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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【修羅の筆 ~狂気が愛に変わるとき~】

   ↑  2019/07/19 (金)  カテゴリー: PCゲーム
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一切のネタやアイデアが思い浮かばなくなり一行たりとも書けなくなってしまう。非常に身につまされる話です。
作家やクリエーターであれば、それはおのれのアイデンティティと飯の種に関わる問題です。スランプで深く思い詰めてしまったとしても、それは無理もないことでありましょう。
そんな一筆も書けない焦燥から自暴自棄になり夜の街に飛び出すこのゲームの主人公。
ここで凡愚な我々であれば、ヤケ酒飲んで憂さを晴らしたり、バッティングセンターで140キロの速球にチャレンジして一心不乱にバットを振ったりするところです。
しかしそこは浮世離れした作家先生。ヤケ酒にもバッティングセンターにも背を向けた彼は、夜の公園を一人で無防備に歩く青年に無理矢理襲いかかったではありませんか。
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泣き叫ぶ青年相手に一発抜いてスッキリした作家先生、自宅に戻って机に向かいます。
するとどうしたことでしょう。新しいアイデア、文章が湯水の如く溢れ出てくるではありませんか。
「書ける!書けるぞぉ!」
狂ったように走り出す彼の筆。そして小説の完成と同時に彼を包むエクスタシー、フィニッシュ!
書いていたって、何か別のものをカイていたんじゃないかと疑いたくもなりますが、とにかく創作の甘美な快楽というは、我々凡人の理解に及ばないものであることは確かなようです。
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しかし、この創作の源がいつまでも続くわけはない。そうそう都合良くあの青年が、夜の公園をうろついているわけはないしな。と言うか、あんな目に遭ったら普通二度と夜の街なんか歩きはしないだろう。
ううむ、困った。また彼を手籠めにしなければ、筆が走らないではないか。
"ピンポーン"。おや、誰かが来たようだ。
「今度ワケあって、父の知り合いのこの家にご厄介になる者ですが。……ああっ!」
君は私の創作の源であるあの青年!? ……これは創作の神様の贈り物かなにか!? なにはともあれラッキー!!
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まだ幼い弟を引き連れて作家先生の家にやって来た、本来なら性犯罪被害車であるはずのあの青年。カモがネギ背負ってやって来たとは、まさにこのことです。
「これでまた小説が書ける」と安堵する作家先生ですが、この可愛い兄弟をむさぼり尽くすことに熱中し過ぎたのか、あるいはシナリオを書いた人がこの設定やテーマを処理しきれなくなったのか、とにかく"創作の苦しみ"、あるいは"創作は悪魔の所業"といった主題は、完全にどこかに置き忘れられて以後はまったく無かったことにされてしまうのでした。
そう、このゲームの製作は、"ボーイズラブゲーム界のトロマ"と私が勝手に呼んでいる粗製濫造メーカー、マリンハート。
テーマ、設定、ストーリー、あらゆるものを途中で早々と投げ出してトンズラ決め込むそのスタイルは、このメーカーに一貫したアティチュードだったりするのです。
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この作家先生には、若い専任の編集者が一人付き従っています。
先生の創作の為には、あらゆる協力(それはもはや奉仕に近かったりする)を惜しまないこの編集者。
「おい、バイブ買ってこい」
「はい、買ってきましたぁ!」
「おい、ムチとローソク買ってこい」
「はい、買ってきましたぁ!」
「おい、バイブ買ってこい」
「またですか?」
「今度は双頭のやつ」
「はい、買ってきましたぁ!」
……自分の仕事を少しは疑った方がいいと思います。そうしているうちに、遂に本性を表す編集者。作家先生の足にすがりつき、
「あんな兄弟のことは放っておいて、オレだけのご主人様になってください!」
創作者の周囲には、こんな奴しか居ねえのか!
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編集者が買ってきた各種道具を使って、家の中に罠を仕掛ける妙なコマンドも存在しています。
ロープを使った罠を仕掛けておくと、深夜に兄弟のうちのどっちかが緊縛状態でひっ絡まっていたりするのですが、仕掛ける方も仕掛ける方ですが、黙って引っ掛かる方も引っ掛かる方です。
ゴキブリホイホイならぬ美少年ホイホイ。この緊縛罠にかかるプロセスなどはぜひとも知りたいところですが、そんな面倒くさい描写をご都合主義という言葉を自分たちのためだけに最大解釈するこのメーカーに求めるほうが間違っているのかもしれません。
イントロの勢いが進行度5%くらいのところで早々と失速して、あとはだらだらとどうでもいい展開が続く、典型的なマリンハートスタイルの駄作です。

<18禁作品>

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2019/07/19 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【恋時雨 ~八百八町夢日記~】マリンハート流曖昧時代劇

   ↑  2017/05/16 (火)  カテゴリー: PCゲーム
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タイムトラベル。ウェルズの「タイム・マシン」に始まり、「戦国自衛隊」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など数多の名作を生み出したテーマ。
しかしそれは作品の設定やプロットにフックを安易に保たせられる禁断の麻薬でもある。
現代人と過去の人間、時代との文明の差異、カルチャーギャップが、お手軽にドラマを構築してくれるツール。
それを月に1作ペースでボーイズラブゲームを粗製乱造し、"BL界のトロマ映画"と畏れられた、あのマリンハートが手にしたら。
案の定そこには「そんな便利ツールすらも持て余す」というグダグダな結果が待ち構えていたのであった。
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主人公、室姫和弥は役者を目指し劇団に通う高校生。
今度の芝居は時代劇モノ。さっそく衣装に着替えたら、なぜかそこらに転がってた妖しい光を放つ刀に吸い込まれ、あっという間にタイムスリーーーップ。
そう、主人公が役者の卵であるという設定は、要はタイムスリップ先で現代服のままでいると、話がこじれて収拾つけるのに面倒くさいから、現代であらかじめ着替えておくための理由付け。
タイムトラベルなんて便利ツールを使いながらも、さらに横着を重ねる不動のマリンハート作劇流儀。
おかげで潰しの利かない劇団員である主人公に、過去世界で武器となるような現代人のアドバンテージは何一つありません。
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そんな穀潰しの主人公であるが、江戸時代に降り立つや否や一人の侍と出会い、なぜかそいつに気に入られ隠密見習いとして即採用決定。
タイムスリップから1分も立たない間に早々と新世界での居場所と職を手に入れたが、それに至る「どうして?」や「どうやって?」の過程の説明が一切ないのは、そう、これがマリンハートのゲームだから。
強いて言えば「そうしとかないと、とにかく話が進まないじゃないか」なんてのが理由(免罪符)であろうか。
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準公務員へのデューダに成功し、異文化への迷いとか自分がいた世界への望郷とか、そんなのはろくすっぽないまま、当たり前のように江戸時代を闊歩しだす室姫くん。
出会う江戸時代の人間からは、どういうわけか初対面から好かれまくり、胸襟の開いた付き合い(時には文字通り)を片っ端から申し込まれるが、もちろんそうなるに至る室姫くんの性格づけや人物描写なんてのは、マリンハートのことだから一切なし。
これまた強いて言えば、マニュアルに記載されている「喜怒哀楽がハッキリしていて、誰からも好かれるタイプ」なんて一文が、その理由(免罪符)であろうか。
「喜怒哀楽がハッキリしてる奴が人から好かれるわけねーだろ!」とのツッコミが即座に入ったのは言うまでもない。
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「ボーイズラブゲーム初の時代劇モノ!!」
自らそう息巻くのはいいが、しかし作り手たちの時代劇に対する知識ときたら、どう贔屓目に見てもテレビでぼんやりと観たことあったりなかったりする程度。
忍者、同心、代官、悪徳商人、瓦版屋といった、夕方のテレビでなんとなく眼にしただけのタームを、漠然とした記憶のまま羅列しながら、曖昧模糊と進行する体をなしていないストーリー。
それが案の定収拾がまったくつかなくなり、うやむやのままなし崩しにゲームが終了してしまうのも、これまたマリンハートの王道流儀。
しかもこの『恋時雨 ~八百八町夢物語~』は同メーカーの最初期の作品なだけに、その流儀もさらに豪快極まりないのであった。

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2017/05/16 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【JACKIN】貞操を賭けたブラックジャック勝負

   ↑  2016/10/07 (金)  カテゴリー: PCゲーム
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ディーラー専門学校を卒業したばかりの、眼鏡っ子の新米ディーラー。
豪華客船のカジノに努めようと面接を受けたはいいが、「悪いけどうちは表向きのカジノばかりじゃないから、君には無理だよ」とすげなく断られる。
「いや、そこを何とか!」
世の中、熱意を持ってごり押しすれば、何とかなることも多いようです。「じゃあ試用期間と言うことで」と暫定的な雇用を得ることに成功しました。
「じゃあこれ契約書」「ありがとうございます!僕頑張ります!」「ところでうちのハウスルールのことなんだけど」「はい、契約書、サインしました!」「うちは特殊チップを使った勝負で負けると、お客さんがディーラーを一晩好きにしていいルールだから」「………何すか、そりゃあ!?」「……契約書くらい、サインする前にちゃんと読めやあ!」
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大変なことになりました。貞操の危機です。
ありそうで無かったギャンブルとボーイズラブの融合。カイジどころではない賭博黙示録です。カネで済むことならカネで済ませてえよ!
一晩に数回発生する特殊チップを使った「ワンナイトジャック勝負」に何とか勝利しないと、どんな目に遭わされても抗うことはできません。どうしよう!?
ワンナイトスタンドは疑似ブラックジャック。
こんなひりひりした感覚でカードをめくるのは、ずっと昔にデカピンで麻雀をやっていらいのことです。
あの時は、こちらがノーテンでもヤキトリぶっ飛びになるという状況の中で三人リーチがかかってしまい、もうこのまま雀荘の窓を突き破って死んでしまおうかとマジで思ったりしました。
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それほど勝負弱いオレが、こんなタイトロープな勝負に勝てるはずもなく、案の定毎晩のようにお客さんに慰みものにされ、一週間ほど負け続けるとカジノのボスからお呼びだし。
「君はディーラーより別の仕事が向いているんじゃないの?」と強制転職。そのまま船倉で一生性奴隷として飼われるハメになってしまいました。
こんなバッドエンド嫌だ!
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フラグ立てさえどうにかすればいい普通のADVと違って、この『JACKIN』の場合はブラックジャック勝負をどうにかしないことには始まりません。
しかし、19だの20だのを当たり前のように揃えてくる百戦錬磨のお客さん相手に、こんな新米ぺーぺーの俺がどう対抗せよと言うんでしょうか。
このまま為す術なく延々と性奴隷エンドが続くハメになるんでしょうか。
諦めてそんな運命を享受しようとしたとき、テキストボックスの下にHINTというボタンがあるのに気付きました。
試しにこれを押してみる……と、なんとカードが!カードが全部透けて見える!
こんな便利なものがあるんだったら、早く言ってくれよ!
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しかもこのHINTは、いくら使おうがペナルティは一切無し。それからはもう無敵のディーラーの誕生です。
この青い肢体を目当てに勝負を挑んでくるお客さんを、連日連夜返り討ち。
ミスターツンデレとでも呼びたくなるようなベタベタなリアクションをとる、このカジノのエースディーラー(メイン攻略キャラ)の俺を見る目も変わって来ようというものです。
そうなれば、こんな分かり易いくらいツンデレな野郎を、手玉にとって落とすことなどちょろいもの。
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もっとも、こんなツンデレ野郎など放って置いて、お客さん相手に適度に負けて、そのままいい仲になってしまうルートだって選択可能。
この眼鏡っ子だって、勝負に負けてお客さんに押し倒されても、なんだかんだ言いながらまんざらでもなさそうじゃん!
まあ、脂ぎったオヤジとかが勝負を挑んでくれば話は別だが、このゲームは乙女のドレスコードが厳しいため、そんな奴は間違っても画面にすら入り込んできたりしないし。
そんなわけで貞操を賭けたスリリングな豪華客船カジノから一転。みんなで和気藹々と痴話騒ぎを繰り広げるお気楽極楽な豪華客船クルーズに様変わりしてしまったけど、要するにあれですよ。どんな勝負事でも、度を越して負け続けない限り何とかなるってことなんですよね。

<18禁作品>

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2016/10/07 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Double Reaction! Plus】実姉は腐女子

   ↑  2016/07/08 (金)  カテゴリー: PS2
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弟は眉目秀麗で人当たりも良く、誰からも好かれる学園の優等生。
そして成績も容姿もイマイチで、ぞんざいな性格の姉ちゃんは、筋金入りの"腐"。
性格もルックスもまるで違うけど、それでも仲の良い二卵性双生児の姉弟。
そんな二人がある日訪れたのは、歴史のありそうな古い社の曰くありげな願い石。
その石にちょっと触れようとしたら、石はころころっと転がって欠けてしまった。
何食わぬ顔をして家に帰った二人。ところがそこで不思議なことが起こった。二人の中身が双方の体に入れ替わってしまったのだ。
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しかし大慌てする弟を尻目に、姉ちゃんはあんまり動じない。
何せ姉弟が通う学園は、教師から生徒会役員、そして男子寮のコックに至るまで、目にも麗しい美形揃い。
そこに美少年の体で大手を振って割って入れるのだ。このシチュエーションにやおいの血がたぎらないわけがない。
「これは大チャンス!」「お姉ちゃん、やめてぇ! 変なアプローチかけないでぇ!」
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このお姉ちゃん、まるで歩く女性セブンみたいな下世話きわまりない性格。
そんな姉ちゃんが美形だらけの男の園に分け入って、普通でいられるはずもない。
普段では垣間見ることの出来ない、ちょっとそれっぽいシチュエーションを目の当たりにしては、あらぬ妄想を膨らまし、美形の弟に降ってかかる、それっぽいアプローチにまんざらでもない反応を返したり。
ところが二人の体は入れ替わりっぱなしというわけではない。何故か周期的に元に戻ったり、また入れ替わったりしてしまうのだ。
姉ちゃんの暴走でアレな雰囲気になったところで急に入れ替わる二人の体。何の予告も無しにのっぴきならないシチュエーションに直面させられる弟。「お姉ちゃん、これ一体どういうこと!?」
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しかしこのゲームは、お姉ちゃんの主観視点で描かれるので、一番肝心な、ノンケの弟がそんなシチュエーションに陥ってどうなっているのかは、全く描写されない。
「あれから先、どうなったの!?」と、一人悶々とするお姉ちゃんが描かれるだけなのだ。
そしてBLと乙女を折衷させた世にも珍しいこのゲームも、お姉ちゃん一人の視点が災いして、結局はごく普通の乙女ゲームに集約されていくのであった。
その乙女シナリオも、容姿のイマイチな姉ちゃんが、めくるめく美形連中とどうやって心を通い合わせていったのか。その過程部分が全く中抜きされて、なんかいきなり仲良くなってエンディングを迎える、コクとかタメとかが欠如した残念なものなのだ。
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期待された姉ちゃんの"腐"な暴走も、前半のみで尻すぼみに終わってしまい、面白く転がりそうな設定も無に帰してしまって、印象に残るのは姉ちゃんのオカマボイスのみ。
姉ちゃんが弟に入れ替わっているときは、菅沼久義の声で姉ちゃんのセリフが語られるのだが、これが全部女言葉なのだから、声だけ聞いているとカルーセル麻紀だとか日出郎みたいな、ちょとガラッパチ入ったあっちの人にしか聞こえてこないのであった(姉ちゃんの体のときにはボイスなし。"ギャルゲーに主人公の声は要らない"の裏返しがここにありました)。

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2016/07/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【大正浪漫事件簿】不変のマリンハート流儀

   ↑  2016/04/26 (火)  カテゴリー: PCゲーム
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先日ついに著作がパブリックドメイン化された江戸川乱歩のデビュー短編「二銭銅貨」が世に放たれたのは、関東大震災が起こる大正12年のこと。
大正末期から昭和初期にかけての時代は、日本に於けるミステリ小説の黎明期でもあるのだ。
そのためか今でもこの時代を舞台にしたミステリ作品は数多く、ゲーム世界とてその例外ではない。
現在でもモバイルなどで復刻されている藤堂龍之介シリーズはその代表格だし、TOKIOの松岡君主演でほんのちょっぴり話題になったPS2の『玻璃ノ薔薇』も、やはりその時代を舞台にしたミステリADVだ。
なんとなくゴシックめいた"本格"の香りを醸し出せてしまうのが、この時代が舞台背景として重宝される大きな理由の一つだろう。
そしてそんな便利な素材を"BLゲーム界のトロマ"と畏れられたあそこが見逃すわけがなかった。
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マリンハート。その名を聞いただけで「うあー」と脱力するお姉様がたも数多かろうと思うが、ここはある時期にかけて"月刊マリンハート"と称されるほどのハイペースでBLゲームを粗製濫造……、あ、いや、量産しまくっていた名物メーカーであった。
ここのスタイルは呆れるくらいに一貫している。
スペースオペラ、時代劇、学園モノ、中世ファンタジーなど、大雑把な輪郭の掴みやすいジャンルをテーマに据えたら、あとはそれを考証とかジャンルに対する細かい理解なんかを思い切りかっ飛ばして、ざっくりとしたイメージだけで一本のゲームにでっち上げる。
スペオペだったら宇宙船みたいなのが出てくるとか、時代劇だったらみんな着物を着てるとか(ちなみに着物の描写とかはめちゃくちゃ)、とりあえずそんなレベルでここのジャンルものは成立しちゃっているのだ。
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そんなマリンハートのBLゲームに、きめ細かいキャラクター構築だとか心理描写だとかを、もちろん期待してはいけない。
まるでヤンキーカップルの痴話喧嘩のようなどうでもいい恋愛劇と下世話なエロシーン。これらが上っ面だけのスペオペやファンタジーにどすんと放り込まれて、今月の月刊マリンハートのいっちょう出来上がりだ。
シチュエーションは変われどやってることは毎回同じ。まるで「8時だよ全員集合」のコントだが、あんなありがたいものでないことは、改めて言うまでもないだろう。
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破綻しまくりで必然性のまるでないシナリオ、シェイプし過ぎのボリューム、質素なグラフィック、そして漏れなく付いてくるバグ。
逆ブランドイメージをしっかりと確立させて微塵も揺るがないマリンハートに、論理的な整合性を要求されるミステリは、およそ手に余る素材である(むしろここの手に余らない素材を探すほうが困難だ)。
しかし鉄面皮さでも他には引けをとらないマリンハート。
大正の都下で頻発する猟奇事件。そして恋人である小説家の失踪を機に、軍人が暗躍する陰謀に巻き込まれてゆくメインストーリーも、相も変わらずそれを収束しようという気がマリンハート側にさらさら無いので、オチも大団円もなしに無残に放置されるのであった。

この記事に含まれるtag : ボーイズラブ ミステリ アドベンチャーゲーム 

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2016/04/26 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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