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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Blind Drive】ブラインドドライブ

   ↑  2021/03/23 (火)  カテゴリー: Android
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いくらカネに困ったからといって治験や科学実験のモニターの類には手を出さないほうが懸命だ。
さもないとドニーのように車のハンドルを無理やり握らされるハメになる。
いや、普通に運転させられるだけなら、そりゃ構わない。
問題は今のドニーは完全に目隠し状態にされて、周囲の様子なんかまるで見えやしないってことだ。
そんな状況にも関わらず遠隔制御された車は勝手に走り出す。
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こんな無茶ぶりにいくら抗議の声を上げようと、サイコパスじみた喋りの依頼主はどこ吹く風だ。
「お前には耳がついてんだろ?」
「耳!? ……ああ!」
「じゃあそれを使え」
「はぁ!?」
ヘッドフォンの左側から響いてくるのは、クラクション鳴らしながら接近する対向車のエンジン音。
慌てて右にハンドルを切ると、対向車の音はあっという間に後方に遠ざかってゆく。
「上手いじゃないか」
そういう問題じゃないだろ!
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これも言わば一種のランゲーム。この『Blind Drive』は基本オーディオだけで進行する、世にも稀なランゲームの突然変異種なのだ。
画面に表示されている情報は、ライフにスコア、走った距離数、そしてハンドルの位置を示すバーだけ。
目隠しされているドニーは聴覚情報のみを頼りに他の車両を避け続けて、この狂気のドライブをひたすら続けなければならない。
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3回事故ってしまうとゲームオーバー(チェックポイントからコンティニューは可能)だが、ライフ数を回復する手立てもないわけじゃない。
チリンチリン。あ、左の方から自転車の音だ。
「ハンドル左に切れ」
「え?」
ガシャン! 即座に回復するライフポイント。
「よくやった」
いや、確かにチャリは邪魔だなとは常々思ってはいたけど、そこまで憎しみを抱いていたわけじゃなよ!
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慣れたくもないのに次第に上達する目隠し運転。
その上を行くように謎のクライアントの無茶ぶりもどんどんエスカレートする。
「じゃあラジオでも楽しんでくれ」
♪じゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃかじゃん!!!!
うるせえええええええ!! 他の車の音が聴き取りづらくなるだろうが! ああ、分かっててやってんだろうな、こん畜生!
ラジオが止まっても油断はできない。今度は勝手にウインドウを閉じやがった。だから聴こえなくなるっつってんだろうが!
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さらには車内に飛び込んできたハエ、牛の群れ、雷雨、水の中に突入と、次々に立ちはだかる試練はドニーに休み間を与えない。
♪ぱーぷーぱーぷー
そしてこの音は……、ああもう考えなくても分かるよ。パトカーだろ!? 追われてんのかよ、おい!
オーディオのみにも関わらず盛り込まれたイベントは盛りだくさんだ。ドニーにとってはとんだ災難だが。
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音を頼りにひたすら何かを避け続ける。プレイヤーに与えられた課題はシンプル極まりないものだが、これが実に緊張感に溢れていてモチベーションをまったく途切れさせない。
そしてインタラクティブな避けパートと並んでプレイヤーを飽きさせないのは、ユーモアたっぷりのオーディオドラマ部分だ。
ゲームコンセプトの建前上、日本語を含めて字幕の類は皆無だが、オーディオオンリーということもあってセリフは比較的聞き取りやすいものとなっている。
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衝突時や特殊なシチュエーションに突入したときなどには最低限のビジュアル演出が挿入されたりはするが、しかしこのゲームは目をつぶるなどして視覚情報を一切遮断した方が面白いことは確かだし、また不思議なことにミスも少なかったりする。
英語聞き取り必須ということで手を出しづらいかもしれないが(日本語版を出すにはオーディオパートをまるまる吹き替えする必要があるだろう)、そのハードルを乗り越える価値は充分にある。
視覚障害者もプレイできるゲームとしての側面も兼ね備えた、タイトながらもやり応え満点の野心作だ。
Steam版もあるが、環境的にはやはりAndroidかiOSがベストなタイトルかもしれない。

<日本語未対応>

(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2996.html

2021/03/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【テクテクライフ】街歩きの水先案内人

   ↑  2020/10/08 (木)  カテゴリー: Android
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地図ってオレにとってはもうそれだけでゲームみたいなもんである。
ちょっと遠出を予定しているとき、Google Mapで下調べしているだけで時間を永遠に潰せそうな気がするし、そこから帰ってきたら帰ってきたで、Google Mapとそのタイムライン記録を眺めて思い出を反芻するだけで、これまた永遠に時間を潰せそうな気がする。
月イチでGoogleから送られてくるタイムラインのハイライトも大好物だ。今月はこことこことこんなとこに行った。そしてまだこの世にはオレが訪れたことのない地が山ほどある!
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だから地図情報とGPSと自分の脚をリンクさせた位置ゲームなんかは本来嗜好のピンポイントであるはずなのだが、しかしどハマリした『Ingress』を別にすると、メジャーどころのほとんどは期待はずれなものであった。
モンスターの捕獲であったりとかRPG風の戦闘であるとか、既存のゲームのシステムを現実のフィールドに持ってきただけのそれらからは、位置情報ゲームの本来の魅力であるジオグラフィーの愉しみがほとんど伝わってこなかったのだ。
『テクテクライフ』の前身である『テクテクテク』も、そんな期待はずれな位置ゲーのひとつであった。
"地図をひたすら塗り潰す"を基本としたそのコンセプトは大変魅力的ではあったのだけど、装飾となっているRPG要素やドワンゴのテイストがまったく馴染めずアンインストールしてしまった。
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オレは一般のビデオゲームでもワールドマップを頻繁に呼び出す作品は大好物だ。
そのマップを移動でちまちま塗り潰す作業などは、もう猿のように熱中してしまう。ベセスダのRPGやUBIの『アサシンクリード』、中でも記憶に鮮明なのは『Test Drive Unlimite』でオアフ島中の道路を塗り潰す作業だ。
あれはもう全部の踏破を先延ばしにしたくて、できるだけダラダラとプレイしていたほどだ。
『テクテクテク』も移動でマップを塗り潰してゆく行為はホント楽しかった。そしてRPG風の戦闘やポプテテピックやキズナアイのタイアップキャラと出会すたびに、なんでシンプルにマップを塗るだけで完結してくれないんだろうと地団太を踏んだのだった。
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嬉しいことにこの考えは開発者側にも共通していたらしく、『テクテクテク』は『テクテクライフ』と名を変えてまさかの再始動を果たした。それも理想的な形で。
RPG的な要素は一切排除。ただシンプルに移動した地域が塗り潰されるだけのシステム。
実際に街なかに繰り出す位置ゲームは、街を歩く行為そのものが愉しみの根幹になっているはずだ。
そこにあまりにも過剰なゲーム性は邪魔になることもなる。オレは『Ingress』ですらも、リンクやグリフハックといった作業が時として鬱陶しく感じることさえあった。もっと何も煩わさせられずにガシガシ街を歩かせてくれ!
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『テクテクライフ』にはそんな煩わしさがほとんどない。
スマホの画面に眼を落とす回数を極力最低限にして街を歩くことができるし、なんだったら有料コースに含まれているバックグラウンドモードを使えば、スマホをまったく気にする必要すらなくなる。家に帰ってからその日の行動を反芻しながら、移動した範囲をのんびり塗りつぶせばいいだけだ。
このバックグラウンドモードは電車で移動しているときやドライブなどでは、さらにその真価を発揮するだろう。
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スタンプラリーモードの淡白さ、チェックポイントの少なさ、一度通過済みの地域に対する再訪のモチベーションなど、まだまだ発展途上な側面はいくつかあるけれど、地図を塗り潰す基本コンセプトのシンプルでしっかりとした面白さがあるからには、それらの充実を焦って待つ必要もないだろう。
外を出歩くためのきっかけ、街を歩くときの補助ツール。それがオレの理想の位置ゲームの形だ。
なにげない地方都市、このきっかけが無かったら一生降りることがなかったであろうベッドタウン駅。『テクテクライフ』があればそんな地域を歩くのも俄然楽しくなる。
まだ見たことのない場所やユニークな情景に出会うための水先案内人、さあ、今日も『テクテクライフ』と共にテクってテクってテクりまくるぞ。

(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2943.html

2020/10/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Ingress】ドローンで目指すホーム開幕戦

   ↑  2020/06/20 (土)  カテゴリー: Android
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位置ゲームの中興の祖として一時代を築きながらも、いまではNianticの中でも『Pokémon GO』の前に影は薄れ、"創業期の屋台骨としての業績を評価され名誉職に祭り上げられているベテラン"みたいなポジションにすっかり落ち着いてしまっている『Ingress』。
とは言えいまだに現役であることに変わりはなく、なんだかんだでマイナーチェンジは継続して施されている。
そしてつい先日にもドローンモードと呼ばれる新たな要素が付け加えられた。
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その場にいることを前提とした『Ingress』と遠隔操作のドローンは本来相容れない関係だ。
しかしCOVID-19の影響による世界的なステイホームの動きが、その認識を変えた。
ドローンモードはポータル間に擬似的なドローンを飛ばすことができるシステム。家にいながらにして遠隔地のポータルにアクセスできる、まさにコロナ共存時代の新しいイングレスの形だ。
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当たり前の話だがドローンによるポータルハックで可能なことは限定的。
攻撃はできないしハックしてもポータルキーは出現しない。コントロールフィールドの製作や破壊に関するようなことは一切オミットされている。
その代わりに離れた見知らぬ地をカジュアルに目指すことができるこのモードは、『Ingress』の地理ゲーム旅ゲームとしての側面と魅力を改めて気づかせてくれるのだ。
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ドローンが一回で移動できる距離は約500メートル。そして移動のたびに1時間のクールダウンタイムが入る。
そして移動の対象はもちろんポータル依存だから、その土地その土地のポータル配置がどのようになっているかにも影響される。
まぁ感覚的には短い距離を繋いでゆくヒッチハイクみたいなもの。
これにより『Ingress』には倦いていたけど家にいることにはもっと倦んでいた倦怠期エージェントたちは、まるで暇と青春18きっぷを手にした学生のように、再びにわかに盛り上がりをみせているのだった。
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そしてヒッチハイクには危険が付き物。疑似ドローンの旅も決して盤石なものではない。
ポータルが陣営を問わず色が変わってしまうと、その場に滞留しているドローンも墜落扱いになって持ち主の手元に戻ってきてしまう。
これにより低レゾ一本差しポータルや、人通りが多くてころころ色が変わるようなポータル密集地にドローンを留め置くのは、なかなかスリリングな行いとなっている。数日かけて辿り着いた先で落とされた日には、泣くに泣けない話である。
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そんな撃墜のリスクにハラハラしながら、バーチャル外出の感覚でオレは「行きたいけど行けない、いや、行こうと思えば別に行けないことはないんだけど、いま行ったってしょうがない場所」を目指す。
なんだそりゃと言われそうだが、ずばり野球場だ。
いつものシーズンより遅れに遅れてプロ野球がついに昨日開幕した。
しかしコロナの影響により当面は無観客の開催。各球団はそれを補うためにあれやこれやの策を打ち出しているが、我らが千葉ロッテマリーンズの場合はリモート応援チケットというものがある。
これはスタンドで試合を観る代わりにグッズやら観戦証明書なんてものを送ってくれるサービス。
どこのチームのファンだって地元開幕試合は特別なものだが、今年ばかりはこれはリモートだ。
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今年の幕張地元開幕は6月23日火曜日のオリックス・バファローズ戦。
リモートチケットは買った。あとはバーチャルドローンをこの日までに幕張のマリンスタジアムに辿り着かせる。
いつもは中央線と京葉線を乗り継いで向かう気長な海浜幕張への道のりだが、今回はドローンでポータルを乗り継ぐさらに気長な旅。
せっかくだからまずは狭山湖を超えて第二のホームとも言える西武ドームに挨拶して、そこから西武池袋線沿いにずーっと東に移動して、オレのドローン現在ようやく豊島区あたり。
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ドローンから眺めるのは見慣れないポータルの群れや勢力配置ばかり。バーチャルの遠出もどうしてなかなか興味深くて面白い。
こっから先はドローンにとって鬼門とも言える都心のポータル密集地帯。
それを超えて埋立地沿いを移動すればようやくやっと海浜幕張だ。まだまだ先は長いぜ。

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2020/06/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Curse of the Pharaoh】命がけのマッチ3パズル

   ↑  2019/09/21 (土)  カテゴリー: Android
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またしばらく更新ご無沙汰していましたが、ええと、ぶっちゃけ入院してました。
早い話が開腹手術を受けていたんですけど、無事に成功して数日前に退院して、いまはなんとか『Borderlands 3』にうつつを抜かせています。
言ったろ、ボダラン3を遊ぶまでは絶対死なねえって!

まぁ一口に入院だ手術だと言っても人間年を取れば辛抱がきかなくなってきますから、若い頃に比べればその辛さは二乗三乗されてくるわけですよ。
手術の間は全身麻酔かかってるからキツいもなにもないんですけど、問題はその後。
目が覚めたら病室のベッドの上で、点滴やら導尿の管やら足を縛り付けるなんだかワケのわかんないもの(後にこれはエコノミー症候群予防のための空気ポンプとそのチューブだと判明)でがんじがらめ、身動きひとつとれない。

それでも夕方のうちは、まだ麻酔が残ってるのか、少しうつらうつらできたんですけど、日が落ちてきた頃になると麻酔が覚めた反動で逆に目が異様に冴えてくるようになってきました。
飯も食えない、水も飲めない、それどころか身動きできない。その中で意識だけめちゃくちゃ冴えているってのは、そりゃもう皆さんが想像する以上に辛いもんですよ。

折しも夕食タイム。配膳ワゴンが「♪ぴんぴろぴんぴろぴんぴろりん」と、人の神経を逆なでする間抜けな音を立てながら廊下を行き来します。
そしてオレの前を当然のごとくスルーして同室の入院患者のもとに配られる夕食のお盆。
前日に食べたときには(なんだこのしょぼい飯は!)と内心で毒づいていた病院食ですが、いまのオレにはそれが満漢全席よりも豪華な膳に見えます。
いや、飯とは言わない。せめてお茶の一杯でも。口ん中がカラカラで唇もボロボロなんですよ。
心の中とは言え、ショボいとかマズいとか文句言って正直スマンかった。オレはもう今後二度とありがたい食事に対してケチをつけるようなことはしません!

そんな誓いでそれなりに盛り上がった夕食タイムも、「♪ぴんぴろぴんぴろぴんぴろりん」と遠ざかっていく配膳ワゴンと共に瞬く間に過ぎ去り、再び静寂が訪れる病棟。
見上げるのはなんの代わり映えもない天井。カーテンのレールにフックがいくつ付いているか数えてみたりもしたけれど、それも暇つぶしの作業としては明らかに限界がある。
消灯前に点滴のチェックに来た看護師さんに、できる限りの哀れっぽい声で「いつになったら動けるようになるんですかねえ」と尋ねてみると、朗らかな声で「すぐですよ」
「え、すぐ!?」
「ええ、明日の先生の回診のあと、おしっこの管と足は外せます」
「回診って何時頃なんですか!?」
「明日の10時過ぎくらいですね」
……ってことはあと15時間後。それをすぐとは言わねえ!
いや、消灯で寝て朝起きて、それからならすぐなんだろうけど、いまのオレはあまりにも目が冴えすぎていて、クロン・グレイシーにチョークスリーパーかけられても意識を失いそうもねえ!

夜9時、消灯時間。常夜灯がほのかに光る中でなんとか眠ろうと様々なチャレンジを試みた。
ヒツジも数えた。ヤギも数えた。アフリカイボイノシシも数えた。どの動物もことごとく役たたずだった。
ただ時が早く過ぎるのを悶々と祈っていても、消灯からおそらくまだ30分も経っていない。
もうなんもやることがない。寝返りすらうてない中で口の中の渇きと傷口の痛さが刻一刻と辛くなってゆくだけだ。飯の食いたさでそれなりに気が紛れていた夕食タイムが懐かしい。
気を紛らわす? そう、世の中にはそれに特化した素敵なガジェットがあったではないか。
その名はスマートフォン。ああ、しくじった! 手術室に連れて行かれる前に、あらかじめ枕の下にでもスマホを置いとくべきだった!

なまじスマホに心をときめかしてしまったばかりに、アレさえあればTwitterもできるのに、Webも見れるのに、YouTubeで動画見たりSpotifyで音楽聴いたりもできるのに、マリーンズスターカードのデイリーボーナスも受け取れるのにと、一層悶々とするハメになってしまった。
(スマホ、スマホ、スマホ、スマホ)と心の中で念じてみても、時が早く過ぎ去るわけではない。
同室の中で一番遅く就寝する人が枕元の灯りを消したようだ。ってことはまだ11時。宵の口もいいところだ。これから夜はひたすら長い。
ここまでよく頑張った。でももう肉体的にも精神的にも限界だ。

オレは決意した。なんとしてでも回診までの残り約10時間を潰すための道具、スマホを手に入れる。
スマホは確かサイドテーブルの二段目の引き出しに入れてあったはずだ。
ずるずると少しずつサイドテーブルに一番近い場所にまで身体を移動させる。足元のチューブが伸びてぎゅいぎゅいと悲鳴をあげ切ったばかりの傷口がズキズキ痛むが、そんなもんに構ってはいられない。
ベッドの格子の間から手を伸ばす。引き出しに手がかかった。窪みに人差し指をかけ、なんとかそれを開ける。

ここまではなんとか上手くいった。しかし引き出しの中で手の届かないところにスマホがあったら、そこでオレの企ては頓挫だ。
もうこれ以上身体は動かせない。いったん希望を見出してしまっただけに、手に入らなかった時のダメージはめちゃくちゃ重そうだ。
引き出しの中を精一杯に伸ばした指先で探る。スマホの手触りはない。やっぱりダメなのか。そう心が崩れ落ちそうになったとき、指の先端が紐状のなにかに触れた。
これは、……スマホのネックストラップだ!

しかし今は辛うじて指先がストラップの太い紐の端っこにかかるだけ。
手術を担当した外科医以上の細心さで、オレは撫でるようにストラップをミリ単位で手繰り寄せていった。
ここで指先がツルッと滑ってストラップが手の届かない場所に移動してしまえば、すべては水の泡と化す。
慎重に、慎重に。紐の手触りが少しずつ確かなものになっていく。そしてついに人差し指の第一関節にストラップが引っかかるようになった。
こっからいっきに! ずるっずるっずるっとストラップを引っ張る。その先には釣り上げた魚のように力なく回転する文明の利器スマホが。やった、ついにやった! これで朝まで気を紛らわすことができる!

やっとのことで手に入れたスマホで最初に開いたのはTwitter。
深夜のTwitter、そこは眠れないもの、昼夜を取っ違えた人たち、社会不適合者の吹き溜まり。しかし今のオレにとっては冬の大地の焚き火みたいな、とてつもなく暖かい空間だ。
好きだったアイドルグループの解散報告。うっそ、もうよりによってこんなタイミングで。
ボダラン3やってます報告。ふざけんな、このオレを差し置いて!
病みました報告。うんオレもそう! ガチで病みこじらせて今ここにいる!
あ、推しが久しぶりに自撮り画像あげている。おーれーのーきなこ!

……Twitterで潰せる時間にもさすがに限界はあった。
それでも数時間は経過しているのだが、まだ朝は遠い。
さすがに音を出すわけにはいかないので、ヘッドホンがない現状ではSpotifyやYouTubeは無理そうだ。
他になんかないか。そうだ、ゲーム!

とは言っても日常スマホでゲームをやる習慣がないオレだ。いまホーム画面にアイコンが踊るのは『Ingress』くらいのもの。入院の身動きできない体にこれほど向かないゲームも他にはないだろう。
ならばと開いたのはAndroidのPlayストア。
音も特に出す必要もなく、なんの前フリもなしに手軽に遊べるゲーム。ありふれたスリーマッチパズル!
検索窓に「マッチ3パズル」と打ち込み、出てきたアプリを適当にダウンロードする。
『Curse of the Pharaoh』。こんな事態にでもならなければ、一生遊ぶことのなかったようなゲームだろう。
しかし今のオレにとってはボーダーランズやフォールアウトを遥かに凌ぐ神ゲーであることは間違いない。
なんだかよくわからないブロックをスライドさせて、並べて揃えて連鎖連鎖連鎖。うわあい、楽しい楽しい楽しい!
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そうやってブロックを消す作業に没頭していたオレが、ふと我に返っったとき、目に入ったのはスマホの上部に輝くバッテリー表示だった。
残り10%を切っている。朝はまだまだ遠いのに、これではとても持ちそうにもない!
コンセントは手の届く範囲にあるが、肝心の充電ケーブルは遥か向こうのロッカーの中。いくらなんでもそこまで取りに行くのはさすがにムリだ。

さすがに詰んだのか……。いや、そう言えばモバイルバッテリーをサイドテーブルに入れたはずだ。確か上から三番目の引き出し!
チューブとか点滴とか完全にシカトして、ベッドから半分ずり落ちるような態勢になれば、なんとか手が届くかもしれない。
オレは意を決してベッドについた両手に力を入れた。
縫い合わせたばかりの下腹部の切開部分に激痛が走る。命とモバイルバッテリーの天秤。そんな考えもよぎったが、いいや、世の中には命を懸けるくらいでなければ手に入らないモノもあるのだ。
果たしてこの『Curse of the Pharaoh』が命を懸けるのに相応しいゲームなのか? そんな疑念を打ち払って、オレは上体を可能な限りこれでもかと伸ばすのであった。

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2019/09/21 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Ingress】メットライフドーム願望順位表ミッション

   ↑  2018/04/25 (水)  カテゴリー: Android
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メダルが一列揃う『Ingress』の6連ミッションは、たとえどんな規模のものでもそれなりの区間を歩かせるのが普通だ。
しかしIngress界は、まぁそれなりに広いもんで、同じ場所をただぐるぐるしているだけで一列揃ってしまう、超お手軽な連作ミッションも存在していたりする。
それがあるのが埼玉西武ライオンズの本拠地メットライフドーム。
「西武ドームへようこそ」と銘打たれたこのミッション、正式には連作ではないのだが、しかしご当地のライオンズを筆頭に、マリーンズ、イーグルス、バファローズ、ホークス、ファイターズと、パ・リーグ全6球団のバージョンとメダルがそれぞれ用意されているとなると、これはもう揃えてくれと言ってるようなもんだろう。
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ちなみにミッション内容は共通。
西武球場前駅を皮切りに西武ドームまでの短い距離の間にある数ポータルをハックするだけ。
最後のみがポータルハックではなくField Trip Waypointになっているが、1塁側入り口のゲート付近に寄れば充分アクセス可能だ。
開場前の行列ができているときだけは、ちょっと困難かもしれないが、いざ開場してしまえば問題なく近寄れるはずだ。
野球ファンならご存知だろうが、西武球場前駅を出てすぐ左を見ればそこはもうメットライフドーム。
たらたら歩いても1分。この僅かな距離を行ったり来たりするだけで一列。
障害となるのはもうポータルの冷却時間くらいのものだが、まあそれはライオンズストアを覗いたり、駅前にある飲食店ワゴンに寄ったりして(ハッピーハッピーのメロンパンおすすめです)適当に潰そう。
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連作ミッションには決まったメダルの並びがあるが、建前上は単作が6つあるだけのこれは、どのようにメダルを並べようが自由。
ということは願望上のパシフィックリーグの順位を任意に作れるわけで、オレの場合は当然千葉ロッテマリーンズバージョンは一番後回しになるのであった。
おい誰だ、右から順に見ていくと違和感ない並びっすね、とか言ってんのは!
(なお、この日のロッテはボロ負けしました)。

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2018/04/25 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |