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- [2023/12/01] 【Bramble: The Mountain King】ブランブル: ザ・マウンテンキング
- [2023/11/26] 【TOKI Juju Densetsu】リメイク版JuJu伝説
- [2023/11/24] 【Frogger】フロッガー
- [2023/11/20] 【Dead Space】デッドスペース・リメイク
- [2023/11/15] 【Accident】交通事故応急救護シミュレーター

むかしむかしのお話。北欧のとある国にとても仲の良い姉弟がおりました。
ある夜のこと、いつも弟を庇う活発な姉が寝床を抜け出して夜の森へ冒険に出かけてしまいます。
姉の姿がないことに気づいてその後を追う弟はプラチナブロンドの髪をしたとてもかわいいかわいい少年。
夜の森はとても幻想的で美しい世界。姉弟を最初に出迎えてくれたのは人懐っこいノームたちです。

しかし暗い森は次第にそのあやかしの本性を見せ始めます。
よしゃあいいのにとっとことっとこ先を急いだ姉ちゃんは、人食いトロルに連れ去られてしまいました。
さあ大変。食われちゃう前に姉ちゃんを助け出さなければ。
だけど世界の美しさと酷薄さは背中合わせ。さっきまで仲良くしていたノームがぽこぽこ殺される。
弱肉強食の非情な実態を露わにした森の魑魅魍魎たちは、かわいい弟にも容赦なく牙を剥くのでした。姉ちゃんを救うどころの騒ぎじゃない!

『Bramble: The Mountain King』はスカンジナビアの様々な伝承をベースにしたアクションアドベンチャー。
プレイヤーが手助けするのは非力で年端も行かない少年。その道中は自然と妖怪どもの目を逃れるステルスアクションが基本となる。
このゲームプレイの根幹部分は非常に手堅く基本に忠実に造られていて、北欧の森という肌寒いシチュエーションも相まって、プレイヤーは常に息苦しいまでの緊張感を得ることができるだろう。

少年にとっては過酷極まりないけど、でもこの森はあまりにも美しすぎる。
プレイ中、ここまでスクショボタンを頻繁に押したくなる衝動に駆られたゲームもそう他にはない。
そしてさっきも言ったように美しさは残酷と紙一重。ハッと息を呑むような光景のすぐ次には、あまりにも無常でブルータルな景色が続いている。

かつて業の深い映画マニアたちはダリオ・アルジェント監督作品の眩い美術と酷い目に遭わされる美少女の組み合わせに胸をときめかせていたが、物語が進むに連れ泥まみれ血まみれゲロまみれの散々な姿になっていく少年には、おそらくショタコン属性の人なんかは同じようなときめきを覚えるのではないだろうか。

しかし無垢な少年をこれでもかと酷い目に遭わせてはいるが、あやかしの世界にだってそれはそれで秩序と道理が存在する。
その秩序に反しているのは明らかに森に無邪気に入り込んだ姉弟の方だ。
そして物語のベースとなっているあまりにも哀しくて救いのない寓話の数々。北欧伝承に詳しければなおのことお話が身につまされるのかもしれないが、そうでなくともこの心を凍りつかせるほどまでに美しく無慈悲なビジュアルは、プレイヤーの心に深く刻まれるほどのインパクトを与えてくれるだろう。
この記事に含まれるtag : ホラー
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-3166.html
2023/12/01 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
あらゆる情報がグローバル化し人々の好き好みも国境を超えて細分化するようになった昨今。
ビッグ・イン・ジャパンなんて言葉も懐かしい響きとなったが、日本と海外間の嗜好の差異に戸惑う場合もいまだある。
欧米では高い人気なのに日本ではさっぱりなゲームキャラというとQバートあたりが思い浮かぶが、まあQバートはれっきとしたあちら産のゲーム。
それに対して日本産なのに国内ではさっぱりだけどあちらでは大人気なのが『JuJu伝説』だ。

二頭身サル(元青年)が魔王に拐われた彼女を助けるために孤軍奮闘するオーソドックスな横スクロールアクション。
ただしそのサルの主武器が口から吐き出す唾だか痰だかという、キャラクターデザインにとにかく癖があるゲームだ。
これを造ったTADは元データイースト社員たちによる会社だと聞くと、なんとなく腑に落ちる。そこかしこにデコの出汁みたいなへんちくりんテイストを感じさせる。

元は1989年のアーケードゲームだが日本で比較的ポピュラーなのは移植されたファミコン版やメガドライブ版だろう。
さらに欧米ではアミガやコモドールといった当時人気のパソコンに移植され(タイトルは『Toki』)この辺が海外での人気のベースになっているらしい。
そしてその根強い人気を背景として日本タイトルと海外タイトルの折衷で登場したリメイク版が『TOKI Juju Densetsu』。

ステージ構成などはアーケード版に忠実だが、様変わりしたのは8bit時代から時を経てめちゃめちゃ美麗に進化したビジュアル。
もっとも綺麗になったと言っても出てくるのは相変わらず奇天烈で素っ頓狂な連中ばかりなので、あんまりそのイノベーションの恩恵を受けていないような気もするが。

そして肝心のゲーム内容自体はオリジナル準拠な故に、サルのくせにもっさりしたキャラクターとか初見ハメ殺しが露骨なゲームバランスとかテンポの悪い展開など原作のパッとしなかった部分も忠実に再現してしまっているため、こちらもなんでこのゲームがそんなに人気があるのか、その謎が一向に解明されないままなのであった。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-3165.html
2023/11/26 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ブラックフライデーセールという習わしも日本に定着してもう長いことになりますが、Xboxストアではその言葉が馴染む以前からこの時期にセールが行われてきました。
ただこのセール、比較的メジャーどころのゲームがメインでラインアップも毎年そんなに変わりがないことから、古株のユーザーほど「あれもそれもこれもとっくに買ってる……」と、あまり有り難みのないものになっています。

私も例外ではなく、今年もちょっと食指が動くゲームに片っ端から”所持済み”のサインを確認しては、虚しくストアページを送る作業に終始していたのですが、そんな中でようやくまだ未購入のゲームが目に止まりました。
『フロッガー』。そりゃまだ買ってねえよ。通常プライス出していまさら買おうとは思わないもん。
でもそれがコンビニのペットボトル飲料くらいの価格にディスカウントされていたら、まぁ手に入れておこうかなあって衝動が起こるものでして。

Xbox360版フロッガー。Liveアーケードの立ち上げ時に出た一作で、ってみんなもうXBLAってフレーズすら忘れかけてるでしょ?
とにかく360の初期の頃にDigital Eclipseが移植を手掛けたコナミの古いアーケードタイトルが数点デジタルストアに投入されていて、その中の一つですよね。

そしてゲームを起動させたらタイトルにいきなり「Frogger 25th Anniversary 1981-2006」のロゴが。
XBLAですらもう遠い昔の話なのに、そこからさらに25年も遡るんですよ。どんだけのクラシックなんだ。
カエルを車がびゅんびゅん通る道路や流木だらけ(withワニとカワウソ)の川を渡らせて巣に戻す一面固定のプリミティブなゲーム。
そのプリミティブさ故にいまでも充分遊べてしまう。特に酔っ払ってプレイしてカエルをぶちぶち死なせたりすると最高です。

とにかくそんなビデオゲームの古代史に位置するような古い作品。日本でもまあそれなりに知られてはいますけど、これ何故か海外では考えられないくらいの人気があるそうです。
このXBLA版にしたっていまから17年前にリリースされた、もうとっくに忘れ去られていてもおかしくない存在にもかかわらず、いまだにウイークリーランキングには人がうじゃうじゃ。

日本未発売に終わった続編や関連タイトルも山ほどありますし、この”ほのぼのカエル地獄のサバイバル劇”の何が人をそこまで惹きつけるんでしょうか。
一応エンハンスド版とレトロ版、二つのグラフィックスタイルが選択可能ですが、ぶっちゃけレトロ版で充分です。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-3164.html
2023/11/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
宇宙に浮かぶ巨大採掘船USG石村。
ある者はそこをノストロモ号や物体Xの南極基地のような逃げ場のない地獄の空間だと言い、ある者はそこを現場猫のようにフリーキーな工具の使い方をやり放題な天国みたいな場所だと言う。
とにもかくに石村という馴染みやすい響きは、SFホラーゲームの大傑作『Dead Space』の舞台だ。
日本国内で未発売に終わったソフトで、ここまでポピュラリティを得たゲームも他にはないだろう。

その楽しくも息苦しい石村への15年ぶりの帰還。
中にはグロテスクなクリーチャー、ネクロモーフが蠢いているのは分かっているが、それも胸のときめきのうちだ。
冒頭でネクロモーフどもが登場したときなどは連中に為す術なく逃げ惑う行動を強いられながらも、内心では「いやあみんな久しぶり! 元気してた!?」

改めて問うまでもなくネクロモーフ元気元気! 相変わらず四肢を切り落とさなければ死にゃあしない。
その手足を切断するのに便利な工具、プラズマカッター!
これを手にしたときの「そうそう、これこれ!」感。15年ぶりにもかかわらず手にしっかり馴染んでいる。
こいつをゲットしてからがいよいよ『Dead Space』の真のスタートだ。すっぱんすっぱんすぱぱぱぱーん!(散乱する手足)

プラズマカッターを始めとする工具を自在に使いこなすオレの名はアイザック・アシモフ。
優秀な兵士でも特殊工作員でもない一介の機械エンジニアだ。誰が呼んだか世界で一番華のないゲーム主人公。
オリジナル版当時、国産ゲームのビューティーカメラで盛りまくったようなキャラクターデザインに慣れた人々にとってはインパクト大であったろう実用第一で不細工なスーツも、工具と共に石村を歩んでいくうちにカッコよく見えてくるのもお約束だ。
このリメイク版の恩恵は多々あるが、アイザックさんのスーツのディティールが細部まで緻密になったのは、その大きな一つだろう。

サバイバルホラーではゾンビやクリーチャー相手の戦闘の他にコンピュータや機械類を制御させられるパートが付き物だが、アイザックさんは元々それが本職だから、その手の作業めいたことにもお使い感がない。そもそもこの仕事をやるために石村に来たんだし。
しかしなんと言っても楽しいのは、その商売道具をうねうねと迫るネクロモーフどもに向けるときだ。
ああ、工具ってなんて頼もしい。いささかイレギュラーな使い方ではあるかもしれないが……。

そしてこれはリメイク版による再訪だからではない、オリジナル版のときから強く感じていたのだけど、アイザックがもう察しているにもかかわらず「相手」のことを信じて一貫した行動を取るシナリオの素晴らしさ。
アイザック自身の心象と「マーカー」による影響。この二つを絡ませてアイザックを操作するプレイヤーに、内心もやっとする何かを与えながらもエンディングまで導く巧みなストーリーラインは『Dead Space』の隠れた魅力だ。
リメイク版ではアイザックが肉声で喋るようになり、この部分に多少の瑕疵を与えてしまったような気もするが、これは評価が分かれる部分であろう。

四肢切断ばかりが強調されるきらいはあるが、『Dead Space』はこのシナリオも含めて、あらゆる部分が常道を外さず手堅くハイクオリティに造られた実はかなり優等生なゲーム。
石村、そこはただの工業採掘船。内部にも主人公にも華やかな部分は何一つない。
でも一皮むけばその中は緻密に磨き上げられた完成度の高い小世界。
そして『Dead Space Remake』は磨き上げた宝石のようなオリジナルを、美しさを損なうことなくさらに豪華に仕立て直したこれまた優等生のようなリメイク版だ。
*関連記事
【Dead Space】工具は最強兵器
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2023/11/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
応急救護。確か自動車教習所で必須の講習だったはずだが、なにせ遠い昔の話だし、なにより人生で一番斜に構えた年頃。
いや、オレに限らず同世代の生徒たちは、こと応急救護に関しては一様にへらへらした薄笑いを浮かべながら「なんでこんなことやんなくちゃなんないのかなあ」なんて態度で臨んでいた。
しかし学校と名のつくところで教えてくれることは、すべからくきちんと学んでおいた方がいいと気づくのは歳を重ねて手遅れになってからだ。

年々減少の傾向があるとはいえ、昨年だけでも交通事故の発生件数は30万件。この社会で生きている限り、いつどこでそんなシチュエーションに出会すかわからない。
そんなときあなたは落ち着いて正しい行動を取れるだろうか?
眼の前に広がるのは多重事故の悲惨な光景。
はからずもその現場に遭遇したオレは、まず何をしていいかわからず「はわわわわわ」とパニクるのであった。

『Accident』は交通事故の応急救護をテーマにしたシミュレーター。
過去の事故案件をVRで追体験するの建前のもと、世界各地で起こる様々なシチュエーションに対面する。
事故の被害者が一命を取り留めるかどうかは、すべてあなたが適切な処置を行えるかどうかにかかっているのだ。
道路を外れてドライバーごと木に串刺しになってる車、極寒の気温下で意識を失っている被害者、人を載せたままエンジンルームから燃え上がる炎。はわわわわわ、お願いだから救急と消防早く来て!

しかしそんな頼みの綱への通報すらままならないことだってある。圏外、バッテリー切れ、そもそもスマホ持ってない等々。
テネシーの夜の路上で起こった人身事故のときは、バッテリー切れのスマホを手にしながら電話ボックスの前で「はわわわわわ、どうしたらいいんだよう!」とひたすらパニクってた。
そして目の前にある箱に改めて気づいて「……そう言えば遠い昔、ここから電話とか掛けてたっけなあ」と思い出した頃には、もう被害者は手遅れになっていた。ホントごめん!

まず救急機関に連絡。そして事故車のエンジンを切る。続いて後続に異常を知らせる三角板の設置。
ステージを重ねれば、この初動は嫌でも覚えていく。しかし事故の状況は常にテンプレとは限らない。
列車との衝突、はわわわわわ! 今にも崖から転がり落ちそうな事故車、はわわわわわ! 襲撃を受けてあちこちに銃器が散乱する囚人護送車、はわわわわわ!

被害者の指が千切れてる。どうしたらいいの? 教えてエマージェンシー!
「まず指を探して綺麗に洗って清潔に冷所に保管してください。頑張って!」
はわわわわわ! 無理、無理、あんまりこっちに丸投げしてないで、いいからお前ら早く来い!

ちなみにデフォルトのスティック感度はかなりセンシビティで対象をポイントするにも一苦労なんだけど、そのままにしておいた方がはわわわわわ感が増していいぞ(なにがいいんだか)。
救急車が到着して以降の事故の原因を推察するパートはやや蛇足を感じるのだけれど(このパート、ホームズのADVをちょっぴり想起させた)、そういった部分も含めて全体的に学習要素を追求した生真面目さな造りが目立つシミュレーターだ。
<未日本語化>
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