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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【ユーラシアエクスプレス殺人事件】

   ↑  2024/03/13 (水)  カテゴリー: PS1
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主演を務めていたり受賞歴があったりと錚々たるキャリアを持つスターや名優が一堂に介したら、どうすれば全員の顔を立てられるのか?
列車に押し込めて全員容疑者にしてしまえばいいと教えてくれたのはシドニー・ルメットの「オリエント急行殺人事件」だ(これはケネス・ブラナーの2017年版にも受け継がれる)。
では人気が拮抗している若手アイドル女優が顔を揃えた場合は?
やはり列車に押し込めて全員容疑者にすればいいと教えてくれたのは、何故か当時ドラクエの傍らで実写ゲームをばんばんリリースしていたエニックス(現スクエア・エニックス)なのであった。
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榎本加奈子、深田恭子、新山千春、馬渕英里何、加藤あい、中島礼香、佐藤仁美。黎明女学園は色んな意味でハイレベルな生徒を擁する夢の女子校。
上海からユーラシア大陸を横断する弾丸特急での修学旅行中、教師の一人が殺害される事件が起こったため、プレイヤーは捜査の名目でこの夢のパラダイス列車に乗り込むことができるのだ。
「この死体は窓から放り捨ててなかったことにして、みんなで枕投げでも楽しみましょう!」
そう宣言したいのはやまやまだが、一応このゲームの建前は推理ADV。
そしてこの夢の面々はあくまで容疑者の立場なのであった。
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事件関係者は七名の女子高生に車掌の高田純次、教師の斎藤陽子と大野幹代、そして田口浩正。
少しでも捜査にもたついていたら、タイムリミットはすぐに訪れてしまう。だから事件現場や死体の検証なんて余計な事をしている暇はない。現場第一主義なんてのは、どっかのへボ刑事のおめでたいお題目だ。
事件を解き明かす糸口は生徒たちへの聞き込み以外にはない。楽しい修学旅行中、突然起こった殺人事件に彼女たちもショックを受けているだろうが、ここは心を鬼にして尋問するしかない。
「正直に答えてね。……スリーサイズはいくつですか?」
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敵意むき出しの子、おどおどしている子、やたらクールな子、事件なんかお構いなしに脳天気な子、そしてちっとも口を利いてくれない子。
ただでさえこちらに不信感を抱く彼女たちから、事件の真相に迫る証言を得るのはなかなかに難事だ。
狭い個室内で顔を突き合わせ、女子生徒たちの重い重い口が開くのをじっくり眺めつつ待つ。
そんな重苦しつつもむず痒いひとときこそがむしろこのゲームの主眼だ。
ああ、オレも馬渕英里何とこのままずっと睨み合っていたい! 消え去れタイムリミット! 止まれ列車!
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エキストラとして、飯野賢治、小島秀夫、黒田愛実、森川幸人、金子一馬といった、豪華なんだか身内で済ませただけなのか判別つかないような面々が出演。
そして事件解決後に登場する主人公の秘書役は、事件解決ポイントに応じて四人に分岐するという、これまた意味不明な凝りようだ。
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被害者には申し訳ないが(まああんまり同情できなかったりする)、列車内殺人事件は素晴らしい。
なにせ人ひとりが亡くなっているのだ。どこぞのワケの分からないおっさんと名門女子高生という関係性を超えて、眼と眼を見つめ合いながら膝を突き合わせて深い話をすることができる。
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シリアスなコンカフェ状態と化した豪華列車の中で、オレは馬渕英里何の、榎本加奈子の、そしてこの面々ではもっとも芸能界からのおさらばが早かったためより神秘性の高い中島礼香の眼をしっかりと見据えながら、なるべく優しい響きで尋問を繰り返すのであった。
「正直に答えてね。……スリーサイズはいくつですか?」
消え去れタイムリミット! 列車よ着くな終点へ! ああ、この至福の空間をいつまでも!

この記事に含まれるtag : ミステリ アドベンチャーゲーム タレントゲー 実写ゲーム 

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2024/03/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【マリンエクスプレス殺人事件】Murder on the Marine Express

   ↑  2024/03/11 (月)  カテゴリー: XBOX
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マリンエクスプレスは太平洋の海面下を日本からアメリカまでつなぐ海底列車。
そのお披露目運転のご相伴に預かったのは名門女子校の一行。
しかしそんな癖のあるシチュエーションで何かが起こらないわけがない。
案の定コンパートメントで発見されるのは男性教師の他殺体。
カリフォルニアに着くまで司直は介入できない状況下で事件の解決に乗り出すのは、東川乱子というちょっと面倒くさそうな性格の女子生徒。
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旅情あふれる豪華列車は古くから殺人事件と相性が良いが、それはゲームにおいても一緒。
8ビット機時代の西村京太郎ものに始まり最近では『アガサ・クリスティ オリエント急行殺人事件』など。
何より列車は関係者一同を逃げ場のないまま自然と拘束してくれるメリットがあるし、客船などと違って適度なタイムリミットもある。
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レトロ風のビジュアルが目を引く『マリンエクスプレス殺人事件』は、そんな王道シチュエーションを踏襲した一作。
とは言っても厳密にはゲームではない。
ストーリーやエンディングの分岐など一切ない、プレイヤーができるのは文章送りのボタンを押すだけ。純然たる電子ノベル。
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だけどミステリとしてあまり奇を衒わない展開と、軽妙な会話で構成された文章は、ゲームであるかないかなんてことを意識させずに読み進ませてくれる。
かなり教条的でクセの強そうな東川乱子のキャラクターも古典的なミステリ探偵像のモダナイズといった趣だし、その無二の親友で相方となるアストリッドも、これまた能天気でお人好しを極めた性格がワトソン役の現代版に相応しい。
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タイトなボリュームやゲーム的な要素の欠如も、連作のプロローグ的な位置づけだと思えばさほど気にならはならないだろう。
作者のSNSでは続編となる『どこにもいなくなった少女』の登場がすでにアナウンス済み。
そして次作はインタラクティブ的な要素を備えた作品になるらしい。
遠く海を隔てたスペインの開発者がここまで80年代日本製ミステリADVの空気を再現したことにも驚きだが、それが次なる作品ではさらにどのように昇華するのだろうか。

この記事に含まれるtag : アドベンチャーゲーム ミステリ 

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2024/03/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Sherlock Holmes versus Jack the Ripper】ホームズ対切り裂きジャック

   ↑  2023/11/10 (金)  カテゴリー: PCゲーム
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2002年の『Sherlock Holmes: The Mystery of the Mummy』に始まり最新作のリブート版『Sherlock Holmes: The Awakened』まで。
すでに20年を超える歴史を持つにまで至ったFrogwares社のシャーロック・ホームズ推理ADVシリーズ。
その間にホームズはルパンと対決したりクトゥルフ神話と対峙したり訳アリの養女を引き取ったりと様々なシチュエーションに挑まされてきた。
そしてその中にはヴィクトリア朝期最大のミステリー、切り裂きジャックの案件も含まれるのであった。
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創作物と実在事件の違いこそあれ、ホームズと切り裂きジャックはほぼ同時代を過ごした間柄。
本家のコナン・ドイルこそスルーしたが、この両者を絡ませようとしたホームズのパスティーシュものはそれこそ枚挙に暇がない。
Frogwaresがホームズ対ジャックの物語に挑んだのは2009年。
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回を重ねるごとにケレンを増していったホームズADVシリーズだが、ゼロ年代はまだ全般的に垢抜けておらずコンソール機展開もごくごく一部に留まっていた。
『Sherlock Holmes vs. Jack the Ripper』は、そんなホームズADV第一期の総決算ともなる一作である。
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19世紀末のロンドンで貧しい街娼たちが立て続けに絞殺され死体を切り裂かれた未解決事件。
切り裂きジャックの異名を授けられた犯人は未だ正体不明のままだ。
ホームズがどんどんイケメン化しているシリーズ近作ならば、この19世紀きってのシリアルキラーとの対決も時にはアクションを交えた派手派手しいものになりそうだが、本作のそれは地道な犯罪捜査を堅持。
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実際の事件データをベースに、ワトスンをパシらせて関係者の証言を集め(貧民街や売春宿などに出向くのはもっぱらワトスンの役目)、科学実験や鍵開け、事件タイムテーブル作成などシリーズではお馴染みの推理パズルを積み重ねながら地道に事件の真相に迫る。
タンブルティやパイザーといった実在の事件容疑者も登場する、Frogwaresホームズによる切り裂きジャック事件の地味で生真面目な考察とも言えるような内容だ。
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2009年当時でもそのビジュアルはかなり前時代的な印象は否めなかったのだけど、産業革命の負の部分、どんよりとした貧しいロンドンの空気はそれなりに伝わってくる。
陰惨な事件の概要やその背景の救いのなさから、ホームズADVシリーズ中でも飛び抜けていたたまれなさを感じさせる。
そんな闇の深さからかドイルがこの事件をホームズ世界とリンクさせることを避けたのも、なんとなく分かるような気がする。

<未日本語化>

*関連記事
【Sherlock Holmes: The Devil's Daughter】シャーロック・ホームズ 悪魔の娘
【Sherlock Holmes: Crimes & Punishments】シャーロック・ホームズ 罪と罰


この記事に含まれるtag : アドベンチャーゲーム ミステリ 

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2023/11/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【アガサ・クリスティ - エルキュール・ポアロ: 初事件】

   ↑  2023/11/08 (水)  カテゴリー: Switch
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NHKでも放映されたTVドラマシリーズや近年ではケネス・ブラナーの映画版などで、いまでも多くの人々に愛され続けている”灰色の脳細胞”の名探偵エルキュール・ポアロ。
彼がこの世に登場したのは生みの親であるアガサ・クリスティにとっても処女作となる1920年の「スタイルズ荘の怪事件」。
しかしそれがポアロにとっての最初の犯罪捜査案件ではない。
同書の中で彼はイギリスに来る以前は母国ベルギーで数々の難事件を解決した優秀な警察官であったと記されている。
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エルキュール・ポアロを主人公に据えたゲームは原作に準拠した『Agatha Christie - The ABC Murders』などがあったが、2021年の意欲作『殺人ミステリーマシーン: 犯罪推理捜査の館』で推理ADV界に一石を投じたBlazing Griffin Gamesがチョイスしたのは、原作では語られなかったベルギー警察時代。
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プロローグとなるのは彼がベルギーの田舎に飛ばされてきた(あの性格だからして、さぞや官僚機構の中では煙たがられることだろう)巡査時代。
そこでとある名家の盗難事件を担当するくだりはゲームのチュートリアルも兼ねている。
そして時は流れポアロが中央に戻り刑事として名を馳せている頃、プロローグに登場した名家の令嬢から脅迫事件の捜査を個人的に依頼され、再び田舎町を訪れるのが本編の始まりだ。
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令嬢の婚約披露パーティーに集まった招待客は、ジャーナリストに労働組合のリーダー、酔いどれな新郎の実兄など、どれも一癖も二癖もある人物ばかり(彼らは皆、脅迫の疑いをかけられている人物でもある)。
そして大雪で外部との連絡が閉ざされる中で起こる殺人事件。
関係者はいずれも動機はたっぷりある。しかしそれぞれの証言によって誰もが確たるアリバイもある。
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推理ADVでは今や老舗であるFrogwareの一連のシャーロック・ホームズものは、システムが煩雑でやや頭でっかちな欠点があるが、対してこの『エルキュール・ポアロ: 初事件』のシステムは非常にシンプルだ。
屋敷内という限定された空間の中で証拠や証言を集め、それにポアロの考察を加えたパーツをマインドマップと呼ばれる灰色の脳細胞をイメージ化した画面で繋ぎ合わせ、それによって新たな考察やフラグを展開して推理を進めていく。
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このシンプルながらもミステリとしてのストーリーラインが明快な基本システムに加えて、ポアロやその他の人物たちの言動や立ち回りがいかにもアガサ・クリスティらしい世界観に準拠しているところも本作のセールスポイント。
関係者一同を集めての大見得切っての推理披露もたっぷり二回。
タイトルではポアロなのにゲーム内字幕ではポワロとなる表記の揺れはちょっとばかり気になるところだけど、この件は突き詰めていくと早川書房に矛先が向かったりするので、この二重表記はポアロポワロ問題にもにょる人たちに対しての配慮ということにしておこう。

*関連記事
【Agatha Christie - The ABC Murders】ABC殺人事件

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【The Innsmouth Case】インスマス事件

   ↑  2023/10/28 (土)  カテゴリー: XBOX
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秘書を雇う余裕もない素寒貧の私立探偵。
その散らかった事務所を訪ねてきたのは疲れ果てた表情の寡婦。依頼の内容は行方不明になった娘の捜索。
ハードボイルド小説にはよくある導入だが、ちょっと事情が違うのは探偵が調査に向かう先がインスマスなことだ。
かのラヴクラフトの小説の舞台となったマサチューセッツ州にある港町。パルプ雑誌探偵とクトゥルフ神話の合体がここにも一つ。
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しかしちょっと様子が違うのがデジタルゲームブックの体裁で進む物語の展開やその筆致が、おどろおどろしいクトゥルフのそれと違って妙に浮ついていること。
そう、この『The Innsmouth Case』はラヴクラフトが創造したクトゥルフ神話のパロディ……、というのもちょっと違うな。軽薄な二次創作のようなゲームなのである。
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舞台こそ深きものたちの影が見え隠れする潮臭くて陰鬱としたインスマスの町だが、そこでゲームブックスタイル準拠の分岐によって巡り合うシチュエーションの多くはコミカルな展開。
それだけならまだしも老人姦や異種姦などのあんまりありがたくないオチが混じっているから始末に悪い。
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挿絵的に挿入される軽妙なグラフィックアートは、このクトゥルフゲームの珍作の中では数少ないセールスポイントの一つ。
開発元のRobotPumpkin Gamesは、やはり同様のアートワークを擁した『Plan B from Outer Space: A Bavarian Odyssey』というゲームブックスタイルADVをリリースしている。

<未日本語化>

この記事に含まれるtag : ミステリ ホラー アドベンチャーゲーム 

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