FC2ブログ
 

ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

この記事に含まれるtag :
野球  

書籍【球界の野良犬】愛甲猛

   ↑  2010/04/15 (木)  カテゴリー: 書籍・コミック
10041511.jpg
BUBUKAの最新号を数年ぶりに購入した。お目当ては吉田豪による愛甲猛のインタビュー記事。
アーチェリーの山本博(愛甲とは横浜高校時代の同級生。「お前なんか知らないよ、バカ」)や長嶋一茂のメロン話(「お前んちじゃ、メロンどうやって食ってんだ!?」「二つに切ってアイスクリーム乗っけてブランデーかけて……」「………」)など、面白い話が満載の濃いインタビューで、とにかく必見な内容なのだが、この記事中で吉田豪が絶賛しているのが、昨年出版された愛甲の自伝である"球界の野良犬"。
この本も、いわゆる野球選手本の中では、一、二を争うくらいの面白さなのだが、何故か野球ジャーナリズム界隈では、黙殺に近い扱いを受けていたのだ。
10041506.jpg
まあ冷静に考えれば、あの界隈の人たちが見て見ぬ振りをするのも当たり前の話。
何せ帯に踊るのは「暴走族、アンパン、失踪、暴力、野球賭博、筋肉増強剤」といった扇情的な文字ばかり。
高校球児時代に限っても、族の集会や監督の目を盗んでのアンパン。ソープランドや、試合前に甲子園のトイレで一服なんて話が、開けっぴろげにどんどん出てくるのだ。
それら”悪行”の数々が、筋金入りの不良独特のニヒリスティックで乾いた文体により、実に淡々と語られるので、扇情的にも叙情的にもならず、むしろさっぱりとした余韻を読後に残している。
10041509.JPG
本書に書かれたロッテ時代のエピソードの数々も、ロッテファンならずとも興味深く読めるものばかり。
”ワンマンエース”村田兆治。打撃の師、落合博満。その落合も心から慕った稲尾さん(稲尾監督を”さん”づけで呼ぶのは、全てのロッテファンの義務だ)のちょっといい話。
伝説の10・19でロッテナインを結束させた、近鉄仰木監督の意外な心ない一言。
弟分の伊良部。ディアズやデストラーデとつるんでの、夜のご乱行。みんながうんざりしていた広岡体制。
10041505.jpg
そして白眉は、打撃投手を買って出てはブラッシュボールをぶん投げるわ、主審に「うちの監督退場させてください!」と自軍の選手から懇願されるわ、何かがあれば全て「いつ決めた!?わしゃ知らん!」で済ますわ、「この件で一番悪いのは、園川、お前じゃっ!」だわ、サトウの切り餅だわと、その全てが抱腹絶倒ものの、カネやんエピソードの数々。
傍から見ている分には面白くってしょうがなかったけど、この人の下で野球を野球をやったり、この人相手に審判を務めたりするのは(挙げ句の果てには蹴られたりするのだ)、たまったもんじゃないだろうなと、つくづく思わせてくれる話ばかりだ。
10041507.jpg
ただ、愛甲猛の生まれついての不良性、アウトローぶりは、川崎時代から薄々承知していたこちらも、選手時代晩年のドーピングの話は、さすがにショッキングだった。
副作用で壊れる肉体。引退後も薬物の影響で死の一歩手前の状況まで体験しながらも、それでも後悔はしていないと淡々と語る。その乾いた語り口に、読んでいるこちらも言葉に詰まるほどの生々しさを感じたりする。
本人自らが「綺麗事は一切書いてない」と語る本書。これほど内容が濃く面白い野球本は、ここ近年、他にはありません。
BUBUKAのインタビュー記事とダブるような話は一切無し。今月号のBUBUKAと併せての一読をお勧めします。

関連記事

この記事に含まれるtag : 野球 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-445.html

2010/04/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment

コメント:を投稿する 記事: 書籍【球界の野良犬】愛甲猛

お気軽にコメント:をぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント:) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメント:として投稿する。(管理人にのみ公開)

Trackback