ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【美少女バラエティゲーム ラピュラスパニック】搾取システム確立前夜

   ↑  2016/09/18 (日)  カテゴリー: セガサターン
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アニラジ番組が乱立し声優専門誌までもが登場した、1990年代中期のアニメ声優をめぐる一連の地殻変動。
第三次声優ブームなどとも呼ばれたりしたが、しかし演り手、受け手双方に対するエクスプロイテーションの仕組みが完全に確立した現在と違って、当時のそれはシステムが未完備の非常に混沌としていた。
そしてカートリッジからCD-ROMに主流が移行したビデオゲームは、この声優ブームにおける新たな狩場の中心的存在であった。
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中核となったのは、いわゆるギャルゲーと呼ばれる一連のジャンル。
このエクスプロイテーションの仕組みは今も脈々と受け継がれているが、しかし混沌期の声優売りゲームはそんな予定調和のレベルには留まらなかった。
当時は作り手側が声オタのピュアさを相当高く見積もりすぎていたフシがある。
そうでなければ、すでに熟女の域に達した実写声優さんたちと、ボウリングをしたりビリヤードで遊ぶなんて企画は出てきやしないだろう。
その誤算は「ストーリーや萌え要素なんかなくったって、女の形したキャラクターに声優さんが声をあてていれば、とりあえずあいつら満足するだろ。なんせピュア(バカ)だしな」なんて形となって現れたのであった。
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ラピュラスはゲームで司られた惑星。しかし最近ここに不穏な気配が漂っている。それを打ち払うために召喚されたのは、ゲームが得意なあなただ。
ニチブツ脱衣麻雀レベルの取ってつけたようなバックグランドの下、プレイヤーが否応なしに送り込まれるのはバラエティゲームの世界。
とは言っても凝ったものや練り込んだゲームがあるわけじゃない。
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ポーカー、ルーレット、神経衰弱、ブラックジャック、モグラたたき、間違い探しなど、よく訓練された声オタであっても、「いくら話を進めるための苦役だといっても、もうちょっとなんとかしてくれてもよさそうなもんじゃ……」と、文句をつぶやきたくなるようなモノばかりだ。
この気の乗らない義務を勝ち進めると、声優さんボイスをバックに二次元キャラクターのご褒美一枚絵。
ちなみに全年齢向けソフトだ。裸はおろか下着見せすらもあるわけがない。
脱衣抜きのニチブツ麻雀。こう表現すればプレイヤーの無力感を多少は汲み取ってもらえるかもしれない。
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そしてメーカー自らがパケ裏で「声優ファン要チェック」と一押しする、この商品の本体とも言える豪華声優陣。
それすらも当時すでにベテラン~中堅の域に達していた人たちのオンパレードで、ここに至ってはさすがの声オタも、「女性の声優なら誰だっていいわけじゃねえんだよ!」と声を荒げることだろう。
柿沼紫乃さんや川島千代子さんの萌えボイスにありつくために、カタルシスのカケラもないミニゲームの数々、なんとか頑張っていただきたい。

 

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2016/09/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ゼルドナーシルト】横隊はロマン

   ↑  2016/04/11 (月)  カテゴリー: セガサターン
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人々が血を流し合う戦場にだって流行り廃りはある。
トレンドと言ってしまうと語弊があるけれど、とにかく今まで幅を利かせていたものが、時流にそぐわなくなってアッという間に姿を消し、かつての戦場の常識は、たちまち時代遅れの無茶無謀となってしまう。
歩兵や横一列となってじりじり前進する横隊はそんな昔の戦場の常識だった。
今の感覚で言えばバカが雁首揃えて整然とやってくるようなもんだが、とにかくこの横一列陣が効力を発揮していた時代が長く続いていたんだからしょうがない。
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大国が分裂し群雄割拠状態となったリグリア大陸も、この横隊戦術が長く幅を利かせていた場所だ。
国々が覇権を争ってぶつかるとき、それは常に律儀な横隊同士の衝突の形をとる。
その形式はこれまた伝統の三列横隊。歩兵、槍兵、騎兵の三科は、それぞれじゃんけんのような三すくみの関係。
最前列に立つ相手の兵科に合わせて最前列をチェンジ。勝敗のカギを握るのはその入れ替えのタイミング。
弓兵を後列に待機させておけば、最前列へ支援射撃。もちろんその弓兵が最前列に立たなければならなくたったときは、もうのっぴきならない状態だ。退却する算段をしたほうが早いだろう。
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ヨーロッパを模した大陸を舞台にした光栄(現・コーエーテクモ)のファンタジーSLG。
あの野心作『ロイヤルブラッド』の流れを汲む作品でもあるが、国盗りSLGの亜種であった『ロイヤルブラッド』との大きな違いは、傭兵団長というプレイヤーの立場。
大陸侵出の野望を持つ東の島国から、領土は最小だが強固な宗教基盤に支えられた教国まで、立場の様々な7つの国々のどれに肩入れするかは、プレイヤーの意思次第。
この大陸で戦争の趨勢を決めるのは強力な傭兵団。大陸統一にもっとも近いのは、プレイヤーが手を貸す国であることは言うまでもない。
もちろん7つの国を公平に流浪して、戦争をとことん泥沼化させるやり方だってありだ。
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傭兵団として一つの国に大きく参与し続けていれば、やがて外からでは見えなかった、それぞれの国の様々な事情を目の当たりにする。
どこも好きこのんで戦争をやっているわけではない。各々に止むに止まれぬ事情がある。
見方を変えればプレイヤーの立場は、その事情につけこんで存在するえげつないものであるのだが、もしそれを潔しとしないのならば、いずれかの国の正規軍への編入を目指すのも一つの道だ。
だけどやはり「この土地の食い物も飽きたんで、そろそろ失礼します。お世話になりあしたー。……あ、明日からはちょっと敵になりますんで、ひとつよしなに」と無責任に立場をコロコロ変える食客プレイに勝るものはないけれど。
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プレイヤーと麾下の傭兵団次第で、いかようにも書き換えられる大陸の勢力図と歴史。
因縁、策謀、復讐、魔法、色恋沙汰、あらゆる思惑が飛び交うその戦場で根幹をなすのは、愚直な愚直な横隊同士の正面衝突。
ゲームシステムからキャラクターデザインまで、すべてがトータルイメージの下にバランスよく積み上げられた90年代光栄の隠れ傑作。
光栄お得意のシリーズ化再生産が為されなかったことも、逆にこのソフトのマニア的な評価をより高めているのかもしれない。

 

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2016/04/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【マイ・ドリーム オンエアが待てなくて】成熟した青田買い

   ↑  2016/04/02 (土)  カテゴリー: セガサターン
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業界関係者。それは声優オタやアイドルオタにとって、複雑な思いを抱かせる対象だ。
見返りのない情念を注ぎ込む自分たちを尻目に崇拝対象の身内ヅラする憎いヤツラ。
しかし仕事という名目で、なんの憚りもなしに声優さんに必要以上に接近できる、そのスタンスは羨ましくもある。
ラジオディレクターや音響監督など、業界関係者は90年代後半の声優ゲーム乱立期において、プレイヤーが居座る便利なポジションとして、しばしば重宝されてきた。
そんな業界関係者の列に新たに加わってきたのが、第三次声優ブームの波に乗って次々と創刊した声優専門誌の編集者だ。
個々の作品に縛られず、幅広くニュートラルに声優とのコンタクトが望める、なかなかにおいしいポジションである。
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1997年発売の『マイ・ドリーム オンエアが待てなくて』は、その声優専門誌編集者をプレイヤー主人公に据えたゲーム。
8人のみずみずしい声優の卵に取材を重ねて彼女たちの成長と躍進を見守り、ついでにちょっぴり親密になってしまおうという、我々が憧れる理想の業界関係者像を煮こごりにしたような設定である。
青田買いは声優オタやアイドルオタが漂流の末に行きつく終着の浜辺みたいな行為だが、それに加えて、どの娘を誌面でプッシュするかの言わば生殺与奪権をも握ったポジションだ。
悪魔に魂の3つや4つもまとめ売りしてでも手に入れたいところである。
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そんな恵まれた立場のプレイヤーにゲーム開始早々与えられるもう一つの特権がキャラクターのキャスティング。
8人のメインヒロインには、それぞれ3人の声優が割り当てられていて、その中から誰をキャストに選ぶかは、すべてプレイヤーに任せられているのだ。
このゲームの企画がもう一歩踏み込んだものであったのなら、ここでそれぞれのヒロイン役に実際の新人声優たちを大挙登用して青田買いの二乗を目論むところだが、しかしこの『マイ・ドリーム』はそこに当時すでに中堅~ベテランの域に達している声優さんたちをチョイスして、詰めの甘さを露わしてしまっているのであった。
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玉川紗己子、TARAKO、折笠愛、日高のり子、田中真弓、松井菜桜子、松本梨香等々。いかに役者の仕事が虚構を演じることだといえど、声優の卵に重ね合わせるにはずいぶんと無理のあるメンツである。
松井菜桜子さんにうっかりな口を利こうもんなら、廊下の隅に呼び出されて業界の仁義を1時間くらいみっちり叩きこまされそうではないか。
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脚本を担当するなど本作の企画に大きく関わっているのが、現役声優の西村朋紘と辻谷耕史のコンビ。
ところどころに見え隠れする妙に生々しい業界臭は、この2人に拠るところが大きいのだろうが、その一方で妙に取り繕った業界描写や、ギャルゲーに必須な邪さの不足、そしてキャストも含めたみずみずしさの欠如など、本作のウィークポイントも、やはり既に中堅~ベテランの域に踏み込んでいた2人のすれた立場に原因の一端があるのだろうか。
業界のベテランが演じる声優の卵に内心恐縮しながらも、あくまでも業界の先輩ヅラしてもっともらしくお付き合い。
声優が声優という役柄を演じることの演技技術的な部分を超越した難しさを、嫌というほど教えてくれるゲームである。

 

この記事に含まれるtag : ギャルゲー 声優 

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2016/04/02 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【RAMPO】封印映画のメディアミックス

   ↑  2016/03/26 (土)  カテゴリー: セガサターン
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松竹100周年記念として賑々しく公開されながら、今では当の松竹でアンタッチャブルな案件
黛りんたろうと、本来はプロデューサーであった奥山和由の二人がそれぞれメガホンを取り、二つのバージョンが同時公開され「RAMPO」は、そんな奇妙な経緯を持った作品だ。
フィルムのできが気に入らないからと、プロデューサーが自ら映画を撮り直すこと自体がそもそも前代未聞だが、その後の二バージョン同時封切りも含めたギミック山盛りの公開方法も例を見ないもの。
そして映画会社には付きものであるお家騒動を経て作品そのものがなかったことにされ、DVD化が一切為されていない幻の作品となっている。
外堀ばかりが賑やかな煽りを食って、映画本体のことはさっぱり語られることもない。
オレも確か公開週にどっちかのバージョンを観た記憶はあるのだが、内容はまるっきり印象に残っていない。「RAMPO」はとにかくそういう映画だ。
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そんな曰くつきの作品が歴史に完全に埋もれないでいるのは、当時の松竹と完全タイアップしたセガ産シネマゲームの存在があるからだろう。
映画からは羽田美智子と香川照之(横溝正史役。ゲームでは狂言回しを務める)が登場し、主人公江戸川乱歩役の竹中直人は声のみの出演(映画本編の流用ムービー部分には、その姿がちらっと登場)。そしてゲームオリジナルキャストとして渡辺典子が名を連ねる、なかなかに豪華なキャスティングだ。
ストーリーも映画本編とはほぼ独立したオリジナルのもの。
二部構成の前半は、乱歩宅(例の土蔵も勿論あり)とその周辺を舞台に、編集者の横溝正史に現行を催促されながら、屋根裏を散歩したり、からくりの二銭銅貨を見つけたり、お勢さんが登場したりと、乱歩の諸作品からつまみ食いを重ねたようなシチュエーションの中から、ぐだぐだな結末を迎える殺人事件に行き当たる。
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ゲームを司るのはCG背景と実写の合成。
ブルーバックを前に、いつもとは勝手の違うゲーム向けの芝居を強いられる役者さんたちは、皆一様に苦労の跡が伺えるが、そんな悪条件にも物怖じせずC調の芝居でゲームを無理やり牽引してゆくのは、今をときめく香川照之だ。
このゲームを当時プレイした人の中で、彼のその後の大出世を予想した者が果たしてどれほどいたであろうか。
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香川照之の奮闘もむなしくジャンプの短期打ち切りマンガ最終回的に終了するディスク1を経て、後半は映画版にも登場した大河原邸に舞台を移動。
そこで待ち受けるのは、松竹で今もアンタッチャブルな存在になっているのかは知らない羽田美智子の周辺に起こる怪現象。
自分が生み出した小説の主人公のように、探偵役としてこの出来事に挑む乱歩であったが、素人探偵の悲しさか、あるいは当時の3Dインタラクティブアドベンチャーの限界か、ここでも事件は特定の人物に会ってのフラグ立てと、数少ないチェックポイントの中から、これまた数少ないアイテムを探しだすことによってなし崩し的に進行するのであった。
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独特のもっさりとした移動や展開や、ちょっと大仰なアイテム関連のインターフェイスなどから伺えるように、このゲーム版『RAMPO』のベースとなったのは、メガCDの名作『夢見館の物語』。
特に大河原邸に移動してからは、屋敷内のビジュアルデザインなど、『夢見館』の生き写しと感じるような部分が大きく目立つ。
実写人物との合成も、『真説・夢見館』の宙に浮かぶCG生首ほど雰囲気を損なうものではなく、シチュエーションによってはCGとの意外な絡みのよさも見せる。
その一方でプロットの貧弱さも、これまた『夢見館』譲り。ストーリーの力不足をムードでお補う雰囲気美人っぷりは、一種の伝統と言えるのかもしれない(この伝統は後に『月花霧幻譚~TORICO~』という傑作に引き継がれる)。

 

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2016/03/26 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ウエルカムハウス】自称ドタバタ喜劇

   ↑  2016/03/18 (金)  カテゴリー: セガサターン
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閉じ込められたのは3Dポリゴンで形作られた館。
『アローン・イン・ザ・ダーク』に始まり『ドクターハウザー』や初代『バイオハザード』など、3Dゲームが勃興を迎えたこの当時の流行りのシチュエーションだ。
しかも操作方法まで方向キーの上で前進、左右で方向転換のラジコン方式とくれば、もう廊下を歩くだけで窓を突き破って猛犬が飛び込んでくる心配をしてしまう。
「地下室の謎…閉ざされた扉…鍵を探してトラップを切り抜けろ」。帯に記されたキャッチコピーが、サバイバルホラーに挑むような気分を一層高める。
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だがそれは考え過ごしだ。ここは正体不明の謎の館ではなく、招待されて訪れた叔父さんの稲。
主人公キートンをびっくりさせようと、落とし穴やら仕掛け階段やらと度を越したトラップを屋敷中に施して入るが、ほんの些細ないたずらだ。万が一かかったとしても、命を落とす心配はない。
そう、この『ウエルカムハウス』はサバイバルホラーにあらず。
3D館もののシチュエーションを、ハンナバーベラのカートゥーンアニメの雛形にもなったスラップスティック(ドタバタ)コメディ風味で味付けしたコミカルアドベンチャーなのだ。
しかしそんなテイストを振りかけたとして、バスター・キートンやローレル&ハーディの映画のように腹を抱えてゲラゲラ笑えるかといったら、もちろん話は別だ。
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スラップスティック喜劇はスピード感が命。畳み掛けるようなテンポで山場から山場を繋いでなんぼのジャンル。
それが勃興期3Dポリゴンアクションのもっさりとした動作(しかもラジコン式操作)と水と油なのは、誰の目にも明らかなのであった。
すかすかな館の中をもさもさと探索している最中に思い出したように発生する、すっ転んでピヨったり階段から滑り落ちたりぺっしゃんこになったりのスラップスティック描写。
ドアの鍵を探しまた別のドアの鍵を探しの館AVGルーチンに振り回されているこちらが、そんな嫌がらせのようなギャグに顔を綻ばせるわけがないのであった。
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それに被さるのはアメリカのシチュエーションコメディ風な笑い声やブーイング。
負けじとオーバーに肩をすくめたりカメラに向かってポーズをとったりと、ベタベタなリアクションを披露する主人公。
"戯画化したアメリカ白人"コントを思わせるような寒々しさに、ラストまで付き合わされるプレイヤーもいい災難だが、幸いなのはボリュームがAA級タイトルのプロローグ程度の長さしかないことであろう。

 

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2016/03/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |