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【湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター橘真希「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳】

   ↑  2015/03/31 (火)  カテゴリー: ニンテンドーDS
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世に旅情緒を前面に押し出したミステリは多い。
テレビの二時間ドラマなどは、その最たるモノで、現地の業者やホテルなどとタイアップした観光地が舞台の推理ドラマが、一時期はもう毎日のように放映されていたが、あれが果たしてその地の観光PRにホントに役立っていたのかどうかは、非常に疑問の残るところだ。
いくら大メジャーな作品であったとしても、例え「犬神家の一族」を読んだ後に、「じゃあ、あの逆さ死体が浮かんでいた場所を観に行ってみるか」なんて理由で木崎湖を訪れる人間など、そうはいやしないだろう。
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ミステリの旅情と現実の旅情は似て非なるものだ。しかしそうは考えなかった人たちが、このゲームの企画を立てた人間の中にいた。
かくして二時間ドラマ風の実写ミステリADVと、地図付き実用観光ガイドソフトの折衷という、ワケの分からないコンセプトがニンテンドーDS上に結実する運びとなったのだった。
しかしそんなアバウトな思いつきも場合によっては悪くない。少なくとも、フリーライターの真希、カメラマンの聡美、モデルの友梨という三人のDSが誇る実写ゲームヒロインを生み出すことになったのだから。
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洞爺湖、城崎、由布院、巡るは三つの温泉観光地。なぜなら三人は旅行誌の取材チームという建前があるから。
そして毎回のように起こる、地図を忘れてきたことが判明→そこに偶然現れるのがなぜかゼンリンの社員→「お困りのようですね。よろしければこのゼンリンの地図を差し上げましょう。ひと・まち・未来へマップコミュニケーション!ではでは」の流れが、これが地図会社がリリースした推理アドベンチャーゲームであることを強引に主張する。
目的が目的だからして、回る場所も必然的にそれぞれの地のメジャーな観光名所。そこで展開するのは、場所にちなんだウンチク話と三人の浮ついて軽快なやりとり。
彼女たちにはお笑いの三人組ユニットに準じたキャラクター分担が的確に割り振られており、それが織りなすC調なボケ合いツッコミ合いは、まるでレツゴー三匹やかしまし娘のような熟練のトリオ漫才を見るかのようで妙にクセになる。
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その三人に吸い寄せられたかのように集まるのは、警察関係者に怪人物、ゼンリンの回し者にさらには旅館の仲居にまで至るレギュラーメンバーたち。
予定調和の大集合のもとに起こるのは、サスペンス劇場のお約束に則った殺人事件。
だがこのミステリとしての要素の方は、テンポ抜群な三人組の会話の陰にすっかり隠れてしまって、「なんか一応事件みたいなものもありましたよ」程度の存在に留まってしまっているのだった。
そんなミステリADVの形ばかりの体裁を、それでもよしとできるのは、妙に親しみやすい顔立ちをしたヒロインたちの存在と、そのテンポの良い掛け合いによる物語進行があるからに他ならない。
三人組の代表としてタイトルに名前を残しながら、実は一番活躍の機会に恵まれていない橘真希さんであったが、ライターとしての本来の仕事は、一応きちんと果たしている。
彼女が劇中訪れたスポットはすべて取材手帳に書き込まれ、そしてそれは観光名所ガイドとして機能するようになっている。
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あるときは実写ミステリADV、そしてあるときは観光ガイドソフト。しかし一粒で二度美味しいなんて甘い話が、そうそう転がっているわけもない。冒頭にも述べたように、ミステリの旅情と現実の旅情は、それほどリンクするものではない。
旅先にこのソフトをDSごと帯同し、移動の間にアドベンチャーパートを楽しみつつ、スポットに着いたら取材手帳パートをガイド代わりにする。
そんなニッチ極まりない活用法(しかも洞爺湖城崎由布院限定でしか使えない)に、はたしてホントにトライした人がいたのかどうか、実に気になるところだ。
そんなワケで続きを匂わせながらも(なにせ候補の温泉地はいくらでもある)、そのあからさまな珍品ぶりが祟ってこれ一作で終わってしまった"DS湯けむりサスペンスシリーズ"。
だが心の奥でどこか続編を期待してしまうのは、やはり三人組のキャラクターにどこか心惹かれるものがあるからなのだろう。



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