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【LULU -ルル-】朗読・大貫妙子

   ↑  2016/12/24 (土)  カテゴリー: セガサターン
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パソコンの一般家庭への普及やマルチメディアの掛け声を背景に盛り上がった90年代中期の電子絵本プチブーム。
その多くは既存の絵本や童話に軽いインタラクティブ性や音声を付け加えてコンバートしたモノに留まっていたが、その一方で高い志を持ったオリジナル作品だってもちろん出ていた。
ロマン・ヴィクトル=プジュヴェの『LULU』は、そんなオリジナル電子絵本の中でもひときわ高い評価を得た作品。
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本の世界に住むお姫様ルルと本の世界に飛び込んできたロボットのネモが、灼熱の砂漠から極寒の北極を股にかけて冒険するストーリー。
開いた本を模した画面は本文パートと挿絵に分かれていて、水彩画を連想させるこの美しい挿絵部分には、クリックによって変化が現れる様々な仕掛けが施されている。
その仕掛けは単なるギミックに留まらず、本文のストーリーときめ細やかにリンクして、物語にデジタル書籍ならではの深みを与えてくれる。
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本の中の世界というメタフィクションな設定も、ページに穴を開けては別のページに顔を出すなんて仕掛けに有効に活かされ、そしてその演出は物語終盤の展開に深く関わりを見せる。
双方向性を持つデジタルな本としての完成度、オリジナリティは極めて高く、同時代のお手軽な電子絵本とは次元を違える作品だ。
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PC、サターン、PSの3バージョンが出た日本語版も、これまた非常に質の高いローカライズが為されており、
児童文学関連の仕事を多く手がけてきた天沢退二郎の丁寧な翻訳も素晴らしく、さらに目を引くのが原語版の作者プジュヴェ本人から取って代わったシンガーソングライター大貫妙子の朗読だ。
ジュブナイル作品の朗読の場合、ナレーターや声優の起用は、見え隠れするテクニカルな響き、安定性が、雰囲気を損なってしまう場合もままあったりする。
大貫妙子の朗読は、もちろん職業声優のように達者ではないが、逆にそのほのかなぎこちなさが落ち着いた声のトーンと絶妙に絡み合って、羊皮紙の手触りを持ったデジタル書籍である『LULU』の世界に、さらなる余韻をもたらしてくれるのだ。

 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2586.html

2016/12/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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