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- 【ゴールデンアイ 007】Golden Eye 007 (Rare Replay) [2023/03/21]
- 【Balls of Fury】燃えよ!ピンポン [2022/06/23]
- 【Forza Horizon 5】バッドとテレンスのフォード [2022/01/14]
- 【Bud Spencer & Terence Hill - Slaps And Beans】笑激の乱闘遊戯 [2022/01/11]
- 【Doctor Who: The Lonely Assassins】ドクター・フー 孤独な暗殺者 [2021/11/09]
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1962年の「007/ドクター・ノオ」に始まり最新作の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで25作を数えるジェームズ・ボンド映画。
その間に6人の俳優がジェームズ・ボンド役を務め、代替わりのたびにボンドのイメージは刷新されてきたのだが、4代目のティモシー・ダルトンから5代目ピアース・ブロスナンへのバトンタッチは、単なるキャラクターチェンジに留まらない大きな変革があった。

なにせダルトン版の最終作「007/消されたライセンス」からブロスナンボンドの登場となる「007/ゴールデンアイ」の間には7年近いスパンがあった。
その長い空白期間は様々な複合的理由があるのだが、とにかく殺伐とした80年代アクション映画の影響が良くも悪くも強かったティモシー・ダルトン時代からクールダウン期間を得たことで、新たに幕を切ったブロスナン時代は大げさに言えば再創業的な仕切り直しとなったのだ。

猛々しいダルトンから一転、ソフィスティケートされたピアース・ブロスナンのボンド。
「007/ゴールデンアイ」はそのキャラクターのみに留まらず、様々な面がモダンに再構築された一作となった。
一介のプログラマーにしか過ぎないヒロインにあんまり頼りにされてないボンド像は、新鮮を通り越してかなり驚かされるものがあったが、この先代の影を一切合切振り払った大胆な再出発は、見事に新時代における007映画の復権に繋がった。

そしてビデオゲーム世界のジェームズ・ボンドも、やはり同じ時期に空白期間と変革の過程を辿ったのであった。
同映画のゲーム化作品『ゴールデンアイ 007』は1997年の発売。ボンドゲームの前作となる『007 死闘』からは4年のスパンがある。
メガドライブ版『007 死闘』は、横スクロールのプラットフーマー。
それ以前となる『007: Licence to Kill』(ZX Spectrumなど)は『戦場の狼』みたいなSTGと、ティモシー・ダルトン時代はアーキテクチャの限界から、そのゲーム化作品はどうしても映画の登場人物をフィーチャーしたキャラクターゲームの域を出なかった。

そのキャラクターも当然本人に似せるどころではない。タキシード姿で辛うじてボンドと理解できる程度の記号化されたキャラである。
映画の007を変えたのが時代性や観客の嗜好の変化なら、ビデオゲームの007を変えたのは90年代半ばの表現力やハード性能の凄まじいばかりの進化だ。
『ゴールデンアイ 007』はそれを背景に、007ゲームをキャラゲーから映画のストーリーを追体験させるシネマゲームへと向上させた。

ブロスナンにショーン・ビーン、その俳優がモデリングされたことがしっかり認識できるキャラクターたち。
戦車チェイス、レーニン彫像公園でのトレヴェルヤンとの再会、ゼニア・オナトップとの決着戦など物語に準拠したステージ。
そして何よりもQお手製のガジェットを自らの手で使い分けボンドそのものになりきる手応えは、過去のボンドっぽい何かを操作するゲームとは天と地ほどの違いがあった。

さらにファーストパーソンシューターとしての完成度の高さは、ニンテンドウ64にFPSマシンとしてのもうひとつの顔を付け加えた。
現在は当たり前のジャンルとなっているFPSだが、それがこの国で広く波及するその下地を作ってくれた功績も大きいだろう。
いずれにせよゲーム史に残る傑作の評価は揺るぎないであろう一作。
この『Rare Replay』所収版は、マルチプレイがローカルのみに対応したニンテンドウ64版ほぼ準拠の仕様(未日本語化)。
今後発売が予定されているSwitch版はオンラインプレイを実装しているとの情報もある。
*関連記事
【007 死闘】ティモシー・ダルトン版ボンドゲーム
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-3136.html
2023/03/21 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
「卓球はクール」
『Rockstar Games Presents Table Tennis』がそんなメッセージを打ち出したその翌年に一本の卓球映画が公開された。
日本で卓球映画というと窪塚洋介や中村獅童なんてキャストが即座に思い浮かぶが、こちらの主演はダン・フォグラー。
「卓球はクール」の呼びかけにちっとも呼応していないキャスティングであることは間違いない。

「燃えよ!ピンポン」はその名の通り、名作「燃えよドラゴン」のフォーマットをカンフーから卓球に置き換えてパロディ化した作品。
元オリンピック選手がFBIの要請を受けて暗黒組織が開催する死の卓球トーナメントに潜入する筋書きだが、もちろんダン・フォグラー主演だからして、シリアスさなど欠片もないことは言うまでもない。
まあ一言で言うなら無邪気で肩肘の張らないコメディ映画だ。

ちなみに「燃えドラ」ではハンにあたる暗黒組織のボスをバカ丸出しの衣装で演じているのはクリストファー・ウォーケン。
「ディアハンター」から30余年。オスカーを手にしたこともある名優は、いつの間にか出オチの人になってしまいました。

映画を原作としたいわゆるシネマゲームは、近年では数が激減してしまったが(その理由と考察についてはいずれ)、ニンテンドーDS期は同種のお手軽な作品が乱発された最期の狂い咲きとも言える時代であった。
そしてこんな程々の興収に終わったコメディ映画もシネマゲーム化。
機種はニンテンドーDSとWii。もちろん映画自体がろくにヒットしなかった日本での国内版発売はスルー。

しかしこの『Balls of Fury』、そんな安直な出自とは裏腹に意外と悪くない。
タッチペンで自分のラケットをコントロールしてダイレクトに球を打ち返す準体感ゲーム的な造り。
タッチの強弱がそのままショットの強弱となるために、緩急付けたラリーの攻防が生々しく再現されている。
特にスマッシュを放つときはタッチペンを動かすその指先にも思わず力が入る。
そして思わず力を込めた一球が、大抵は勢い余ってあっさりアウトになったりするのは現実の卓球そのまんまだ。

こぢんまりと良くできた卓球ゲームとは言え、DSiウェアあたりで配信すれば500円くらいで済んじゃうようなタイトルに、「燃えよ!ピンポン」の版権を被せて無理矢理フルプライスにしていると言えなくもないけどね。
<日本国内版未発売>
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2022/06/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ベルトスクロールアクションゲーム『Bud Spencer & Terence Hill - Slaps and Beans』の公認元となっているイタリアのコメディ俳優コンビ、バッド・スペンサーとテレンス・ヒル。
彼らの最盛期は1970年代。「サンド・バギー/ドカンと3発」は、その最も脂が乗りきっている時期に公開された代表的作品。
二人の役どころはオフロードレーサー。レースシーンを皮切りにバイクチェイスや屋内カーアクションなどが散りばめられた、彼らのフィルモグラフィでも屈指のクルマ映画でもある。

邦題にもなっているプーマのデューンバギーと並んで本作でメインを張っている車がフォード・エスコートMk1のラリーモデル。
フォード・コーティナ(コルチナ)なんかと同様に、垢抜けない大衆車のボディに手強いエンジンを搭載した"羊の皮をかぶった狼"系の一台だ。
その見かけに反して当時のラリー競技でブイブイ言わせたマシンで、現行のフォード・フォーカスにその系譜は引き継がれている。

冒頭のオフロードレースシーンに、バッドとテレンスが揃ってこの車で参戦。
テレンスはカーナンバー1の白ボディ、バッドはカーナンバー3の赤ボディ。
バッドの赤いエスコートはマフィア一家のパーティーに殴り込んだ室内暴走シーンでも大活躍だ。

エスコートMk1のラリー特別モデルは勝利したレースにちなんで"メキシコ"の異名が授けられているが、その縁からかメキシコを舞台にした『Forza Horizon 5』では、掘り出し物のスペシャルレストアマシンとして登場。
そしてバッドとテレンスの根強い人気を反映するように、デザインストアフロントで検索すれば「サンド・バギー/ドカンと3発」で二人が乗っていた車のデザインが山のように出てくる。

掘り出し物ミッションカーなので、誰もが手に入れながらガレージの肥やしになってる率も高そうなエスコートだけど、このバッドとテレンス仕様や各種ラリーレプリカスタイルなど、デザインの弄り甲斐が結構ある車なので、時々はメキシコの道路に繰り出させてやってみてはいかがだろうか。
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2022/01/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
バッド・スペンサーとテレンス・ヒルは1970~80年代にかけて活躍したイタリアのコメディ俳優コンビ。
いつも不機嫌にムスッとしている巨漢のバッドと口八丁の二枚目半テレンスは、共にマカロニウエスタンの脇役出身。
コンビを組み喜劇に転じていっきにブレイクを果たした。

日本におけるその扱いは「笑激のギャンブルマン」だの「サンドバギー/ドカンと3発」だのといった力が抜けるような邦題から察してもらうしかない。
二線級の映画のさらに添え物みたいなポジションで、キネマ旬報からは軽く扱われ映画芸術あたりからはとことん無視される存在に甘んじていた。

しかし欧州圏での人気は絶大なものがあるようで、今では一種のアイコン化していて彼らの名前をモジッたDub Spencer & Trance Hillなんてダブバンドもあるほどだ。
その海を越えてはなかなかピンとこない大きな支持の背景は、我が国の「トラック野郎」シリーズの人気と感覚的に共通したものがあるのかもしれない。

ベルトスクロールブロウラー『Bud Spencer & Terence Hill: Slaps and Beans』も、そんな根強い人気から生まれたゲーム。
元はファンメイドの小品が関係者の許諾を受けて、めでたくバッド&テレンスの公式作品として正規リリースに漕ぎ着けた一作だ。

バッドとテレンスの映画は基本的にどれも一緒。
西部劇、スパイアクション、警官ものなどシチュエーションは違えど、なんだかんだでつるんだ二人が緩い悪役相手の騒動に巻き込まれ、緊張感のない大乱闘でケリをつけて無理やり終わるのがその黄金パターンである。
だからこそ多人数を相手にとにかく殴って殴ってぶん殴りまくって突き進むブロウラーアクションとは、言うまでもなく相性が抜群だ。

オープニングは彼らの初期作に多かったマカロニウエスタンのシチュエーション。
しかしそれは映画のロケの風景。そして撮影スタジオから奪われたギャラと美人秘書を追って、二人の闇雲なドツキ倒し行脚が幕を開ける。
バッドは重攻撃のパワー型、テレンスはスピード型と、それぞれのキャラは本人や映画の中での役柄に準じたスタイル。
ブロウラーアクションとしてのベーシックな部分はスピード感やメリハリに欠けるのだけど、まあ彼らの映画における乱闘シーンの呑気さを考慮したら、この旧世代感はそれはそれで飲みこめてしまえるかも。

それよりも肝心なのはバッド&テレンスの世界の再現性。
まず版権ありきの商業系オフィシャルゲームには、これがおざなりな場合が多いが、熱心なファンの手による本作はその心配は無用だ。
海辺の遊園地、埠頭、南国のジャングルと、彼らの各映画に基づいたステージ。
そして変化球として「サンドバギー/ドカンと3発」に登場した赤いデューンバギーや「いけ!いけ!スパイ大作戦」の角付きキャデラックでのレースモードもある。

キャデラックと言えば埠頭のステージでこれをド突き回してぶっ壊せる仕様。誰もが『ストⅡ』を連想するかもしれないが、これは「笑う大捜査線」の一シーンの再現。
バッドの強攻撃振り下ろしハンマーパンチには、その度に「ぼよーーーん」と間抜けな効果音が入るが、これも二人の映画ではお馴染みの演出だ。
そして特筆すべきは彼らの映画で使われていた実曲。これらはゲーム中のみならずジュークボックスモードでも自由に聴くことが可能だ。
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2022/01/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ひと昔前、画面に表示された擬似的なパソコンのデスクトップだけでほとんどが構成されたアドベンチャーゲームが流行ったりしたが、今の時代においてはそれはいささか古い表現だ。
今はスマホがあればすべてが事足りる時代。
その手の疑似OSを操作して進行させるゲーム表現も、PCのデスクトップからスマホのスクリーンへと変化した。
KAIGAN GAMESの2017年作『SIMULACRA』は、そんな疑似スマホ画面ゲームの中でも抜きん出た一作。
そしてシリーズ化された『SIMULACRA』に続く同社の最新タイトルは、やはり疑似スマホ画面の一芸を貫く一作となった。

『ドクター・フー 孤独な暗殺者』はその名の通り英国BBCの超人気SFドラマ「ドクター・フー」の版権タイトル。
時空を超えるエイリアン"ドクター"を巡る壮大なドラマで、現在は日本でも配信サイトなどで気軽に観ることができるが、その中でもシーズン3の第10話「まばたきするな」は必見の傑作回だ。
シリーズでは異色の部類に入るこのエピソード。ドクターがほとんど出てこないのみならず、全体にホラー色が強め。そしてSFホラーとしての完成度が途轍もなく高い。

心霊スポットとなっているロンドンの廃墟屋敷と、そこを訪れたまま消息を絶った人々。そして無気味な天使の彫像。
細かいストーリーについては、とにかくドラマを観てくれと言うしかないが、視聴後は街なかで彫像の類を見るたびに思わず背中にゾワッとするものが走ってしまうほど怖い一作だ。

『ドクター・フー 孤独な暗殺者』はその傑作「まばたきするな」の後日譚。
プレイヤーが赤の他人のスマホを手に入れてしまう設定は『SIMULACRA』からのお約束だが、本作においてスマホの元の持ち主はラリーことローレンス・ナイチンゲール。「まばたきするな」の重要登場人物である。
プレイヤーはやはり原作ドラマに登場する眼鏡萌え女子オズグッドと協力して、スマートフォンに残されたデータからラリー失踪の真相を追求していく。
そしてそれは必然的に「まばたきするな」に出てきた怖い怖いあいつらに否応なしに接触することにもなるのだった。

ゲームの基本的なメカニズムは『SIMULACRA』とほぼ同じ。
完全新作と言うよりは『SIMULACRA』のドクター・フー版スピンアウトのような趣きだが、やるべきことは一緒だから手っ取り早い。
画像フォルダやチャットログ、メールのアーカイブにブラウザの履歴。スマホに残された情報をくまなくチェックしてラリーに繋がる手がかりを探る。
そこから浮かび上がる「まばたきするな」のその後の展開。
あの廃墟屋敷は人手に渡りリフォームが施され、そしてあの天使像が再び動き出そうとしてる。

そして真相に迫るにつれてスマートフォンが忌まわしき何かに次第に侵食されていくのも『SIMULACRA』以来のお約束だ。
破壊されたデータ、歪んだホーム画面、そして時おりかかってくる、暗号のような数字を機械的に繰り返す通話の出どころは1950年代。一体誰が!?

要所要所に原作エピソードを知っていることが前提の展開が多いので、まずは「まばたきするな」を観てからのプレイをオススメしたい、スマートフォン画面だけで完結したミステリ&ホラーの短編アドベンチャーゲーム。
特に終盤のスマホがどんどん変容していってからの展開は、原作ドラマに負けないくらい迫真のものがある。
部屋の隅とかに適当な彫像でも置いておけば、身に感じる怖さもひとしおだろう。
コンシューマの国内販売はSwitch版のみ。
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【SIMULACRA】スマホを拾っただけなのに
【Replica】国家のためのストーキング
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