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【Lifeline】究極の他人ごと

   ↑  2015/12/18 (金)  カテゴリー: Android
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SNSがいかに人々のつながりを濃くしたとはいえ、ネット上の付き合いはしょせん赤の他人に毛が生えた程度のものである。
いくら親しげなやりとりを交わしている相手でも、「保証人のハンコを押してくれ」とか、「銀行口座をちょっと貸してくれないか?」なんてお願いを突然されたら、黙ってつながりを断ち切るしか無い。
ましてやTwitterやハングアウトの向こう側にいる人間の人生を背負い込むのは、それこそ勘弁して欲しい話である。
だがネット上の付き合いに自分の人生をカジュアルに預けてしまう人は、決して少なくない。
ヤフー知恵袋などを見れば分かるように、世の中でおのれの分や器を越えて人の質問や相談にわざわざ乗りたがる輩は、揃って無責任でクソの役にも立たない連中だ。
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そんな相談するだけムダな奴らにすがりついてしまうのは、尋ねる側の横着だろうか、あるいはそこまで切羽詰まっているのだろうか。
そりゃオレだって、「ロッテの前の背番号13は誰だったけ?」とか、「第二期ダムドの五人目のメンバーの名前を教えて下さい」なんて、自分の守備範囲内でどうにかなる質問だったら喜んで答えよう。
しかし「この宇宙船のエンジンから漏れる放射能は、一晩近くで過ごしても大丈夫な量か早急に調べてください。でないとボク死んじゃうから!」なんて相談を、見ず知らずの人間に急に持ちかけられたら、申しわけなさそうな顔で、「ロッテの前の背番号13は中後悠平で、2ndアルバム時にダムドのメンバーだったのは、現在PILにいるルー・エドモンズです」と、送信を返す他はない。
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ある日、オレのスマートフォンに突然飛び込んできた、見知らぬ人間からの通信。
普通ならガン無視するところだが、相手のシチュエーションが、乗ってた宇宙船が未知の惑星に墜落して乗員みんな死んじゃったっぽい。ボク一人じゃどうしていいかわからないからお願い助けて! なんてのっぴきならないものだとしたら、さすがに放っておくわけにもいかない。
不幸な彼にとって、生存の望みをかけた唯一のライフラインは、偶然繋がったオレの富士通ARROWSとの通信のみなのだ。
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だがいくら相手の立場に多少の同情はするとはいえ、いま自分がいる場所からはるか離れた他の惑星での出来事だ。
こちらが普段の生活を放り投げてまで対応する義理もない。
断続的にスマホに入ってくるメッセージ通知を保留したり、時にはあえて無視したり。
暇ができてようやく開いた相手のメッセージには、「目の前を大岩で阻まれた、もう体力限界、死にそう!」なんて切羽詰まった文面が。
それに対してこっちは「(鼻くそほじりながら)岩、登ればー?」「ボク、バリバリの理系なんだよ! 体育苦手なんだよ!」「知らねえよそんなこと。とにかく登ればー?」「……分かったよ」
以後永遠に途絶える通信。あーあ、だってしょうがねえよ。これ以上の他人ごとなんてないもん。
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古くはゲームブックのメソッドに、スマートフォンに時間を置いて入る通信メッセージという衣を被せて、新機軸を装ったモバイルゲーム『Lifline』。
テキストアドベンチャーの新たな形態とも言えるが、しかし曲がりなりにも自分の身に降ってかかった事態に対処する「火吹山の魔法使い」や『ZORK』に対して、こちらは通信ネットワークの向こうから気まぐれに飛び込んでくる究極の他人ごと。
これほど無責任な態度で臨めるアドベンチャーゲームも、そう他にはないであろう。
友人との通話の間に、『Ingress』エージェント活動の最中に、タイミングもわきまええず割って入る見知らぬ遭難者からのメッセージ。
「もう右に行っていいか、左に行くべきか分からなくて、どうしたらいいと思う!?」「こっちゃ忙しいんだよ!」「そんなこと言わずに、ボク死にそうなんだよ!? 君だけが頼りなんだよ!」「じゃあ左!」「その根拠は!?」「オレの政治信条がリベラル寄りだからだよ!」「そ、それだけ!?」「そうだよ! じゃあ忙しいからしばらくかけてくんな!」
究極の無責任判断で左右される不幸な遭難者の生死。他に選択肢がなかったとは言え、ネットワーク上の他人におのれの運命を預けようとした報いである。

 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2424.html

2015/12/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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