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【Walking Dead The Complete First Season】ウォーキング・デッド

   ↑  2016/05/05 (木)  カテゴリー: XBOX ONE
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インクリボンや弾薬のやりくりに苦労したり、泣き言をぬかすサバイバーを叱咤激励してセーフティハウスまで導いたり、ゾンビアポカリプス世界での気苦労も色々あるが、しかしそれらは全部ゲーム世界のファンタジー。
ホントの気苦労はもっと生々しく嫌らしく、直面することを躊躇われるような判断の繰り返しだ。
『タクティクスオウガ』のバルマムッサの街で、罪もない住民を虐殺するか否かを究極の選択などと呼んでいたのも、古きよき時代の呑気なお話。
真なる究極の選択とは、剥き出しの感情や人と人の間のひずみ、どうしようもない現実との直面の中で迫られるものである。
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リー・エベレットは殺人を犯した服役囚。悔悟と絶望と諦観を突き詰めてしまったような立場だが、しかし事故った護送車から出てきて向き合った新たなシャバは、エベレットをかつて罪に誘ったエゴイズムや衝動や猜疑が、あちこちに溢れかえっていた。
そこにあるにはゾンビ事象の理に基づくファンタジックな世界ではない。我々の社会に今でも転がっている無慈悲でやりきれない現実を、濾過して1000倍に濃縮したような世界だ。
もう何ごとにも新たに驚き苛む必要がないはずのリーを、立ちすくませ、たじろかせ、煩悶させ、深い後悔に誘う冷たい現実の数々。
それはゾンビに直接もたらされたものではない。社会のあちこちに息を潜めていた人々の原罪が、彼らによって間接的に浮き彫りにされたのだ。
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この息ができなくなるほどに重苦しいクルエルワールドで、リーはせめて人らしく生きようと苦渋の決断を積み重ねる。
リーだけではない。その他もろもろの人々も、それぞれの道義や信念や家族愛に基いて、苦しい決断に直面しながら前に歩んでいる。
そしてそれぞれの決断はときにぶつかり合い、新たなひずみや感情や煩悶を生み出し、そのたびに人々を苦しませ苛むのだった。
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今や世界屈指のアドベンチャーゲームブランドとなったTelltale Games。
彼らが確立したスタイルは、伝統のLucasArts型ポイント&クリックADVをモダナイズさせたものだが、そこに映画やTVドラマを凌ぐほど濃密なシナリオを投与することで、さらなる高みを突き進んだ。
その堅固なメインストーリーの下、リー(プレイヤー)に迫られる決断(コマンド選択)の数々は、極端なストーリー分岐や、グッドエンドやバッドエンドの区別を及ぼすものではない。
しかし下した判断とその結果は、リーとプレイヤーの心をいつまでも責め立てるほど重苦しいものばかりだ。
キャラクターの運命をシステマチックに支配する、いかにもゲーム的なコマンド選択であったら、どれだけ気が晴れることだろう。
だがあいにくとここは、そんな攻略本やサイトが幅を利かせるような牧歌的な世界ではないのだ。
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どんなに迫真の連続テレビドラマも、TVモニターを隔てて人を視聴者の立場に位置づけてしまえば、そこで起こることは基本的に他人ごとでしかない。
そこにコントローラ一つを介入させることで、Telltale Gamesは登場人物の罪悪感や後悔や負の感情までをも、すべて巧みインタラクティブな存在にしてしまった。
生き抜くための短い道中に、様々な人間がリーの傍らに現れそして去ってゆく。
その出会いや冷酷な別れに麻痺してなんの感情のゆらめきも持てなくなってしまったら、それは感染することなしに、あの"ウォーキング・デッド"の同類になるのを意味しているのだろう。
そうならないために、リーは裁決やその場しのぎやおためごかし、ありとあらゆる人間的な判断を振り絞る。
人殺しの罪を犯した者にもやり直しの道は与えられた。あまりにも無慈悲で救いのカケラもない道であったとしても、リーはそこを歩んでいかなければならない。それはリーの贖罪の道であると共に、何よりリーの傍らにはそこを進むべき一番の理由が常に寄り添っているのだから。

<国内ストア未配信>

 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2491.html

2016/05/05 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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