ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【大正浪漫事件簿】不変のマリンハート流儀

   ↑  2016/04/26 (火)  カテゴリー: PCゲーム
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先日ついに著作がパブリックドメイン化された江戸川乱歩のデビュー短編「二銭銅貨」が世に放たれたのは、関東大震災が起こる大正12年のこと。
大正末期から昭和初期にかけての時代は、日本に於けるミステリ小説の黎明期でもあるのだ。
そのためか今でもこの時代を舞台にしたミステリ作品は数多く、ゲーム世界とてその例外ではない。
現在でもモバイルなどで復刻されている藤堂龍之介シリーズはその代表格だし、TOKIOの松岡君主演でほんのちょっぴり話題になったPS2の『玻璃ノ薔薇』も、やはりその時代を舞台にしたミステリADVだ。
なんとなくゴシックめいた"本格"の香りを醸し出せてしまうのが、この時代が舞台背景として重宝される大きな理由の一つだろう。
そしてそんな便利な素材を"BLゲーム界のトロマ"と畏れられたあそこが見逃すわけがなかった。
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マリンハート。その名を聞いただけで「うあー」と脱力するお姉様がたも数多かろうと思うが、ここはある時期にかけて"月刊マリンハート"と称されるほどのハイペースでBLゲームを粗製濫造……、あ、いや、量産しまくっていた名物メーカーであった。
ここのスタイルは呆れるくらいに一貫している。
スペースオペラ、時代劇、学園モノ、中世ファンタジーなど、大雑把な輪郭の掴みやすいジャンルをテーマに据えたら、あとはそれを考証とかジャンルに対する細かい理解なんかを思い切りかっ飛ばして、ざっくりとしたイメージだけで一本のゲームにでっち上げる。
スペオペだったら宇宙船みたいなのが出てくるとか、時代劇だったらみんな着物を着てるとか(ちなみに着物の描写とかはめちゃくちゃ)、とりあえずそんなレベルでここのジャンルものは成立しちゃっているのだ。
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そんなマリンハートのBLゲームに、きめ細かいキャラクター構築だとか心理描写だとかを、もちろん期待してはいけない。
まるでヤンキーカップルの痴話喧嘩のようなどうでもいい恋愛劇と下世話なエロシーン。これらが上っ面だけのスペオペやファンタジーにどすんと放り込まれて、今月の月刊マリンハートのいっちょう出来上がりだ。
シチュエーションは変われどやってることは毎回同じ。まるで「8時だよ全員集合」のコントだが、あんなありがたいものでないことは、改めて言うまでもないだろう。
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破綻しまくりで必然性のまるでないシナリオ、シェイプし過ぎのボリューム、質素なグラフィック、そして漏れなく付いてくるバグ。
逆ブランドイメージをしっかりと確立させて微塵も揺るがないマリンハートに、論理的な整合性を要求されるミステリは、およそ手に余る素材である(むしろここの手に余らない素材を探すほうが困難だ)。
しかし鉄面皮さでも他には引けをとらないマリンハート。
大正の都下で頻発する猟奇事件。そして恋人である小説家の失踪を機に、軍人が暗躍する陰謀に巻き込まれてゆくメインストーリーも、相も変わらずそれを収束しようという気がマリンハート側にさらさら無いので、オチも大団円もなしに無残に放置されるのであった。

 

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2016/04/26 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ルナティックドーン 開かれた前途】ト書き生成ツール

   ↑  2016/04/22 (金)  カテゴリー: PCゲーム
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4月21日でアートディンクが創立30周年を迎えたそうで、それを記念する動画が公開されています。
再編や吸収合併、倒産などで多くのゲームメーカーが姿を消してゆく中で、国産PCゲームというニッチなジャンルを支えてきたアートディンク、ファルコム、コーエーの三社がいまだ健在なのは(いずれも主体をPCゲームからシフトしていますが)驚きを感じますが、その中でも個人的に一番思い入れが深いのは、やはりアートディンク。
様々な分野をテーマにした独創性の高いシミュレーションゲームの数々は、一般的にはなかなか陽のあたることのなかった国産PCゲーム界隈に活気をもたらしてくれました。

今でも続く『A列車で行こう』シリーズ、『栄冠は君に』シリーズ、後継がコンソール機で花開いた『ATLAS』は、初期のアートディンクを代表する三本柱ですが、これ以外にも興味深いタイトルは目白押しで、特に建築現場を題材にしたSLG『はなまる工務店』は、手放したことを今でも悔やむほどです。Steamあたりでの再お目見えを期待しています。
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出自によるものでしょうか、アートディンクは昔から作品に映画やコミック的なドラマ性やゲームならではのカタルシスを盛ることを不得手としていて、それは逆に同社の個性的なカラーとなっていました。
ドラマ性やカタルシスが不可欠なRPGの分野においても、そのアートディンク独特のカラーは一貫しています。
『ルナティックドーン』は後にプレイステーションに受け継がれた同社の根幹RPGシリーズ。
作品ごとにシステムやコンセプトを違えながら継続してきましたが、貫かれているのはプレイヤーに対してちっとも世話を焼いてくれない投げっぱなしのアティチュードです。
一般のRPGが添乗員やガイド付きで観光コースを丁寧に回ってくれるパッケージ旅行なら、こちらは航空券だけ手配して、後はご勝手にとばかりその地にぽーんと放り出されるような感覚。
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自由度といえば聞こえがいいですが、その実は移動や依頼の淡々とした取捨選択と実行の繰り返し。
それによって記されるプレイヤーの行動録は、表面的にはト書きのような簡略で素っ気ない冒険譚になります。
しかしSLG作品もそうですが、アートディンクのゲームはプレイヤーのイマジネーションに触媒されて形を変えるツールのような存在。
それはRPG作品でも、ドラマチックなストーリーや細かいキャラクター描写を排除してまで徹底しているのでした(その排除してきた要素にあえてチャレンジしたPS2ゲーム『ルナティックドーン テンペスト』で、同シリーズの系譜が途絶えてしまったのは、実に皮肉です)。
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そう、ルナティックドーンは、プレイヤーが想像力で膨らます冒険譚のト書きを算出するツールのようなゲーム。
そして"二つ名"システムは、自動で生成される無数のNPCにキャラクター付けの手助けをしてくれる、これまたルナドンならではの楽しいシステムでした。
勇ましいものから奇矯なものまで、様々な二つ名にそいつの性格を想像したり、好悪を抱くきっかけとしたり。もちろん私のことですから、自分のキャラクターにいかにろくでもない二つ名を付けるかに、さんざん頭をひねったことは言うまでもありません。
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その"RPGの形を借りたツール"ルナティックドーンですが、シリーズの最初からそれをしっかりと実現させてきたわけではありません。
特に一作目は、そのコンセプトを青写真段階で製品にしてしまったような、あまりにも未完成なゲームでした。
しかしシリーズを重ねて次第に形となり、この1995年作の『ルナティックドーン 開かれた前途』で、それがようやく実を結んだ印象があります。
現在ではSteamでも配信されている本作。私の手元には当時のディスク版が残されていますが、こちらもwindows10で問題なくばりばりと動作します。

 

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2016/04/22 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【悪夢の館 ~コギャルV.S.ゾンビ~】非エロゲー系エロゲー

   ↑  2016/04/13 (水)  カテゴリー: PCゲーム
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非エロゲー系エロゲー。
めちゃくちゃ矛盾した言葉だが、とにかくオレがそう名づけて分類しているジャンルがある。
独自のカルチャーと愛好家層を築き上げて今も脈々と続く従来の二次元系エロゲーとは異なる土壌から生まれたアダルトゲームのことだ。
わかりやすく言うと、パソコンパラダイスやメガストアでは絶対取り上げられないようなエロゲーである。
PC-98に育まれた二次元系エロゲーに対して、これら非エロゲー系エロゲーはWindows95のブームと、それに伴うパソコンの爆発的な普及を背景に生まれた。
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この一般層へのパソコンの広まりを新しい販路の誕生と錯覚したのが、アダルトビデオ系のメーカーや流通の人たちだ。
その思惑により95年から97年にかけて、Windows用のアダルトCD-ROMやゲームが大量に生み出されたのであった。
彼らの最大の強みは、アダルト映像やスチールの素材には事欠かないこと。
一方で致命的な欠点となったのは、ゲームを作るノウハウがまったくないことであった。
だがとりあえずゲームという形をとると決めちゃった限りは、方向キーを押せばキャラクターが動くとか、ボタンを押せば弾が出るとか、なんとかそれっぽい体裁にしなければならない。
こうして非エロゲー系エロゲーは、そのほとんどが"そこらの中学生がMSXで作った初めてのゲーム"以下のシロモノばかりで占められる惨状となったのだ。
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黎明期のゲオも、そんな非エロゲー系エロゲーに参入していたクチだ。
『悪夢の館 ~コギャルV.S.ゾンビ~』。そんなレンタルビデオバブル期のZ級駄ホラー映画邦題を思わせるようなタイトルに、非エロゲー系エロゲーのすべてが集約されてるといっていいだろう。
非エロゲー系エロゲーのつくり手にも、ゲームには設定というか、一応の導線が必要なことはなんとなく理解している。
「ここは悪夢の館。その人にとっての恐怖が形となって現れるところだ。この館にひそんでいるのは性欲。いますぐ逃げなさい。しかし出口を開けるには鍵が必要だ。性欲の固まりとなったゾンビに捕まらないよに鍵を手に入れるのだよ」
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原初のアーケードゲームのようなアバウトな設定が、ボイス入りで悠長に語られるイントロダクションに、思わず苦笑が漏れてくるが、しかしそれもゲームを始めるまで。
肝心の本編は、悪夢の館に迷い込んだ自称コギャルのナナちゃんを方向アイコンで操作して、5つの扉から鍵を探すだけという、ゲームの原初からさらに大幅に退化した単なる5択の作業なのであった。
鍵のない扉に入ってしまったら服を1枚剥がされ、全裸になればゲームオーバー。
ちなみに性欲の固まりのゾンビとやらは、画面のそこら中に蠢いているが、氷河並みのスピードでもそもそと動くだけなので、これに捕まるほうがむしろ至難の業だろう。
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場末のお化け屋敷のような脱力ボイスばかりが耳に残り、プレイヤーに別の意味で悪夢を感じさせてくれるゲーム本編だが、しかしこうしたどうでもいいゲーム本編は、非エロゲー系エロゲーにとっては、ありがた迷惑な義務みたいなもの。
鍵を手に入れて無事悪夢世界から脱出できれば、いよいよご褒美の実写アダルトムービー鑑賞タイムだ(ちなみにゲーム本編をクリアせずとも、エクストラから普通に観ることができたりするが、そういう細かいことを気にしていたら非エロゲー系エロゲーとは付き合えない)。
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だが舞い上がってはいけない。使われる映像素材が揃いもそろって客の食べ残したパセリみたいな使い回しであることも、非エロゲー系エロゲーのもう一つの常識なのだ。
ここで観られるムービーも、案の定10年前の古物(本作の発売が96年。そこからさらに10年近く前のシロモノだ)。
そんなピンク映画レベルAVのさらに断片が、クイックタイムの粗く小さい画面で流れても、それはご褒美というよりは一種の嫌がらせみたいなものだ。
コギャルは無事悪夢の館から脱出できた。しかしこんなゲームを手に入れてしまった者の悪夢は、もはや文化財レベルのエロ動画を前にまだまだ続くのであった。

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2016/04/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク】月下の青春群像劇

   ↑  2016/04/05 (火)  カテゴリー: PCゲーム
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木原敏江の代表作に「摩利と新吾」という大河長編がある。戦前の全寮制男子校を舞台にした青春ドラマでオレのフェイバリットコミックの一つだ。
がさつで薄汚いだけの現実のそれとは違って、見目麗しい美形が青春を謳歌する想像と妄想の世界の男子寮は常に美しい。
やはり昭和初期の旧制高校を舞台にした『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク』の寮もそうだ。
眉目秀麗で文武に優れた若者たちが学ぶエリート校。そこは教師はもちろんのこと、小間使いすらも超美形ときている。
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月の下の陵辱劇。襲われたのはそのちょっとワケありの生い立ちを持つ小間使い。
そして小間使い、日向要が慕う生物教師のもとに、陵辱の現場を収めた写真が届けられる。
脅迫とも嫌がらせともつかない謎の差出人は、果たして陵辱犯とイコールなのか。要の犯人探しには、やがて学校の中でも際立つ美形たちが絡みだし、それぞれに葛藤やコンプレックスを抱えたドラマを織りなすのであった。
愛好者それぞれの極めてパーソナルな嗜好に左右されるボーイズラブゲームは、他のジャンルのように万人が認める名作というものが、なかなか生まれにくい土壌がある。
その中にあって『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク』はBLゲームでは珍しい、傑作の共通認識が高い作品だ。
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シチュエーション、キャラクター、シナリオ、すべてが高水準でまとめ上げられたこのゲームの中で一層際立っているのは、主要キャラクターを受け攻めリバーシブルに自由に掛けあわせて進行させ、それでいて破綻らしい破綻がまったくない、カップリングという行為そのものを根幹に据えたそのゲームシステムだ。
ニヒルで奔放な名家のぼんぼんに寡黙で朴訥な剣道の猛者。小生意気な赤毛の潔癖症と、その従属のような気の弱いおかっぱ頭の下級生コンビ、そして学校の近くに居を構えるハーフの猟奇探偵作家。
受け、攻め、それぞれに違った適性を持つような面々だが、しかしゲームを進めてキャラクターたちの隠された一面や心の闇が明らかになってくると、もう表面的なイメージによるカップリングでは物足りなくなってくるだろう。
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ただしそれぞれのキャラクターには、やはり厳然とした攻め体質、受け体質が存在する。
基本受け体質のキャラを攻め側に回す為には、組み合わせポイントと呼ばれる数値を莫大に消費しなければならない。
また一日ごとに割り振られる組み合わせポイントには上限があるので、受けキャラを攻め側に回すカップリングを作ると、その日に成立できるカップリングの数が激減してしまうデメリットもある。
この受け攻め逆転カップリングの数を重ねていくと、受けキャラの攻めポイントが少しずつ上昇し、攻めキャラの攻めポイントがやはり少しずつ減少する。
そして二人の攻めポイントの数値が逆転すると立場も逆転。そして無骨やニヒルの思わぬ一面、思わぬ痴態が次第に露わになっていくのだ。
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カップリングによりキャラクターごとにそれぞれ出現するシナリオは、さらに受け攻めの反転と純愛陵辱のルート分岐により、さらに多岐に広がる。
多感な時期は若者にモザイクのように絡み合った多面な心の奥底をもたらす。そしてそれはもっとも親密な人との関係の信頼や不信や葛藤によって、内壁を打ち破って露わになったりする。
別のカップリング、別のシナリオによって浮かび上がる、キャラクターたちの隠された一面と来るべき未来の姿。
月明かりと薔薇の花に囲まれた耽美な学園で繰り広げられるのは、実は王道の青春群像劇。
後にPS2やPSPへの移植も果たした、エバーグリーンの名作である。

 

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2016/04/05 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Nancy Drew: Message in a Haunted Mansion】少女探偵ナンシー

   ↑  2016/03/20 (日)  カテゴリー: PCゲーム
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社交的で正義感に溢れ、強い洞察力と逞しい行動力を兼ね備えたアメリカの正しい少女たちの理想像。
少女探偵ナンシー・ドルーは、アメリカでもっともポピュラーな少女向けミステリーシリーズの主人公。
ナンシー・ドルーのデビュー作がこの世に出たのはなんと1930年。以降、複数作家体制の下、数えきれないほどのシリーズ作を生み出した、まさにアメリカの国民的児童文学だ。
日本においても主にジュブナイル系の文庫を中心に古くから翻訳版が出され、それは本国同様に表紙やキャラクターイメージを時代に合わせてモデルチェンジしながら何度も版を重ねてきた。
Kindle版もある創元推理文庫と、ライトノベルと見間違えるような表紙に装いを変えた金の星社版が、現行ではもっとも入手しやすい翻訳版だ。
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原作本の数も膨大なら、そのゲームの数もハンパじゃない。
90年代の末期に登場したナンシー・ドルーのゲーム化作品は、年に2本という驚異的なペースでシリーズを重ね、現在までに出たその数は30本余り。
流行りのディティクティブヒドゥン(アイテム探し)の体裁をとった傍流シリーズもあるが、その正編はポイント&クリックを規範とした伝統的なミステリアドベンチャーゲームだ。
これらはゼロ年代に秋葉原を中心に栄えていた輸入PCゲームショップによく入荷されていたが、作品のテーマ&コンセプトが国内PCゲーマーの嗜好と絶望的なまでにそりが合わず、セール品の常連となっていたりした。
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あと面白いところで目についたのは、子供向け英会話教材を扱う通販ショップのラインナップ。
元々が低年齢層に向けたゲーム。使われている英文も比較的平易なことから、10代くらいの英会話のテキストに適していたのだろう。
もちろんその恩恵は大人のゲーマーにも同様で、英語ミステリADVの入門編としては、実にうってつけの存在であった。
この『Message in a Haunted Mansion』は、そのゲーム版ナンシーのシリーズ3作目(2000年発売)。
シリーズの中で唯一携帯ゲーム機(ゲームボーイアドバンス)にも移植された作品だ。
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舞台となるのはサンフランシスコにあるビクトリア調の古い屋敷。そこで起こる幽霊騒ぎに持ち前の洞察力で挑む(首を突っ込む)のは、我らが少女探偵ナンシー。
屋敷内を主観視点で移動し画面内の気になるところをポイント&クリック。要所要所で適度なパズルが立ちふさがる伝統のスタイル。
今回は屋敷の中にある東洋のオブジェの数々が、怪奇現象の影に隠された真相を突き止めるための大きなキーポイントとなるのミソ。
子、丑、寅、卯、辰、巳……、我々にとってはなんてことなく順番を諳んじられる干支が、ナンシー(と主たるプレイヤーの米国少年少女たち)にとっては、最大の難問となって立ちふさがるのであった。
アメリカ人が漢字で右往左往する姿を、ローティーン向け英文テキストをたどたどしく読み進めながら眺めるのも、なんとも味わい深いものがあるだろう。

 

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2016/03/20 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |