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映画【殺人ゲームへの招待】

   ↑  2014/10/21 (火)  カテゴリー: 映画・DVD
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『スーパーマリオ』の映画化に我々が苦笑いしていたのも過去の話。もう既にゲームは映画原作の草刈り場としてすっかり定着した。
最近では『テトリス』や『Minecraft』なんて辺りまでもが、貪欲なハリウッドのターゲットになっているようだが、しかし過去のゲーム原作映画は、そのいずれもがゲームのキャラクターや設定を借りてきて、そこに適当な脚本を乗っけたものばかり。
ゲームの構造やシステムそのものを映画化したわけじゃないし、例えゲームのことを知らなくたって観る側には一切支障はない。
ではそんな"真のゲーム映画"は皆無なのだろうか。いや、実はおそらく最古のゲーム映画こそが、ゲームの構造を忠実に映像化した"真のゲーム映画"だ。
その映画は1985年に公開された「殺人ゲームへの招待」。そしてその元となったのは、推理ボードゲームのスタンダード、『クルード』(CRUE)
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「殺人ゲームへの招待」が奇を衒っていたのは、当時としては珍らしいゲームを原作とする出自だけではない。
この映画には3種類の異なる結末が用意されて、本国では上映館ごとに、そのエンディングが異なるというギミックで公開されていた。
つまり全ての真相をコンプしようとしたら、3軒の映画館をハシゴしなければならないのだ。
曰く有りげな洋館に曰く有りげな6人の招待客。それを迎える執事は、もっとも曰く有りげな「ロッキー・ホラー・ショー」のティム・カリー。
そこに被さるのは、「この映画はボードゲームCRUEを原作とする」という断り書きのテロップ。
そう、"真のゲーム映画"である「殺人ゲームの招待」は、観る側が『クルード』のことを理解してなければ話が始まらないのだ。
さもないと招待客たちに、グリーン、ピーコック、ホワイト、プラム、マスタード、スカーレットという便宜上の名前が与えられる理由など、さっぱり分からないことだろう。

6人の招待客の他に屋敷に居るのは、彼らを呼び集めたホストのミスター・ボディと、執事のワーズワース、メイドのイベット、そしてコック。
執事ら3人の使用人は、ゲームには出てこない映画オリジナルのキャラだが、ティム・カリーが演じるワーズワースは、物語のキーマンとなる重要なキャラ。
リビングに集められる一同。そして消される照明。再び灯りが戻ると、ミスター・ボディが死んでいる!
そして6人の手には、灯りが消される前にミスター・ボディから渡された、ロープ、燭台、拳銃、レンチ、ナイフ、鉄パイプ、いずれも人殺しの凶器に充分なりそうなブツが。ミスター・ボディを殺したのは、この中の誰か!?

随所に散りばめられているのは、秘密の通路、バラバラに分かれての屋敷の探索、そして一同律儀に一カ所に集まっての告発と、ゲームをプレイした者ならば、思わずにやついてしまうようなお約束。
『クルード』のお約束が何よりも最優先するために、厳密なミステリとしては、ところどころに理不尽だったり、整合性に欠けている部分があったりするが、それらは全て原作のゲームに内包されているもの。
スタッフはそれを承知の上で、そんなつじつまの合わない部分も、あえて映画の中に盛り込んでいるのだ。
『クルード』のことを全く知らずに、ミステリ映画の一種だと思ってこの映画をうっかり観てしまうと肩透かしを喰らうかも知れない。この映画はあくまでゲーム映画であって、ミステリ映画ではないからだ。

「殺人ゲームの招待」のもう一つの魅力は、クリストファー・ロイドやマイケル・マッキーン、マデリン・カーンといった一癖も二癖もある役者たちの丁々発止のやりとり。
脚本がかなり舞台劇を意識した造りなだけに、これら曲者俳優たちの台詞の掛け合いは実に見応えがある。
パンク・ニューウェーブ好きにとって見逃せない密かなポイントは2人の脇役。
最初に殺されるミスター・ボディを演じるのは、リー・ヴィング。名曲"I Don't Care About You"で知られる西海岸パンクの草分け的バンド、Fearのリードシンガーだ(リーは名作「ストリート・オブ・ファイヤー」でも暴走族のナンバー2役で出演し、かなりのインパクトを残している)。
そして出るなりあっさりと殺される"歌う電報配達"役は、Go-Go'sのギタリスト、ジェーン・ウィードリン。その見事な殺されっぷりはなんともキュート。
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さんざんプレイして馴染んだ盤面が、駒が、そしてゲームプレイの様子がビジュアル化され、そしてそれに実力派の役者たちが命を吹き込む。
ハリウッド映画の単なるお手軽な素材にとどまらない、唯一にして孤高の"真のゲーム映画"「殺人ゲームへの招待」。
現在ソフト化されているバージョンは、3種類のエンディングを全て収録しているので、原作ゲーム同様の無理矢理な結末を万遍なく体験できるだろう。

<Xbox Videoで配信中>



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