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- 【Sensible World of Soccer】90年代サッカーゲームの金字塔 [2022/10/09]
- 【ESPN Extreme Games】ESPNストリートゲームス [2022/08/26]
- 【Roller Champions】ローラーチャンピオンズ [2022/08/24]
- 【Balls of Fury】燃えよ!ピンポン [2022/06/23]
- 【Rockstar Games presents Table Tennis】ロックスターテーブルテニス [2022/06/20]
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かつてXbox360でLIVEアーケードという区分で発売されていた配信専用ソフト。
海外ストアと日本国内ストアで販売ラインナップに差異がほとんどなくなった現在と違って、360の時代は日本でリリースされないゲームが相当数あり、我々もあれやこれやで対応していたのだけど、最近になって後方互換やセールのどさくさでこれら未発だったタイトルがしれっと国内ストアに登場している例が多くなった。
この『Sensible World of Soccer』(以下『SWOS』)もそんなひとつである。

360版が発売されたのが2007年。XBLAではかなり初期の作品だが、日本での知名度がまったく無いこともあってか国内でのリリースは見送られた。
だがそのオリジナルは欧州では絶大な人気を誇るエバーグリーンクラシック。
テーブルゲームやアーケードクラシックなどが中心だった初期XBLAにあって、ヨーロッパをターゲットにした定番タイトルだ。

Sensibleはこれまた日本では馴染みが薄いが、主にAMIGAでこの『SWOS』を始め『Cannon Fodder』や『メガロマニア』といった名作を立て続けに放っていた90年代ヨーロッパの重要メーカー。
スポーツ、シューティング、ストラテジーとジャンルは違うが、いずれもちまちましたキャラクターと戦略性を盛り込んだゲームコンセプトという共通項がある。
当時から高い評価を得ていたSensibleの諸作品だが、元がAMIGAということもあって日本ではほとんど紹介されずじまい。
メガドライブ版やスーパーファミコン版が国内発売された『メガロマニア』が唯一の例外であろうか。

『SWOS』を説明するには我が国の『ファミリースタジアム』をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれない。
1994年の初代で「サッカーゲームといえばコレ!」の定番の座を獲得し、以後選手データを変えたバージョンが数代に渡って登場した。
同時期に日本でリリースされていたサッカーゲームと比べるとビジュアルはかなり前時代的に映るかもしれないが、ワンボタンにすべてのアクションが集約されシンプルな操作と、パスにホーミング機能がついておらず、最初のうちはボールを繋ぐのも一苦労な習熟と戦略を求められるゲーム性の組み合わせは、やり込めばやり込むほど深みを増す。

特筆すべきはその選手データの豊富さ。
各国の代表チームのみならず、欧州や南米、アジアの各リーグ、しかもその下位ディビジョンまでをも網羅した、まさにサッカー万国博。
もちろん公認のわけはなく、その名前はファミスタの「おみあい」や「きよすく」のごとくスペルを入れ替えたりしたそれっぽい変名(おかげで日本の選手とかワケがわからなくなってる)、選手ステータスもパラメータの多少の違いでしかないのだが、やはりこういうのはその筋のファンが集うスポーツゲームでは大切な要素である。

そんなデータを活かすためにシーズンモードやキャリアモードも充実。
シンプルでコミカルな見た目とは裏腹にサッカーマニアも熱中させるやり込み度がこれでもかと充実したスポーツゲームの歴史的傑作。
今でも多くの人に愛され現在進行系で大会も行われている、定番タイトルが名を連ねた初期XBLAでリイシューされるのも納得の一作だ。
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2022/10/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
いかにオリンピック種目になり世界的スターを輩出しようと、スケートボードなどのストリートギアを街なかで得意げに乗り回してる人間には、どうしてもバカっぽそうという偏見がついて回ってしまう。
だが本来のエクストリームスポーツはバカと思われてなんぼ。
むしろこの際バカの一等賞はどれか決めてしまおうと言わんばかりに、アメリカのスポーツ専門局ESPNの名のもと、ローラースケート、スケートボード、マウンテンバイク、ストリートリージュが集結した。

初代プレイステーションのイメージは人によって様々だろうが、オレにとってPS1はプラットフォーマーが自ら音頭を取って低偏差値なゲームを次々と放っていたバカハード(褒め言葉)。
中でもSony Interactive Studios Americaは、『Twisted Metal』『Rally Cross』『Jet Moto』など、まるでメロディックパンクのように勢いだけで押し切るゲームを乱発していた、とびきりイカしたファーストパーティースタジオである。

そのSony Interactive Studios Americaの代表作と言えるのが本作『ESPNストリートゲームス』。
前述のような異種ストリートギア最速決定戦だが、そのテイストは『ロードラッシュ』そのまんま。並走するライバルをぶちのめす要素やステージの尺など、何から何までが『ロードラッシュ』そのまんま。
『ロードラッシュ』もいまや説明が必要なクラシックになってしまったが、バイクでライバルをどツキ倒しながらひたすらゴールを目指すだけのキング・オブ・低偏差値な最高のゲームだ。

『ロードラッシュ』のバイクをストリートギアに置き換えただけで説明ついてしまう『ESPNストリートゲームス』だが、コースに散在しているゲートを通過すれば各種のボーナスが得られる一応のオリジナルギミックが存在している。
そして独自といえばプレイステーションオリジナルタイトルならでは。L1左パンチL2左キックR1右パンチR2右キックというボタン割り当ても、これまたバカっぽくって最高である。

そしてコース上に無造作に置かれた障害物の数々。
これがまた「レベルデザインってなあに?」と言わんばかりにアバウト極まりなく配置されているもんだから、意図が読めなくてスリリングなことこの上ない。
さらにはサンフランシスコステージならプレイヤーが通りかかるのを待っていたようにど真ん中を横切ってくる市電。
ユタではこちらに向かってホーミングしてくるような落石などのご当地トラップの数々。
これらにスケボーやリージュやMTBがダマになってバタバタと引っかかる様には、プレイヤーをハメにかかっている悪質な妨害であることをついつい忘れてしまいそうだ。

初代プレイステーション時のSCEは、こうした大味な海外産ゲームに「洋ゲー」の造語を与えて啓蒙していたが、自社海外スタジオ産である『ESPNストリートゲームス』は、その象徴みたいな一作。
あの頃のソニーは間違いなくもっともチャレンジングで先鋭的なプラットフォームホルダーであったのだ。
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2022/08/26 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ローラーゲーム、あるいはローラーダービーと呼ばれる奇妙なスポーツ。
日本では70年代に爆発的ブームとなりゴールデンタイムにテレビ放映もされていたそうだが、さすがにその頃は知る由もない。
オレが最初に遭遇したローラーゲームはTVKだかテレビ埼玉だか、とにかく地方局で穴埋めに放映されたアメリカの中継番組だった。

まったく未知のスポーツ競技というのもあったのだが、なによりインパクトがあったのはエンタメ方面への針の振り切り方だった。
チームは善玉と悪玉に分かれ、場外乱闘やベタベタな同士討ち、悪党コーチの試合への介入そして最後は残り数秒で善玉チームが悪玉チームの選手をトラックの真ん中にある水槽にふっ飛ばして劇的逆転勝利と、ほとんどプロレスのような構造であったのだ。

当時のローラーゲームのライセンス商品となったのがコナミのアーケードゲーム、その名も『ローラーゲームズ』。
ぶっちゃけボタンバシバシ系の大味なゲームで日本のゲーセンでは大して人気も出なかったが、個人的には密かにアーケードアーカイブスで出ないかと淡い期待を抱いているゲームである。

ローラーゲーム自体ははその後も団体や興行形態を変えどそれなりに受け継がれ、最近ではより競技性を重視した方向に舵を切っているらしい。
そしてビデオゲームの世界に登場した新時代のローラーゲーム、この『Roller Champions』も、ストイックなゲーム性を目指した一作だ。

一般のローラーゲームは相手チームをパスした数によって得点が入る追い抜きシステムだが、『Roller Champions』は球技とのハイブリッド。
3vs3のチームがひとつのボールを争い、それをキープしたまま周回してゴールに叩き込むと得点。周回数に応じてそのスコアも上昇する。

基本プレイ無料で有料要素は主にプレイヤーのビジュアルを変えるアイテムや各種エモートのみ。
一試合のプレイ時間もほどほどに短くてF2Pゲームとしてはかなりこなれたバランス調整となっている。ただ運的な要素を一切排除したテクニカル重視なゲーム性とF2Pのマルチプレイが相性がいいかというと、これまた難しいところだ。

3vs3という最低限の編成が災いしてか、バンクを縦横無尽に使ってボールをキープし続けられる上級者が一人混じると、敵チームのみならず味方でさえもその人に完全におまかせモードになってしまい、なんの盛り上がりもないままワンサイドでマッチが終了してしまう例が少なからずあったりする。

それが理由なのかは分からないが、クロスプラットフォームの無料ゲーム、なおかつUBIの看板を背負ったタイトルとしてはオンラインの賑わいはちょっと物足りない。マッチングもサクサクといかないのが現状だ。
決してつまらなくないのだけど、実在のスポーツとも遜色のないストイックな競技特化ぶりがともすれば淡白さに繋がってしまい、そういった部分で損をしているゲームなのかもしれない。
本場のローラーゲームさながらの極端なプロレスっぷりとまではいかないまでも、多少のけれんがあった方がいいのかなと思わせる一作だ。
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2022/08/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「卓球はクール」
『Rockstar Games Presents Table Tennis』がそんなメッセージを打ち出したその翌年に一本の卓球映画が公開された。
日本で卓球映画というと窪塚洋介や中村獅童なんてキャストが即座に思い浮かぶが、こちらの主演はダン・フォグラー。
「卓球はクール」の呼びかけにちっとも呼応していないキャスティングであることは間違いない。

「燃えよ!ピンポン」はその名の通り、名作「燃えよドラゴン」のフォーマットをカンフーから卓球に置き換えてパロディ化した作品。
元オリンピック選手がFBIの要請を受けて暗黒組織が開催する死の卓球トーナメントに潜入する筋書きだが、もちろんダン・フォグラー主演だからして、シリアスさなど欠片もないことは言うまでもない。
まあ一言で言うなら無邪気で肩肘の張らないコメディ映画だ。

ちなみに「燃えドラ」ではハンにあたる暗黒組織のボスをバカ丸出しの衣装で演じているのはクリストファー・ウォーケン。
「ディアハンター」から30余年。オスカーを手にしたこともある名優は、いつの間にか出オチの人になってしまいました。

映画を原作としたいわゆるシネマゲームは、近年では数が激減してしまったが(その理由と考察についてはいずれ)、ニンテンドーDS期は同種のお手軽な作品が乱発された最期の狂い咲きとも言える時代であった。
そしてこんな程々の興収に終わったコメディ映画もシネマゲーム化。
機種はニンテンドーDSとWii。もちろん映画自体がろくにヒットしなかった日本での国内版発売はスルー。

しかしこの『Balls of Fury』、そんな安直な出自とは裏腹に意外と悪くない。
タッチペンで自分のラケットをコントロールしてダイレクトに球を打ち返す準体感ゲーム的な造り。
タッチの強弱がそのままショットの強弱となるために、緩急付けたラリーの攻防が生々しく再現されている。
特にスマッシュを放つときはタッチペンを動かすその指先にも思わず力が入る。
そして思わず力を込めた一球が、大抵は勢い余ってあっさりアウトになったりするのは現実の卓球そのまんまだ。

こぢんまりと良くできた卓球ゲームとは言え、DSiウェアあたりで配信すれば500円くらいで済んじゃうようなタイトルに、「燃えよ!ピンポン」の版権を被せて無理矢理フルプライスにしていると言えなくもないけどね。
<日本国内版未発売>
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2022/06/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
卓球は国内外のスター選手が認知され、メディアのニュースにも頻繁に取り上げられる人気スポーツとなっている。
しかしそれも近年からのこと。その昔となるとタモリからは「暗い」とディスられまくり、卓球部などは体育会系ではないような扱いを受けていた。
その風向きが変わってきたのはいつ頃であったろうか。
松本大洋のコミック「ピンポン」が登場した90年代末辺りがひとつの転機であったのは確かだろう。

ではゲームにおける卓球の扱いはどうだろうか。
ビデオゲームの始祖のひとつである『PONG』のモチーフとなったのは間違いなく卓球であるが、それ以降となるとMSXの『コナミのピンポン』なんて秀作があったりはしたが、野球やサッカーのようなスポーツゲームの定番的な地位には至らなかった。
一応Simple1500に卓球もあったが、あのシリーズは取り上げられていないジャンルを探す方が大変だし、PS2期に至っては代表的な卓球ゲームはイロモノの『いくぜ!温泉卓球!!』である。

そんな中で最初期Xbox360のオリジナルタイトルとして卓球ゲームの名がリストに上がってきたときは驚かされた。
しかも送り出すのがあの『Grand Theft Auto』のロックスター社。
ラケットで通行人をボコリ倒して路上強盗するゲームを想像する人がいたとしてもおかしくはない。
だが『Rockstar Games presents Table Tennis』というド直球なタイトルと共に登場したのは、これまたドが10個くらい付くようなストイック極まりない卓球ゲームであったから驚きも二乗三乗であった。

ハイデフを謳う新世代機と足並みを合わせて多くのゲームが華美なビジュアルを売りにする中にあって、『Rockstar Games presents Table Tennis』はとことん装飾を削ぎ落とした表現で異彩を放っていた。
薄暗い会場に卓球台の上だけに灯された質素な照明。事務的に徹する場内アナウンス。
出てくる選手たちには一切の美化が施されず、派手な入場やパフォーマンスも皆無だ。
試合中のBGMも基本的にない。聞こえるのは選手の息遣いと控えめな観客や審判の声。そしてラケットの快音とボールが弾む音。

そんな質素に質素を煮詰めたような環境だからこそ、4つのボタンでシンプルにスピンを打ち分ける攻防への没入感がハンパではない。
そしてラリーが続くとゾーン突入。まるで世界にはボールを打ち合う二人しかいなくなったかのような演出が入る。
このときのラリーに早くケリをつけたいような、それでいてこの瞬間が永遠に続いて欲しいような矛盾した感情は、ストイックにストイックを極めた『Rockstar Games presents Table Tennis』ならではのものだろう。

WiiやSwitch、KinectにARといったデバイスの普及によって、現在では卓球のゲームはまたその数を増してきている。
しかしそれらにおける扱われ方は基本的に温泉卓球の延長のような、体感ゲームのお手軽な素材として重宝されているもの。
ストイックなスポーツゲームとしての側面をとことんまで追及した『Rockstar Games presents Table Tennis』の後継は、まだ当分出てくる気配もなさそうである。
<Xbox後方互換タイトル>
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2022/06/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |