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【Thief】大盗賊のちょっと冴えないカムバック

   ↑  2016/03/12 (土)  カテゴリー: XBOX ONE
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光を恐れ闇に隠れて生きるのは魑魅魍魎や妖怪人間だけじゃない。人様の財産をくすねて生計を立てている連中だってそうだ。
ファンタジーRPG風に盗賊だのと言うと聞こえはいいが、早い話が泥棒だ。
泥棒という呼び方だと、つい落語や昭和のコントに出てくるようなベタベタな奴を思いがちだが、なあに、オレのシーフさまときたら、建物のヘリから足を滑らせて夜警の上に落下したり、瓶を投げて見張りの気を引こうとしては目の前で割ってしまったりと、ファンタジーよりも志ん生の噺に出てくるほうがお似合いなんだから仕方がない。
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暗闇に身をかがめて息を殺し、目と鼻の先を通り過ぎる人間をやり過ごす緊張感。
シリーズの記念すべき第一作、『Thief: The Dark Project』(1998年)は、ステルスゲームに一人称視点を導入することで、三人称や見下ろしの視点ではプレイヤーの中でついシステマチックに処理されがちだった隠密行動に、生々しい臨場感を与えてくれた傑作だった。
その後なんやかんやあって、第三作の『Thief: Deadly Shadows』以来ご無沙汰になっていたシリーズが10年ぶりに復活。
主人公はお馴染みの"凄腕シーフ"ギャレット。一人称視点で暗闇から暗闇に身を潜めるシステムも、ウォーターアローやロープアローなどの盗賊道具もしっかりと継承だ。
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ドアをこじ開け屋敷に押し入り、まずは灯りという灯りを消して回る。
ロウソクの灯はもみ消したいまつにはウォーターアロー。こんな夜遅くまで灯りをつけっぱなしにしていたら電気が勿体ないだろ。電気じゃないけど。
泥棒稼業が一番はかどるのは、やっぱり人の顔もおぼろげな激安ピンサロの店内程度の暗さ。どうせギャレットのルックスだって華のないおっさんだからちょうどいい。
タンスや引き出しを漁って得られるお宝も、ハサミだとかペンだとか今日びの窃盗団もスルーするようなブツばっかりだが、それもセコい空き巣狙い気分が出ていいかもしれない。
ああ、オレのマスターシーフ、自分から潔くコソ泥宣言。
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しかし当時は新鮮だった『Thief』のアイディアやコンセプトも、この十数年のうちに様々なゲームに咀嚼され消化されてしまっている。
そんな状況下で独自性を打ち出すには、やはり泥棒が主人公という基本設定しかないのだが、あいにくとこのゲームのメインストーリーは、プレイヤーにその本分を忘れさせてしまうほどに、泥棒である必要性がおよそ希薄なのであった。
そして前時代的なゲームの色を濃く残すやたらと煩雑なマップは、わずかな範囲のエリアごとにうんざりするほど長いローディングによって区切られ、ショップでの買い物やサイドミッション請け負いはおろか、次のチャプターを開始するのも一苦労。
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過去のシリーズ作品は、暗闇の中で息を殺しているだけで、得も言われぬスリルに包まれたのだが、この仕切り直しの最新作はその辺の緊張感がづにも物足りない。
それはコンセプトが古びたわけでは決してなく、2015年版『Thief』に過去作のようなマジックが決定的に欠けているだけだと思いたい。
伝説の大盗賊ギャレット。そのカムバックは勘が鈍ってしまったのか、なんとも中途半端で煮え切らない仕事となってしまったのだった。

 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2466.html

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