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【Missile Command】静かで身近な戦争

   ↑  2016/04/20 (水)  カテゴリー: XBOX 360
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その戦争は40年もの間、20世紀の終わり近くまでずっと続いていた。
民衆を束の間の狂騒に駆り立てるものではない。静かな抑圧が延々と続く戦争である。
主役となったのは兵士でも戦車でもない。不気味に屹立する大陸間弾道ミサイルだ。
30メートルを超える巨体と、想像を絶する破壊力の核弾頭を搭載したSS-18は、西側諸国の民衆に漠然とした不安を長きに渡って与え続けた、ソビエト大陸間弾道ミサイルのスタンダードだ。
アタリの名作クラシックゲーム『Missile Command』は、そのSS-18の配備が本格化し、人々がはるか彼方の上空から無表情に飛来するICBMの、そこはかとない恐怖を如実に感じるようになった1980年に生まれた。
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漆黒の背景をバックに、ついに臨界点を超えた冷戦の戦いは、派手なBGMもなく静かに淡々と展開される。
音もなく無表情に飛来する大陸間弾道ミサイル。それが目指す先は無辜の民が住まう都市だ。
それを水際で阻止するプレイヤーの武器も、ビデオゲーム的なヒロイックさとはこれまた無縁な音もない迎撃ミサイル。
クールという言葉では処理できない無機質で冷徹な画面が表現するのは、冷戦下の核攻撃という表情も感情も見えない未知の戦争の姿だ。
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そして『Missile Command』のもう一つの大きな特徴は、事実上のゲームオーバーとなった後にも、ゲームは淡々と続くところである。
手持ちの迎撃ミサイルをすべて使い果たしてしまったら、あるいは防衛基地が壊滅してしまったら、もうプレイヤーに為す術はない。
もしかしたら自分の家族が住んでいるのかもしれない都市に、巨大な核弾頭を積んだICBMが着弾する様を、ただ無力に見つめることしかできないのだ。
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予測射撃を根幹に据えたゲームシステム、トラックボール操作による独特の慣性など、このゲームを名作たらしめている要素は多々あるが、その中でも一番のキーポイントは、冷戦が飽和状態に達し、真に迫っていたていた時代背景ではないだろうか。
『ミサイルコマンド』のシステムを流用したゲームは多いが、そのどれもが本家の緊張感にまるで及んでいないのは、核戦争の生々しい恐怖というもっとも肝心なファクターと時代背景の欠如によるものだろう。
Xbox Oneとも互換したこのXBLA版『Missile Command』には、オリジナルモードの他にリファインされたモードも収録されているが、そのリファイン版とてやはり例外ではない。
1980年、核ミサイルを背景にした静かな戦争が、世界のそこかしこで身近に進行していた。そしてそこから始まる80年代は、そんな恐怖や不安すらも享楽のタネにしてしまうアッパーで幸福な時代でもあったのだった。

<国内ストア未配信 / Xbox One互換対応ソフト>

 

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2016/04/20 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


冷戦時代

博士の異常な愛情、渚にて等の映画を思い出します。ソ連が崩壊して冷戦が終了した筈なのに平和にはならず、核の脅威も形を変えてより一層日常を脅かすように。宇宙人が来訪して新時代に導いてくれるしか無いのかと思いつつ、80年代SFを読み耽っております。

奈良の亀母 |  2016/04/21 (木) 02:17 No.1216


途中からUFOが参戦してきて強制ゲームオーバーになりますよね(笑)。あとたまに都市が残ってなんとか次の面にいけた記憶もあります。

愛暇 |  2016/04/21 (木) 09:55 [ 編集 ] No.1217


>奈良の亀母 さん
とことんアッパーな博士の異常な愛情、静かに淡々と終末に向かう渚にて。対象的なれどどちらも強烈でしたね。
同時代の冷戦映画ではシドニー・ルメットの「未知への飛行」も印象深いです。

>愛暇さん
そうそう、ミサイルがぎりぎりで都市を外れるときがあるんですよね。
なんとなく釈然としない面クリでしたけどw

与一 |  2016/04/24 (日) 17:12 No.1218

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