ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

映画【アローン・イン・ザ・ダーク】

   ↑  2014/06/14 (土)  カテゴリー: 映画・DVD
14061401.jpg
『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』『FarCry』『ダンジョンシージ』『ブラッドレイン』『Postal』。
ドイツ映画界の問題児ウーヴェ・ボルが、過去に権利を獲得して映画化したゲームたちである。
そう、この男、なかなかの目利きだ。原作となるゲームをチョイスするセンスにかけては、ハリウッドのエージェントなんかよりも遥かに気が利いている。

もちろんその卓越したセンスが、ゲームファンや映画ファンにちっとも還元されないことは、彼の手がけたゲーム映画をうっかり観てしまった方なら、とうにご承知であろう。
原作のゲームとはほとんど無関係な内容の駄映画を世に放ち、それを観た酔狂な映画好きが「原作のゲームのことはよく知りませんが、映画は間違いなくうんこです」なんて感想を漏らして終わる非生産的なルーチンは、彼の作品では毎度お馴染みのことだ。

ついちょっと前には映画版「Postal 2」の制作資金を無謀にもKickstarterで募っていたが、当然のごとくお金は集まるわけもなかった。
業を煮やした彼は、「なんで『Postal』のファンはカネを出さねえんだ!」(「なんでゲームの『Postal』が好きだからって、お前の映画にカネを出さなきゃならねえんだ?」と誰しも思うが、それは極めて常識的な反応だろう)と怒り狂い、さらには「『Postal』のファンはみんな貧乏人のワレザーだ!」と、真理をつく鋭い分析力を交えた逆ギレに至った。
この厚かましさと他者の反応に意外と敏感な繊細さの、怠惰で発展性のないカップルみたいな同居こそが、作品には決して反映されない人間ウーヴェ・ボルの真骨頂であろう。
14061402.jpg
ゲーム史に燦然と輝くエポックメイカー『アローン・イン・ザ・ダーク』も、このボルの鋭いゲーム嗅覚に不幸にも捕まってしまったクチだ。
ボルのもう一つの罪作りなところは、マイケル・パレを筆頭に、ウド・キア、レイ・リオッタ、エドワード・ファーロングといった、例え一瞬といえども華やかなスポットライトを浴びた人たちを引っ張り出してきて、彼らの都落ち的な現状をより一層強調させてしまうことだ。
そしてこのボル版「アローン・イン・ザ・ダーク」に引っ張りだされた"昔のスター"はクリスチャン・スレーター。
彼が演じるのはもちろん原作ゲームの主役エドワード・カーンビーだが、ボル映画ではこれまたお馴染みのことに、この主人公は名前だけは同じだけど、原作のカーンビーとはまるっきりリンクしない存在であるのは、これまた言うまでもないだろう。

上っ面だけスタイリッシュで、ひたすらチャラい銃撃戦シーンや格闘アクションを軸に、「これのどこがアローン・イン・ザ・ダークなんですか?」と無表情で問い質したくなるような、極めてどうでもいい物語が進行する安定のボルワールド。
ボルや河崎実みたいな映画ジャイアンは、「人からどう言われようとクリエイティブな姿勢を貫くオレが正しい」という信念を頑なに抱いていて、それは確かに正論でもあるのだが、「あんたが無為なシロモノを世に出すことを自制するするほうが、はるかにクリエイティブだ」というこちらの見解にだって、それなりの正当性があるだろう。

そんなボルではあるが、継続はなんとやら、あれだけボロクソに言われまくってもしぶとく映画を撮りまくった甲斐があったのか(さすがに彼に映画化権を売る粗忽なゲーム会社は、もう現れないようだが)、最近の作品は、どれも"面白くはないんだけど、飛び抜けて酷くもない"という、極めてどうでもいいクオリティに落ち着いてしまって、これを彼の成長と見るか堕落と見るのかは大きく意見の別れるところだ。



(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2110.html

2014/06/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment

コメント:を投稿する 記事: 映画【アローン・イン・ザ・ダーク】

お気軽にコメント:をぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント:) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメント:として投稿する。(管理人にのみ公開)

Trackback