ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

【LocoCycle】引きずられ8千キロ

   ↑  2014/09/12 (金)  カテゴリー: XBOX ONE
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トム・サヴィーニ、ジェームズ・ガン、そしてトロマの総帥ロイド・カウフマンが顔をそろえたオープニングムービを目の当たりにするだけで、事情通ならばこの『LocoCycle』がどんなゲームなのかを、早々と察することができるだろう。
人工知能を持ったハイテクノロジーバイクと不幸な整備工の、ロードムービーならぬロードゲーム。
ハイテクバイク、I.R.I.S.が鎖から解き放たれて旅に出た理由は、ニューシネマチックな衝動によるものだが、何せ前述の連中を濾過してできたゲーム。その道中は、ラリパッパのヒッピーとも、錯綜する時間軸とも、悲劇的な結末とも一切無縁のバカバカしさで一貫している。
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一方の主人公、冴えない整備工のパブロは、爆発男やスマイル仮面ら最近のTwisted Pixelゲームヒーローの確信犯的立ち振る舞いとは、およそ対照的な巻き込まれ型のアンラッキーガイ。
この騒ぎさえなければ、油まみれの仕事の合間にスキンマグでおのれを慰める、平和で退屈な日常に明け暮れていたことだろう。
しかし彼は今、山ほどの追っ手に迫られながら、アメリカ大陸をバイクと共に疾走している。ただしシートの上ではなく、バイクに引きずられながら。
何故!?という疑問は、ロイド・カウフマンが例えほんのちょっとでも関わっているゲームという事実の前にはまったく無効でしかない。
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90年代の初期から中頃にかけて、ハリウッドが手を貸した大掛かりな実写ムービーを、ざっくばらんなシューティングゲームパートでブリッジした、インタラクティブな映画といった趣の作品が、主に北米でトレンドになっていた。
いわゆるインタラクティブムービーとは、方向性は同じながら出自が微妙に異なるそれらの作品を、ここでは便宜的にシネマティックアクションゲームと呼ぶことにするが、『LocoCycle』はその古のスタイルを想起させるようなゲーム。
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実写ムービーの間に挟まったゲームパートは、『ロードラッシュ』や『スパイハンター』や『ロードブラスター』といったクラシックゲームがデジャブする、古めかしいゲーム様式の再生品を、ざっくりとアバウトに盛り合わせた大味料理。
しかしそれはパーティーにおけるケータリングのような、あくまで彩りを添える程度の存在。
パーティーの主役が会話であるように、このゲームパートの主役はI.R.I.S.とパブロの、すれ違いながらも時には絶妙にフィットするユーモラスなやりとり。
シューティングやベルトスクロール風格闘アクションやQTEは、そのやりとりにコントローラ操作を介入させてアクセントを加える補助的な役割なのだ。
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強制スクロールによる移動と、ボタンをアバウトにばしばし叩いていれば、なんだか知らないうちにどうにかなっている難度は、理不尽な旅に巻き込まれた上に、I.R.I.S.の体の良い付属品状態になるパブロの立場に、いつしかプレイヤーをシンクロナイズしてくれる。
ムービーとゲームパートの微妙な乖離は、シネマティックアクションゲームに常につきまとっていた問題点だが、『LocoCycle』はパブロの立場とプレイヤーのやれること(なにせバイクに引きずられている身だ。できることなどたかが知れている)の絶妙な一体感によって、この問題をクリアしている。
インタラクティブな操作を通じて得る映画的な体験。『ウィングコマンダーⅢ』に『ショックウェーブ』、。古のシネマティックアクションゲームが目指したこの理想を、『LocoCycle』はしっかりと結実させた。
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「Live Free Ride Alive」
その一言から始まるI.R.I.S.の自由と魂の解放を求める旅。
かつてTwisted Pixlelは、『The Maw』というゲームで、徹底して寡黙を貫き通して忘れがたい物語を綴ったが、今度のI.R.I.S.は徹底しておしゃべり(しかもタチの悪いことにケーブルテレビ純粋培養ときている)。パブロはバイクを女性化して語りかけることの愚かさを、今回の件で嫌というほど学んだことだろう。
そしてオレもI.R.I.S.とパブロ、そしてそのライバルであるのS.P.I.K.E.の旅路から一つだけ学ぶことがある。それはどんな国にも必ず一人は林家パー子みたいな存在がいるってことだ(エンディングロールまでジャックしやがるとは)。



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2014/09/12 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


これは笑った。
本当に楽しいわ。
日本語で吹き替えあったら最高でした。
ト書きが翻訳されてるのはジョークですか?

松戸のサル |  2014/09/16 (火) 21:09 No.902


字幕用の台本を、おそらくあっちの人が100%そのままに字幕化しちゃったんでしょうかね。
道中の会話なんかは、立て込んでる時には字幕に目をやれないことも多かったりしたので、吹き替えの方がベストだったとボクも思います。

与一 |  2014/09/18 (木) 17:18 No.904

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