ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

【Another World 20th Anniversary Edition】寡黙で饒舌な物語

   ↑  2015/03/18 (水)  カテゴリー: XBOX ONE
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なんの前触れもなく知らない世界に飛ばされたら、人はどう立ち回ればいいのか?
急いでキビキビと行動する。あるいは落ち着いて慎重に動きまわる。残念ながらそれらは、順を追ったチュートリアルや分かりやすい誘導が当たり前な、こちらの世界だけで有効な通念だ。
ここはなんの予備知識もないまったくの異世界。見るもの触れるものすべてが、闖入者であるレスター教授に牙を剥いてくるであろう。それは体内で白血球が細菌を排除しようとするようなものだ。
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そんな場所でもっとも有効な行動スタイルは行き当たりばったり。そして一番頼りになる味方は、限りなくストレスフリーに近いリトライシステム。
壊せそうなモノは、とりあえず片っ端から壊そう。穴があったら飛び込もう。誰かを見つけたら、問答無用で先手を打って撃ち殺そう。
そんな後先考えない行動が死を招いても、それほど深刻に考えることはない(「ちったあ深刻に考えろよ!」byレスター教授)。この世界の理は、とにかく死んで死んで覚えるしかないのだから。
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『Another World』、またの名を『Out of This World』、あるいは『アウターワールド』。いずれも素敵なタイトルだが、その名前に違わない未知の質感を持ったビジュアルと、大胆でシネマティックな演出やステージ構成。
我々の常識の中のアクションゲームとは明らかに異質な手触りの、まるでオーパーツを思わせるゲームに、初見のステージに挑むレスター教授のような心境で恐る恐る触れてみたあの日からはや20数年。
その長い月日は、このあまりにも先鋭的な作品に、時代が少しずつ追いついてゆく過程を眺めていた幸福な時間でもあった。
そして今や偉大なるクラシックと称えられるようになっても、違う世界から迷い込んできた異物(あちらの世界におけるレスター教授のように)のようなインパクトは健在だ。
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異世界を手探りで進み、未知の銃の使い方を否応なく学習させられ、自分が思ったより素潜りが得意なことに驚き、機械とみればとにかくボタンをばしばし押しまくり、女湯闖入もそこそこに、芽生えた友情に助けられたり、こっちはあんまりそれに応えなかったり。
わずか数十分の間に展開する波瀾万丈で映画よりも濃厚な物語。それはきわめて無口に、それでいてかつ饒舌に綴られる。何も語らない一方で、すべては目の前に提示されたビジュアルによって雄弁に語られている。
この作品と一連の関連作から長いタイムラグを経て、デザイナーのエリック・シャイは2011年に新作『From Dust』を発表するが、アクションアドベンチャーからサンドボックスゲームへとジャンルは大きく違えたものの、こちらもまた「寡黙なのに饒舌」という特性だけは、ちっとも揺るいでいないのであった。
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その『From Dust』と同年に、オリジナルの発売から20周年の区切りで登場したiOS版。
さらにそこから数年が経過してしまったが、20th Anniversaryの冠はそのままにリリースされた各コンソール機版は、基本的にこのモバイル版のベタ移植。
レガシタイトルの復刻に付き物である当時の資料などの収録がないのは残念だが、この作品がゲーム史に残した歴史的な意味合いだけは、その短いけれど濃密なゲームプレイの中に、こちらも無口でいながら、かつ雄弁に語られている。
Xbox One版は日本国内ストア未配信。WiiUと3DS版が『アウターワールド 20th Anniversary』のタイトルで、ビヨンド・インタラクティブから発売中。

*関連作記事
【From Dust】偏差値30からの天地創造
【From Dust】たよりにならないかみさま



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2015/03/18 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


物凄い大好きなゲームです。これとフラッシュバックはスーファミとメガドラで当時やってました。先日Wii U版もDLして懐かしみながらプレイました。残念ながらスーファミ版もメガドラ版もどこかに行ってしまったのか今現在は所持していません。From Dustは日本のXBOX360でDL出来ますか?

SAMURAI |  2015/03/19 (木) 01:42 No.1034


オープニングでどんな SF 展開がって期待したら、
牙付きのヒルにスネを刺されまくる人生の始まりだった衝撃は忘れられません。
それとどんなに対応力があっても死んで覚えるしかない素潜りのシーン。

そして衝撃のラスト。
どこから来てどこへ行くのかを、これだけ体現したゲームも少ないですよね。

息つく暇がないほど忙しいゲームなので、今はプレイする気になりませんが、
プレイしたことがない人には洒落でプレイして欲しいゲームです。
でも安易にお勧めはできないですよね(笑)。

愛暇 |  2015/03/19 (木) 18:05 [ 編集 ] No.1035


>SAMURAIさん

フラッシュバックも、ぜひリファイン版をやってみたゲームですね。
From Dustは、まだ配信しているようですよ。


>愛暇さん

とにかく死にまくったゲームですけど、序盤での死は特に印象深いですね。
あのヒルにスネを噛まれるやつは、また特に痛そげなんですよねw

与一 |  2015/03/21 (土) 17:31 No.1036

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