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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Close to the Sun】クローズ・トゥ・ザ・サン

   ↑  2024/02/04 (日)  カテゴリー: XBOX
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セルビア出身の科学者にして発明家ニコラ・テスラ。
かのエジソンの影に隠れてだいぶ割りを食わされてきたが、近年ではその業績が正当に評価されるようになってきた。
むしろこの人の不幸は実業家肌で陽のエジソンとの対比によって異端の科学者的なイメージを後世の人々に勝手に植え付けられたことではないだろうか。
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現にフィクション作品に登場するテスラは、だいたいがマッドサイエンティスト一歩手前の扱いばかり。
そこまで行ってなくともせいぜい「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクみたいな役割がほとんどである。まあドクも充分マッドサイエンティスト扱いのような気もするが。
そして太陽に近づきすぎて死んだイカロスの神話にちなむタイトルがつけられた、この『Close to the Sun』におけるニコラ・テスラの役どころも同様だ。
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公海に浮かぶ巨大船ヘリオス号。
そこはニコラ・テスラが全世界から優秀な科学者を招集したサイエンスユートピア。
妹の招きに応じて同船を訪れた主人公ローズの前に広がるのは、テスラの発明品に彫刻、肖像画。船内どこに行ってもテスラテスラの夢のテスラランド。ただし他に転がるのは死体ばっか!
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得体のしれない研究に、それを狙って送り込まれたエジソンのスパイを饗す拷問室などなど、ここでもマッドサインティスト扱い甚だしいニコラさん。
そんなニコラ・テスラの手のひらの中、妹の姿を探して右往左往するローズ。
だけど身に危険の迫るアクション要素は敵から逃げたり放電を回避したり程度のごく一部に留まり、のっぴきならない密閉空間でのサバイバル感はかなり薄めだ。
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探索が行動のメインとなり、手に入れた文書やなんやから物語の全容が明らかになるタイプのアドベンチャーゲームなのだが、その肝心な探索やバックグラウンドストーリーにあまり魅力を感じられないのが致命的。
正体の知れない相手からの無線にナビゲートされる展開も『Bioshock』のものまね感は免れないし、一言で言えば凡庸なADVなのだけど、そこに一点だけ個性を与えるのはやはりマッドサイエンティスト扱いなニコラ・テスラの存在なのであった。

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2024/02/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【モスメン 1966】Mothmen 1966

   ↑  2024/01/13 (土)  カテゴリー: Switch
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フラットウッズの怪物にホプキンスビルの宇宙人、ブラジルのSEXYエロ宇宙人に日本では介良の小型UFO捕獲事件など。
20世紀、特に1950年から70年代にかけてのエイリアンやUMAの目撃事例はファンキーで微笑ましいものが多い。
その中にあって、爛々と光る赤い目に巨大な翼の人形生物というベタな外見をしていながらも、どうにも座りの悪さを感じてしまうのが、ウエストバージニアの地方都市である一定の期間に目撃されたモスマンだ。
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数ある宇宙人遭遇譚の中でモスマンケースにだけ異質さを覚えてしまうのは、都市伝説性の強さや多くの犠牲者を出した現実の橋崩落事故とリンクされている経緯もあるが、やはりこの事件を追った「モスマンの黙示」という奇書と、それを原作とした映画「プロフェシー」の印象によるところが大きい。
リチャード・ギア主演の「プロフェシー」は、観終わった後に「……え? どういうこと?」と困惑してしまう奇怪な映画なのだが、これに限らずモスマンを題材とした映画は投げっぱなしで説明を放棄したような怪作が多いイメージがある。
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なんかもうモスマンに関するお話は整合性を無視してOKみたいな認識が、各界のクリエイターの間で共有されているんじゃないかと疑いたくもなるが、SwitchやSteamなどで配信されているこの『Mothmen 1966』をプレイすると、その疑念も一層強くなってくるのであった。
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「ピクセル・パルプ」を標榜する超自然ネタADV三部作の一つだが、そのビジュアル表現はありがちなレトロ志向ピクセルとは明らかに違う。
確かに絵作りやサウンドは80年代風ではあるものの、それが80年代ゲーム表現とはそぐわない緻密な描写や映画的なカット割りなどと混然になると、途端に時代を越えたオーパーツのごとき不気味な異型の印象を与えてくれる。
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この三部作は作品ごとにそれぞれRGB各色を強調した色使いが特徴なのだが、特にグリーン系を過剰に押し出した『Mothmen 1966』のカラー表現はより一層不気味だ。
1966年の夜、4人の男女が、モスマンを始め、しし座流星群、南北戦争の亡霊、メン・イン・ブラックといったタームを壊れたミキサーで雑然とシェイクしたようなお話に振り回される1時間強の短編アドベンチャー。
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そこにソリティアや唐突なゲームオーバー、必要性のまったくない簡易SLGパートにザ・ドアーズといった諸要素が、これまたなんの脈略もなく放り込まれプレイヤーをさらに困惑させる。
そしてモスマン系創作物の例に漏れず混沌としたストーリーは理路整然とした説明や解釈がないままぶん投げられるのであった。
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なんとも居心地の悪い、もやっとした感想がチャプターを進めるごとにどんどん段重ねになって一切フォローされないまま終わる、あまりにも釈然としない、そしてその釈然としなさにほのかな魅力を人によって感じたり感じなかったりする怪作。
映画「プロフェシー」と同じく、その曖昧模糊な話や映像表現に引き込まれつつも、結局は「……え? どういうこと?」という強烈な違和感ばかりが強く残るゲームなのであった。

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2024/01/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【A Normal Lost Phone】ありふれた落とし物

   ↑  2024/01/06 (土)  カテゴリー: PCゲーム
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個人の情報を漁る。それはどんな建前があろうとも後ろめたい行為だ。
そしてその背徳性こそが、個人情報収集系ゲームをプレイする大きな原動力であったりする。
これが現実であったら、たとえ他人のPCやスマートフォンを手に入れたとしても、その中身を詮索するのはさすがに憚られる行為であろう。
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そしてここにも持ち主不明のスマホが一つ。
やはり後ろめたくもあるが、この中身を詮索しないと話が始まらないし、そもそもこのゲームを買った意味がない。
だがデフォルトではWi-fiにすら繋がっていない状態。
Wi-fiのパスワード。その手がかりはオフラインで残されているメッセージログにあるのかもしれない。
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家族、級友、そして趣味(ボードゲーム)の友だち。
それらのメッセージのやり取りから明らかになる持ち主の名前はサム。
そして開かれるスマホのトップ画面に並ぶのは、天気予報にメール、ギャラリーに計算機に出会い系SNSのアイコン。ごくありふれた携帯電話のレイアウトだ。
試行錯誤の末にログインできた出会い系にはなぜかプロフィールが複垢で並んでいた。
ここを辿ることによりサムの人柄や抱えていた悩みが次第に明らかになっていくのだった。
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明確なヒントや導線が存在せず、データの総当たりに近い精査が必要なことに取っつきの悪さを感じるかもしれないが、買ったばかりのスマホという設定なのでデータ量自体はさほど多くないのが救いだ(全体のボリュームも短編小説レベル)。
そして辿り着く、他人の個人情報を覗き見る後ろめたさにピリオドを打ってくれる結末は、とても印象的。
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そしてスマホ内に残されている音楽ファイル(友人からのメールに添付されているものもあったりする)。
ゲーム中は疑似音楽プレイヤーアプリで、これらを任意に流すのがBGM代わりとなるのだが、この見知らぬ他人のプレイリストに聴き入る行為も、ささやかだけれどとても心に残るものだった。
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個人情報を詮索する背徳が因果応報的に主人公に返ってくる例が多い同種ゲームにあって、珍しくプレイ後に爽やかな余韻すら残してくれる一作。
開発元のAccidental Queensからは、本作のコンセプトをさらにブラッシュアップした続編『Another Lost Phone: Laura's Story』もリリースされている。

<未日本語化>

*関連ゲーム
【Doctor Who: The Lonely Assassins】ドクター・フー 孤独な暗殺者
【Replica】国家のためのストーキング
【SIMULACRA】スマホを拾っただけなのに

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2024/01/06 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Jessika】ジェシカ

   ↑  2024/01/04 (木)  カテゴリー: Switch
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革新的なスタイルは独自性を模倣するだけである程度成立してしまうがゆえに安易なクローンの追随が後を絶たない。
2015年の『Her Story』はフルモーションビデオとインタラクティブ性という、実は噛み合わせの悪い二つの要素を巧みにシンクロさせた傑作だが、そのシンプルな骨格をトレースしやすいことからか、やはり安直な追随者が湧いて出てくる。
このドイツ製FMV作品『Jessika』も、そんな一作だ。
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もしオレが死んだとき、遺されたパソコンを家族が開いてパスワードを片っ端から試し始めたら、ガッツで生き返り棺桶を蹴破って「おいやめろぉ!」と止めに入るに違いない。
それくらい個人的なデジタルデータは死んでも死にきれない代物だが、それでも遺族にとっては止むに止まれぬ思いで縋る故人の標なのだろうか。
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遺族からの依頼で故人のパーソナルデータをパソコンからサルベージする因業な仕事。それが本作でプレイヤーに与えられた役割だ。
自ら命を絶ってしまった娘、ジェシカの詳細を知りたがる父親からの切なる頼み。
それに応えるためにパソコンに遺された動画情報を辿る、PCのデスクトップ画面ですべてが構成されたアドベンチャーゲーム。
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すべての鍵となるはジェシカがセルフィーで収録したモノローグ動画の数々なのだが、これが『Her Story』などと比べると造り込みが非常に甘かったりする。
『Her Story』の取り調べ映像、『Telling Lies』のセルフィーに『Immortality』の映画メイキングなど、定評のある動画調査系のゲームは、そのムービーが収録されたシチュエーションとそれが残されたことにきちんと必然性が与えられていたが、本作のそれはゲーム側の都合により存在していることがあからさまな不自然なもの。
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少なくとも一個人がこのような形で自撮り映像を残すことはあまりにも考えられないことだろう。
この手のゲームは調査の対象となる動画のリアリティや迫真性が大きなキーポイントとなるだけに、その部分に歪さを感じさせただけでストーリーに対する興味は大きく損なわれてしまう。
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だからジェシカを取り巻く環境や陥っていく闇、そして背景となるネオファシズムなどの社会情勢との接点、そのどれもが取ってつけたような印象しか残さない。
そしてネガティブな印象はゲーム上のエフェクトなのかそれとも単なる不具合なのか判別のつかない不安定さや雑なローカライズにまで及ぶ。
逆説的に『Her Story』の緻密な構成や完成度を改めて思い知らされる、なんとも微妙なジャンル追随の一作なのであった。

この記事に含まれるtag : アドベンチャーゲーム 実写ゲーム 

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2024/01/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【よお、俺のビールはどこだ?】Dude, Where Is My Beer?

   ↑  2023/12/27 (水)  カテゴリー: Switch
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棚にぎっしり詰め込まれた6パックの段。圧倒的な物量に安心できるスーパーのビールコーナーは聖域だ。
ところが最近その神聖な場所でクラフトビールが少しずつその領域を広げつつある。
こっちがあたりめや柿の種なんかを用意しようものなら、「そんなもんと一緒に私を飲むつもりですか?」と不快感を露わにしそうなスカしたビールだ。
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今はまだ小賢しいやつらがウンチクと共にインスタに上げそうな存在に留まっているが油断は禁物だ。
飲み屋に入って「ビール!」と叫べば「あいよっ!」と生ジョッキが即座に出てくる当たり前が、いつ懐かしむ美しい過去となってしまっても不思議ではない。
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本作のオスロがまさにそうだ。
バーに入って「ビールちょうだい」の当たり前の一言に、「どのビール?」と返されて、地味な身なりのごく普通のおっさん主人公は困惑するのであった。
「黄色で透明で泡がたってる普通のビール」
「そんなもんないよ。あるのはクラフトビールだけ」
普通のビールの倍の値段して、そのくせへんちくりんな味のクラフトビールしかない地獄のような世界!
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かくしておっさんのごく普通なピルスナーを求めての、あちこちのバーを行ったり来たりする行脚が始まるのであった。
しかしおっさんはアルコールが入っていなければ人と話をできないほどシャイ(親近感バリ湧きだろ?)。
仕方なしにペールエールだのIPAだのを飲んでは無理やり酔っ払うのだが、そのたびに「ばあちゃんみたいな味」「古い下着の味」「腐った原油の味」と本音を漏らしまくる。
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そんな苦行を越えて会話に至る街の住人たちは、まあクラフトビールをありがたがるような連中だ。揃いも揃ってヒップを気取った奴らばっか。
そして連中以上におっさんを悩ませるのが古き時代のポイント&クリック式アドベンチャーゲームの作法。
要するにゲームにボリュームを持たせるのが難しかった時代に、異常に回りくどいパズルやフラグ立てを要求してエンディングまでの道を引き伸ばすやり口だ。
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そしてそんなルーカスアーツ的オールドスクールスタイルに対していちいち入る楽屋落ち的なツッコミ。こういうところもまたいにしえのルーカスアーツアドベンチャーっぽい。一刻も早く普通のビールを飲みたいおっさんとプレイヤーにとっては大迷惑だが。
そんな理不尽な難易度に加えて、これはSwitch版だけの問題なのか、言語を日本語にしていると特定の数カ所で強制終了くらうバグ付き(そしてこのゲームにはオートセーブ機能が無い。どれだけ悲劇的なことになるか分かるだろ?)。
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そんなわけでよっぽどのポイント&クリックADV好きでなければとてもオススメしづらい一作だけど、すっとぼけたユーモアや味のあるアートワークなどなど、これまた往年のルーカスアーツ作品を彷彿とさせる得も言われぬ魅力があることもまた確かだったりする。
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時にはWalkthroughサイトの力を借り、時には言語を英語に戻してバグ箇所を通過し、時には「こんなめちゃくちゃなアイテムの使い方なんか分かるわけねえだろ!」と憤りながら、オレは狭い街をめげずに彷徨った。
「いいからさっさと普通のビールを飲ませろ!」と、おっさんと100%のシンクロを果たしながら。
そのクリアのご褒美はもちろん、異様に麦っ臭くもフルーツの味もしたりしない、ごくごく普通のビールだ!(哀れおっさんのピルスナーは、出るのかどうかも定かではないTo Be Continueを喰らったが)

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2023/12/27 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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