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【Beowulf The Game】英雄は迷惑もの

   ↑  2015/01/23 (金)  カテゴリー: XBOX 360
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「ベオウルフ/呪われし勇者」は、世界最古のファンタジー文学であるベオウルフ伝承を元にした2007年公開の映画。
原典はともかくとして、この映画で描かれた英雄ベオウルフは、唯我独尊、自信過剰、誇大妄想、おまけに大法螺吹きな、とにかく迷惑なオヤジである。
「オレは美しい」「オレって最高」「そんな素晴らしいオレに、みんな黙ってついてこい」。そんな厚かましい"オレイズム"しか頭にないこの手の人間に共通して言えるのは、害の及ばないところで傍から見てる限りは楽しめるが、身内に居たら迷惑この上ないところだ。
そして映画公開からほどなくして発売されたタイアップシネマゲームが、この『Beowulf The Game』。
映画を観ている分には、野次馬気分で気楽に楽しめたベオウルフの行状だが、今度はこちらがベオウルフ自身だ。
さあ、無責任な蛮勇とその場の勢いのみに裏付けられた"オレイズム"を心置きなく行使して、周囲の人間を面倒事に無理矢理巻き込んでやろうじゃないか。
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一応映画で判明しているこのおっさんの功績らしい功績は、王になるきっかけのグレンデル退治と最後のドラゴン退治のみ。
しかし冷静に考えてみれば、ドラゴン退治は単に自分の身から出た錆の後始末だし、グレンデル退治にしても、化け物を前にして意味もなく全裸になる行動で、みんなを困惑させてただけのような気がする。
映画で描かれたベオウルフの物語は、このグレンデル退治とドラゴン退治の間に数十年の空白がある。
その空白を埋めるのがこのBeowulf The Game。だけど考えてみて欲しい。べオウルフは己の冒険譚を膨らませて自己申告するのが常な男。
そしてこのゲームに於いてその法螺吹きのツケを払わされるのはプレイヤーなのだ。まぁアントニオ猪木が都知事になったようなものだと思って諦めていただく他はない。
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実際は街道で家畜を襲う狼を一匹仕留めた程度の話であっても、このホラ吹きオヤジにかあkれば、「血に飢えた獰猛な数十匹の狼をちぎっては投げちぎっては投げで退治してやったわぁ、ぐわっはっはっはっは。」と脚色され、やがて数十匹は数百匹の狼に膨れ上がり、挙句の果てに妾相手の寝物語では、「その狼は全長約15メートル。骨の姿で全身からは邪悪な炎を吹き上げる恐ろしい怪物であったわぁ。勿論タコ殴りにしてやったがな、ぐわっはっはっはっは。」とまで自慢話が暴走するのだ。
そしてそのツケを払わされるのはプレイヤーなのだ。際限なく出現するモンスターや山賊の群れ。その原因は、すべてあの馬鹿英雄のホラ吹き自己申告のせいである。
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"オレイズム"は周囲を強引に巻き込まなくては始まらない。
主人公が単騎で群がる敵をばったばったとなぎ倒す、一般的なハック&スラッシュアクションと違って、『Beowulf The Game』には常に副官のウィーグラフと数名の兵士が付き従っている。
ウィグラーフが戦死したり兵士たちが全滅すると、ベオウルフ自身がいくら元気が有り余っていても即ゲームオーバーという縛りもあったりはするが、基本的にこの兵士たちはそこそこ強く、それなりに頼りになる連中だ。
そしてこの兵士たちさらにブーストさせるのが、ベオウルフのヒロイックな行動。
例えば、ある兵士の間近でベオウルフがコンボアタックや華麗な回避行動(これらのムーブはベオウルフの体力を回復する効能もある)を魅せたりすると、それを目の当たりにした兵士は勇気づけられ、一時的にパワーアップするのだ。
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「このオレを見ろぉ! このベオウルフ様の勇姿をその目に焼き付けろぉ!」
「おおおおー、スゲえっすよベオウルフさん! やっぱりあなたはヒーローっすよぉ!」
「そう、オレ様は偉大なる英雄!そして貴様も、その英雄の従者という選ばれた人間なのだ!」
「おおおおー、そうっすか!ようし、やったるぜぇ!」
と、まぁこんな調子で馬鹿が際限なく伝染していくわけだ。
この"馬鹿伝染"の最たるものが、ヒロイックコマンドで発動できるその名もヒロイックブースター。
こいつを使うと兵士全員の能力が最大値までブーストされ、「王国の為に!」などと舞い上がった連中は、例え相手が巨大なトロルであろうが、それこそシャ●中のように恐れ知らずに戦いまくるのだ。英雄という言葉はまさに麻薬である。
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もう一つの特徴が軍楽コマンド。
簡単に言うと簡易音ゲー的な要素なのだが、これが道中のいいアクセントになっている。
序盤のベオウルフ一行が海を渡ってくるパートでは、岩礁に船がぶつかりそうな時に、この軍楽コマンドで漕ぎ手の兵士たちに檄を入れて回避するのだが、大言壮語を並べて他人を強引に動かすのが、いかにもベオウルフらしくてなかなか面白い。
グレンデルを宴の音で呼び寄せたり、大岩をどかしたり巨大な門を開閉するときなどに、この軍楽パートが登場。
そのたびにベオウルフは調子っぱずれな檄をかますのだが、「運命が我らを導いているぞー!」「行け行け行け行けー!」などは理解できるが、時として「オレは素晴らしい!」「オレはチャンピオーン!」などと絶叫するのは、人としてどうだろうか。
少なくとも他人を激励する時に発するようなセリフではないと思うのだけど、それをベオウルフに諭そうにも、何せ奴は"他人の言う事には100%耳を貸さない男"。言ったところでムダだろう。
『Beowulf The Game』は、単なるありきたりなハック&スラッシュアクションに非ず。そんな傍迷惑な自己中心主義者の立場を満喫できる、ナルシストシミュレータなのだ。

<海外版 / 国内未発売>



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