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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【The Bunker】地下壕の純粋培養引きこもり

   ↑  2019/04/04 (木)  カテゴリー: XBOX ONE
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まず医療用ビタミンを摂取し、次はラジオのダイヤルをくまなく回して電波をチェック。次はパソコンで施設の状態と放射線量を調べ、食料の残りを確認してついでに食事。最後は母親の様子をみる。
核戦争下の退避用バンカーの中で生を受けてから、もう1万日以上もジョンはこのルーチンを繰り返してきた。
軍人に科学者、医者にエンジニア、そして民間人。かつてはそれなりの数の人々が避難生活を送ってきたバンカーも、ジョンと母親の二人だけになってからもう気の遠くなるような月日が経っている。
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だが、この地下深くでジョンを設け、深い愛情と庇護で彼をずっと包んできた母親も、ついに病に倒れるときが来た。
「絶対にここから出て行かないと約束して」
今際の際に母親はジョンにそう言い残す。
「ここにいる限りあなたは絶対安全なのだから」
そして母親の死を待っていたかのように、コンピュータが設備の不調を訴える警報を発しだす。
施設を回復させるために、ジョンは母親から立ち入りを厳しく止められていた下層エリアに足を踏み入れる。
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『Late Shift』や『The Infectious Madness of Doctor Dekker』、『The Shapeshifting Detective』と、フルモーションビデオのゲームをいくつもパブリッシングしている英国のゲームメーカーWales Interactive。
それらの作品はどういう風の吹き回しか、最近になって日本国内のXboxストアでも配信が始まり、そして案の定みんなにスルーされていたりするが、『The Bunker』はそのWales Interactiveの最初のフルモーションビデオ作品。
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ほぼ選択肢があるだけの映画だった『Late Shift』に、最低限のミステリADVの体裁を整えていた『The Shapeshifting Detective』と、一口に同社の実写ゲームといっても、その切り口は様々だが、『The Bunker』の場合はポイント&クリックタイプのアドベンチャーゲーム。
だが基本的に短編映画規模の定まった実写映像が根幹にあるだけに、そのゲーム的な味付けの部分は必要最小限なもの。
実写ムービーにそれなりの臨場感を与える程度のインタラクティブ性だ。
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だからと言ってこの『The Bunker』が退屈かというと、まったくそんなことはない。
リプレイ性も無いしコレクタブル要素も申し訳程度。さらのそのボリュームは1時間程度だが、孤独の糠床みたいになった地下壕という閉鎖空間の息苦しさは、その1時間の体験にぐっと凝縮されている。
孤独の言葉すらも噛みしめる余地もない、生まれたときからの強制的引きこもり。
生死に関わる施設トラブルによって、常人ならば気が狂いそうになっているその引きこもり生活から脱したジョンの前にあるのは、さらなる閉鎖空間。
しかし彼にとっては何十年ぶりに広がった世界だ。そしてそこでの行動によって呼び覚まされる封じ込めていた過去の記憶。
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ホラーゲーム的な期待をかけていると思い切り肩をすかされるかもしれないが(実際ストアの第一印象では、こてこてのスラッシャーホラーと捉える人がほとんどだろう)、ジョンの置かれた環境、そしてその物語は、ねっとりとまとわりつくいたたまれなさと、じわじわ迫ってくるような怖さを放ってくる。
ジョン・カーペンターのスコアを思い出させるような重苦しい音楽も、この1時間ちょっとのインタラクティブ映画を構成する重要なパートの一つだ。

<日本語非対応>

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