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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【ESPN Extreme Games】ESPNストリートゲームス

   ↑  2022/08/26 (金)  カテゴリー: PS1
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いかにオリンピック種目になり世界的スターを輩出しようと、スケートボードなどのストリートギアを街なかで得意げに乗り回してる人間には、どうしてもバカっぽそうという偏見がついて回ってしまう。
だが本来のエクストリームスポーツはバカと思われてなんぼ。
むしろこの際バカの一等賞はどれか決めてしまおうと言わんばかりに、アメリカのスポーツ専門局ESPNの名のもと、ローラースケート、スケートボード、マウンテンバイク、ストリートリージュが集結した。
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初代プレイステーションのイメージは人によって様々だろうが、オレにとってPS1はプラットフォーマーが自ら音頭を取って低偏差値なゲームを次々と放っていたバカハード(褒め言葉)。
中でもSony Interactive Studios Americaは、『Twisted Metal』『Rally Cross』『Jet Moto』など、まるでメロディックパンクのように勢いだけで押し切るゲームを乱発していた、とびきりイカしたファーストパーティースタジオである。
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そのSony Interactive Studios Americaの代表作と言えるのが本作『ESPNストリートゲームス』。
前述のような異種ストリートギア最速決定戦だが、そのテイストは『ロードラッシュ』そのまんま。並走するライバルをぶちのめす要素やステージの尺など、何から何までが『ロードラッシュ』そのまんま。
『ロードラッシュ』もいまや説明が必要なクラシックになってしまったが、バイクでライバルをどツキ倒しながらひたすらゴールを目指すだけのキング・オブ・低偏差値な最高のゲームだ。
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『ロードラッシュ』のバイクをストリートギアに置き換えただけで説明ついてしまう『ESPNストリートゲームス』だが、コースに散在しているゲートを通過すれば各種のボーナスが得られる一応のオリジナルギミックが存在している。
そして独自といえばプレイステーションオリジナルタイトルならでは。L1左パンチL2左キックR1右パンチR2右キックというボタン割り当ても、これまたバカっぽくって最高である。
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そしてコース上に無造作に置かれた障害物の数々。
これがまた「レベルデザインってなあに?」と言わんばかりにアバウト極まりなく配置されているもんだから、意図が読めなくてスリリングなことこの上ない。
さらにはサンフランシスコステージならプレイヤーが通りかかるのを待っていたようにど真ん中を横切ってくる市電。
ユタではこちらに向かってホーミングしてくるような落石などのご当地トラップの数々。
これらにスケボーやリージュやMTBがダマになってバタバタと引っかかる様には、プレイヤーをハメにかかっている悪質な妨害であることをついつい忘れてしまいそうだ。
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初代プレイステーション時のSCEは、こうした大味な海外産ゲームに「洋ゲー」の造語を与えて啓蒙していたが、自社海外スタジオ産である『ESPNストリートゲームス』は、その象徴みたいな一作。
あの頃のソニーは間違いなくもっともチャレンジングで先鋭的なプラットフォームホルダーであったのだ。

この記事に含まれるtag : スポーツゲーム 

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2022/08/26 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【The Game of Life】人生ゲーム

   ↑  2021/09/17 (金)  カテゴリー: PS1
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人生ゲームの生みの親であるルーベン・クレマー氏が、今月の14日に99歳で大往生を遂げられたそうです。
私が初めてこの世界でも飛び抜けてポピュラーなボードゲームに出会ったのは、雨の日で外遊びを断念して籠もった友人の家です。
彼の家は大変物持ちがよく、その人生ゲームも彼が物心ついた頃からあったという由緒正しく古い物。
アート・リンクレターの写真が外箱にプリントされているやつです。恐らく数ある人生ゲームのバージョンの中でも、初代とかそこら辺の物だったのでしょうか。
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そのマス目に書かれたイベントは、直訳感丸出しで、その内容も私たちの知る生活とはまるでかけ離れたものばかり。
そんな異文化の息吹に満ちたイベントに触れるたびに、私たちは「モンテカルロなんか行かねえよ!」「ブタ箱入れられる伯父さんなんか居ねえよ!」「火星人なんかにご馳走するつもりはねえよ!」「そもそも羊飼ってねえよ!」などと、げらげら笑いながら大騒ぎするのでした。
そんな一方で心の中では「アメリカでは伯父さんがブタ箱に入れられたり、羊が隣のランを食っちゃうことが日常茶飯事なのかもしれない。なんて凄い国なんだ」という、ワケのわからない憧れが芽生えていたりしたのです。
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アメリカには本当に貧乏農場という施設があるんだと信じていた時期がありました。
見慣れないドル紙幣、仰々しい株券や保険証、そして禍々しい色をした約束手形。そんなアイテムの全てが目新しく、そしてそれらは異文化に対する憧れへの強烈なアクセントとなりました。
初期の人生ゲームをより鮮烈に魅力的なものにしていたのは、そんな我々のアメリカ文化に対する漠然とした憧れだったのでしょう。
私が生まれて初めて出逢った"洋ゲー"。それは紛れもなく人生ゲームだったのです。
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そんな人生ゲームもリニューアルを重ね、かつてはロールスロイスを買ったり、潜水して鯨を捕まえていたりしたマス目イベントも、いつしか我々の生活に身近な事柄に書き換えられていきました。
完全にジャパナイズされた人生ゲームは、バブルを象徴するようなバージョンから、今の不景気を反映したものと、この国の時代時代の世相に合わせて目まぐるしく生まれ変わり、それはそれでどれも非常に興味をそそられるものです。
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しかし私にとっての人生ゲームとは、やはり骨の髄までアメリカンなゲームに他なりません。
残念なことにビデオゲーム版に目を転じてみても、タカラから様々なハードでリリースされた各種人生ゲームは、そのいずれもがボードゲーム版以上にジャパナイズされた(しかも薄味な!)作品ばかり。
我々の知る人生ゲームを再び得るには、やはりアメリカからの直輸入ものに頼るしかありません。
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各機種満遍なくビデオゲーム版が登場している日本と違って、あちらではビデオゲーム化された人生ゲームは、思ったほど多くはありません。
特に家庭用機ゲームだと、その存在は数えるほど。その数少ないビデオゲーム版USA人生ゲームが、ハズブロー自らがリリースしたこのPS版です。
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その過剰なまでにくどいキャラクターや添加物満載菓子のようにけばけばしい盤面は、かつて私が漠然と抱いていたアメリカへの幻想を、まさに具体化したようなもの。
イベントマスに停まれば、そのくどいキャラによるベタベタのCGアニメーションが展開されます。
それに添えられた一文は、私の脳内で初期人生ゲーム風の直訳に変換され、そして「『タトゥー除去手術をする。10万ドルを払う』……いれてねえよ!」「『ノーベル"ケーキ"賞を受賞。30万ドルを貰う』……そんな賞ねえよ!」などと、子供の頃から何一つ進歩していないツッコミに終始するのでした。

<北米版 / 日本のPS本体では動作しません>

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2021/09/17 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【稲川淳二の真夜中のタクシー】タクシー運転手の受難

   ↑  2021/06/16 (水)  カテゴリー: PS1
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深夜のタクシーにとって流しの客は非常にありがたい存在だ。よほど雰囲気が妙じゃない限り、それを拒む理由などない。
ましてや相手はテレビで勝手知ったる有名タレント。物腰もいたって普通だし横柄なところもない。
だが、「いやあ、観てましたよ、モルモットおじさん」と、話を振ろうとしたのを遮るかのように、一対一の密室で突然怪談語りが始まるとなっては話は別だ。
こっちはおカネを戴く身。それなのに向こうの方から、わざわざサービスをしていただく必要も謂れもない。
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そんな戸惑いなどまるで関知しないかのように、例のテンションで怪談をひと語りしてタクシーを降りてゆく稲川淳二。
しかしこれはこの不幸なタクシー運転手に降りかかった災難の、ほんの幕開けにすぎなかったのだった。
次に乗せたのは健康そうなスポーツマンタイプのサラリーマン。
稲川淳二が車内に残していった陰鬱なムードを振り払うかのように、客の趣味だというダイビングの話題で盛り上がっていたのも束の間、客は突然表情を硬くすると、
「そう言えばこの前、湖にダイビングに行ったとき、ちょっと奇妙な出来事があってね……」
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それからはもう乗せる客乗せる客みんな揃って、創作だか実体験だか、とにかく隙あらば怪談を一席披露しては降りてゆくの繰り返し。
いくら客と会話の相手をするのも仕事の内とはいえ、100%怪談ばっかりだったら、さすがに堪ったもんではない。
そしてこの傍迷惑な夜の営業は、一晩だけでは収まらず連日連夜に渡って続くのである。
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いくら一方的に怪談を聞かされる身とは言え、運転手にも選択権らしきものはある。
暗い夜道で手を上げている客を拾うか拾わないかは、運転手の胸先三寸次第。これによって語られる怪談が分岐するシステムだ。
もっともそんな乗車拒否を繰り返していれば、そのうちタクシー運転手にとっては怪談なんかより遙かに怖い、東京タクシーセンターからの訓告が来てしまうような気もするが。
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しかし陰鬱な怪談でも、披露するのは稲川淳二以外は怪談筋は素人と言っていい役者たち。
ぶっちゃけ訓練を受けた役者さんの聞き取りやすく明瞭な語り口ほど、本来は怪談にまったく向いてないものも他にはない。
そんなちっとも怖くない怪談のローテーションにうんざりしているときは、夜道で再び手を上げている稲川淳二の顔を見ると、「やっと真っ当な怪談が聞ける」と、なぜか逆にホッとしたりするのであった。
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当事者意識をまるで持てないまま、ただだらだら怪談を聞かされるだけだった前作『稲川淳二 恐怖の屋敷』から一転、深夜の密室というシチュエーションと基本的に仕事だから逃れられない消極的拘束理由で、怪談語りの迷惑さと鬱陶しさを一段と際立たせた"PSで稲川"シリーズの第二弾。
タクシー運転手の厄災は強盗やタチの悪い酔客ばかりにあらず。望んでもいない怪談の押し売りも充分に災難なのであった。

*関連記事
【稲川淳二 恐怖の屋敷】「PSで稲川」の不条理

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2021/06/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【セロファーンズ】郷愁の70年代ゲーセン

   ↑  2021/02/20 (土)  カテゴリー: PS1
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リイシュー、リマスター、新装版。文学や音楽、映画にコミックなどで、過去の名作やカルト作が装いも新たに現代のカタログに名を連ねることがある。
それを手にするのは、かつてそれに親しんだ人や、古典に新たに触れようとする若者など様々であろうが、デジタル技術の進歩と足並みを合わせるビデオゲームの場合は、こと当時のファンばかりを対象とした郷愁エクスプロイテーションの度合いが強いような気がする。
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この度、最新ハード向けに『カプコンアーケードスタジアム』と題された過去のアーケードゲームの詰め合わせが発売されて、この郷愁エクスプロイテーション商売も数周目に突入した感がある。
恐らくこの世代が完全に耄碌する年になるまで、この手のなつかしゲームビジネスは、ハードやデバイスを時代時代に合わせてぐるぐると回り続けるのであろう。
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「なつかしのアーケードタイトルが復活!」的なことを最初に売りにしたのは、思い出せる限りでは初代プレイステーションの『ナムコミュージアム』シリーズ。もう今から20数年前まで遡る話だ。
この『ナムコミュージアム』に収録されているのはは、『パックマン』や『ラリーX』など業界にある程度のルールや倫理が確立された頃のタイトル。
それ以前となると、もうこれがアポカリプス世界も真っ青の無法地帯。
パクリなんてのは良心的な方。コピー基盤や海賊基盤が大手を振ってまかり通る凄まじい状況であった。
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その後はちゃんとした企業に成長する各メーカーも、この頃にやっていたのはアタリの『Breakout(ブロック崩し)』のパクリかコピー。
この意匠とか版権とか知ったこっちゃねえのアナーキーな状態は、『スペースインベーダー』のブームの辺りまで続くこととなる。
そんなナムコやコナミでもフォロー不可能なアーケードビデオゲーム黎明期をテーマにした郷愁エクスプロイテーションゲームが、この1997年発売の初代プレイステーション用ゲーム『セロファーンズ』だ。
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とは言ってもその頃の怪しげなゲームをそっくりそのままリイシューするなんてわけには当然行かないわけで、本作に収録されたのは当時の雰囲気をできる限り再現した、70年代末風レトロ調新作ゲーム12本。
その半数近くが『ブロック崩し』のそのままズバリや亜流系であるのがさすがと言うか何と言うか、なんちゃって『Breakout』が乱立したあの時代を偲ばせてくれる。
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そして70年代後期は、まだエレメカが主軸だったゲームセンターにビデオゲームが新参者としてやって来た時代。
その本来の主役であるエレメカの疑似ゲームも『セロファーンズ』を彩ってくれている。
画面の焼き付けやブレなどもいちいち再現した太古のゲーセンのヴァーチャル再現空間。
とは言え97年当時でさえ郷愁抜きでプレイするには、どれもあまりに原始的すぎてツラいゲームばかり。
プレイステーションネイティブ世代はハナっからお断りな、郷愁エクスプロイテーション系タイトルの原始のひとつである。

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2021/02/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Destruction Derby】デストラクション・ダービー

   ↑  2020/11/15 (日)  カテゴリー: PS1
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新世代機が揃って登場した2020年。もはやPSサターン世代なんかは間違いなくゲーマー老人会入りしているようなもんである。
それだけ年月を重ねていると、経験した常識や価値観の変遷もかなりの数に上っていたりするわけで、特にこの10年は移り変わりのスピードがどんどん上昇していってる傾向がある。そのアップデートに追いつけずこぼれ落ちていくゲーム老人も、そりゃぼろぼろ出てくるというものだ。
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洋ゲーという言葉もかつての響きから大きくその意味を変えた。と言うよりはもはや死語の部類に入ってきてるのかもしれない。
この言葉が使われ始めた経緯については諸説あるが、やはりソニー・コンピュータエンターテイメントが初代プレイステーションの初期に行った"洋ゲーやろうぜ"キャンペーンが、広まる大きなきっかけになったことは間違いないだろう。
当時のSCEはゲームが持つ旧来のイメージを変えるような試みを色々と行っていたが、"洋ゲーやろうぜ"のスローガンのもとに海外産のゲームをSCEが窓口となって送り出したのもその一環だ。
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その第一弾となったのが本作『デストラクション・ダービー』。
後に『Driver』シリーズを送り出すReflections Interactiveの手による、車をぶつけ合うデモリッションダービーやバンガーレースをテーマにしたゲームだ。
そんなニッチなジャンルを扱ったゲームがテレビスポットCMまで打たれて大々的に売り出されたのだから、SCEの洋ゲー定着にかけた意気込みが伺えるだろう。
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映画の「バニシング in TURBO」や「ラスト・アメリカン・ヒーロー」などで、そういう乱暴な競技が実際にあることだけは知っていたが、それがついにインタラクティブなものとして手元にやって来たのである。
オーバルレース、フィギュア8、そしてデモリッションダービー。今となってはマッチ箱のような見てくれの車たちだが、ポリゴン黎明期の当時としてはとても生々しい存在だった。
それらがレーススタートと同時にあちこちで破片を飛び散らせ、ひしゃげ、煙を上げて頓挫する。
そのあっけらかんとした破壊行為の一部始終は、思わず笑いが漏れてくるくらい痛快だった。
そして毎日肉を食ってる奴らは、こんなアホなことをしょっちゅうやっているのかと、ちょっぴり羨望を覚えたものであった。
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国産ゲームとはあきらかにベクトルが異なるその頃の洋ゲーには、インタラクティブの異文化体験という側面が確かにあった。
SCEもそんな側面を踏まえて、洋楽や洋画に並ぶものとして洋ゲーという造語を編み出したのであろう。
だがSCEの思惑とは裏腹に、保守的な傾向の強いゲームオタクの間にあっては、その言葉は逆にやや侮蔑的なニュアンスを含んだものとして定着してしまった。
その頃の海外産ゲームのほとんどが、大味な造りでバランスや繊細さを欠いていたのが大きな理由の一つであるが、このイメージは洋ゲーがそういった欠点をすっかり補っていった2000年代に至っても、なかなか払拭することはできなかった。
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そういった国内ゲーム事情と海外産ゲームの差異がすっかりなくなってきたのは、いつ頃くらいからであろうか。
今ではストアを眺めてみても、そのほとんどがかつて洋ゲーと呼ばれたものたちで占められ、それが当たり前の光景となっている。
その先鞭となった形の"洋ゲーやろうぜ"プロモーションだが、この『デストラクション・ダービー』以降はどうなったかというと、これがあっさりなし崩しになってしまい、『ワイプアウト』と『ESPNストリートゲームス』が一応それに続くような形であった覚えもあるが、いずれにせよなんとなく尻すぼみになってしまったことだけは確かである。

この記事に含まれるtag : レーシング 

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2020/11/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |