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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【オールスター・プロレスリング】力道山降臨

   ↑  2020/07/30 (木)  カテゴリー: PS2
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"「この商売いいね」と関取が言ったから
          7月30日はプロレス記念日"

今日7月30日はアメリカから帰国した元関脇力道山が日本プロレスの母体となる日本プロレス協会を設立した日。
日本におけるプロレスリングのビジネスが産声を上げたこの日は、今ではプロレス記念日と呼ばれている。
思えば人並み外れた野心を持ち主である力道山が関わらなければ、日本にここまでプロレスというジャンルが根付くことはなかっただろう。
少なくともその場しのぎの収入が目当てだった元柔道家たちでは、日本のプロレス人気は打ち上げ花火にすらならずに終わっていたかもしれない。
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類まれなるカリスマとビジネスセンスで、たちまちのうちにプロレスをこの国のナショナルパスタイムにまで高めながら、ヤクザに刺されて呆気なくこの世を去ってしまった稀代のオリジネイター。
そのレガシーは弟子であるジャイアント馬場とアントニオ猪木に受け継がれ現在に至っているわけだが、しかしいくら計り知れない功績があるとはいえ、今から60年ほど前に亡くなった人物。
比較的古株のプオタとなっているオレの世代からしても、もう歴史上のアイコンみたいなものだ。
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ゲームのジャンルにおいても、レスラーが実名で公式登場するようになって以降は、すでに馬場や猪木さえレジェンド枠に入れられるようになっていた。
そんな中、"プロレスの祖"力道山のオフィシャル登場に敢然とチャレンジしてきたのは、それまでプロレスゲームとあまり縁のなかったスクウェア(現スクウェア・エニックス)。
時はプレイステーション2が発売されて間もない頃。業界のトップメーカーであったスクウェアが話題の新ハードで放つ初のビッグタイトル(その少し前に『DRIVING EMOTION TYPE-S』というレースゲーム出ていたが、みんな即座になかったことにしていた)は大きな注目を集めたのであった。
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当時のスクウェアのゲームといえば、まず話題の先に立つのが美麗なグラフィック。
ましてやとてつもないポテンシャルを秘めた新ハードPS2がその舞台だ。今までのプロレスゲームのレベルを超えた見栄えの良さが当然期待された。
それに違わず目の前に展開したのは、旧世代機3Dプロレスゲームのポリポリしたレスラーたちとは一線を画した、まるで実写と見紛うかのような(当時の感覚で)モデリング。
だがしかし、当時のスクウェアのゲームといえば、口さがないゲーオタたちが声を揃えて言っていたのは「良いのはビジュアルだけ」。
この『オールスター・プロレスリング』のレスラーたちも、いざアクティブに動く段階になると、旧世代機のポリポリレスラーたち以下の不自然な挙動に終始するのだった。
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それ以前にまずタイトルに偽りありだったのは登場レスラーたち。
藤波、橋本、長州、永田、武藤、ライガー、蝶野、天山、小島、カシンなど新日オンリーのその顔ぶれは、オールスターどころか単なるスクウェア版『闘魂列伝』である。
それでもスクウェアが時と団体を超えたオールスターであると強引に主張する根拠は力道山と既に引退していたジャンボ鶴田(本作発売の一ヶ月前に逝去)の参戦。
だがドラゴン社長の迷走期新日のメンバーにこの二人だけが混じる光景は、単なる風変わりなゲスト以外の何ものでもない。
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「今宵紐解かれる伝説、力道山降臨!」
田中ケロリングアナの煽りと共に姿を表す力道山は、スクウェアお得意の召喚魔法に倣ったのか、なんと光に包まれて天上からの登場。
しかしモデリングの元になるデータがあまりにも乏しかったからか、腰に拳を当てた有名なあのポーズのままずっと硬直状態。
その姿は生きた力道山どころか、まるで梅宮辰夫漬物本舗店頭の辰ちゃん人形と見紛うかのよう。
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動かない状態でそれだから動けばさらに違和感が増す。
ただでさえもっさりとしてプロレスゲームとしては動きが極端に不自然な本作。
ましてや力道山の場合、技モーションの動画資料なんかが極端に限られてくるから。その動きの再現性にも最初から眉に唾つけてかかる必要がある。
最初のうちはそれなりだった力道山の見た目も、試合で動かしているうちにいつの間にやら力道山どころか嵐(高木功)と瓜二つになってきたりして。
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猪木とのガチ遺恨マッチ、ドン・フライとの異次元対決、マサ斎藤相手の巌流島決戦と、力道山絡みの注目試合はセッティングできるけど、やはりプロレスゲームとしてのあまりのしょっぱさの前には全部帳消しになってしまう。
その後シリーズ化を果たし、2以降はNOAH勢も参戦を果たすなどしてオールスターとしての体裁はそれなりに付いてはいったが、見栄えはいいけど動かしたらボロが出る根本的な問題は最後まで解決されず。
"日本プロレスの祖"のオフィシャル登場ゲームが、これっきりとなってしまったのは、なんとも残念で勿体ないことである。

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2020/07/30 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【LocoRoco(ロコロコ)】PSPの申し子

   ↑  2020/07/27 (月)  カテゴリー: PSP
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『Carrion』を遊んでいて、そのプレイフィールにどことなくデジャブを感じ、色々思い返した末に「そうだ、PSPの『LocoRoco(ロコロコ)』がこんな感じだった」と行き当たりました。
そしてかなり久々にPSP本体を引っ張り出してきて『LocoRoco』をプレイしてみたんですけど、結論を言えばキャラクターが移動するときのもにょっとした質感に似たところはあるんですけど、操作のフィーリングは基本的に全然違うものでした。
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もうPSPを手に弄るのは何年ぶりだかすらも覚えてないんですけど、超久しぶりに手にしてビックリしたのは、その小ささですね。
Switchとか大ぶりのタブレットとか、最近のモバイルデバイスは両手で支えるような大きさが当たり前になっていただけに、その両手で包み込むようなホールディングの感覚は改めて新鮮でした。
手にとってみて指先に一番馴染むのは、方向キーや○☓△□ではなく上部両サイドのLRボタン。
『LocoRoco』はPSPを持った指の位置やスタイルから逆算して作ったようなゲームで、メインキャラクターのぷにょぷにょした生き物ロコロコを操作するのは、もっぱらこのLRボタンです。
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LRキーを押せば左右それぞれの方向にステージが傾き、ロコロコは傾いた先に向かって転がっていきます。
ジャンプはLR同時押し。しかし他のゲームのようなキャラクターの自発的なジャンプではなく、ステージの側を引きつけて離し、ロコロコを弾いて飛ばすような仕様です。
一般的なPSPのゲームでメインとなる○☓△□ボタンは、わずかに○が補助的な役割で使われるのみ。
プレイヤーはPSPを両手で包み左右の指をLRボタンに添える、無理のない自然な持ち方でゲームを終始遊ぶことができます。
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ロコロコは自分の意志で動くってことを知らない、ただ傾いた方向に転がされるままに移動するだけの生き物。
PSPには別に傾きセンサーが搭載されているわけではないんですが、『LocoRoco』をプレイしていると操作に直結するわけではないのに、ついなんとなくPSP本体も一緒に傾けがちになってしまうのは、この他人任せの可愛い生き物に対するもどかしさ混じりの親心と、あとはPSPというハードの軽快さがその理由でしょう。
『LocoRoco』は現在PS4にも移植されていて、こちらは私は未プレイなんであんまり迂闊なことは言えないんですが、PSPというハードの特性に大きく依存したこのゲームのチャームポイントは、そのまま100%コンバートとはいかないような気がします。
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そんなPSPの申し子のようなゲーム『LocoRoco』。
PSPの最大の弱点は、プラットフォームホルダーであるソニー自らがキラータイトルを提供できなかったことにあるのですが、『LocoRoco』はそれを補うべく本体同梱パックの発売や大々的なプロモーションと共に送り出されました。
魅力的なビジュアル、とっつきやすいゲーム性、そして話題を集めたメロディー・チューバックが歌うテーマ曲など、今までPSPとは疎遠だった層にアピールする要素は多々あったのですが、しかし爆発的なヒットにまでは届かず。
代わりにPSP普及の起爆剤となったのが、PSPの自然な持ち方とはおよそ程遠い、それどころかあまりにもフリーキーなホールディングを強いられる『モンスターハンターポータブル』シリーズであったのは、なんとも皮肉なことです。

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2020/07/27 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Carrion】SF人食いバイオミミズの恐怖

   ↑  2020/07/25 (土)  カテゴリー: XBOX ONE
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研究所、宇宙船、深海基地。外界と隔絶した空間で圧倒的な力を持った謎のクリーチャーの恐怖に晒され続ける。
SF系のホラー映画では定番のシチュエーションだ。
「エイリアン」や「遊星からの物体X」。さらに「トレマーズ」や「レリック」「ザ・グリード」なんて未知の生物モノもこの範疇に入るだろう。
ゲームとの相性も一見抜群に思える設定だが、ゲームってのは本質的にサディスティックなモノだから、未知の生物に一方的に追われ続ける恐怖をシステム化するのは、なかなか難しかったりする。
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この『Carrion』も未知のクリーチャー系映画の王道を行く設定。
人里から遠く離れた謎の研究施設。奥深くにある実験容器からこぼれ出たのは意志を持った生物。
その姿を見ただけで周りの研究員と思しき男女たちは悲鳴を上げる。
無理もない。赤い紐状のものがたくさん絡み合って蠢く姿は、玉になったイトミミズの集合体そのものだ。
こんなもんがドアの隙間から入ってきたら、たとえイトミミズと分かっていてもオレは絶叫してパニックを起こすだろう。
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このおぞましい生き物を銃やらなにやらで撃退する内容であったならば凡百の設定だ。
しかしコントローラの左スティックを傾けると動き出すのは、その不定形生物の方。
そのまま哀れな研究員を触手で絡め取ると、勝手にボリボリと頭から咀嚼し始めたではないか。ごちそうさまでした!
そう、本作は未知の生物系ホラー映画のクリーチャーの側になるゲームなのでした。
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邪悪な意志を持った生物に自分たちの身の安全が脅かされているなんて人間側の勝手な理屈だ。
こっちにはこっちの事情ってもんがある。いつまでもこんなとこに閉じ込められているわけにはいかない。
お外に出る! そのためには人間だって襲う! だって主食だし!
ぶよぶよぶよーんとしたファジーな手応えの移動でダクトや排水口など狭い通路も自在で伝い、並外れた力でドアなんか一撃で吹き飛ばし、その圧倒的な力で人間どもを片っ端から蹂躙!
…………と調子こいてたら銃を持ったやつにあっさり殺された。オレ案外打たれ弱い! しょせんはイトミミズだし無理もないか……。
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まぁその手の映画を改めて思い返してみても、クリーチャーの側に立ってみればみんな不意打ちを基本としている。
それらの立ち回りを常にトレースしておけば間違いはないだろう。
こっち側でことことって物音を立てて、人間がそちらに気を取られている隙に後ろからガバァっっっっ!
トイレの個室に隠れて息を潜めているやつがいたら、そのドアの前でそいつの同僚をこれ見よがしにボリボリ音立てて咀嚼してやるといいだろう。
そのままいったん立ち去る振りをして、そいつが安堵のため息を漏らした瞬間を見計らってガバァっっっっ! 帰ると思った? 帰りませんから!!
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そんなクリーチャー系映画のお約束を繰り返しながら施設を巡っているうちに、人間たちの対抗手段もだんだんエスカレートしてくる。
シールドや火炎放射器を装備した警備兵、タレット、武装ドローン、パワーローダー(難敵なだけに、こいつの操縦席からパイロットを引きずり出した際には、いつもの倍くらい嬲り殺してやろう)。
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だが案ずることはない。研究設備から得る諸々で、こちらの力もそのサイズと共に右肩上がりになってゆく。
硬い壁をも破壊する強烈な突進力、細かく分離しての網の目くぐり抜け、そして触手を人間に突き刺して、その行動を一定時間コントロールする能力まで。
人間どもの脳筋な火力に対して、こちらはこのバラエティ豊かな能力を適材適所で使い分けて、スマートに立ち回ってやろうではないか。
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設定の妙だけでも充分なゲームだが、それに甘えることなく細部に至るまできっちりと作り込まれているのが、この『キャリオン』の素晴らしいところだ。
決してリッチではないんだけど丁寧に描き込まれたグラフィック。練り込まれたマップデザインとゲームバランス。中だるみや倦みを作らない絶妙な上昇曲線。そしてただ見ているだけでも飽きないイトミミズ型クリーチャーのキモかわいい挙動。
B級怪物映画の王道的世界をそのままゲームに。しかしロウバジェットにも関わらず、その完成度とやりごたえはAクラス。
最近良作を次々と生み出しているメトロイドヴァニア系ゲームにあって、個性でも内容の充実度でも頭一つ飛び抜けたオススメのゲームだ。

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2020/07/25 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【World War Z】ゾンビの人海戦術

   ↑  2020/07/21 (火)  カテゴリー: XBOX ONE
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ゾンビを凶暴化する感染症として描いた映画は割と昔からあったけど、それをパニック映画の体裁にまで持っていたのはダニー・ボイルの「28日後…」あたりだろうか。
以降全力疾走で襲いかかってくる尋常じゃない数の感染者たちは、ゾンビ映画の基本フォーマットとなっていった。ゲームと同様、映画のゾンビも物量で押す時代である。
そういった一連の"感染者物量"もので記憶に新しいのがマーク・フォースター監督作の「ワールド・ウォーZ」。
ぶっちゃけ主演のブラピにひたすら腹が立ってくるだけで、それほどパッとした映画ではないんだけど、それでも序盤フィラデルフィアの市街を暴れまわる感染者たちの疾走感など見どころはそれなりにある。
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中でもインパクトがあったのは、瞬く間に人間タワーを作り上げて巨大な壁を感染者たちが乗り越えてしまうシーン。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」もかくやの光景がハードコアパンクのスピードで展開される様子には、スクリーンの前で思わず声を上げて笑ってしまった。あれでブラピさえ出てこなければ、それほど悪くない映画だったのかもしれない。
その「ワールド・ウォーZ」のライセンスを、なぜか映画公開から数年も遅れて取得したのはSaber Interactive。
個人的には『TimeShift』や『Inversion』などB級臭の強いシューターが印象にあるメーカーだ。「世界侵略: ロサンゼルス決戦」のゲーム化を手掛けたのもここだったっけな。
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全力疾走大量ゾンビに蹂躙される世界を再現するために臆面もなく導入したのは『Left 4 Dead』のフォーマット。
ゾンビの群れを4人のパーティーが協力しながら捌きステージの突破を図る、マルチプレイに特化したあのシステムだ。
『Left 4 Dead』の4人のキャラは最後まで固定だったが、こちらは世界全体が感染症に飲み込まれるよりグローバルな設定に基づき、ニューヨーク、エルサレム、モスクワ、東京とステージチャプターが分かれ、それぞれに4人組が設定されている。
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押し寄せるゾンビたちの量も原作に倣って同系統のゲームよりもマシマシだ。
それを際立たせるためにか、ある地点に留まってゾンビの波状攻撃を一定時間耐え凌ぐディフェンスモードが多めに設定されている。
高所など比較的優位な位置から始まるこのディフェンスモードだが、ゾンビたちの圧倒的な数の前にすぐそんな優位性など消し飛んでしまうであろう。
遥か向こうの方から尋常なじゃない数のゾンビが続々と姿を表し、一斉にこちらに向かって走り寄ってくるホードの始まり。
そしてそれを前にして「これもうダメかもしんない……」と、イベントの開幕ダッシュを迎えるバイト警備員のような軽い絶望を覚えるのは、このゲームの一番のハイライトだ。
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壁や段差などゾンビにとっての高低差ハンデを埋めるのは、映画でもお馴染みの人間タワー。
下のゾンビに他が次々とよじ登り、たちまちのうちにピラミッド状のタワーを形成してしまう。
学校の組体操は昨今なにかと批判の的だが、こちらは誰も咎める者がいないから、もうやりたい放題だ。
これを前にしたらとにかく下段の連中に火力を集中して、タワーを下の方から崩してゆくのがセオリーだ。
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ただゾンビたちの過剰な疾走感と、もはやコントの域に達しているゾンビピラミッドを別にすれば、あとはもう『Left 4 Dead』そのまんま。
ホードに重きを置いた比重とゾンビ物量過多により、本家のごとき絶妙なゲームバランスを欠いている雑然としたクローンの印象が強い。
しかし物量とピラミッドしかセールスポイントがないというのは、ある意味原作映画を忠実にトレースしていると言えなくもないわけで、そういった点ではシネマゲームとして正しかったりするのかもしれない。

この記事に含まれるtag : FPS ゾンビ シネマゲーム 

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2020/07/21 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Dead Rising 4】凋落の第4作目

   ↑  2020/07/18 (土)  カテゴリー: XBOX ONE
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ゾンビが出てくるゲームが溢れかえっている昨今だが、そのゾンビゲーム史の中でターニングポイントとなったのは、やはり『デッドライジング』(Dead Rising)であろう。
もう発売された2006年を年表上のビフォアーアフターの区切りにしてもいいほどだ。
『デッドライジング』のなにがエポックだったかというと、いまのゾンビゲームになくてはならないファクターとなっている"ゾンビは物量"という概念を確立させたことだ。
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無数のゾンビで溢れかえったショッピングモール。そこにぽつんと放り出された主人公。
ゾンビ映画を観て育ったあんぽんたんなら一度は夢見たシチュエーションを、当時の最新鋭機のパワーで余すことなく再現させた。
そして『デッドライジング』の偉大なところは、それまでのゾンビゲームが建前としていたホラーという体裁を、臆面もなくうっちゃったことだ。
自ら名乗ったジャンル名はゾンビパラダイス。後腐れなく遊び相手にできる幾千幾万のゾンビたちと、思うがまま振る舞えるショッピングモール。これ以上はない悦楽の二重奏だ。
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この『デッドライジング』とマルチプレイTPSとして一斉を風靡した『ロストプラネット』。世界に通用するIPを一から創り上げたゼロ年代のカプコンはホントに凄かった。この時代の先頭を走るメーカーだった。
しかしカプコンはせっかくのオリジナルIPを瞬く間に使い潰してしまう。
『ロストプラネット』シリーズのあっという間の凋落には多くの雪賊たちが涙した。
そして『デッドライジング』シリーズも、ロスプラほどの急落ではないものの、やはり下降線の一途からは逃れられなかった。
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第1作の発売から奇しくも10年目となった『Dead Rising 4』の舞台は初代と同じコロラド州の田舎町ウィラメッテ。
そして舞台と同様、正規なナンバリングタイトルの主人公として久方ぶりにカムバックしてきたのは、我らがフランク・ウエスト。
原点に帰ったと言えば聞こえがいいかもしれないが、しかしこれは2、3、そして外伝タイトルで重ねてきた手を変え品を変えての再生産のネタにいよいよ詰まってしまった証みたいなもの。
最初に放り出されるショッピングモールもスケール感に乏しくて(初代がイオンモールなら4のそれはせいぜいザ・ビッグ)、そこらをうろうろするだけで楽しかった初代デッドラのワクワク感には到底及んでいないことを、のっけから思い知らされる。
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ストーリーを進めるうちに主人公の行動範囲はショッピングモールから、それを取り囲む街へと拡大してゆくのだが、この街ステージとて『Dead Rising 3』のあからさまな縮小再生産。
そしてデッドラシリーズではお馴染みの存在である"狂気の生存者"サイコたちの扱いも、おざなりって言葉の見本みたいな、その場限りの間に合わせっぷりだ。
だいたい主人公のフランク・ウエストからして、フランク・ウエストのパロディというか二次創作みたいな明らかに「これちょっと違う……」なキャラクターになっていたりするのだから、その他の登場人物の終始一貫していない破綻したキャラクター付けは言うに及ばずだろう。
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いささか乱暴な例えになるけど、曲りなりにもロメロ~サム・ライミ~ポール・W・S・アンダーソンと繋いできた映画シリーズのバトンを、いきなりウーヴェ・ボルに渡してしまったような作品。
この凋落ぶりを目の当たりにしてしまうと、再生産の繰り返しと揶揄されながらも、常に一定レベルのゲームを提供し続けているUBIの各AAAタイトルは、あれはあれで大したことなのだと認識してしまう。
次世代機の登場を前にして、果たしてこのエポックなシリーズが復権する余地は残されているのだろうか。
救いとなるのは投げっぱなしってレベルを通り越して、なんの説明にもなっておらず、逆に今後どう解釈しても筋は立ちそうなエンディングくらいのものであろうか。

この記事に含まれるtag : オープンワールド ゾンビ 

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2020/07/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |