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- 【Sensible World of Soccer】90年代サッカーゲームの金字塔 [2022/10/09]
- 【Bankshot Billiards 2】Xbox20周年 [2021/11/16]
- 【Carcassonne】カルカソンヌ [2020/11/09]
- 【Stacking: The Lost Hobo King】マトリョーシカとホーボーの王国 [2020/06/17]
- 【Stacking】マトリョーシカの労働争議 [2020/06/15]
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かつてXbox360でLIVEアーケードという区分で発売されていた配信専用ソフト。
海外ストアと日本国内ストアで販売ラインナップに差異がほとんどなくなった現在と違って、360の時代は日本でリリースされないゲームが相当数あり、我々もあれやこれやで対応していたのだけど、最近になって後方互換やセールのどさくさでこれら未発だったタイトルがしれっと国内ストアに登場している例が多くなった。
この『Sensible World of Soccer』(以下『SWOS』)もそんなひとつである。

360版が発売されたのが2007年。XBLAではかなり初期の作品だが、日本での知名度がまったく無いこともあってか国内でのリリースは見送られた。
だがそのオリジナルは欧州では絶大な人気を誇るエバーグリーンクラシック。
テーブルゲームやアーケードクラシックなどが中心だった初期XBLAにあって、ヨーロッパをターゲットにした定番タイトルだ。

Sensibleはこれまた日本では馴染みが薄いが、主にAMIGAでこの『SWOS』を始め『Cannon Fodder』や『メガロマニア』といった名作を立て続けに放っていた90年代ヨーロッパの重要メーカー。
スポーツ、シューティング、ストラテジーとジャンルは違うが、いずれもちまちましたキャラクターと戦略性を盛り込んだゲームコンセプトという共通項がある。
当時から高い評価を得ていたSensibleの諸作品だが、元がAMIGAということもあって日本ではほとんど紹介されずじまい。
メガドライブ版やスーパーファミコン版が国内発売された『メガロマニア』が唯一の例外であろうか。

『SWOS』を説明するには我が国の『ファミリースタジアム』をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれない。
1994年の初代で「サッカーゲームといえばコレ!」の定番の座を獲得し、以後選手データを変えたバージョンが数代に渡って登場した。
同時期に日本でリリースされていたサッカーゲームと比べるとビジュアルはかなり前時代的に映るかもしれないが、ワンボタンにすべてのアクションが集約されシンプルな操作と、パスにホーミング機能がついておらず、最初のうちはボールを繋ぐのも一苦労な習熟と戦略を求められるゲーム性の組み合わせは、やり込めばやり込むほど深みを増す。

特筆すべきはその選手データの豊富さ。
各国の代表チームのみならず、欧州や南米、アジアの各リーグ、しかもその下位ディビジョンまでをも網羅した、まさにサッカー万国博。
もちろん公認のわけはなく、その名前はファミスタの「おみあい」や「きよすく」のごとくスペルを入れ替えたりしたそれっぽい変名(おかげで日本の選手とかワケがわからなくなってる)、選手ステータスもパラメータの多少の違いでしかないのだが、やはりこういうのはその筋のファンが集うスポーツゲームでは大切な要素である。

そんなデータを活かすためにシーズンモードやキャリアモードも充実。
シンプルでコミカルな見た目とは裏腹にサッカーマニアも熱中させるやり込み度がこれでもかと充実したスポーツゲームの歴史的傑作。
今でも多くの人に愛され現在進行系で大会も行われている、定番タイトルが名を連ねた初期XBLAでリイシューされるのも納得の一作だ。
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2022/10/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ついに迎えたXbox20周年。
それを記念して日本時間では今朝の3時頃からXboxアニバーサリーセレブレーションがライブ配信されましたが、その中で目玉となったのが初代XboxやXbox360ソフトの新たな現行機への互換タイトルの発表。
その数76。まあ新たな互換タイトルの追加はSeries X|Sの発売以降ピタリと鳴りを潜めていたので、ここでまとめて一気にの感はありますが、それでもこれだけのラインナップが今日からいきなりプレイ可能となるのは充分すぎるサプライズです。

ただ今回のタイトルをもって、初代及び360ソフトの互換はこれでひとまず打ち止めとのこと。
互換にあたっては、なにより版権や開発元発売元の推移に伴う権利問題が一番の大きな壁になったそうですが、その事情から手を尽くしたがこれ以上はどうにもならないというところなのでしょう。
初代から360にかけてのOnly on Xboxの看板タイトルだった『Project Gotham Racing』シリーズなどが、ついに対応に至らなかったのは悔やまれますが、あれもこれも言い出したらキリがないし、今はとにかく互換作業にあたったチームを労うべきでしょう。

『Dead or Alive』シリーズにMonolith Productionsの『F.E.A.R.』シリーズ、『Manhunt』に『Sacred 2』など目玉タイトルが多く名を連ねる新互換対応リスト。
その中で四代に渡るXbox20周年を記念するに相応しいソフトとなると、やはりこの『Bankshot Billiards 2』でしょうか。
「なんでそれなんだよ!?」ってツッコミが全方位から入ってるような気もしますけど、Xbox360本体と同時にLiveアーケードタイトルとして配信された、なんの変哲もないカジュアルなビリヤードのゲーム。
『Pool Nation FX』など新時代のビリヤードゲームが出揃っている今、いくら互換されたとはいえ今さらあえて遊ぶ人もそうはいないでしょう。

360のロンチタイトルのひとつであるのですが、このゲームはさらに前歴がありまして、初代XboxのLiveアーケード(この存在自体が今では幻のものとなってますが)にも無印版が名を連ねていました。
つまり初代時から一貫してオンラインストアで販売され続けてきたXboxの歴史の生き証人みたいなソフト。
そして今回のOneやSeires X|Sへの互換対応をもって、四代に渡り現役を貫く形となりました。

その事実を別にすれば特筆すべきことのない、シンプル極まりないビリヤードゲーム(あえて挙げるならLiveアーケードの相場が400~800だった頃に1200MSPという強気価格を打ち出して顰蹙を買ったくらいでしょうか)なんですけれど、私にとっては初代Xboxの末期から360の最初期にかけての空気を感じさせてくれる一作です。
まだ360のラインナップがろくに揃っていなかった頃、何とはなしに起動しては同じようなテンションの相手と、イマイチ気乗りしないまま互いにボールを打ち続けたあの時のことが懐かしく思い出されます。
*関連記事
【Xbox Liveアーケード】幻のプレXBLA
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2021/11/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
Xbox Series X|Sの発売を目前にして、アメリカの小売り大手ウォルマートが初代XboxからSeries X|Sまでを繋げたプロモーションムービーを公開している。
初代Xboxからもう20年近く。Xbox 360の登場も今や14年も前の出来事だ。
Xboxに限らずゲームハードの代替わりは革新→保守→革新のサイクルを取るパターンが多い印象があるが、初代から360への交代時に一番大きな変化となったのはネットワーク接続の普及であろうか。

コンソール機のオンライン化に先鞭をつけたのはドリームキャストだが、それが広く拡がって一般的なものとなったのは、Xbox 360と足並みを合わせてのことであった。
ハードルが大きく下がったネットワーク対戦。360初期にその中心となったのは、やはり『HALO 3』や『Gears of War』『ロストプラネット』などのシューター系であったが、その一方でもう一つの大きな柱となっていたのが『UNO』や『カタン』といった、アナログゲームをベースとしたカジュアルな多人数対戦ゲームであった。

この『Carcassonne』もそんな360初期を彩ったボートゲーム系タイトルの一つ。
ベースとなったアナログ版のカルカソンヌについては、もう今さら説明なんか不要かもしれないが、プレイヤーが交互に地図タイルを引いてはそれを連結し、地形の領有ポイントを争うゲームだ。
今でこそビデオゲーム版のカルカソンヌは珍しいものではなくなっているが、このXbox Liveアーケード版が出た2007年当時は、とても目新しい存在だった。
付け加えるなら、現在ではかなり一般に普及している海外産のアナログボードゲームも、この頃はまだ一部好事家だけの間に留まっていた。

そんな環境だから『Carcassonne』に集まったプレイヤーたちも、このXBLA版によってカルカソンヌの存在やルールを初めて知ったプレイヤーが多かった。
だから部屋によっては点数計算もおぼつかない人ばっかなんてこともあったけど、逆にだからこそマッチ終了後にゲーム側が親切にスコアを読んでくれるときは、まるで新体操やフィギュアスケートの審査発表のときみたいにドキドキしてそれを見守り、そして一人ひとりのスコアが出るたびに派手に一喜一憂した。実際のマッチ中以上にその瞬間がとにかく楽しかった。

もちろん野良だから、そんなハムスターのおつむみたいなレベルのメンバーに熟練のカルカソンヌプレイヤーが交じることもあったが、それでもバランスがとれてしまうのがカルカソンヌというゲームの絶妙なところで、この点はカタンよりも遥かに優れていたポイントだと思う。
そんなオンライン対戦がまだまだ特別な存在であった頃を彩っていたタイトルも、360からXbox Oneを経て間近に迫ったXbox Series X|S時代に於いても未だに現役を主張。
さすがに野良マッチが成立することはなかなか難しくなってはいるが、所持率はかなり高いだろうし、360から間を置いてXboxに復帰するユーザーを交えて久しぶりにマルチプレイなんてのも悪くないんじゃない?
<Xbox Series X|S Xbox One 互換タイトル>
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2020/11/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
Double Fineの旧作『Stacking』と『Costume Quest』のXbox 360版(Xbox One互換)の唐突な日本国内配信。
ストアには英語の説明文のままの本体のみで、XBLAには付き物の体験版がまったく見当たらないことから、イレギュラーというかなんらかのアクシデントの匂いもぷんぷんする。
そしてダウンロードコンテンツであるこの追加シナリオ『The Lost Hobo King』も残念なことに国内ストアでは未配信のまま。
しかしこのDLC、規模はささやかだがこのゲームのバックグラウンドである20世紀初頭の格差社会に溢れたあの人たちにスポットライトをあてたものだったりする。

悪徳資本家バロンとの戦いに終止符を打った、誇り高き煙突掃除夫の小さな息子、チャーリー・ブラックモア。しかし彼の冒険は終わらない。
バロンたちとの最後の戦いに仲間を引き連れて加勢してくれた、ホーボーのレヴィに誘われて、新たな地に問題解決に赴くのであった。
ホーボーとは何かって? まぁレヴィの風体を見れば分かるように、早い話がホームレスだ。
20世紀初頭、世界を覆った大恐慌の中で職を失った者たちは列車にただ乗りしての、その日暮らしの生活に追いやられた。
渡り鳥のような生活を送る彼らは、いつしかホーボー(Hobo)と呼ばれるようになり、そのボヘミアンなライフスタイル(彼らは決して望んでボヘミアンになったわけじゃないだろうが)は、後世の人間によって神格化され、様々な文学や音楽のインスピレーションとなった。

ホーボーを描いた作品の中で一番有名なのは、ロバート・アルドリッチの大傑作映画「北国の帝王」であろう。
リー・マーヴィン演じるカリスマ浮浪者エース・ナンバーワンと、アーネスト・ボーグナイン演じる冷酷無比な車掌シャックが、無賃乗車の是非を巡って延々と男臭い死闘を繰り広げる、オレにとってオールタイムベストワンの映画だ。
「星は俺のために輝き、大統領だって俺には一目置く。俺は行きたいところに行けるんだ。ニューヨークの大金持ちでも、俺ほど自由じゃねえ」
映画の中でA・ナンバーワンはそう嘯いたが、チャーリー・ブラックモアの頼りになる相棒レヴィも、見かけは飄々としているが、きっとそんな気概に満ち溢れた男なのだろう。
本編のラストで、資本家たちとの戦いに浮浪者軍団を率いて雪崩れ込んできた彼の頼もしい姿に、心を震わせた者たちだって、きっと多かった筈だ。

『Stacking』の追加ダウンロードシナリオ、『The Lost Hobo King』は、チャーリー・ブラックモアがレヴィに連れられてやって来た浮浪者たちの王国で、失われた王冠を取り戻すために一肌脱ぐお話。
その規模は極めてささやかなもの。本編の一章分より、ややタイニーなスケールだ。
やることもあくまでも本編の延長。ぱかっ、ぱかっと他のマトリョーシカに乗り移りまくり、メインクエストをクリアしつつ、ユニークドールを収集し、ハイジャンクと呼ばれるサブクエストをついでにこなして行く。

だけどこれが相変わらず楽しい。本編がほどほどのボリュームだったってのもあるだろうけど、この舞台と登場マトリョーシカを取り替えただけの追加クエストは、本編をじっくりとやり込んだ後だって全く飽きが来ない。
それくらい、このいい大人たちのための、ジオラマの中でのマトリョーシカ人形ごっこは、全く色褪せないカラフルでユニークな遊び心に満ちているのだ。
この『The Lost Hobo King』、Xboxで購入するにはアレをアレしたりして手間がかかるが、Steam版は『Stacking』本体に最初からバンドルされているので、プレイするには間違いなくそっちのほうが手っ取り早いかも。
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2020/06/17 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
最新作『Psychonauts 2』の登場が今年に予定されているビデオゲームメーカー、Double Fineの旧作『Stacking』(2011)と『Costume Quest』(2010)。
Xbox liveアーケードでリリースされていたものの、長いこと日本では未配信状態だったこの二作が、ここにきて唐突に国内ストアに登場。
なんで今頃になっての感は否めないが、しかしゲームマニアの間では常に評価の高いDouble Fine作品。
特にユーモラスなゲームシステムとジオラマのようなグラフィックデザインが見事に融合した『Stacking』は2011年のマイベストゲームと言ってもいいくらいお気に入りの一作なので、ここは素直により多くの人がプレイする機会が増えたことを喜ぶべきだろう。

時は20世紀初頭。発展する文明と産業は人々の暮らしに大きな恩恵をもたらしたが、その一方でそこから生じる軋轢は、貧しく弱いものたちを苦しめてもいた。
煙突掃除夫の父ちゃんとその母ちゃん、そして5人兄弟が肩を寄せ合って暮らすブラックモア家も、その産業発展の下の理不尽に翻弄された家族だ。
一家に良い暮らしをさせようと、割の良い仕事のために出かけたまま音信を絶ってしまった父。
困窮する家族たちの元にやって来たのは、バロンという企業家の使い。ブラックモア家の子供たちは、バロンの誘いに応じて仕事を求めて家を出て行ってしまう。
ところがこのバロンは、ワ●ミの会長とためを張るくらいの労働基準法の敵。騙された子供たちは奴隷のような環境での労働を余儀なくされていた。

この事態に立ち上がったのが、ブラックモア兄弟の末弟チャーリー。
あ、言い忘れていたが、このゲームに登場するキャラクターは、全てマトリョーシカ人形。
マトリョーシカ家族の中で一番ちっちゃいチャーリーは、「おめえみたいなチビは労働力になんねえよ!」と、一人母親の元に置いて行かれたのだった。
「でも大丈夫かい? だって、お前は一番ちっちゃいサイズじゃないか」
不安を隠せない母親に、チャーリーは胸を張ってこう答える。
「母さん、ブラックモア家の家訓を忘れたのかい? "煙突掃除、どこでも駆けつけます"」
「煙突掃除じゃねえって!」

母親の心配も無理はない。チャーリーはマトリョーシカの世界で最小サイズ。しかしチャーリーには、そのサイズならではの最大の強みがあった。
マトリョーシカは自分よりサイズの大きいマトリョーシカの中に入ることができる。つまり最小サイズのチャーリーは、この世界に居るマトリョーシカのほぼ全てに乗り移ることが可能なのだ。
この世界のマトリョーシカは必ず何かしら一つの特技を持っており、乗り移っている間はAボタンでその特技をいつでも使用可能。
さあ、他人の特技を駆使して兄弟たちを救い出す旅に出発だ。
未亡人に乗り移って尻を振って門番をおびき出したり、花の香りを出すご婦人に乗り移って毒ガスを浄化したり、さらには一番上のおっさんで屁を充満させ、すかさずそれを脱ぎ捨て二番目のガワが所持するライターで点火。周囲を火の海にしてバリケードを破壊するなんて応用もある。

勇気と好奇心を武器にチャーリー・ブラックモアを手助けして、そんな情緒とウィット溢れる"文系パズル"の数々を解き明かして行けば、その先にあるのは、マトリョーシカが演じているとは思えないほどの大スペクタクルが巻き起こるラストバトルと、そしてマトリョーシカ一家の絆にこちらも思わず貰い泣きしてしまいそうな感動のエンディングが待ってる。
ジオラマ風の舞台の中を無数のマトリョーシカたちが活き活きと動き回る情景も実に魅力的だ。
思わず画面を切り出して額に入れてどこかに飾っておきたい衝動に駆られてしまうことだろう。

そしてマトリョーシカは、様々な特技に対していちいち独自の反応を示してくれる。
メインストーリーとは関係ないところで、マトリョーシカを次々と乗り換え、その特技にどんな反応が巻き起こるのかを試しているだけでも楽しい。
さらには本筋以外にも、特殊なリアクションや、レアドールを収集するやり込み要素も完備と、抜かりはない。
システム、ビジュアルとも現在でもまったく古びていないユーモアたっぷりの傑作ADVだ。
<未日本語化>
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2020/06/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |