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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【theHunter: Call of the Wild】野性の呼び声

   ↑  2021/03/29 (月)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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モンハンシリーズの最新作『モンスターハンターライズ』が発売され、ゲーム界隈は狩猟解禁を迎えて盛り上がっている。
そのモンハンと同じ狩猟というワードを掲げながらも、北米を中心に根強い人気を誇る狩猟シムは、モンハンとはあらゆる意味で真逆のゲーム性を持ったジャンルだ。
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オンラインプレイをデフォとするモンハンに対して、狩猟シムは一部にマルチプレイを備えたものがあったりはするが、その基本は孤独でストイックだ。
少なくともオレは銃と装備を抱えてバーチャルの野山に分け入るときに他人と時間を擦り合わせようとは思わない。
この時間は誰にも煩わされないオレだけのひとときなのだ。
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狩猟シムもずいぶんと息の長いジャンルだが、前々世代機あたりに於いては大手アウトドアショップの名を冠していたActivisionの『Cabelas』シリーズが幅を利かせている時期があった。
このシリーズがまた大雑把な造りのゲームを濫造しまくって随分と市場を荒らしまくっていたが、それもいつの間にやら姿を消した。
『theHunter』はそれと入れ替わるようにして登場したブランド。
本作『theHunter: Call of the Wild』はその最新タイトルだ。
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『Cabelas』シリーズのような乱獲系もあったが、伝統の狩猟シムは基本的に地味なものである。
猟銃や狩猟ガジェットを手に野山に入り、動物の痕跡を執念深く追跡して慎重に接近し、時間に時間をかけてようやく一頭を仕留める。
凝ったイベントとも爽快なカタルシスとも無縁だが、それがとにかく時間を忘れるほど没頭する。
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その証拠にいまオレは鹿の足跡を追って、もう30分もひたすら野山を彷徨いている。
聞こえるのは鳥のさえずりと小枝を踏み分ける自分の足音だけ。
時おり遠くから獣の鳴き声が聴こえてきては、立ち止まってハッと耳を澄ます。
『theHunter: Call of the Wild』をプレイしてる間のほとんどの時間はこんな行程だ。
そしてオレはそんなひとときにヴァーチャルな大自然との一体感を感じている。
現実の狩猟に熱中する人が一番惹かれているのも、もしかしたら同じような感覚なのかもしれない。
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アンブッシュポイントでひたすら獲物を待ち続けるのも、これまた愛おしいひとときだ。
眼下の平原に目を凝らすのもほどほどに、ぼんやりと山の稜線を眺めてはどうでもいい物思いに耽り、時々思い出したように鹿笛を吹いたりする。
鹿笛でおびき寄せても獲物はすぐ来るわけじゃない。10分後か20分後か、いずれにしろ気の長い話である。
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狩猟シムはグラフィックの進化の恩恵をもっとも受けているジャンルの一つだ。
ひと昔前の同ジャンルゲームに比べると、いま歩く野山の臨場感は段違いで、ただトレッキングをしているだけでも没入感がハンパではない。
程よい分布で配置された遺跡などのモニュメントは、そんな山歩きのいいアクセントになってくれる。
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動物は臆病な生き物だ。そうやってただ普通に歩き回っているだけでは、姿そのものを見ることなど滅多にありはしない。
歩き回るうちに足跡や糞などを見つけ、その足取りを追うこと数十分。他のゲームなら回りくどくてイライラさせられるだけの行程かもしれないが、狩猟シムの場合はホントにこれが苦にならない。
そうしてやっと捉えた鹿の姿。音を立てないよう風下からそっと近づき、ライフルのスコープにその姿を捉え、息を止めて照準を安定させ、慎重に慎重を重ねてようやく引き金を絞る。
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弾を命中させても追跡は終わらない。
急所を確実に射抜いていない限り、獲物はその場から慌てて逃げ出すであろう。
再び後を追うその手がかりは足跡と血の跡。やがて目に入ってくるのは地面に倒れ伏した鹿の姿。
その生気が消し飛んだガラス玉のような目を見て、仕留めた充実感以上に強く襲ってくるのは、心の底からの「すまないなあ」という気持ちだったりするのだから不思議なものだ。
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マルチプレイやミリタリー系のFPSでは得られることのない、一発の弾丸と一回の引き金を引く行為の重さ。
それを求めてさまよい歩くフィールドは、仕事や家庭の現実は元より、ゲーム仲間とのしがらみからも解き放たれた孤独の自由を満喫できる空間だ。
数日に渡って一気にやり込むタイプのゲームではない。1週間、あるいは2週間のほんの半日だけ現実を忘れて没頭する。
そんなメリハリのついたアプローチの仕方が、この地味極まりないゲームをさらに輝かせてくれるだろう。

<Xbox版国内ストア未配信・日本語未対応>

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2021/03/29 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Far Cry 4】王国の委譲

   ↑  2018/03/14 (水)  カテゴリー: XBOX ONE
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♪ なあ言ってくれ このままずるずるべったりか もうおしまいにするのか あなたはわたしのモノって言ってくれるなら ずっとここにいるよ だから頼むから言ってくれって 側にいてもいいのか? それとも終わりにする? <The Clash - Should I Stay or Should I Go>

一度聴いたら忘れられない強烈なコードリフで押しまくる、ザ・クラッシュの1982年リリースのシングル。
80年代クラッシュのイメージとはおよそ離れたこのシンプルなラブソングは、ミック・ジョーンズの自信なさげな歌声と相まって時代を超えたロックアンセムとなった。
オープニングタイトルとエンドロール。『FarCry4』はこの名曲にサンドウィッチされた物語。
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主人公の名はAJ・ゲール。故国に母親の遺灰を撒きに帰ってきた男。
しかしその母なる国、中央アジアの山岳国家キラットは、パガン・ミンという独裁者に支配されていた。
オープニング早々彼にとっ捕まったAJは、絶景を横にする宮殿の気が乗らない会食の席で、パガンに明確にこう告げられる。「Stay Right Here」。
だがパガン・ミンはそれを告げる絶対的な立場の人間じゃない。パガン自身もそのことはよく分かっている。
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"Should I Stay or Should I Go"は、この魅惑的な独裁者の長きに渡る煩悶を象徴する曲。
そしてパガンはようやくその問いかけに対する答え。この山しかない国からGoするきっかけを得ることができた。
眼の前にいる遺灰を手にした若者がそれだ。
『FarCry4』の建前は、残忍な独裁者から祖国を取り戻すお話。だが王国の委譲は、このオープニングの時点でとっくに行われていた。
見ているだけで空気の薄さが伝わってくるようなこの国で、好き放題振る舞える権利。
それは"Should I Stay or Should I Go"のリフとオープニングタイトルが出た直後に、コントローラを手にする者。AJ・ゲールことプレイヤーに委ねられた。そしてStay or Goの煩悶も同時に。
AJにその答えを告げる者。それはパガン・ミンに対してのときと同じ。AJが手にする骨壷の中に入った人物だ。
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FPS? オープンワールド? それらの受け止めは確かに間違っちゃいない。だけど『FarCry』シリーズのベーシックは、それらとは微妙に半軸ズレた、ハンティングシミュレータに近いものだ。
キラット、ここには狩るものはいくらでもある。
野ブタ、イノシシ、クマ、虎、サイ。稀少動物だってこの国では掃いて捨てるほど闊歩している。
それからあんまり稀少じゃないが人間って生き物も。このゲームにおいてはむしろそれが狩りのメインディッシュだ。
せっかくぞんぶんに振る舞う権限を譲られたのだ。あの強烈な独裁者の行いに負けないくらいに、好き放題やろうじゃないか。
パガン・ミンは部下を手をかけることすら厭わなかった。だったらこっちも、道をたらたら歩く行商人を撥ね飛ばしたり、目の前をちょろちょろする反体制ゲリラの仲間に火炎瓶をぶち当てたって、バチは当たらないってもんだ。
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独裁者仮免許状態のAJに対して、その便宜的な味方である反体制ゲリラ、ゴールデン・パスの連中ときたら、事の成就前に内ゲバ三昧。
保守的で伝統主義者のサバルと、改革派で現実主義者のアミータ。オレはもちろんキラットの輝かしい未来に肩入れするね。
こんな古臭い寺院なんかぶっ壊して、跡地にイオンモールを招致してやる。山だの自然だの動物だのもうたくさんだ!
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もっとも肩入れした側だって、それがAJにとって将来排除すべき問題であることは間違いないから、どっちがどうだろうがどうでもいい。
その後のAJの行いに思いを馳せるのもなかなか楽しいが、でもそれはあくまで近い将来の話。
今は希少動物の殲滅と人間狩りとドラッグトリップに彩られた、キラットでのやりたい放題の日々に、刹那的に身を委ねるのが正解だ。
あらゆる自由を謳歌できる独裁者。でも愛する人や母親の導きがなければ何もデキないちっぽけな男たち。
どうせこの風光明媚な国の何もかもは、骨壷に入った一人の女性の、愛憎の手のひらの上にある儚い出来ごとにすぎないんだから。

この記事に含まれるtag : FPS オープンワールド 狩猟 

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2018/03/14 | Comment (4) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Cabela's Alaskan Adventure】極北の狩猟

   ↑  2017/07/28 (金)  カテゴリー: XBOX 360
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暑い。東京は死ぬほど蒸し暑い。
いや、暑いのは東京だけじゃない。避暑って言葉が時代遅れになるくらい、日本全土まんべんなく気温が高くなっている。
夏のバカンスに軽井沢や北海道に涼を求めに行ったのは、もうひと昔どころかふた昔前の話だ。今はどんな山の奥に行こうが、「逃げられると思ってんのか、コノヤロウ!」とばかりに暑さが追いかけてくる。
いや、でも地球にはまだ湿気とか部屋干し用脱臭剤なんてのとは無縁の土地が残っているはずだ。そう、たとえばアラスカとか!
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アラスカ。字で書くだけでもなんか涼しくなったような気分になる。
ベーリング海峡がアメリカとユーラシアを分かつ所。極光の下の大自然。天気予報におそらく熱中症警報の項目がない場所。
アウトドアアドベンチャーシリーズではお馴染みのオープニング、水上機で訪れるは、そのアラスカの地。
穏やかに振りそそぐ極北の日光。これ以上はないくらい澄み切った空気。手つかずのままの大自然。そこに息づく数多くの野生動物。ああ、この地には人に我が生命の躍動を実感させる何かがある!
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とは言ってもホントに訪れる気などさらさらない。
なにせアラスカには、あの恐ろしいデカいクマが棲息しているではないか。中学生のときに吉村昭の「羆嵐」を読んでトラウマを植え付けられて以来、オレは人よりデカいサイズのクマが住む場所には、北海道であろうと絶対住むまいと心に誓っているのだ(たとえ札幌のような市街地であっても、地続きである限りあいつらがフラッとやって来ない保証はどこにもない)。
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透明な空気をバーチャルで感じながら、ハンティングライフルを手にまずはチュートリアル。
「左スティックで移動してみよう」OK、OK。「Yボタンでかがんでみよう」ご親切にどうも。「RBボタンでスコープを覗いてみよう」はいはい。「獲物の姿を捉えられたかな?」……シロクマじゃねえかよ! 「さあ、ズドンといってみよう!」やだよ!
獲物じゃねえだろ! オレの常識ではこっちが獲物だよ! だいたいチュートリアルでカジュアルに狩らせる生き物じゃねえだろ! 弾をカキーンカキーンって弾き返しながら、こっちに突進してきたらどうすんだよ!
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猛獣狩りFPSの『Dangerous Hunt』シリーズや、底抜け射的ゲーム『Trophy Bucks』など、ひとえにカベラス狩猟ゲームと言っても様々なバリエーションがあったりするが、やはり本道は大自然の中を彷徨き、男の本能の赴くままに狩猟や釣りをフリーダム楽しむ『Outdoor Adventure』シリーズ。
キャラクタークリエイトでは、トランプの集会に旗持参で駆けつけそうなキャラしか作れないが、それもシリーズの伝統だ。
序盤の獲物はナキウサギにビーバー、キツネにカリブー。基本的に穏健なこいつらを狩っているうちはまだいいが、そうやってゲームを進行させていくと、やがて「じゃあ次はグリズリーを撃ってみましょう!」なんてミッションが否応無しに降ってくる。カンベンしてくれよ!
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オレとしては熊さんとはなるべく穏便な関係に済ませておきたいのだが、ゲームのシステムがそれを許してくれない。
せめて映画「グリズリー」のラストシーンみたいに、こちらもバズーカ砲かなんかを使いたいところだが、アラスカの自然保護条例がそれを許してくれない
ならば、できる限り遠い距離からずばっと狙撃して終わらせたいものだが、リアルだか何だか知らないが、この『Alaskan Adventure』の銃器の弾道は異様に沈み込むのだ。もうスコープを使っても、狙った箇所に着弾させるのは不可能なくらい。
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そうなると取れる手段は、弾を確実に当てられるくらいの距離に踏み込んで、差し違える覚悟で銃をぶっ放すことくらい。
クマの懐に飛び込むという真似は、できる限りしたくはないが、他に方法がないから仕方ない。
まあ本作に限らずカベラスの狩猟ゲームには、息を殺して遠くから狙って撃つよりも、獲物目がけて駆け寄りながら狂ったように銃を乱射するほうが手っ取り早いという、狩猟ゲームとしては何かが根本的に間違っている攻略法が存在するのだが、それを何一つ修正しようとする素振りすらみせない、進歩に背を向けた我が道っぷりも、カベラス狩猟ゲームシリーズの真骨頂だったりするから困ったもの。
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ハンティングの合間には、釣りやシューティングレンジ、鴨撃ちなどを楽しめるのも、Outdoor Adventureシリーズの恒例だが、本作ではご当地バージョンのお楽しみとして、犬ぞりのタイムアタックレースも用意されている。
もっともどこに舞台を移そうが、ゲームとしてもシミュレータとしても雑な造りの、相も変わらずの雰囲気体験だけのインタラクティブアトラクション。
そのカベラスゲー伝統の作法は、このアラスカの地においても何一つ揺るがないのであった。

<国内版未発売 / Xbox One互換対応ソフト>

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2017/07/28 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Cabela's Trophy Bucks】21世紀の原始射的

   ↑  2015/09/24 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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ゲームの表現力が進化するスピードには、常に目をみはらされるものがある。
最近そのスピードが少しゆるやかになってきたとはいえ、それでも『Forza6』みたいなゲームを前にすると、「ここまで来たか」という驚きが素直に出てこようというものだ。
その一方で、どういうわけだか進化をまったく拒否しているようなジャンルもある。
ハンティングを題材にしたゲームは、昔からアメリカで根強い人気を持っているが、かってはガンシューティングなどの形態をとっていた狩猟ゲームが、よりそのテーマと親和性の高いファーストパーソンシューターに、その主軸を移してゆくのは、ごくごく自然なことであった。
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狩猟ゲームにとっての、これ以上はないくらい理想的な表現形態FPSを手にして、同ジャンルがたちまち花盛りになるのは2000年以降のこと。
各社が揃って様々な作品を市場に送り出し、堅実なセールスを記録するが、しかしそれはテーマ故にまったく日本に波及することはなく、海外ゲームに異文化体験の香りを求めるごく一部の物好きだけが、断片的にそれらを体験するに留まっていた。
その中で日本でそれなりに名が知られていたのが、サイバーフロントが国内版を発売していた『Deer Hunter』シリーズ。
狩猟ゲームでも比較的シミュレーション寄りの作品で、そのシビアで淡々としたゲーム性は、これまたごくごく一部の物好きの支持を、本国のような文化基盤がないこの国でも得たのだった。
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その『Deer Hunter』シリーズと並ぶ狩猟ゲームのメジャーブランドが、アメリカの大手アウトドアグッズチェーン、カベラスの名を冠した一連の作品である。
アクティビジョンがパブリッシャーになってからは、コンソールゲーム機での展開を積極化させ、『Deer Hunter』や『Hunting Unlimited』などの老舗シリーズが失速するのを尻目に、安定した地位を確保する。
今や日本でも、狩猟ゲームといえばこのカベラスのゲームをイメージする人がほとんどだろう。
伝統の鹿狩り『Deer Hunt』シリーズに、超人猛獣狩り『Dangerous Hunts』シリーズ、狩猟に釣りをミックスさせた『Outdoor Adventures』シリーズなど、ブランドの下に、さらに様々なシリーズを展開させているカベラスゲーム。
しかしその実態は、同系の作品と較べてもおよそ大雑把な造りの、粗製濫造と断じても過言ではないスチャラカゲームのオンパレードなのであった。
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やはりアクティビジョンが発売している『Duck Dynasty』も、このカベラスゲームの流れを汲むものであるが、カベラスの初期の作品と近作や『Duck Dynasty』を比較してみると、とりあえずの見た目以外は進化らしい進化がほとんどないことに驚かされるだろう。
いくら保守的なカルチャーを題材にしたゲームとはいえ、この周りが百歩進む間に半歩進んだり進まなかったりする頑なな守旧っぷりはタダ事ではない。
いやそれならまだしも、このブランドは進むどころか数歩後退なんてマネを、時々平気でやらかす。
ゲームがもっともドラスティックに変化していった初代XboxからXbox 360の移行期に登場した『Cabela's Trophy Bucks』などは、その代表例みたいなものであろう。
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ゲームが始まるやいなや、何の前触れもなくポツンと置かれるアーカンソーの荒野。それに戸惑うプレイヤーの前を、「ボクを撃ってみてよー」とばかりにわざとらしく横切る鹿。
ぱーん! ばったり倒れて姿が掻き消える鹿。「おめでとう、ステージクリアだ!」。
こんなガンシューティングを通り越してカーニバルの射的に退化したような雑極まりないショートステージが、うんざりするくらい延々と続くだけ。
その無為な行いを無感動のまま終えたオレは、パッケージに映る無垢な鹿の瞳が、こんなゲームを買おうとしているこちらを哀れんでいたことにようやく気づくのであった。
心躍らない企画を持ってこられた開発会社のみならず、統括してるパブリッシャーすらも、やる気がほとんどないまま惰性で仕事をこなしているんじゃないか。
カベラスの進化がまったくない一連のゲームから伺えるのは、「まぁこんなのでも出せばそれなりに売れるしー」なんて向上心皆無の台所事情だったりするのだ。

<日本版未発売>

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2015/09/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Duck Dynasty】南部田舎暮らしの非ススメ

   ↑  2015/09/21 (月)  カテゴリー: XBOX ONE
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自己紹介しよう。ボクの名前はジョン・ルーク・ロバートソン。正確にはジョン・ルークの立場になるプレイヤーだ。
ボクの一家はルイジアナでカモ猟に使う笛を扱うダックコマンダーという会社を営んでいる。
元は家内制手工業に毛が生えたようなビジネスだったそうだけど、今や顧客は全米中に拡大して年商もハンパじゃない。
ボクのお父さんのウィリーは、そのダックコマンダーの最高経営責任者。星条旗のバンダナがトレードマーク。ちょっと頑固なところもあるけれど、息子思いのまあいい親父だ。
ボクの伯父さんにあたるジェスは、商品の製造部門を統括している。父さんに比べると基本的にクールだけど、時々抜けている。
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フィルお爺ちゃんはダックコマンダーの創業者。父さんの頑固な部分はお爺ちゃん譲りなのかな。潔癖なプロテスタントで、ついこの前はメディアでLGBT批判をして物議を醸しちゃった。
その弟、メガネのシーお爺ちゃんは、そうは見えないかもしれないがベトナム戦争の英雄だ。
ファミリーは他にもたくさんいるけど、ゲームをやる分には、この辺だけ押さえておけば充分かも。
一目見て分かるように、ボクたちの一家は典型的な南部の超保守ファミリー。敬虔なキリスト教徒で、食事の時には一家揃ってのお祈りを欠かさない。嫌いなものはヤッピーとハイテクとリベラル。
ミシシッピー川の流れの穏やかなバイユーで、カモを撃ち、サカナを釣り、そのついでに会社を経営する、昔ながらの生活を続けているんだ。
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そんな頑なに伝統的な田舎暮らしにこだわるロバートソン家の生活が、「Duck Dynasty」というタイトルでリアリティショー化されたのは、つい一、二年前のこと。
一家の強烈なキャラクターもあって、番組はアッという間に大人気を博し、その人気を当て込んだ関連グッズが続々と登場。
ゲーム版『Duck Dynasty』は、それらの中の遅れ気味にやって来た一本さ。
このゲームの中でボクはファミリーのみんなから、カモのおびき寄せ方や射撃、釣りやビーバー虐殺などの技術を学んで、一人前の男に仕込んでもらうんだ。
番組であれだけ面白く描かれている生活を体験できるんだ。そりゃあ始まる前はワクワクしてたさ。
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でもね、田舎暮らしにススメに乗せられてまんまと地方に移住した人間が、こんな筈じゃなかったと悔やむのは、何も日本だけの話じゃない。
ゲームが始まって20分経過後、ボクも早々とこんな娯楽のほとんど無いド田舎にやって来たことを後悔するハメになったんだ。
バイユーの豊かな自然に目を凝らしていたのも最初のうちだけ。そんなもん、三分もすれば何の感動もなくなる。
それどころか代わり映えの全くない景色にうんざりしてくるよね。どこまで行っても森森森、川川川、湿地湿地湿地。
しかもそこを貫く道路は最悪だ。舗装路なんて数えるほど。それどころかピックアップトラックを走らせてると、時々画面が固まってローディングが入るくらい状態の悪い道だときている。PS2時代のゲームかと思ったよ!
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この代わり映えしないマップの中を無駄に右往左往させられながら、ボクはカモ撃ちやら釣りやらと、ファミリーの飽きもしないお誘いに、いちいち付き合わされるハメになるんだ。
カモ撃ち楽しそうだって? 左トリガーを押せばカモをオートエイムしてくれる作業だよ? ボクはニンテンドーの『ダックハント』の方が、よっぽど面白いと思ったよ。
自然に囲まれての大物釣り最高じゃないですかだって? あのゲージが一杯にならないように右スティックを調整するだけの作業、ボクは釣りとは思わないなあ。
それでもカモ猟や釣りはまだマシな方。もっとうんざりするのは、ひたすらイライラさせられるだけのエアボートレースだ。
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なのに父さんたちは、事あるごとに「エアボートレースやろうぜ、やろうぜ」と誘ってくるんだ。誰かこの人たちに他の娯楽を教えてあげてよ!
それ以外にできることと言えば、爺さんが戯れに埋めたお宝(ガラクタ)を、金属探知機を使って掘り出す無益な作業と、あとそうそう、カエル獲り!
いくら食材とはいえ、大の男が素手でカエルを追い掛け回している姿は、そうそう人に見せられたもんじゃない。フェイスブックに「今日はカエルを八匹捕まえた」なんて書ける? それで貰える"いいね"は冷笑のいいねだよ!
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この土地にある娯楽はほんとコレだけ。それが果たして娯楽と呼べるのかも疑わしいけど(ソリッドスネークみたいなこともやらされたけど、それはもう思い出したくもないよ)。おまけにラジオ局はカントリーばっか。
スタバもない、ショッピングモールもない、ingressでポータルを申請する目印もありゃしない、それどころか電波が来ているかも疑わしい。
ちょっとした気の迷いで田舎暮らしを始めてみて、つくづく身に沁みたよ、人間はWi-fiのあるところに住んでなんぼだと。
当のロバートソン一家も名誉毀損で訴えそうな、さんざんなデキのゲームだけど、この『Duck Dynasty』に限らず、TVリアリティショーのゲーム化は軒並みヒドいのばっか。
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だけどほら、ハリウッド映画のゲーム化なんかは、映画の企画が持ち上がったと同時にゲームの企画も一緒に立ち上がるから、じっくりと作り込める時間がそれなりにあるよね。
でもリアリティショーの場合は、そもそもどんな番組がヒットするかは予測不可能だから、番組の人気が沸騰してから慌ててゲームを突貫工事で作り始めるから(なにせウチのフィル爺さん舌禍事件のように、どんな理由で番組が急遽終了しちゃうかも予測がつかないしさ)、その内容はどれも推して知るべしになっちゃうんだよね。
向こうのリアリティショーも、最近ではそれほどタイムラグ無しに日本でも放映されたりソフト化されるようになったけど、「ダックダイナスティ」は未だ日本に上陸していない。
早くこんなインチキなゲームじゃなくて、ホンモノのロバートソン一家とんちき田舎暮らしを、正規な形で日本で拝んでみたいよね。

<国内ストア未発売>

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2015/09/21 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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