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- 【Deepak Chopra's Leela】Kinectカメラは第三の眼 [2017/06/15]
- 【坐禅 "ZAZEN" zen meditation game】Kinectは悟りの導師 [2017/06/13]
- 【Kinectディズニーランド・アドベンチャーズ】夢の国の狂気 [2016/07/03]
- 【Self-Defense Training Camp】地上最強のKinect護身術 [2016/05/19]
- 【Blue Estate】バーン! お前は死んだ! [2015/11/20]
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富める者に貧した者、病める者に健やかなる者。紆余曲折した末に誰もが最後に行き着くのがスピリチュアルな世界だ。
欧米にニューエイジという概念が生まれてから、もうどれくいらい経つであろうか。
東洋哲学やら何やらがごっちゃに混じり合ったこの宗教的思想は、東洋人から見ればいささか奇異に映ることもあるが、しかし多くのロック名盤やアップルコンピュータを生み出した一因である事実は揺るがない。
ディーパック・チョプラは、そのニューエイジ思想から飛び出してきた人物。
その界隈では定番とも言える西洋医学のカウンター的なメソッドを唱え、今や大きな影響力を持つインド系アメリカ人だ。

Kinectの実用的な使われ方で思い浮かぶのは、いわゆるフィットネス系のソフトだ。
Nikeインストラクターやジリアン・マイケルズが怖い顔をして身体を動かすことを要求し、ささやかなカロリー消費と引き換えに健康になった気分を手に入れる。
そんないかにも西洋即物的なメソッドが幅を利かすジャンルに、スピリチュアルをテーマに殴り込みをかけてきたのもチョプラであった。

『Deepak Chopra's Leela』は、チョプラのメソッドをKinectに落とし込んだゲーム。
リーラーとはサンスクリット語で"宇宙的意識の遊戯"を意味するらしいが、とにかくこれをプレイしていれば潜在化の意識が解放され、通常よりも深い直感や洞察、インスピレーションを得ることができると主張するソフトだ。
この建前だけで眉に唾する人も多いだろうが、まあジリアン・マイケルズが「一週間で贅肉が落ちるわ!」と言ってるやつのスピリチュアル版だと思っておけば、軽く受け流せるだろう。

「筋肉! 筋肉!」と騒ぎながら、腕立て伏せだの反復横跳びだのを何度もやらせる野蛮なフィットネス系ソフトと違い、『Deepak Chopra's Leela』が必要とするのは自然体で直立できるささやかなスペースのみ。
チョプラの肉声ガイドに誘われながら、まず最初に挑むのは"オリジン"のムーブメントだ。
腰を緩やかにくねらせて画面内の惑星を自転させ、木々の芽を雨雲や太陽の下に導いて成長させ、緑の星を創り上げよう。
やはり腰を自然体でひねりながらクリーチャーを操作し、宇宙をめぐりながら成長させるのは"ライフ"のムーブメント。

続く"パワー"は向き合わせた掌をゆっくりと広げて気導珠を大きくさせ、それを放って岩を穿つ超能力者気分をもっとも味わえるムーブメント。
この辺になれば、そろそろKinectセンサーの丸いカメラ部分が第三の眼のように感じられてくるだろう。
ツイストと合掌の二つの動作でスピリチュアル版『キング&バルーン』を遊ばせるのは"ラブ"のムーブメント。
テレビに向けた掌から、まるで念動波が発せられているかのような手応えが得られるのは、"ハーモニー"のムーブメントだ。

"イントゥイッション"は首を軽く左右に傾けて自機を操作するチューブレースゲーム。
そして最後の"ユニティ"のムーブメントを終える頃には、もう全身チャクラ開きまくり。「今のオレの姿は風忍の手によってコミック化されて然るべきだ!」なんて意味もない自信で満ち溢れていることだろう。
なんかアブない人の一歩手前のような気もするが、しかしこれこそが身体と精神の調和を経た健全なる魂なのだ。マントラマントラ!
Wii版もリリースされている本作だが、しかしリモコンよりもKinectを介した方が、よりスピリチュアルな気分に浸れることは間違いあるまい。
その短い現役時の間に、ありとあらゆる方向性の模索がなされていたXbox 360のKinect。そしてそれは人知れずして深遠なる大宇宙の意識ともコミットしていたのだ。
<Kinect専用ソフト / 日本未発売>
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2017/06/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
仰々しい台の上に設置された大きめのテレビ。静かに唸りを上げるちょっとチープなエアコン。犬のおしっこが染み付いたニトリのカーペット。
見慣れたいつもの部屋。しかしオレは紅葉の隙間を縫って流れてくる秋の風や、水のせせらぎに乗って伝わる心地よい空気を無理やり感じている。ここはいつものリビングであり、いつもとは違う清然の場なのだ。
ゆっくりと息を吐き出し、オレの心は自然と調和している。
決して傍らに置いたタブレットから流れてくるパ・リーグTVの実況に心を乱されたりなどしない。
またロッテ打線は息を吸うかのように三者凡退した。
あのムダな高給取りのスットコドッコイども!…………などと決して昂ぶったりなどしていない。
黄色く染まった葉が落ちるのも自然の摂理ならば、ロッテ打線の三凡もまた摂理なのだ。

メジャーどころのメーカーはおろか、当のマイクロソフトまでもが店じまいを始めだし、今やごく一部の香ばしいインディペンデント会社のみが細々とアプローチを続けるのみとなったKinect。
諸行無常を感じさせるデバイスだが、しかしそうやって俗世間の欲望や打算から解放されたポジションになったからこそ、こうやって禅の精神にも自然と関われるようになったのだろう。
TVモニターの前に用意するのは座布団と身一つ。ビデオチュートリアルに従って、まずは準備運動で心身を整え、そしてKinectセンサーに見守られながらゆっくりと坐禅を組んで目を閉じる。

ゲーム業界のアナリズムからも、マイクロソフトのビジネス的思惑からも自由となった無垢のKinectは、いまリビングに邪念の無い静謐の空間を作り出している。
その真ん中で煩悩を振り払い、オレの心は自然と調和している。
決して首からぶら下げたスマホから流れてくるパ・リーグTVの実況に心を乱されたりなどしない。
またロッテ中継ぎ陣は、それが当然の仕事であるかのように敵打線に捉まった。
あのムダな高給取りのスットコドッコイども!…………などと決して昂ぶったりなどしていない。
水が高きから低きに流れるのも自然の摂理ならば、ロッテ投手陣の炎上もまた摂理なのだ。

いつもは刹那の楽しみを提供しているだけのゲーム機が、いまは心と身体を見つめ直す実りある行いに使われている。
心を落ち着かせてくれるのは坐禅だけではない。やはりKinectを使った写経に読経(ちなみにこのソフト。宗派は天台宗だ)。
とは言っても写経はちゃんと文字を書かずに適当に点を打ってるだけでOK判定されるし、読経に至っては吉幾三の"おら東京さ行くだ"を呟いていただけでも問題なかったから、Liveにはたちまちのうちに徳のかけらもない横着な実績解除者で溢れかえっていたが。
やはり実績がらみの話では、瞑想5回クリア以降の実績解除者パーセンテージがガクンと下降しているのも、三日坊主という言葉の意味をダイレクトに感じさせてくれる。

実績もそうだが、こんなブログや実況の肥やしにしかなっていない現状も、禅の本来の精神からおよそかけ離れているような気もするが、しかし世の中で大切なのはきっかけ、縁である。
今まで禅のぜの字にも触れようとしなかった不届き者たちに、たとえ邪な気持ちがきっかけとは言え、ちょっとでも座禅を組む機会を与えただけでも、このソフトはそれなりの目的を果たしているんじゃないだろうか。
もっとも自分の代わりに大きなぬいぐるみをKinectセンサーの前に置いて横着している輩は、その限りではないだろうが。

毎日数分ずつ坐禅を組むうちに、いつしか選択できるステージも増えてきた。
テレビに映る神妙に両手を組む自分の姿に気恥ずかしさを感じていたのも最初のうちだけだ。
もう今ではどんなだらしない格好で座り込んでいても、心が揺れ動くことはない。
贔屓の野球チームが勝ったり負けたりして順位が上がったり下がったりするのなど、大自然の理の前ではなんの意味もないことだとまで思うようになった。
きっとこれが悟りというものなのだろう。それにここしばらくは最下位に定着して順位は下がりようもないしな! あの意味もなく野球のユニフォームを着た役立たずどもめ!

開け放った窓から入ってくる工事の騒音も選挙カーの名前連呼も、この崇高な空間では木々のさえずりや水のせせらぎに濾過される。
それらに囲まれながら、静かで規則的な呼吸と共に、オレの心は自然と調和している。
決してダイニングでつけっぱなしになっているテレビから流れてくる野球中継に心を乱されたりしない。
デスパイネの穴埋めにやって来たパラデスとダフィーは今日も不発に終わった。
あのムダな高給取りのスットコドッコイども!…………などと決して昂ぶったりしない。
石に苔がむすのも自然の摂理ならば、ダフィーの豪快極まりない空振りやパラデスの為す術ない見逃しもまた摂理なのだ。……なんて悟れたら誰も苦労はせんわ、バカヤロウ!!
<Kinect専用ソフト / 国内ストア未発売>
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2017/06/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ついに上海にもオープンし、夢の国グローバル化の道をますます邁進するディズニーランド。
これから夏休みの行楽シーズンを迎え、TDLもディズニーシーも、さらなる活気に包まれるのだろう。
だがアジアのディズニーランドは東京や香港や上海だけではない。
ローカル線のさらなるローカル線から歩いて10分のところにあるオレの家にだってある。
広すぎる駐車場で途方にくれることも、浮かれるカップルに囲まれてげんなりすることもない、オレだけのディズニーランドが。
そして世界中のあらゆるディズニーパークの中でも、飛び抜けて狂気性が高いディズニーランドが、田んぼを潰して造成した住宅地の一角で、24時間休まずオープンしている。

人の動きをカメラでフィードバックして、体全体を使って操作するデバイス、Kinect。
その試みは、ことゲームだけに限っては、なんとも尋常じゃない作品群を多く生み出したが、Kinect最大のキラータイトルと呼ばれた『Kinectディズニーランド・アドベンチャーズ』は、その針がさらに振り切られた一作だ。
あなたの家がディズニーランドになる。そのセールス文句に偽りはなかった。
見栄をはって買った大型液晶テレビの画面に展開するのは、紛うことなきディズニーランドだ。
笑顔をたたえた人々で溢れかえった夢の国。オレは子供の姿に身をやつし、懐の心配をすることなく、その中を自由に遊びまわる。

オレを迎えてくれるのは、ディズニーの名だたるホストたちだ。
あそこにいるのはミッキーだ、握手握手。あっちにはドナルド、サインちょうだい。あ、白雪姫だ! ハグ! さらにハグ!
バズ・ライトイヤーだ、ご挨拶ご挨拶。むこうにはピノキオ、サインくれ。わお、シンデレラ! ハグ! しつこくハグ!
オレはこのディズニーランドきってのV.I.P.。ホストたちはいつでもこのオレに真っ先に時間を割いてくれる。
プーさんと握手、フック船長からサイン、キツネどんにご挨拶、アリエルにハグ! なんどもハグ! 案内のお姉さんにもハグ! ……はできねえのかよ! いいじゃねえかよ、ちょっとぐらい!

ホストから貰った魔法の道具でイタズラ三昧。お店に入っては欲望の赴くままショッピング。そしてパーク内徘徊と並んでメインディッシュとなるのは、実在アトラクションをモチーフにしたKinectアクションゲーム。
サウンドセンセーショナルパレードだってもちろんある。そのお膳立てをするのはプレイヤー自身。
Kinectでできることをベースにした、考えうる限りのおもてなしを用意した、ステキなステキな仮想夢の国。

しかし夢の国というものは、割り切りと納得と理性の一時的棚上げをしなければ成立しないことを、もう大人になってしまったオレは嫌というほど知っている。
ステキな夢の国徘徊を一歩引いて見てみれば、そこにいるのは液晶テレビの前で手を前に突き出してふらふらし、画面に向かってぶんぶん手を振ったり、空中をぎゅーっと抱きしめていたりする大の大人の不気味な姿。
それでもパークの中にいるつもりまんまんであれば、「お前、……何やってんの?」という内なる理性の野暮な一言にも、「オーロラ姫の谷間に顔を埋めてんだよ! 見て分かんねえのか!」と言い返せる。

だがディズニーランドの魔法は、いつか解ける。
駐車場でクルマを停めた場所が分からなくてパニックになったり、子供がうんこを漏らしたり、帰りの電車でささいなことから夫婦喧嘩になったりと、実際のディズニーランドでも、魔法が解けるのはあんがい早かったりする。
Kinectディズニーランドの場合はもっと早い。
宅配便が来たり、家族が予定よりも早く帰ってきちゃったり、あるいはお腹が空いてきちゃったりと、魔法解除のバリエーションも多彩だ。

Kinectディズニーランドの最大の欠点は飲食店の不在だ。腹を満たそうにもワッフルカンパニーもクリスタルパレスレストランもない。手近にあるのは狐どん兵衛だけだ。
画面に広がる夢の国を無表情に眺めながら、どん兵衛の揚げをもそもそとかじる。
この狂気のディズニーランドは、確かに利便性はピカイチだが、そのぶん魔法が解けたときのダメージがでかすぎる。
「なにが夢の国だ……」
そんなオレのつぶやきを嘲笑うかのように、シンデレラ城のあたりで花火がどどーんと打ち上がった。
夢の国は狂気の裏返しだ。そしてKinectというデバイスは、その狂気をさらに研ぎ澄ますのであった。
<Kinect専用タイトル>
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2016/07/03 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
いくら格闘ゲームが上手かろうが、それに比例して腕っ節が強くなるわけじゃない。
街なかや路上の突発事態に、ゲームで培ったノウハウはあまりに無力だ。
社会で待ち受ける様々な危険に対して、かつて我々が道場に通うという真っ当な手段をスルーしてすがりついたのが、漫画誌の裏表紙広告なんかに載っていた通信教育空手だったりした。
しかしそれは子供相手にヌンチャクや特殊警棒の通信販売広告が、平気で打たれていた呑気な時代のお話。デジタルな現代ともなれば、そのアプローチも当然変わってくる。

そこで天下のUBIが提唱するのが、ゲーム機で学べる護身術『Self-Defense Training Camp』だ。
別名Kinect格闘術。身体まるごとコントローラKinectと二人三脚で稽古に励めば、たちまちのうちにどんな暴漢からも身を守れるセルフディフェンスマスターのいっちょう出来上がりだ(個人の感想であり効果・効能を示すものではありません)。
この自宅開設格闘ジムのメニューは全部で4つ。
キックボクシングをベースにしたカーディオワークアウトは、他のフィットネスソフトでもお馴染みの定番メニューだ。
画面のインストラクターたちの動きに合わせて、ワン、ツー、パンチ、キック、フー!

しかしこんな見慣れたメニューは、ほんの準備運動。身体がほぐれたら、気分を盛り上げるためのムエタイトランクスやマーシャルアーツパンタロンに着替えて、リフレックストレーニングにチャレンジだ。
これはKinectで行う擬似シャドウボクシングメニュー。
ミットを構えたコーチの指示通りに左右のパンチやキックを上下に打ち分けよう。コーチが攻撃を打ってきたときは、もちろんスウェーやダッキング、ブロックで回避だ。
家族の白い目にも負けずにリビングでこのドリルを1時間もこなせば、もう昨日までの自分とは明らかに違う手応えを実感できるだろう(個人の感想であり効果・効能を示すものではありません)。

パンチやキックを存分に振り回して、束の間のドン・星野・ウィルソン気分と共に一汗かいたら、次はリフレッシュタイムだ。
もちろん気分転換といえど、格闘技に対する探求の手は緩めないのが、この『Self-Defense』のお約束。
バランスプラクティスのメニューは太極拳。タイチーのムーブで心身を落ち着かせると同時に、バランスを養い東洋の呼吸法を会得しよう。
もっともこの太極拳、すさまじいまでにインチキっ臭いシロモノなのだが(こう見えても私は『Xbox Fitness』で、クリストファー・ペイ師範の太極拳メソッドを数時間だけ受講した立派なタイチーマスターである)、まあそれもこのソフトの一番の肝である"アメリカやヨーロッパにある胡散臭い東洋武術道場"気分を盛り上げる役目は、きっちりと果たしてくれているから問題ない。

そしていよいよメインコンテンツ、護身術の奥義をKinectを通じて伝授するセルフディフェンスリハーサル。
胸ぐらを掴まれたら、肩を押さえつけられたら、背後から抱きつかれたら、様々なシチュエーションへの対応をレッスンするモードだ。
ムーブを細かく区切っての練習のあとは、最初から最後までの通し稽古。
相手のいないエア乱取りは、傍から見ればロボットダンスをぎこちなく踊る人にしか見えないが、格闘技が見栄えを気にしていてはしょうがない。これはあなたが咄嗟の危機を回避するための大事なレッスンなのだ。

ほのかな疑問を心の片隅に押しやって一心不乱に稽古すれば、もうあなたはひとかどのセルフディフェンスマスター。
こちらの肩に軽く手を置いて棒立ちになっているチンピラや、後ろから軽く抱きついたままじっとしている痴漢をもう恐れる必要はない。あとは相手が想定外の動きをしないことをひたすら祈ろう。
ゲームソフトを通じて学んだノウハウが、実社会ではクソの役にも立たないと言われたのは、もはや過去のこと。
このソフトに打ち込んでKinect護身術をマスターすれば、もうトラブルを避けてひたすら身をすくめることはない。
少なくともオレは、もうこっちの手首を掴んだままじっと突っ立っている暴漢を恐れはしないぞ。
Kinect護身術の教え通りにやれば、その身の程知らずは間違いなくオレに逆関節を取られて地に伏しているはずだ!(個人の感想であり効果・効能を示すものではありません)
<Kinect専用タイトル>
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2016/05/19 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
Xbox 360の初期のコマーシャルに、人々が指をピストルに見立てて、駅の中で銃撃戦を繰り広げるものがあった。
諸事情によりお蔵入りになってしまったのが残念なCMだったが、しかし指ピストルというのは、サバゲーやFPSに至るあらゆる戦争ごっこの根源であることは間違いない。
親指を立てて人差し指を真っ直ぐに伸ばして、片手を拳銃に見立て口で「ばきゅーんばきゅーん」。
いい年こいた大人が実行するには憚られるもののある光景だが、Kinectの前ではそれを臆する必要はない。
かつてはブラウン管テレビと二人三脚の関係だったガンシューティングも、その相方の表舞台からの退場以来、生き残りを模索して様々な試行錯誤を重ねてきた。
中でもWiiリモコンwithザッパーは、もっとも親和性の高さを見せた新たなパートナーであったが、あまりにも僅かな蜜月期間を経て、その新たな伴侶も第一線から一歩引いてしまう。

ともすればFPSやTPSの勢力圏に収束されて消滅しそうなジャンル、ガンシューティング。
フランスのノワールコミックを原作としたこの『Blue Estate』は、昔ながらのガンシューティングゲームの作法を今に受け継ぐ貴重な作品だ。
マウスやジャイロセンサーなどデバイスを変えて、様々なプラットフォームで発売されている作品だが、やはりこれの本命はKinectに対応したXbox One版であろう。
右手をピストルの形に構えて、テレビに向かってばきゅんばきゅんばきゅーん。
銀玉鉄砲すら買えない貧乏な子供のようなリアクションも、Kinectセンサーを通せばたちまち迫真のガンファイトへと様変わりする。

アーケードガンシューティングの流儀に乗っ取り、わらわらと現れる敵たちめがけて、右手の指鉄砲を華麗に早撃ち。
Kinectセンサーの反応も上々で、心配された照準の精度も問題はない。
ただしトリガーを引く動作には対応していない。弾は照準が合えば自動で発射される仕組みだ。
トリガーに代わる発射間隔を補うのは、指ピストルではお馴染みの右手の擬似リコイル動作。腱鞘炎の危険性を考慮しながら、是非とも忘れずにチャレンジしておきたいところだ。

視界を塞ぐ前髪をかき上げたり、敵を払いのけたり、手榴弾を投げ返したり、時々挿入される左手でのモーション操作は、ともすれば単調になりがちなガンシューティングの程よいアクセント。
もっと臨場感を出したいと思えば、その手にゴム鉄砲でもモデルガンでも使い道のなくなったバーチャガンでも、お好みのアクセサリーを握ればいい。

しかしやはりいちばん味わい深いのは、なんといったって指ピストル。
突き出した人差し指の先端から飛び出した弾丸が、画面の中のファンキーな敵たちを、バッタバッタとなぎ倒す。
「バーン! お前は死んだ!」。つい脳裏に浮かぶのは、ブラッドベリのそんなタイトルの傑作短編小説だ。
オレの右指は世界最強の武器。このダイレクトな、そして稚気たっぷりな銃撃戦ごっこ感覚は、FPSはなかなか及べないガンシューティングの特権。
ガンシューよ、Kinectに集え。余計なガンコンデバイスを買わせる手間は一切ないぜ。
<国内ストア未発売>
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2015/11/20 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |