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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

Vシネマ【Zero WOMAN Ⅱ ~警視庁0課の女~】

   ↑  2010/09/09 (木)  カテゴリー: 映画・DVD
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日曜朝9時と言えば、子供たちや大きなお友達がメイン視聴者層の、言わば”朝のプライムタイム”とも言える時間帯。
フジテレビでは”ドリーム9”の名称の元に、今ではアニメ作品を放映する時間帯になっていますが、それ以前のこの時間帯では、東映不思議コメディーシリーズと呼ばれる実写ドラマを放映する枠でした。
『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』『美少女仮面ポワトリン』『有言実行三姉妹シュシュトリアン』なんてタイトルが並ぶこのシリーズの中で、良い意味でも悪い意味でも名の知られている作品が、1989年に放映された『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』。
人気を得たにも拘わらず、当初の予定にも満たない僅か半年間の放映で打ち切られてしまった悲運の番組です。

その打ち切りの理由は、主演のアイドル小沢なつきが、撮影をほっぽり出してマネージャーと駆け落ちまがいの失踪をしてしまったという前代未聞なもの。
番組はただちに打ち切られ、設定をそのまま受け継いだ新番組『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(主演は島崎和歌子)が急遽制作されるという、ばたばたした事態になったのでした。
これからの飛躍を嘱望されていた小沢なつきでしたが、こんな騒ぎを起こしては、もちろんアイドルとしての生命を完全に絶たれたのも同然。このま仕事を干され、芸能界から姿を消してしまいます。
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そんな小沢なつきがヘアヌードという起死回生の手段で芸能界にカムバックしてきたのは、それから約4年後のこと。
しかし、いくら復帰したとは言っても、そのような前歴を持つ小沢なつきに華々しい舞台が用意される筈はなく、自然とその仕事はVシネマを中心とした、いささかやさぐれたフィールドに限られてしまうのでした。
だが、20才にもならないうちに「全てを捨てて駆け落ちしようとしたら、待ち合わせ場所に相手が来なかった」という、凄まじい修羅の道を経験してしまった小沢なつき。
Vシネマ仕事でスクリーンに晒される彼女を姿からは、演技を超えた女の修羅が、常に垣間見えていたのでした。
その修羅の淵からこの人を救い出したい。しかし、うっかり手を差しのばせば、間違いなく自分もその修羅の中に引き摺り込まれてしまうだろう。
観る者にそんな妄想を抱かせる危うさ、痛々しさ、業の深さ、そして何とも言えない場末の雰囲気。
それらを振りまくこの時期の小沢なつきからは、そのアイドル時代からは想像もつかない、安っぽい妖しさに満ち溢れていたのです。
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篠原とおるのコミックを原作に持つVシネマ、ゼロウーマンは、'90年代の後半にカルトな人気を誇ったシリーズ。
このシリーズの特徴は、少し前にちょっぴり名の売れたアイドルに、主演と引き替えに脱ぎやハードな絡みを課すという、いささか残酷なものでした。
第1作の飯島直子を皮切りに(ただしこの1作目は、それほどハードな絡みシーンは無い)、武田久美子、大野幹代(元CoCo)、立原麻衣、白鳥智恵子といった面々がこのシリーズに出演してきました。
篠原とおるのやさぐれたテイストを根底に持つこのシリーズと、”修羅の女”小沢なつき。両者の邂逅は必然であったと言えましょう。
小沢なつきが出演したのは、飯島直子編に続くシリーズ第2弾。そして、ゼロウーマンシリーズ中、最高傑作は、紛れもなくこの小沢なつき編でしょう。
他のゼロウーマン主演女優勢には太刀打ちできないほどの、小沢なつきの凄絶な修羅は、それくらい篠原とおる世界と見事にシンクロしているのです。
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暴力団、汚職刑事、中国人のチンピラたちが三つ巴で奪い合う株券争奪戦に、小沢演じる警視庁ゼロ課刑事が挑み、男に惹かれ、抱かれ、裏切られ、痛めつけられ、最後は男の股間を撃ち抜き因業な死を与えるという、篠原節溢れる世界ですが、三陣営それぞれにキャストがいい味を出して、このB級ジャパニーズノワールの世界にどす黒い花を添えています。。
暴力団組長役の団時朗は双眼鏡マニアというキッチュな設定。汚職刑事役の菊地孝典は、藤岡弘から脂を抜いてさっぱりさせたような印象。
そして中国人チンピラコンビを演じるのは、ケイン・コスギと、山崎邦生の元相方である軌保博光。
後先考えず青竜刀を振り回し、最後は文字通り自ら墓穴を掘る軌保博光が、、実に生き生きして躍動感に溢れています。
そして物語の終盤では、ケインとユキオ・ヤマト(代表作は『ZIPANG』)の素手での一騎打ちというドリームカードも実現。
ユキオ・ヤマトを圧倒するケインの体技は、さすが見応えがあります。
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そのケインと並んで小沢なつきがアクションを披露するという、ある意味とても残酷なシーンもあったりしますが、まぁこれはケインにだけ注目して小沢さんの姿はなるべく観ないようにしてあげましょう。
そんなあらゆる意味で体当たりな小沢なつきの熱演が報われ(鼻からお薬を吸引するシーンのはまりっぷりは、半端ではない)、ゼロウーマンシリーズ屈指の、そして第2期小沢なつきの集大成とも言える作品に仕上がった本作。
しかし、そんな奮闘も虚しく、次作『アタシはジュース』を最後に、小沢は再び業界からフェイドアウトして行きます。
そして数年後、彼女は思いもよらぬ形で表舞台に再び姿を現し、さらなる修羅の道を突き進んで行くことになるのですが、その話についてはここでは触れないでおきますね。

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