ以外には選択肢が無いという徹底ぶりだ。
「もしかしてセガって色々とアレな会社じゃないだろうか」
オレがそんな不安を最初に抱いたのは、まさにメガドライブが市場に放たれたこの時の頃であった。
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そんなオレの不安をよそに、その後のメガドライブはなんだかんだでそれなりに健闘し、北米市場では一時は任天堂を圧倒するなどしっかりと結果を残した。
この『スーパーサンダーブレード』にしたって、今振り返ってみるとゲームとしてそれほど悪いデキではなかったりもする。
すべてはその時のオレのメガドライブに対する過度な期待と、ある程度は飲み込むつもりだったアーケードとの落差が、"地面から生えるウエハース"という予想だにしない形で表れたことによるギャップが原因であったのだろうけど。

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2020/09/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【トムキャット アレイ】RIOは天職

   ↑  2019/03/09 (土)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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Not for me、自分には向かないゲーム。
オレにとっては格闘ゲームなんかがそうだ。その面白さがさっぱり理解できない故に、基本的に触れないようにしている。
その一方で面白さを充分理解できていながらもNot for meなゲームもあったりするわけで、オレの場合はエアーコンバットゲームやフライトシムなどの飛行機を操縦するゲームがそれだ。
空を自在に飛び回るのは楽しい。飛行機を手足のように扱って敵機をばったばったと撃ち落とすのは、そりゃ脳汁漏れるくらい面白いだろう。
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しかしオレは空間把握能力にだいぶ問題がある。
飛行機をちょっと傾けた程度であたふたし、背面飛行すればもうワケが分かんなくなる。宙返りなんてしようもんならパニック起こしてコントローラ放り出すのが関の山だ。
ああ「トップガン」。
オレはあの80年代の佃煮みたいなベタベタな映画が大好きで、主題歌の"Danger Zone"のイントロを聴くだけで心は大空に飛んでゆく。
しかし心は飛んでいっても空間把握能力は適応してはくれない。
数多の「トップガン」ゲームをプレイするたびに、自分にはトム・クルーズ演じるマーベリックのようには決してなれない事実を思い知らされてきた。
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しかし捨てる神あれば拾う神ありとは、よく言ったもの。
「F-14乗っていいよ。ただし後ろな!」と優しく声をかけてくれたのは、メガCDで展開された一連のFMVゲーム、バーチャルシネマシリーズの一つ『トムキャットアレイ』であった。
海軍に属する某秘密部隊。砂漠の地下に基地を有しF-14トムキャットを主力装備とする部隊に、RIO(複座機のレーダー要員)として配属されたのだ。
操縦桿を自分が握るわけではないので気が楽だ。
基本的にレーダーとにらめっこしていたり、あるいはレーダーを眺める振りをしてこっそりLINEに熱中していたり、前に身を乗り出してパイロットの目を塞いで「だーれだ?」なんてお茶目していればいい仕事。
「トップガン」では、マーベリックの相棒だったグースのポジション。
まぁグースは、オフの時にピアノで"火の玉ロック"を演奏していたとこと、あっさり死んじゃったとこしか印象に残ってないけど……。
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そんなお気楽極楽気分でさっそくソビエト爆撃機迎撃の任務に飛び立ったはいいが、ああしかし、このメガCD末期に立て続けに登場した一連の実写ゲームシリーズは、誰かが”怒られゲー”という実に的確なジャンル名を授けたりしたくらい、とにかくプレイヤーが登場人物に怒られまくるのだ。
プレイヤーがミスする→めちゃくちゃ怒られる→ゲームオーバー。プレイヤーがなんとかうまくやる→あんまり褒めてもらえないという実に理不尽な展開は、このシリーズほぼすべてに共通した構成だ。
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プレイヤーの僚機のパイロットは女性。
ゲームスタート早々この女性パイロットから無線が入り、「ああ、もしかしたらゲーム中でこの人と、トム・クルーズとケリー・マクギリスのような仲になれるのかなぁ。」などと呑気な妄想に耽っていると、「シカトこいてねえで、返事くらいしろやぁ!」と、さっそく間髪入れず怒られる。
どうやら通信アイコンを選択して即座にレスを返さなければならなかったらしい。
しかし目の前に展開しているのは、極めて情報量に乏しい実写画面。その前に碌な説明もなしに放り出されたって分かるわけがない。
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そうこうしているうちに自機のパイロットから「飛行ポイントを指示しろ」とのお達し。
基本的にマニュアルを読まないオレがそんな指示に即座に従えるはずもなく、「え?え?え?」とおろおろしていると、業を煮やしたパイロットは怒り満面の表情で「坊やがさっぱり使えねえから、もうやってられるか!作戦中止して帰投するぞ!」
……核爆弾を搭載した爆撃機の迎撃という西側諸国の命運が掛かった大事な作戦を、そんな理由で勝手に中止してもいいんでしょうか?
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このゲームは、いわゆるLD(レーザーディスク)ゲームの発展形。
いにしえのLDゲームは、ムービーの進行に応じて画面上に現れる入力指示を即座にこなしていく原始的なものだったが、本作は展開に応じて画面上のアイコンをクリック(敵機にロックオンされたらチャフ放出、僚機との連携が必要な時は無線アイコンなど)し、敵機の背後をとればカーソルを動き回る敵機にロックオンさせてミサイル発射など、旧態のLDゲームから大幅にゲーム性を高めた内容。
ただし敵機のロックオン作業のタイミングは相当シビア。敵機を撃ち漏らして帰投したりすると、もちろん指揮官からみっちり怒られる。
パワハラを訴えるすべもなく、容赦のない叱責に鬱になりそうになりながら、オレは改めて自分が大空を飛ぶことへのハードルの高さを思い知るのであった。

この記事に含まれるtag : 実写ゲーム LDゲーム 

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2019/03/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【夢見館の物語】儚き蝶の館

   ↑  2019/01/27 (日)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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「とりあえずCD-ROMにしてみました」的なタイトルが目立ち存在意義がイマイチあやふやだったメガCDにあって、他にはない独自のカラーを打ち出していたのはバーチャルシネマと銘打たれた新世代アドベンチャー群だった。
まぁこのバーチャルシネマというジャンル名は、メガドラ・ロープレプロジェクトなどと同様に、あくまでも便宜的にざっくりとした区分けであったのだが、とにもかくにもその第一弾となった実写ADV『ナイトトラップ』は、他には類を見ないビジュアルやスタイルで大きなインパクトを与えてくれた。
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そしてその第二弾となったのが、PC系アドベンチャーゲームの老舗であるシステムサコムが開発した『夢見館の物語』だ。
3Dアドベンチャーゲームという様式は当時でも格別目新しいものではなかったが、こと家庭用機専用ソフトとなると話は別。
『夢見館の物語』は、まだPCと家庭用機でユーザー間が断絶していたこの時代にあって、家庭用機の側で3Dインタラクティブアドベンチャーの到来を告げる先駆けのような作品であった。
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満月の夜、森の奥深くに忽然と姿を現した洋館に迷い込んでしまった幼き兄妹。
さまざまな理由で現世からドロップアウトした人々が蝶に姿を変えて住まうこの館で、はぐれた妹を捜す兄。
各部屋を行き来してアイテムなどを拾い集め、ときには閉ざされた扉に阻まれたりしながら脱出の手がかりを探す。
古典的とも言える館探索系アドベンチャーだが、プレイヤーたちの多くを惹きつけたのは、そんなアドベンチャーゲームとしての様式の上に立った、あまりにも淡く儚い独特のビジュアルであろう。
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うっすらと靄が掛かったように不鮮明で、幻灯機の映写のようにぎこちないグラフィック。
それはマシンスペックの力を借りて、より鮮明に緻密を目指したPC系インタラクティブアドベンチャーのそれとは、およそ対照的なものだった。
恐らくメガCDの非力さによるところも大きいであろう、このぼんやりと淡いビジュアルは、逆に「数年に一度だけ姿を現す幻の館」の神秘性を大いに高めてくれたのだ。
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そして、ちょっぴりくぐもってプアな音質のボイスや効果音も、これまた怪我の功名的に現世と幻想の境にあるようなこの館に相応く、現実味のないまるで夢の中のサウンドエフェクトのような響きとなった。
掌の細工菓子のようなボリューム、そして何よりもメガCDという日陰の花壇みたいなハードにぽつんと咲いているその様は、このたった一夜限りの陽炎のような夢物語にもっとも相応しい情景ではないだろうか。

この記事に含まれるtag : ホラー アドベンチャーゲーム 

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2019/01/27 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【007 死闘】ティモシー・ダルトン版ボンドゲーム

   ↑  2018/11/19 (月)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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初代ショーン・コネリーに始まって、ジョージ・レイゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、そして現在のダニエル・クレイグと、錚々たる顔ぶれが並ぶジェームズ・ボンド俳優。
その中で史上最高のボンドを一人だけ選ぶとしたら、オレは迷うことなくティモシー・ダルトンの名を挙げる。
故ダイアナ妃をして「もっともボンドらしいボンド」と言わしめたダルトンだが、彼が不幸だったのは、ロジャー・ムーア時代末期の低調ぶりや、東西対立が緩和されスパイアクションというジャンル自体が古びてしまった最悪のタイミングでボンド役に就任してしまったこと。
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結果、興行成績に恵まれず、この史上最高のボンドは「リビング・デイ・ライツ」と「消されたライセンスの僅か二作のみで姿を消してしまった。
ダルトンが主演したこの二作は、ロジャー・ムーアのお気楽極楽スパイ活劇からシリアスなハードアクション路線に大きく舵を切ったのが、その大きな特徴。
特に過去作には見られなかった世俗的な敵(南米の麻薬王)を据えた「消されたライセンス」は、それまでのボンド映画ではタブーだったブルータルな描写をたっぷりと盛り込んだ一作で、麻薬王サンチェスを演じたロバート・デヴィの存在感や、立場を捨てて私的な復讐に執念を燃やすダルトン・ボンドの好演で、オレの中では不動のシリーズベスト1映画だ。
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そのダルトン・ボンドの恐らく唯一のコンシューマゲーム化作品が、日本ではあのテンゲンを通して'93年に発売されたメガドライブソフト、『007 死闘』(原題『James Bond The Duel』)。
パッケージに映るボンドは間違いなくティモシー・ダルトン。同様にタイトル画面も、眼光鋭くこちらを睨みつけるダルトン。
ああ、しかし、この時期のシネマゲームといえば、とにかく何でもかんでも横スクロールアクションになってしまっていた時代。
ゲーム中に登場するボンドはタイトル画面のダルトンから一転、タキシードに蝶ネクタイという記号で辛うじてボンドと認識できるしょぼいキャラ。
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画面の縁から予告もなく放たれる、雑魚キャラの銃弾に苦しめられながら何とか前に進むと、やにわに出現したジョーズ(リチャード・キールの方)に首根っこ掴まれ、為す術なく海の中に放り捨てられ、溺れてもがいているところを(このボンドはカナヅチなのか!?)ジョーズ(サメの方)に襲われ、ばくばく食われて果てるという、ダルトン・ボンドのハードボイルドさなど欠片もない展開になってしまうのは、時代を考慮すると致し方ないことなのだろうか。
しかもティモシー・ダルトンのボンドと、リチャード・キールのジョーズは、元々接点なんかありはしない。
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さらに突き進んで行くと、今度は「007 美しき獲物たち」でグレイス・ジョーンズが演じた怪女メイデイや、ジョーズと並んでボンド映画を象徴する悪役、「007 ゴールドフィンガー」に登場したシルクハットの東洋人オッド・ジョブ(ハロルド坂田)など、これまたダルトンとは縁もゆかりもない人たちが、中ボス扱いで次々と登場。
ジョーズ、メイデイ、オッド・ジョブと、なんとなく「ドット絵でも判別しやすいルックスの人たち」なんてのが選出基準になってるような気がするな。
人を食った内容でメガドラファンをほっこりさせてきたテンゲンの日本語版マニュアルも、ティモシー・ダルトン版ボンドのシネマゲームという立場に拘るこちらとしては、今回ばかりはちょっと困りもの。
「ラッキー、はっぴー、うれぴー」なんて文字が上滑りするマニュアルのテキストを前に、改めてダルトン・ボンドの不遇さを噛みしめるのであった。

この記事に含まれるtag : シネマゲーム 

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2018/11/19 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |