ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

【Wheels of Aurelia】1978年のドライブ会話劇

   ↑  2017/07/18 (火)  カテゴリー: XBOX ONE
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ハンドルを握っていれば、どんな寡黙な人間の口も滑らかになる。
狭いクルマの中。密接はしているけれど、互いに同じ方角に顔を向けている奇妙な空間では、あまり親しくない関係でも自然と会話が生まれてくる。
フロントガラス越しに遷ろう景色、エンジンの響きのBGM。その単調なリズムから発生する会話は、酒場の喧騒の中でのそれとは対照的な落ち着いたトーンだ。
そんな独特なテンポの会話に長いドライブの弛緩が加わると、他の場所でのやり取りでは浮かばないような、人の為りや本質がポロッと漏れ出てくることもある。
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1978年のイタリア。ウーマンリブは萌芽していたが、まだそこかしこで女性が抑圧されていた時代。
女が一人ハンドルを握っての長旅に風当たりが強かった頃、リーラは愛車を転がしてイタリアの西岸の道をひたすら走りフランスとの国境を目指す。
途中で出会うのは個性豊かなヒッチハイカーたち。前時代的で厳格な神父、UFO狂のイッちゃってる奴、男性本位主義者のマッチョ野郎。
彼らと車内でかわす会話は、何気ないお天気の話からパーソナルな話題まで。
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鳥瞰視点から『グレート1000マイルズラリー』や『オーバートップ』のような見下ろし型レースゲームをイメージする人も多いかもしれないが、この『Wheels of Aurelia』はアーケードライクなドライビングテクニックなど一切要求されない。
クルマの運転はセミオート。必要となる操作は車線キープの微調整と道の分岐での進路選択くらいのもの。
代わりにプレイヤーが目を凝らすのは、ドライブ会話のリズムで流れるダイアローグテキストと、受け答えの選択だ。
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その会話のリズムセクションとなるのは、控えめなエンジン音と70年代風ディスコミュージックやニュースを奏でるカーラジオ。
極左極右の伸長、赤い旅団によるモロ前首相の誘拐、モンツァサーキットでの悲劇的な事故。時代背景を浮き彫りにする時事ネタに、簡素なビジュアルを補完する豊穣な地理ネタ。
そんなやり取りの末に、銀行強盗を乗っけちゃったり、草レースをおっ始めるハメになったりと、アクシデントに巻き込まれもするが、結局はまたドライブ会話の緩い緩いリズムに収束されてゆく。
一回のドライブは15分程度。そしてリーラと同乗客たちの数奇なその後が語られるマルチエンディング。
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そのマルチストーリーのメインとなるのは、プロローグ直後に乗せた若い妊婦オルガとの、運転席と助手席の関係性から生まれる女同士の友情。
世が世なら「テルマ&ルイーズ」になっていたかもしれない二人だが、今はまだ1978年。あの映画が出てくる土壌が育まれるまでには、まだまだ長い月日を待たなくちゃならない。
太陽の光も豊かなイタリア海岸ルートを舞台に紡がれる、女性解放前夜を舞台にしたちょっぴり奇妙なダイアローグ生成ゲームだ。

<国内ストア未発売>

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2664.html

2017/07/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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