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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Pocket Ants】蟻さんたちの受難

   ↑  2011/09/02 (金)  カテゴリー: iOS
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長い夏休みが終わって一番ホッとしているのは、雑木林や裏庭、公園なんかに棲息する虫たちだろう。
何故なら、子供という地球上でもっとも無慈悲な生き物の活動が鈍るからだ。
この凶悪な生き物に、その命を弄ばれる筆頭格は、何と言ったって蟻さんだ。
庭の片隅や公園の花壇で、蟻さんの巣や行列を発見するや否や、子供はその凶暴な牙を剥き出しにする。
おしっこを巣に注ぎ込むなんてのは、まだ可愛い方だ。
巣穴の上にデカい石を投下する。爆竹を仕掛けて吹き飛ばす。アロンアルファを注入する。一匹一匹ずつ、丹念にぷちぷちと指で潰す。軍事裁判にかけられたら絞首刑間違いなしな残虐行為が、夏休みのそこかしこで行われていたかと思うと総毛立ってくる。
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大人はそんな子供に対して、「蟻だって一つの大切な命ですよ」などと諭したりするが、当の大人自身が、蟻の命なんかこれっぽっちも大切だなんて思っちゃいないから、説得力なんてまるでありゃしない。
それどころか自分自身たちも、その昔は悪逆極まりない蟻さん虐殺の首謀者で、しかもそのことを「子供の頃、よく蟻の巣にちょっかいだしたなぁ」なんて誇らしげに回想するもんだから、タチが悪い。
「いやあ、思えば可哀想なことをしたよ」 ちっとも可哀想だなんて思っちゃいないクセに!
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蟻さんだって、あんな小さい体でも一つの大切な命。その小さな命を振り絞って、懸命に。実直に、そして健気に生きているのだ。
それを改めて教えてくれるのが、この蟻を観察するiPhoneアプリ『Pocket Ants』である。
黒蟻と赤蟻の比率や、行動の活発度、そして個体数などを自由に設定して、巣穴周りでこの小さく勤勉な生き物の生態を覗いてみようではないか。
まず取り出したるは虫眼鏡。これで蟻さんたちの様子をくまなく観察してみよう。………ちりちりちりちりとレンズによってブーストされた太陽光に焼かれる蟻さんたち。ごっめーん。虫眼鏡反対に向けてたわ。でもまぁ、こっちの方が面白いからいいや。
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ズラリと揃えられた観察道具は、石に、爆竹に、蜘蛛に、殺虫剤に、ミニ扇風機に、火炎放射器に、冷凍光線に、赤外線レーザーに、しまいにはミニニュークまで。
これに蟻をおびき寄せるスイカやイチゴなどもあったりするから、タチの悪さもひとしおだ。
子供の頃には考えられなかった、余りに豪華な蟻虐殺…、あ、いや、蟻観察道具の数々。俺がガキだったら、スイカやイチゴなんて、蟻にやるのなんか勿体なくて自分で貪り食ってるもん!
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何の罪もないのに、焼かれ、流され、凍らされ、吹っ飛ばされ、押し潰される蟻さんたち。
しかもこれらの行為は、まったく無目的で、無為に行われるものだから始末に悪い。
それでも巣穴さえあれば、蟻さんは後か後から這い出してくる。プレイヤーの暇潰しに弄ばれるために。
そしてこのアプリの何が一番タチが悪いって、蟻さんたちのうじゃうじゃした気持ち悪さが実物よりも過剰に再現されているから、これをぶちぶち潰していったって何の呵責も感じず、むしろ清々しいほどの爽快感が得られるってとこだ。

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2011/09/02 | Comment (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【NICEBODY オールスター水泳大会OFFICIAL CD-ROM】

   ↑  2011/09/03 (土)  カテゴリー: 3DO
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ついに今年の夏も、その番組は復活の兆しすら見せないまま終わってしまいました。
切なる願いが、こうもテレビ局に無視されるとあっては、私たちはいよいよお台場にデモを繰り出すという最終手段を執らざるを得ないでしょう。
もしその時が来たら、私の握りしめるプラカードには、こんな文字が力強い書体で書かれている筈です。「俺たちのオールスター水泳大会を返せ!」と。
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この夏の風物詩が、ブラウン管から姿を消して、もう長いことになります。
ゴールデンタイムのお茶の間に、大量の若い女性が半裸体できゃあきゃあする様が平然と流れ、その様子をお父さんと息子が目をぎらつかせて眺め、隣ではお母さんが額の血管をぴくぴくさせている。
かつての日本には、そんな心温まる家庭的な風景が、そこかしこにありました。
90年代初頭のアイドル氷河期と重なるようにして、各局が競って放映していたアイドルたちの水着バラエティ大会は序々に姿を消して行ってしまいます。
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今ではそのコンセプトを流用した番組が、たまにスカパーなどで放映されたりもしていますが、私が観たいのは、そんな半年後にはMUTEKIのビデオに出演しているような、名前も聞いたことのないグラドルの水泳大会ではありません!
私が今、フジテレビに強く望むのは、程良く熟れたかつてのアイドル水泳大会常連たちが、崩れかかったボディラインも露わに出演する「ドキッ!丸ごと水着!熟女だらけの水泳大会」なのです。
西田ひかる! 田村英里子! シェイプUPガールズ! 早見優! CoCo! CCガールズ!芳本美代子! そして堀ちえみ!
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ああ、私は今の堀ちえみなら、それだけでもうご飯を5杯くらいおかわりできますとも!
そんな堀ちえみの熟しに熟しきった肢体を拝むためにも、「フジはオールスター水泳大会を復活させろー!」 (復活させろー!) 「復活させろー!」 (復活させろー!) 「ギブミー堀ちえみ-!」 (堀ちえみ-!)
<この日、お台場のフジテレビ社屋を包囲したデモ隊の数は、30万人を優に超えたという>
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過去の人気バラエティ番組が、次々とソフト化される中にあって、この「オールスター水泳大会」だけは、さっぱりとその兆しがありません。
これは出演するタレントが余りにも膨大な数に上り、しかもその中には過去の水着仕事に今さら触れて欲しくない人もたくさん居るでしょうから、まぁ仕方がないところがあるかもしれません。
もし「オールスター水泳大会DVD-BOX ポロリも山ほどあるよ!」なんてボックスセットが出たら、私は間違いなく購入するのですが、あいにく過去に遡っても、このコンテンツはビデオソフト化すらも為されたことがないのです。
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その幻の「オールスター水泳大会」が、ただ一度だけソフト化されたことがありました。
水着だらけのアイドルたちが降臨したのは、我らが3DO!
嗚呼、3DOを買ってついに報われる日が来ました! そう涙したのも、ほんの一瞬のことでした。
「オールスター水泳大会25年の集大成!」 そんな触れ込みのもと、フジテレビ自らがリリースした「NICEBODY オールスター水泳大会OFFICIAL CD-ROM」ですが、その建前とは裏腹に、収録されている「オールスター水泳大会」の映像は、ほんのちょっぴりだけ。
1編30秒にも満たない細切れで、しかもVHSビデオ以下のぎとぎとで汚いムービーばかり(しかもポロリは一切無し!)。
しかもこれらは、いちいちスロットマシンで貯めたクレジットで、アンロックしなければ観ることができないのです。
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「フジにいきなりゲームは作れないので、こんな形になりました」
当時の担当者は、その様に語っていましたが、だったらスロットなんか入れずに、普通にビデオCDとして出してくれや!
スロットモードの他に収録されているのは、水着美女大図鑑 '95インタラクティブと題された、新人アイドルやキャンギャルたちのデータベース集。
当時は余計なもんを入れやがってと不満の対象だったこのデータベース集ですが、井上麻美のようにゲームでデビューした人、谷口あゆみや森本智恵子ら、後にゲームに出演する人。さらには名前は出しませんが、大ブレイクを果たした後に、この頃のキャリアを抹消している人なんかも居たりして、今見るとなかなか興味深かったりします。

この記事に含まれるtag : タレントゲー マルチメディア 

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2011/09/03 | Comment (5) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Fallout: New Vegas】追加シナリオ、Honest Hearts

   ↑  2011/09/04 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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どんな地域にも必ず1人は"伝説の不良"が居る。
居ると言ったって、顔を見たことのある奴なんかいやしない。ただ、その過剰にデフォルメされた武勇伝だけが、延々と語り継がれている存在だ。
「うんこ座りしている集団の中に車で突っ込んで、5人くらい撥ねた」「喧嘩相手を4階の非常階段踊り場から放り捨てた」「土下座して許しを請う相手の脚を車で轢いて、膝をぐちゃぐちゃにさせた」などなど。
ところが、「じゃあ、その××先輩って、今どうしてんの?」と尋ねると、「札幌でヤクザをやっているらしい」とか「傷害で懲役くらって塀の中に居るらしい」だの「東京湾に沈んでいるらしい」などと、曖昧模糊な答えが帰ってくるばかりだ。
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そんな存在するかも定かでない"伝説の不良"が、モハビ・ウェイストランドにも居た。
モハビの各勢力を、BE-BOP HIGH SCHOOLに当てはめると、シーザー・リージョンは戸塚水産に該当するような最凶悪派閥だが、そんな気合いの入ったリージョンの連中ですら、その人物の話が出てくると、途端に落ち着かなくなる。
「バーンドマン先輩、っぱねえっすよ」「あの人、マジで洒落になんないっす」「でもバーンドマン先輩って、もう生きちゃいねえんだろ?」「いや、生きてるらしいぜ。この前、駅前のドムドムでエビカツバーガー食ってるとこ見たって奴が居るもん」「うっそ、まじ!?」「それでうちの奴ら見かけると、片っ端から締めてるらしいぜ」「やっべえよ、それ。気をつけよ」
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リージョンすらもビビらす"伝説の不良"ジョシュア・グラハム。
かつてシーザー・リージョンの最前線指揮官として勇名を馳せたが、フーバーダム攻防戦での敗北の責任をとらされ、シーザーにより全身に火をかけられ崖から放り捨てられた。
しかし、全身を焼かれながらも身じろぎ一つしなかったグラハムの最期は、やがて焼け爛れた体で生き延び、シーザーへの復讐を虎視眈々と目論む"バーンドマンの伝説"として、リージョン兵たちの間で密かに語り継がれるようになったのだ。
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そして俺は今、そのバーンドマンの伝説を追って、モハビから遠く離れたここ、ユタ州のザイオン国立公園に居る。
ま、実のところはバーンドマン云々とは関係無しに、ハッピートレイルというキャラバンの護衛を請け負ってここまで来たのだが、こいつら、名前とは裏腹にアンハッピーな連中で、来た早々俺を残して全滅してしまいやがった。
そんなワケで、何のしがらみも無しにバーンドマンの伝説を追える。浸食された砂岩で赤く染められたザイオンの絶景を前にする俺には、きっと水曜スペシャル風のの煽り字体で、こんなテロップがかかっていることだろう。
「ザイオンの秘境に伝説のバーンドマンを見た!」と。
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………ものの5分も経たないうちに、その伝説にあっさり会えた。もっと引っ張りに引っ張ってくれるもんだと思い込んでいて、拍子抜けしている俺の前に、その全身に包帯を巻きつけた男は静かに佇んでいた。
自動車修理工場を営んでいるとか、子だくさんの父親になっているとか、"伝説の不良"とやらに実際に会ってみると、虚像とのギャップに思わずずっこけたりするもんだが、このバーンドマンも、噂とは裏腹に落ち着いて静かな人物だった。
俺はてっきり、「バンボロー!」と叫びながら、巨大ハサミを振り回して人々を見境なく殺し回るような人間を想像していたのだが、まぁ伝説ってのは得てしてこんなもんなのだろう。
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そして俺がこの風光明媚なザイオン峡谷で巻き込まれるのは、この地に古くから住む二つのアメリカ先住民族たちの争いと、バーンドマンことジョシュア・グラハムと、その盟友であるダニエルという宣教師の静かな路線対立。
このユタの地は、モルモンこと末日聖徒イエス・キリスト教会の総本山だった場所。そう、ダニエルはモルモン教の宣教師なのだ(こいつに酒や薬中毒の治療を依頼すると、すごい嫌な顔をするw)。
モルモンとザイオンの先住民族との繋がりは古い。ユタに入植したモルモン教徒たちは、先住民族にモルモンの教えを説き、その一方でモルモンの入植は、それまで静かに暮らしていた先住民たちに騒乱という厄災を持ち込んだ。
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この『Fallout: New Vegas』の追加シナリオ「Honest Hearts」で綴られるのは、そんなユタの歴史の再現なのだ。
ダニエルの立場を知れば、彼の今ひとつの煮え切らなさ、事なかれ主義、平和を理想とする信条や、信仰と先住民の狭間で葛藤する心境などが理解できるだろう。
そしてやはり信心深い男だが、ダニエルの信教とはやや一定の距離を置くジョシュア・グラハム。
ジョシュアはヨシュア。グラハムは福音派の著名伝道師ビリー・グラハム。彼の名前がキリスト教と深い関係であることは、果たして偶然なのだろうか。

この記事に含まれるtag : FallOut 

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2011/09/04 | Comment (3) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【PAQA】毒舌ポケステ生命体

   ↑  2011/09/06 (火)  カテゴリー: PS1
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名実共にSCEを代表するキャラクター井上トロですが、その影には数多の看板になれなかったキャラクターたちが存在します。
契約社員的なポジションで初期プレイステーションの顔になったクラッシュ・バンディクーから、SAE、CHIE、ERI(3人合わせてSCE!)のSCE三姉妹まで。
そしてここに、トロと並んでポケットステーションの牽引を期待されながら、トロのようなSCEの看板はおろか、ポケステの役にすら立てなかったキャラクターが居ます。
その名はハンペン星からやって来た宇宙人のパクァ。
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あのトロと共に、ポケステ普及二面作戦の一方を任されながらも、野球の助っ人外国人で例えるならディアーやインカビリア級の大期待はずれに終わってしまった、この小さく薄っぺらい宇宙人は、生身では地球の環境に耐えられないので、外出時は常にポケステを体に着込んでいます。
どこでもいっしょ』と同様に、このポケステで持ち出した生物と様々なコミュニケーションを取り、親睦を深めて行くゲームなのですが、その記念すべきファーストコミュニケーション時の、こいつの第一声ときたら「なんだこの野郎!」 ……貴様は荒井注か!
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思えばトロは、"こちらが苛つく微妙に一歩手前"の、実に絶妙な性格設定が為されていましたが、それに比べてこちらはとんでもないコミュ能力ゼロ野郎です。
本人は毒舌キャラを気取っているつもりでも、周りからすれば単なる鬱陶しい、社交能力が欠如しているだけにしか見えない人というのは、現実社会やネット界隈でもよく見かけたりしますが、このパクァはまさにそんな奴。
「一見口が悪いけど、深く付きあって行けば、結構いい奴だったりするんですよ」
そんなコンセプトに基づいた性格付けなんでしょうが、あいにくと私は、毒舌屋気取りのクセにボキャブラリーやウィットに乏しいこんな野郎と、深くお付き合いするほど、お人好しでも忍耐強くもありません。
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しかし、こっちにその気がなくとも、向こうの方はこちらに絡んでくる気が満々です。
ほんのちょっとの間、放置しておくと、こいつは「おーい! おーい! おーい!」(CV. 矢島晶子)と声を上げ、構ってくれと要求してくるのです。。
仕方なしに相手をしてやると、「あんたの彼女、すごく不細工なんだろうな!」などと言い垂れる始末。
あまりにもやかましく鬱陶しいので、ポケステの電源をオフにしようにも、そんな機能はどこにもありません。
こいつをポケステにダウンロードしたが最期、ずっと電源は強制的にオンになったまんまの状態。。
ムカつくだけでなく、電池まで無理矢理こいつに使いっぱなしにされるのです。なんでこんな目に遭わなくちゃならないんでしょうか。
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時には慇懃無礼で、時には粗野。またある時は馬鹿丁寧と、このパクァはその性格がまったく一定しません。
口が悪く、そのくせ構ってちゃんで、なおかつエキセントリック。こんなコミュニケーション能力の欠落した野郎と、コミュニケーションを深めて行くゲームなど、何かの悪い冗談にしか思えません。
さすがにやっていられなくなったので、部屋の片隅でか細く「おーい! おーい!」と声を上げ続けるパクァをずっと無視していたら、いつしかこいつの声がぱたっと途絶えていました。
静かになったポケステを調べてみると、そこには何も映らなくなった液晶画面があるのみ。
パクァ、死亡。死因は電池切れによる餓死。最期のあたり、いつにも増してしつこく声を上げていたのは、もしかして空腹を訴える悲鳴だったのかもしれませんが、例えそうであったとしても、こちらの心はさっぱり痛まなかったことは、言うまでもないでしょう。

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2011/09/06 | Comment (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Mortal Kombat Arcade Kollection】実写取り込みの衝撃

   ↑  2011/09/08 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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今までXBOX360コントローラーの十字キーに不満を感じたことは殆ど無かったんですけど、先日『Mortal Kombat Arcade Kollection』を遊んでいて、やっとこれに対する悪評が実感できましたよ。フェイタリティが、さっぱり出せねえ!
まぁこの十字キーって、格闘ゲームでも遊ばない限り滅多に触らないものですから(たいていのことは、あのレスポンス抜群のアナログスティックで、どうにかなる)、格ゲーに縁のない者は、なかなかその不便さに気付きにくいんですけどね。
もう何年も毎日のようにXBOX360を稼働させていますが、このハードで格闘ゲームをきちんと遊ぶのは、実はこれが初めて。
それくらい格闘ゲームと全く無縁な私です。もちろんゲームセンターが格ゲー一色に染まっていたときでも、それらをやり込むことなど殆どありませんでした。
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そんな私が、唯一心を奪われた格闘ゲームがあります。
それを初めて目にしたのは、確か八王子にあったゲーセンだったでしょうか。「ハドーケン! ハドーケン!」のかけ声がやかましく響く片隅に、そのアップライト筐体は忽然と姿を現したのです。
おどろおどろしいデザインが施された筐体から突き出ているのは、まるでドライバーのグリップみたいな形をしたアメリカンスタイルのスティック。
筐体に踊るMidwayのロゴに惹かれて画面を覗き込んだ私は、そこで繰り広げられる頓狂な世界に、思わずポカンとなりました。
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そこに動くのは、ドット絵で描かれた和製格闘ゲームのそれとは明らかに一線を画する、なめらかに、そして時にはぎこちなく動く、実写取り込みのキャラクターたち。
そのゲームの名はモータルコンバット。あまりにもインパクト抜群のビジュアルに、くらくらする私でしたが、しかし周りのスト2や餓狼伝説に興じる人々は、あまりにも異質な空気を振りまくこの外国からの闖入者に対して、胡散臭いものを見るかのような視線を送り、ただ眉をひそめるばかりでした。
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モーコンというと、常に残虐描写やフェイタリティのことが語られがちですが、私にとってモータルコンバットのファーストインパクトは、フェイタリティではなく(そもそも最初の頃は、フェイタリティの出し方なんて誰も知らなかった)、あくまで実写取り込みのキッチュなビジュアルでした。
しかしこの実写取り込みという、モーコンの魅力の一面は、何故かコアなモータルコンバットファンからも軽視されているような気がします。
モーコンは生みの親のMidwayが潰れてからも、他社に受け継がれ現在も脈々と続くフランチャイズですが、その歴史の中で大きな転換点がありました。
1997年に登場した『Mortal Kombat 4』から、シリーズはそれまでの実写取り込みキャラを捨てて、ポリゴンキャラによる格闘ゲームへと変貌を遂げたのです。
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私はこのポリゴン化以降のモーコンが、あまり好きではありません。ポリゴンキャラによって繰り広げられるフェイタリティは、実写取り込みキャラによる、あの底抜けの残虐さと馬鹿馬鹿しさが同居したフェイタリティに比べると、とても陳腐に見えてしまいます。
いかに美麗なCGで、相手の脊髄を引っこ抜いたり、上半身を引き千切ったりする様を見せられようと、今時のCG満載な映画を観させられて、どことなくどっちらけるのと同じ気分になるだけです。
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実写取り込みのフェイタリティには、人がまだ生身に申し訳程度の特撮を交えて映画を撮っていた頃のような味わいがあります。
モーコンだけではありません。キャプテン澤田のハラキリ、『大江戸ファイト』の地蔵、『ツインゴッデス』の微妙なお姉さんたち、制作者自らが調子に乗ってキャラを演じた『ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー』(後に大出世を果たした彼は、このゲームをなかったことにしています)。モーコンの素晴らしきフォロワーたちの魅力は、すべて実写取り込みに依存するものです。
この実写取り込みという見目麗しき表現方法が、本家モーコンの路線転換と共に衰退してしまったのは、とても残念なことです。
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今回XBOX LIVEアーケードで配信された(ただし日本では未配信)『Mortal Kombat Arcade Kollection』は、実写取り込み時代のモーコンを一つにまとめたコレクション。
収録されているのは、モーコン1と2、それに3のバージョンアップ版であるアルティメット・モータルコンバットの3つ。
元々ヤケクソなゲームなのに、さらにヤケクソなキャラをどんどん追加して(3にそれは顕著だ)、さらにヤケクソ化する一方で、ゲームバランスやビジュアルがそれなりに洗練されていくなど、モーコンなりの進化の過程を、これで一度に確認することができます。
オンライン対戦はラグが酷くて、国境を越えた殺戮の宴には程遠い有様。ファン向けコレクション以上の意味を見いだすのは、ちょっとキツイかもしれませんね。

<日本未配信 / ダウンロードには海外タグが必要です>

この記事に含まれるtag : ミッドウェイ 

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2011/09/08 | Comment (3) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |