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【チキチキマシン猛レース ~ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦~】未来海賊のしわざ

   ↑  2015/03/16 (月)  カテゴリー: 3DO
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ぬけるような青空にくっきりとした雲、どこまでも続く青い海にコントラストを加えるのは白い波頭、あちらに見えるのはエメラルドの入江に挟まれたビーチ。
しかしここは、そんな美しい風景とはまったく対極にある、デジタル山師どもが虚栄に群がるサイバーワールドだ。
ようこそ、夢の新世代マシン3DOへ。例え太陽が照りつけることのない情報の海であっても、そこにマルチメディアの一言さえあれば海賊のロマンは存在する。
太平洋を越えてやって来たデジタルの黒船3DOの甲板にあるのは未来の海賊を名乗る男たち。
その頭目である黒ひげのを生やした怪しい風体の男は、自らを船長ではなくこう呼ばせる。ハイパーメディアクリエイターと。
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その実像はどうだったのかはともかくとして、海賊は国境にも社会にも束縛されない自由な魂の象徴。
ならばハイパーメディアクリエイターには、海賊を自称するにたる根拠がちゃんとある。
20年も前からボーダーレスを唱え続け、無責任と表裏一体の自由を謳歌する。その基本アティチュードに昔からまったくぶれはない。
その代わりこの人、海賊が奪った船を使い捨てるかのように、その小手先はコロコロと変わる。それは凄まじいスピードで物事やガジェットが新陳代謝したデジタル時代勃興期に適応した特性なのかもしれない。
「あと2年もすれば3DOはインターネット端末になりますよ!」
3DOの船上で根拠の無いリップサービスを吹かしてはいるが、その一方でこの船体に開いた穴に早々と気づき、どうやって降りるタイミングを計ろうかと算段していたのかもしれない。
事実、3DO本体の発売から半年も経たないうちに、彼の態度は「3DO? ああ、なんかそんなのもあったねぇ」とばかりに豹変していたのだから。
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ハイパーメディアクリエイター率いるフューチャーパイレーツの、記念すべき3DOでの初仕事『チキチキマシン猛レース ~ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦~』。
マルチメディア端末を名乗り、玩具の延長線だったそれまでのゲーム機とは次元が違うことを主張する3DO REAL本体と共に、Mac産のこのゲームはパーソナルコンピュータカルチャーのほのかな香りを感じさせてくれた。まさかそれが香り"だけ"だったとは、ソフトを起動させるまではまったく知る由もなかったが。
ハンナ=バーベラアニメの言わずと知れた名作、お馴染みのゴールを目指して11台の中からCGアニメで進行するレースの勝者を予想し、それが的中すれば原始的なアイテムわらしべ長者システムによるアドベンチャーパートに移行する。
ゲームと呼ぶのもおこがましいその内容は、当時瞬間的に栄えたパソコンのインタラクティブムービーの影響下にあるもの。
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しかしいくらマルチメディアを標榜しようとも、必然的に家庭用ゲームの基準で図られてしま3DOにおいては、そんなインタラクティブムービー文化の威光が通用するわけもなく、この3DO版『チキチキマシン猛レース』は、レースシーンのCGムービーをぼんやり眺めてるだけのクソゲーの烙印を押されてしまうのだった。
そうなってしまったのも無理はない。ハイパーメディアクリエイターさんは、当時から基本的にゲームというジャンルには大して関心を持たなかった人。
このソフトに関して彼自身の口からゲームという単語が語られることは、ほとんどと言っていいほどなかった。
このソフトの目的は、その頃彼が辛うじて興味があったCGアニメーションをみんなに観てもらうことだけ。「それをゲームと呼びたきゃ面倒くさいからゲームでいいんじゃないの? なんだっていいけど」というのが、彼の本音のところだったのだろう。
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オリジナルアニメのテンポのよさとは似ても似つかない、ぎくしゃくしてぎこちないCGアニメを辛うじて補っているのが、今ではほとんどが物故者になってしまった日本語版のオリジナル声優たち。
ブラック魔王=大塚周夫を筆頭に錚々たるメンバーのキャストが、このテンポもへったくれもないCGアニメーションになんとかリズム感を加えてくれる。
オリジナルキャストでの新作音源を残してくれたのは、このソフトの数少ない功績の一つだ。
ハイパーメディアクリエイターさんと未来海賊は、その後3DOに『マカロニほうれん荘インタラクティブ』と『モンタナ・ジョーンズ』を一応の義理とばかりに提供する。
そして相も変わらずのインタラクティブムービーの出涸らしみたいな内容に憤る3DOユーザーの矛先を、「ボクはもうハイパーメディアクリエイターじゃなくてハッピーメディアクリエイターだから。じゃ、そういうワケで!」と、斜め上を行く変わり身でひらりとかわして去っていったのだった。
海賊の去る後に残るのは沈みゆく船の姿だけ。それは昔も今も、カリブの海でもマルチメディアの海でも変わりはしないのだ。



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