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- 【Accident】交通事故応急救護シミュレーター [2023/11/15]
- 【Arcade Paradise】アーケードパラダイス [2023/07/21]
- 【Lawn Mowing Simulator】芝刈りシミュレーター [2023/06/24]
- 【Speaking Simulator】スピーキングシミュレーター [2022/11/04]
- 【Chair Simulator】チェアシミュレーター [2022/11/02]
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応急救護。確か自動車教習所で必須の講習だったはずだが、なにせ遠い昔の話だし、なにより人生で一番斜に構えた年頃。
いや、オレに限らず同世代の生徒たちは、こと応急救護に関しては一様にへらへらした薄笑いを浮かべながら「なんでこんなことやんなくちゃなんないのかなあ」なんて態度で臨んでいた。
しかし学校と名のつくところで教えてくれることは、すべからくきちんと学んでおいた方がいいと気づくのは歳を重ねて手遅れになってからだ。

年々減少の傾向があるとはいえ、昨年だけでも交通事故の発生件数は30万件。この社会で生きている限り、いつどこでそんなシチュエーションに出会すかわからない。
そんなときあなたは落ち着いて正しい行動を取れるだろうか?
眼の前に広がるのは多重事故の悲惨な光景。
はからずもその現場に遭遇したオレは、まず何をしていいかわからず「はわわわわわ」とパニクるのであった。

『Accident』は交通事故の応急救護をテーマにしたシミュレーター。
過去の事故案件をVRで追体験するの建前のもと、世界各地で起こる様々なシチュエーションに対面する。
事故の被害者が一命を取り留めるかどうかは、すべてあなたが適切な処置を行えるかどうかにかかっているのだ。
道路を外れてドライバーごと木に串刺しになってる車、極寒の気温下で意識を失っている被害者、人を載せたままエンジンルームから燃え上がる炎。はわわわわわ、お願いだから救急と消防早く来て!

しかしそんな頼みの綱への通報すらままならないことだってある。圏外、バッテリー切れ、そもそもスマホ持ってない等々。
テネシーの夜の路上で起こった人身事故のときは、バッテリー切れのスマホを手にしながら電話ボックスの前で「はわわわわわ、どうしたらいいんだよう!」とひたすらパニクってた。
そして目の前にある箱に改めて気づいて「……そう言えば遠い昔、ここから電話とか掛けてたっけなあ」と思い出した頃には、もう被害者は手遅れになっていた。ホントごめん!

まず救急機関に連絡。そして事故車のエンジンを切る。続いて後続に異常を知らせる三角板の設置。
ステージを重ねれば、この初動は嫌でも覚えていく。しかし事故の状況は常にテンプレとは限らない。
列車との衝突、はわわわわわ! 今にも崖から転がり落ちそうな事故車、はわわわわわ! 襲撃を受けてあちこちに銃器が散乱する囚人護送車、はわわわわわ!

被害者の指が千切れてる。どうしたらいいの? 教えてエマージェンシー!
「まず指を探して綺麗に洗って清潔に冷所に保管してください。頑張って!」
はわわわわわ! 無理、無理、あんまりこっちに丸投げしてないで、いいからお前ら早く来い!

ちなみにデフォルトのスティック感度はかなりセンシビティで対象をポイントするにも一苦労なんだけど、そのままにしておいた方がはわわわわわ感が増していいぞ(なにがいいんだか)。
救急車が到着して以降の事故の原因を推察するパートはやや蛇足を感じるのだけれど(このパート、ホームズのADVをちょっぴり想起させた)、そういった部分も含めて全体的に学習要素を追求した生真面目さな造りが目立つシミュレーターだ。
<未日本語化>
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2023/11/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
まだ20そこそこの頃、古本屋の仕事に憧れたことがある。
カビ臭い本に囲まれたその奥で一日中暇そうに佇んでいるその様子が、なんとも気楽そうに映ったからだが、いざい実際にバイトしてみると重い本の束をひたすらあっちにこっちに運ぶ肉体労働の連続で、アテが思い切り外れたものだった。

暇で楽そうに見えた仕事といえばゲームセンターの店員もそうだ。
制服をきっちり着込んだチェーン店なんかではない。
その昔によくあった喫茶店やコインランドリーが「儲かりそうだから」と安易な理由で転身したような小規模なゲーセンだ。
鍵の束を腰に下げてカウンターの奥で暇を潰し、時折コインの詰まりを直したり灰皿を片付けたりゲームを熱も入れずプレイしながら終業時間を待つ。
労働している大義名分とボヘミアンの両立。ああ、なんと素晴らしい!

『Arcade Paradise』はまさにそんなゲーム。
ローカル実業家である父親から小汚いコインランドリーを任された放蕩娘が、ランドリーとその奥のゲーセンコーナーを向上心乏しく運営していく。
ゲームセンター経営シムともレトロゲーム回顧ものとも明らかに違う、上昇志向があんまり無い人の仮初めの職業シミュレーターとでも呼ぶべき作品だ。

吹けば飛ぶようなコインランドリーだが、それでも働いている世間体は立つ。
眠い目をこすりながら出勤して、まず最初は店内の掃除。
その後は散発的に登場する洗濯物を洗濯機や乾燥機に放り込んで、それが仕上がる時間をぼーっと待つ。
店の奥のアーケードゲームコーナーを拡張したり筐体の数を増やしたりするのが一応の導線とはなっているが、こことてドライブインなんかにやる気なく置かれたゲーム筐体に毛が生えた程度の存在だ。

「オレの理想のゲーセンを作るぞ!」的なマニアな価値観とはおよそ程遠い。
むしろ登場するクローンゲームのあからさまな模倣性やいい加減な時代性などは、アーケードマニアの眉をひそめさせるかもしれない。
ランドリー仕事の合間にアーケード筐体を遊ぶのも程々だ。ぶっちゃけそんなに熱を入れてプレイするほど面白いものはない。

だから洗濯物が仕上がる間は、テレビ画面のこちら側で実際にスマホをいじったり雑誌をぱらぱらとめくったりして時間を潰すのがメインとなる。
ああ、これって昔憧れた適度に暇そうで責任もあんまり無さそうな仕事!
そして終業時間が近づけば両替機や筐体から小銭を回収して金庫にしまってお疲れした!たいして疲れてないけど。

事業の拡張はこのちょっぴり暇な仕事を継続するためのささやかなモチベーション。
敵をばったばった撃ち倒せるヒーローになれるゲームがあるなら、古本屋の奥の白髪の爺さんや、雑居ビルの管理人室で一日中小型テレビを眺めているおっさんや、鍵で勝手にクレジットを増やして面白くなさそうな顔をしながらゲームを遊んでいるリーゼントのあんちゃんのポジションになれるゲームがあってもいい。
ここはまさに大望や野心をなくした人間のパラダイス。
明日もまた眠い目をこすりながら出勤して、やる気のない掃除から一日を始めるぞ!
*関連記事
【Arcadecraft】オレのゲーセン火の車
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2023/07/21 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
頼みもしないのに毎日伸びてくる面倒くさいもの。それは男のヒゲと芝生だ。
一時期庭に芝生を張ったことがあるのだが、そのニ大面倒ごとを自ら背負い込む愚行であった。
芝生が見栄えが良いのはあくまで丁寧な管理が前提だ。ちょっと放ったらかしにすれば、それはたちまち無精ヒゲと変わらないむさ苦しい景色となる。

あえて芝刈り機を購入するほどでもない面積だったので、伸びてくると植木鋏で端から端までカットしていたのだが、丁寧にやっていたのも最初だけ。
そのうちだんだん億劫になってきて、それでもお構いなしに次から次へと伸びてくる芝に、次第に緑の生命力に対する憎しみすら生まれてくる有様だった。
最後にはとうとう芝を全部引っ剥がして、そこに人工芝を敷き詰めて一件落着。人工最高!自然の緑なんかクソ喰らえ!
つくづくおのれのずぼらさを顧みずに芝生なんか張るものではない。

そんなオレの前にモニター越しに広がるのは一面の伸び切った芝生。
しかも猫の額のような我が家の庭どころではない。庭園と言っても差し支えないくらいのだだっ広さである。
これが現実ならば噴霧器にラウンドアップをぶち込んで盛大に撒いてケリをつけるところだが、しかしコントローラを手にしたオレは何故か嬉々として隅から隅まで丁寧に芝を刈っている。
全くもってビデオゲームというのはずぼらな横着者を甘やかしてくれるメディアである。

お仕事系シミュレーターはかなり遊び手を選ぶゲームジャンルであるが、高圧洗浄シムの『PowerWash Simulator』が思わぬ人気を博したように、隅々まで何かを洗ったり綺麗にする単純作業な内容のものは意外とポピュラリティを得やすいのかもしれない。
この『Lawn Mowing Simulator』もまさにそのタイプ。
その名の通り芝刈り作業を延々と繰り返すシミュレーターで、『PowerWash Simulator』のような爽快感には欠けるが、実在の芝刈り機を操縦する乗り物シムとしての側面も兼ね備えた作品だ。

もっとも、取っ付きは良いんだけれども、あまり変わり映えのしない景色が延々と続く単調さ故に早々と飽きてしまう人も多かったようで、配信当初はTwitterなどで程々に話題になっていたものの数日後にはもう鎮静していた。
だがそんなずぼら以下の人々を尻目にオレはこの単純作業に没頭した。
藪蚊にも煩わされず、腰も痛くならず、日焼けの心配もなく、手の筋を違えることもない芝刈りのなんと気楽で楽しいことか。引っ剥がして人工芝に取り替えてホント済まなかった!

オレがこうして芝刈り機を走らせた後には、綺麗に刈り揃えられた芝という確かな結果がくっきりと現れる。
この作業だけでもう充分すぎるくらいだ。
機器を買い揃えたり、人を雇ったり、事務所を大きくしたりする経営要素なんか全部蛇足。ってか、ぶっちゃけその辺の要素はバランスが悪すぎて挑戦意欲も湧かなければ達成感もないし。

甲子園球場の真のヒーローが阪神園芸であるように、地道な作業の末に綺麗に整備された芝生はあらゆるスペクタクルに勝る。
そしてすべての作業を終えてトラックに芝刈り機を戻したときに得られる達成感。汗一つかいてはいなけど今日もビールが美味い。
この遊び呆けただけにも関わらずひと仕事終えたかのような充実感こそがお仕事系シムの肝なのだ。
そして明日も地道に芝を刈るぞ。つくづく芝刈りはバーチャルに限る!
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2023/06/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
面接なんて自ら進んで受けたいものではないし、結婚式や葬儀でのスピーチなんてご遠慮申し上げたい。
ましてや全国民が注視する議会での演説などなおさらである。
ところが世の中にはこういうスピーチをやりたくてたまらない奇特な連中もいたりする。朝礼なんかで長話をおっ始めてみんなをうんざりさせるのは大抵この手合いだ。

そんなできる限り回避したいスピーチの場に挑むこの身はなんと機械仕掛け。
しかも人間社会に浸透してやがては人間の支配を目論む御大層な使命を持ったロボットだ。
母国語ってのは知らないうちに喋り方を覚えてるもんだけど、外国語を学んでるときなんかはたまに発声の機能としくみを改めて意識させらることがある。
舌を上顎にべたっと付けて「る~~~」とかがそうだ。

ましてやいまのオレはロボット。一言口に出すだけでも口角や口腔内の動きを意識して操作しなければならない。
口角の動きは右スティック。口腔内の舌は左スティック。
右スティックの方はシンプルな上下左右で比較的扱いやすいが、面倒なのは舌の動きをダイレクトに操作して顎の上下のスイッチを押さなければならない左スティックだ。
焦れば焦るほど舌があらぬ方向にぬめぬめと動いてく。ああ、普通に喋るのがこんなにもどかしいことだったなんて!

この不自由な発生機能で、ただでさえテンパってワケが分からなくなる面接や結婚式のスピーチに挑めと!?
一応ゲームらしく獲得したポイントでアップグレードできるシステムが備わってはいるが焼け石に水。それに眼や眉毛の操作が加わって余計に煩雑になってさらにテンパるだけだし!

Switchで日本語版が発売されている本作、シミュレーターを名乗ってはいるが、基本的に『マニュアル・サミュエル ~死神との約束~』や『オクトダッド ~タコと呼ばないで~』なんかに代表される人体ファジー操作系のコメディチックなゲーム。
ただ、やることを喋る行為ただひとつに絞り込んでしまったために、ステージが変われど同じことを繰り返させられてる単調さは否めないし、それが故に『マニュアル・サミュエル』なんかにあった馬鹿馬鹿しさは目減りしちゃっている。

「ブレードランナー」のレプリカントなんかは改めてスゲえ技術でできているんだなと、変なとこを再認識させられる。
この設計したやつを呼び出して始末書を100枚くらい書かせたくなる操作システムを乗り切って、ロボットによる人類支配の野望を達成できるかは貴方の根気次第だ。
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2022/11/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
立つ、寝る、そして座る。人間の姿勢の三原則だ。
かつては地べたやせいぜい石ころに腰を下ろしていた人類がやがて椅子という存在を生み出し、座る行動は本能から文化的な行いへと変化した。
人間はその長い文明の歴史の中で様々な用途やデザインの椅子を創り出し、時にはそれが権威の象徴ともなり時には死刑を執行する道具ともなった。
この『Chair Simulator』はそんな人類と椅子との緻密な関係を再現したシミュレーターである。……って、もちろんそんなわきゃない。

無駄に多岐にわたるキャラクターセレクト(ほぼ全部制作者の知人や関係者らしい)を経て放り出されるのは、椅子がひとつぽつんと置かれた簡素な部屋。
ここでプレイヤーがやるべきことはなにか?
椅子を前にして人がすることはただひとつ。近寄って腰を下ろそう。
あとは椅子に腰掛けたキャラクターをただ眺めるだけだ。モニターの前でプレイヤー自身も椅子に座っているとなおいいだろう(まあ立ってやる人はそうはいないだろうが)。

椅子に座っている時間は決して無為ではない。
電車のシートに腰を下ろしていればそのうち目的地にたどり着くであろうし、病院の待合室の椅子で辛抱していればやがては診察の順番が回ってくる。
『Chair Simulator』においてもそうだ。
椅子に座っていれば着々と経験値が加算されてゆく。もっともそれでレベルが上ったところでだからどうしたと言われれば答えに困るのだが。

いや、獲得できるのはほとんど無意味な経験値ポイントだけではない。
デフォルトの味も素っ気もないパイプ椅子から新たな椅子に買い替えるためのマネーポイント。これもひたすら座り続けることによって蓄積される。
もっともあれやこれやの椅子三昧を決め込むには莫大な時間を消費してただ座り続けるおのれのキャラクターをずっと眺めていなければならない。

いっそのこと放置して外に遊びに行きたいところだが、しかしずっと座ったままだと血行に悪いからだろうか、このゲームは一定時間座りっぱなしだとキャラクターが死んでしまいゲームオーバーとなってしまう。
こんなゲームに真面目に付き合うことを考えず、とっととチートコードで金を手に入れてしまおう。

新たに購入できる椅子は丸椅子からピアノ椅子、玉座にエマニエル夫人が座ってたようなやつと、この世のありとあらゆるタイプの椅子を網羅したかのような豊富なバリエーション。
まあどんな椅子をセッティングしたところでただ座り続けるだけなのは変わりないのだが(一応獲得経験値にボーナスが付いたりケツ痛メーターが遅くなったりと細かい差異はある)。
ゲリラ的な活動で知られるNYの現代アートグループMSCHFが送り出した、パロディ系シミュレーターの中でも皮肉とウィットが際立つ一作。
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