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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【The Medium】ザ・メディウム

   ↑  2021/02/17 (水)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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「わたし見えちゃうの」的なことを嘯く人は多いが、しかしその見えているこの世ならざる世界がどのようなものなのかは、真に迫ってなおかつ説得力のある説明にはなかなかお目にかかれなかったりする。
しかしマリアンは本物の霊能力者だ。
彼女が頻繁に訪れる冥界は、いま存在するこの世と対になってプレイヤーの前に同時進行で出現する。
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街なかなどでよく虚空に向かって語りかけている人を見かけたりするが、それがきちんと意味を持った行動であったことを、この『The Medium』で提示される並立世界によってようやく理解できるはずだ。
現実世界では誰もいない空間と会話しているように見えるマリアンだが、冥界の方の彼女の前には確かにこの世ならざるものが存在しているのだ。
あの世とこの世の二重奏。その手の込んだ超常のビジュアルを前に、スペック次第ではパソコンすら「こんなのムリ!」と悲鳴を上げることだろう。
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しかし最適化を施されたXbox Series X|Sならば、そんな異世界から目を背けようとする愛機に煩わされることなく、この深い悲しみの物語に浸れるであろう。
"見えちゃう人"マリアンを取り巻く物語は、彼女の義父が営んでいた葬儀場、その義父との永遠の別れ。これ以上はないほと静かな哀しみのシチュエーションから幕を開ける。
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たとえ自らに深く関わる事柄であろうと、知らないほうが幸せなことはたくさんある。
そして普通の人は知らなくていいことから本能的に身を避ける。しかし知ることに敏感な能力を持ってしまった人は、果たしてどうしたらいいのだろうか。
義父がこの世に残したそんな心配と忠告も叶わぬまま、一本の謎の電話をきっかけに、マリアンは知るべきではないおのれの宿命を巡る因果に手繰り寄せられてゆくのであった。
その舞台となるのは、社会主義国時代のポーランドが国民のために建設した保養施設。そして大量殺人事件を経て今では巨大な廃墟となった場所。
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本作の開発元Bloober Teamは、近年では『Layers of Fear』や『Blair Witch』などホラー系のアドベンチャーゲームを手掛けてきたポーランドのデベロッパー。
序盤に彷徨う真に迫る森の描写や精神世界での朦朧とした悪夢のようなビジョンなど、『The Medium』で強く印象に残るパートは、これら過去作で得てきた蓄積を大きく感じさせる。
そしてBloober Teamの近作と同様、この『The Medium』もアクション性がほとんど無いトラディショナルなアドベンチャーゲームだ。
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3人称視点でのキャラクターの挙動や固定画面による細かいカット割りなど、本作のベーシックは、極めて守旧的なADVのスタイルを貫いている(主人公マリアンのキャラクター造形なんかは、ゼロ年代の名作ADV『Syberia』をどことなく想起させる)。
そうした意味では、二分割画面を別にすれば『The Medium』は革新性に乏しいオールドスクールなゲームだ。
しかしBloober Teamが総力を上げて作り込んだ重厚なグラフィックと、それを背景にした迫真の表現力は、そんなイノベーティブに欠けている面を補って余りある。
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ホラーADVというジャンル区分が便宜的なものにすら思えるほど、物語は旧態で地味な伝統的ADVのスピード感を保ちながら、雫が少しずつ器を満たすように悲しみを増し、そしてマリアンが日毎見ていたあの夢の景色へと回帰してゆく。
元々大向う受けしないジャンルのゲームとしては、不相応なくらい話題作の看板を背負わされてしまったきらいもあるが、その期待に違わない、少なくともジャンル愛好家を唸らせるには充分すぎるくらいの力作だ。

*関連記事
【Blair Witch】インタラクティブブラックヒルズの森
【Layers of Fear】芸術無罪


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2021/02/17 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Sea Salt】真実のクトゥルフ神話

   ↑  2021/01/27 (水)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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おお、父なるダゴン、深きものたちの長よ。
私は貴方様の忠実なる使徒として、我々に背いたあの忌まわしき司教への報復を誓います。
さあ出でよ、深きものたちよ!カサカサ虫!ニョロニョロ!白頭巾ちゃん!カニ味噌くん!貞子!ゲロゲーロ!ジェネリックハンギョドン! 愚かな人間どもを狂気の淵に叩き込んでやるのだ!
(我ガ下僕タチニオカシナ名前ヲ勝手ニツケルナア!!!!!!)
おおお、お許しください、父なるダゴン!
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クトゥルフゲームというとプレイヤーがクトゥルフの狂気に脅かされ続けるものが一般的だが、『Sea Salt』はその逆。
プレイヤーはダゴン神の使徒となり、使い魔たちを先導して愚かな人間どもを襲い喰らい尽くすのがその目的となる。
使徒はこの世界では実体があるわけではない。できることは極めてシンプル。シンボルを動かして使い魔たちの移動先を指示し右トリガーで攻撃を命ずることと、祭壇で新たに召喚する使い魔を選択するだけだ。
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さあ、圧倒的な闇の力で哀れな人間どもを蹂躙!……なんて簡単にいかないのは、使い魔たちの案外な虚弱さだ。
不気味な姿を晒してがさがさがさと数に任せて迫る使い魔に、人間どもも最初のうちはワーキャー騒ぎながら逃げ惑ってくれる。
そりゃそうだ。深きものたちならずとも、例えばゴキブリが集団で湧いて出てきたらオレだって女の子のような悲鳴あげてパニクるだろう。
しかしそれも最初のうちだけ。動揺が収まれば、あとは丸めた新聞紙やゴキジェットを手に、粛々と殲滅にかかるだけである。
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深きものたち相手だってそうだ。隙を見て敢然と反撃してくる人間ども。
鋤、斧、猟銃、ショットガン、バリスタ、火炎瓶、射撃台。連中の侮れない攻撃力の前にゴリゴリ数を削られてゆく使い魔たち。
ちょっ、ちょっ、ちょっと聞いてないですよ、父なるダゴン。使い魔たちがこんなに弱いなんて。あとか弱きはずの人間どもが、こんなに血の気の多い連中だったなんて!
特に洒落になんないのが、集団行動を旨とする使い魔を一網打尽の目に遭わせる火炎系。そんな非人道的な兵器、ハーグ条約かなんかでとっとと禁止しろ!
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雑魚と呼べるような一般敵ですらこんな調子なのに、各ステージの最後に待ち構えるボスともなるとさらに凶悪だ。
ロングジャンプで数十メートル近い位置移動を繰り返す火炎放射器男、地面から無数の手を召喚する悪魔騎士、もうこうなってくると化け物はどっちなのか分かったもんではない。
こんな怪物どもを相手にするには、使い魔それぞれの特性を巧く組み合わせた運用が必須となってくる。
足の早いやつ、遠距離攻撃が得意なやつ、火に強いやつ、見た目が怖いやつ。もちろんそれぞれにウィークポイントは抱えているが、みんなの長所でそれを補い合って力を合わせて頑張っていこう! 合言葉は協調性! ああ、なんか全然クトゥルフっぽくない!!
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しかしそう簡単に力を合わせられれば苦労はしない。
深きものたちは基本的に偏差値が高くない連中。巧く誘導しないとすぐどっかに引っかかったり見当違いの敵を攻撃したりして集団行動を乱す。
もはや気分はダゴン神に仕える使徒どころか、頭の悪い高校の修学旅行を引率しているお人好しの教師みたいなもんだ。
はーい、みんな勝手なところに行かない! ちゃんとシンボルのもとに集まってきちんと集団行動しましょう! 一糸乱れずなんて難しいことは要求しないから!
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ピクセルドットながらも、いかにもクトゥルフらしい陰鬱な空気を見事に醸し出したビジュアルも素晴らしい使い魔系ストラテジー。
条件クリアによって新たな使徒や使い魔をアンロックさせ、クトゥルフ魔物図鑑を作り上げることも目的の一つだ。
もっとも常に自転車操業を強いられるその様は、我々がイメージするクトゥルフ像を大きく裏切られるかもしれないが、しかしそれもこれも身を置いてみて初めて理解できる真のクトゥルフ神話の姿である。

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2021/01/27 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【古伝降霊術 百物語 ~ほんとにあった怖い話~】

   ↑  2020/12/18 (金)  カテゴリー: セガサターン
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いわゆる実話怪談ものが書店の一角を賑わせる日本は、世界でもまれに見るホラーアンソロジー大国だ。
そのジャパニーズ実話怪談もルーツを辿れば「伽婢子」や「耳袋」など江戸時代の文学にまで遡れるわけだが、さらにそれらに影響を与えたものとして、百物語に代表される口述伝承の怪談アンソロジーを忘れてはならない。
参加者が持ち回りで怪異譚を披露しては蝋燭の炎を消し、百話すべて語られるとその場に物の怪が現れるという例のアレである。
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百物語もその起源は遥か中世にまで及ぶらしいが、脈々と伝えられてきたその形式が、話の内容にその時代時代のトレンドはあるにせよ、百本の蝋燭を始めとする基本的なスタイルをほぼそのまま保たれてきた。
稲川淳二に「新耳袋」など現代の実話怪談は、みなこの百物語の末裔みたいものだが、それが頼みもしないのに伝統的な形式に忠実なままゲーム機にやって来た。
時は稲川怪談が定番の商品になっていた1990年代、最初に発売された『百物語 ~ほんとにあった怖い話~』はPCエンジンより。
そして次世代機で演出から何からパワーアップした続編がこの1997年発売のセガサターンソフト『古伝降霊術 百物語 ~ほんとにあった怖い話~』だ。
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百物語にはハッタリというか勿体ぶった雰囲気作りが必須であるが、このソフトもその点は抜かりがない。
まずパケ裏に書かれているのは「注意 遊び半分でこのソフトをプレイしないでください」の一文。
果たして遊び半分以外にこれをプレイする動機があるのだろうか?と首をひねりたくもなるが、しかしここは忠告を素直に受け取って気を引き締めるのが正解だろう。
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ソフトを起動させるといきなり出てくるのが、いかなる心霊現象が起こってもハドソンは一切責任を負わないからこれにサインしろの旨が記された警告文。
この後に続く誓約書にチェックを強いられるのだが、ぶっちゃけ最近のゲームによくある、長々スクロールさせられる誰も読まない長文の中に、とんでもない一文が紛れ込んでる使用許諾書の方が、よっぽど怖いような気もするが、まぁそれは置いといて。
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百物語本編が始まるまでのハッタリ前フリはまだまだ続く。
曰く、自然界の力に守ってもらうために、その場に水やら土やらを用意しろ。そして御札をソフトのケースに貼り付けて云々……。
御札!? そんな物があったかと探してみしてみたら、取扱説明書の最初のページに切り取り線の文字と共に「悪霊退散御札」の文字が。
もちろんペラペラでテカテカのコート紙に印刷されただけのシロモノである。とても霊験のかけらも望めそうもない。
こんなとってつけたような自称御札に霊障からの身の安全を託してホントに大丈夫なんだろうか?
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そしてようやく始まる百物語は、分岐のないサウンドノベル形式の怪談をメインに、実写ムービーが挿入されるタイプ、稲川淳二の語り、簡易3Dアドベンチャー、文字が反転されていちいち鏡で読まなければならないパート、サターンの内蔵時計の時刻によって変化するモードなど、なにしろ百話ちょっとあるからバリエーションだけはとても豊富だ。
しかしこのソフトは「新耳袋」の登場により実話怪談のクオリティがとてつもなく跳ね上がる以前の発売。
肝心の怪談各話がベタで通俗的というか、脚色不足で素材をそのまんま出しているものがほとんどで、器に比べてとたんにトーンダウンしてしまうのだが、まぁそれも百物語的と言ってしまえばそうなのかもしれない。


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2020/12/18 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【The Dark Pictures Anthology: Man of Medan】マン・オブ・メダン

   ↑  2020/12/16 (水)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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エンターテイメントとしてのホラーはアンソロジーによってその地盤を固めた。
……なんて能書きよりも、本作のエクストラには様々な媒体のホラーアンソロジーを案内したムービーが収録されているので、そっちを御覧いただいたほうが話が早い。
とにかく古今東西、小説、映画、TVドラマ、ラジオ、コミックと、あらゆるメディアで綴られてきた恐怖のショートストーリー群。
中でも、もっともオムニバス感を思わせるのは、意味ありげな人物が各話ごとに解説や講釈をのたまいながらホストを務めるフォーマットだ。
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わかりやすく言うと「世にも奇妙な物語」のタモリ。そして大もとを辿るとホラーアンソロジーTVドラマの金字塔「トワイライト・ゾーン」のロッド・サーリング。
ゲームではかなりマイナーだがPSの『ダークテイルズ』という作品が、このスタイルを貫いていたし、名作『Alan Wake』と外伝も、「トワイライト・ゾーン」風の架空TVドラマが劇中で大きな役割を果たしていた。
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そして連作ホラーADVのスタイルをとる『The Dark Pictures Anthology』も、キュレーターと名乗る怪人物によって進行する、王道の「トワイライト・ゾーン」スタイル。
本作『The Dark Pictures: Man of Medan(マン・オブ・メダン)』は、その第一話。
ベースとなったのは今も伝わる海洋奇譚。太平洋戦争終結後間もなくしてインドネシア沖にて生存者不在で見つかったとされる幽霊船オーラン・メダン号の都市伝説だ。
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そのメダン号をモチーフした沈船と積まれていたとされる財宝を探しにやって来た、お気楽極楽な4人の若者。
彼らとチャーター船の船長は、なんだかんだのわけあって、未だ沈まず幽霊船となって海を漂っていたメダン号に、まるで吸い寄せられたかのように遭遇するのであった。
この『Man of Medan』は、脚本からキャラクターや場面の演出に至るまで、完全に映像ドラマに準拠した造りになっている。
キャラクターのモデリングや動きも実際の役者の演技を取り込んでCG化したもの。
細やかな所作や表情の演技などは、もう実写と見紛うかくらい丁寧に再現されており、それによって進行するムービーは、もう完全にドラマクオリティでダレ場がなく目が離せない。
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なまじムービーが凝っていると、インタラクティブに操作できる部分との差異がつい気になってしまうものだけど、本作の場合はその繋ぎも非常に巧みで澱みがない。
ストーリーの分岐となる選択肢的な箇所も、キャラクターの何気ない受け答えによって変わる性格に基づいたコンパスで、極めてファジーに変化するシステムになっていて(パートによってはダイレクトな選択を要求されることもある)、ゲーム的なお約束の闖入によってドラマの興が削がれることを極力抑えようとしているのが、このゲームの大きな特徴だ。
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ただその本格的なドラマ志向や分岐点を曖昧にした造りが、ゲーム的なリプレイ性に対して妨げになっていることもまた確かだ。
そして一周のプレイ時間こそ1時間ドラマ並みのタイトさではあるけれど、価格や30ギガバイト近い容量は完全にA級ゲーム準拠で、開発側の思惑とは裏腹にこちらはあまり「アンソロジーの中の一編」という感覚はイマイチ乏しいのであった。
連作を予定している『The Dark Pictures Anthology』。現在はこの『Man of Medan』の他に、第二話となる『Little Hope』が今月に発売されている。

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2020/12/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Harvester】悪趣味を極めた90年代カルトホラーゲーム

   ↑  2020/10/31 (土)  カテゴリー: PCゲーム
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ハッピーハロウィン! ……なんてフレーズもいつから定着してきたのか、もはやぼんやりとしてきたが、とにかくスレたゲーマーにとってはグロいゲームの大量セールの恩恵を受けるありがたいシーズン。
今回取り上げるのもそれに相応しいストレンジなゲームだ。
この実写取り込み映像を使ったポイントクリックADV『Harvester』が、この世に登場したのは1996年。
96年!? そう、『The 7th Guest』や『Return to Zork』などによって微妙に盛り上がっていたいわゆるフルモーションビデオの流行も終息しかけていた時期。
この間の悪さもあって商業的に大失敗した本作は長いこと幻のゲームとなっていたが、今ではSteamなどで手軽に遊べることができる。
まったくありがたいんだか余計なおせっかいなのかよく分からない時代だ。
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悪夢と共に半裸の主人公スティーブが目覚めた先は、まったく身に覚えのないのない1950年代風の街。
町の名前はハーベスト。当たり前のようにスティーブの身内として振る舞う家族がいて、当たり前のように彼を受け入れる隣人たちがいる。
覚えのないこと以外は何の変哲もない平和な田舎町。……なんてことはない。何もかもが奇妙だ。
実写取り込みの町並みや人物が奇妙なだけではない。住人の言動はどれもこれもちょっぴりネジが外れている。
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不審火で焼け落ちた新聞社。周囲がフィアンセだと認める隣人。友好的で不穏なPTAママたち。猫の死体だらけの肉屋。スティーブの父親と称する人の部屋は奇っ怪な性具で溢れかえっている。
そして田舎町のど真ん中にあるのは、それに不似合いな巨大で異様なロッジと呼ばれる宗教施設。
ここに関わらなければ話が進まないので訪ねてみると、他人の車に傷つけてこいに始まる嫌がらせミッションを押し付けられ、終いにはそれが放火にまでエスカレートする。
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そうやってスティーブが右往左往させられる間に挿入されるのは、老保安官助手の自慰行為やら、初老同士の密会いちゃいちゃシーンやら、母娘の首吊りやらと、まるで嫌がらせのようなバッドテイスト実写ムービーの数々。一番勘弁してほしいのは床に就くスティーブがいちいち半裸になるどうでもいいシークエンスが、毎日のように披露されることだ。
中には口直しのつもりかムフフな内容のものも申し訳程度に含まれてはいるが、いずれにせよこれらのムービーが入るタイミングや構成が、また微妙にネジが外れてギクシャクしているので、プレイヤーに結局残るのは胸クソの悪さと落ち着きのない違和感だけである。
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実写取り込みのキャラクターをマウスクリックでひょこひょこと移動させるアクションは、他のフルモーションビデオ系ゲームにもよくあったが、『Harvester』にはそれに加えてマウス右クリックで対象をアクティブに攻撃するアクションが加わっている。
これがまた限りなくローファイな『モータルコンバット』みたいな見た目になっていて、それがさらにこのゲームのキッチュさに輪をかけている。
後半、ロッジの地下を探索(?)するパートでは、この激安モータルコンバットの大盤振る舞いだ。うわあい。
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全編を一応貫くストーリー自体も、いちいち突飛でどうにも整合性を欠いていて、まあ逆にそれが強烈な印象になったりするんだから、この辺は狙っていたのかどうだったのか。
兎にも角にもあの時代のゲームシーンに於いてエロ・グロ・ナンセンスだけを突き詰めたのかのような、それでいて当人たちが期待したような大きなセンセーションを巻き起こすことに思い切りしくじるオチを付けた、それもこれもひっくるめてカルトの佃煮みたいなゲームである。

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2020/10/31 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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