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【アローン・イン・ザ・ダーク】ゲームを変えた口ひげの男

   ↑  2014/06/11 (水)  カテゴリー: 3DO
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このゲームが生まれるそもそものきっかけは、あるインフォグラム社員の休暇旅行だった。
ルイジアナ州にいる遠い親戚を訪れたその社員は、彼の案内で町の周辺を巡っているときに、焼けただれて廃墟となった古い洋館に目を留める。
その曰く有りげな建物について、初老の親戚はちょっと気になるような思い出を話してくれたのだ。
親戚の家はその地で古くから雑貨屋を営んでいたのだが、彼がまだ子供の頃、ある日突然口ひげを生やした偉丈夫な男が店に転がり込んできた。
「電話を貸してくれ」と頼む男の服はボロボロで、何かとんでもないトラブルに巻き込まれていたことが一目でわかるような有り様だった。
電話の様子を盗み聞きしていた親戚は、男がカーンビーという名の探偵で、当時からすでに良からぬ噂が立っていた例の屋敷の調査に訪れていたことを知る。
男は電話を切ると、親戚に向かってこう漏らした。「あそこから生きて帰れたのはホント奇跡だぜ」
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社員はフランスに帰ると、このちょっとばかり奇妙なエピソードを土産代わりに社のスタッフに話して聞かせた。
不気味な洋館とそこを調査で訪れた私立探偵。そのプロットはゲームの題材としてなかなか魅力的じゃないか。
そんな声が一部のスタッフから持ち上がり、そしてこの話を元にした企画は、やがて『アローン・イン・ザ・ダーク』というタイトルで形を成す。
主人公の名は、元の話に出てきた探偵の名、カーンビーをそのまま頂いた。以降このシリーズの中心人物となる世界初の3Dゲームヒーロー、エドワード・カーンビーは、実在した人物であったのだ。
以上が当時流布された、このゲームの誕生にまつわるエピソードだ。
極めて眉唾臭い話でもあるが、しかしこの口ひげポリゴン男が実在の人物だったと信じた方が、ゲーム界に一大改革をもたらしたイノベーションタイトルに、より一層深みとコクをもたらすではないか。
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時代性というものを取っ払ってしまうと、この初代『アローン・イン・ザ・ダーク』は極めて操作性の悪い、ぎくしゃくして不細工なアクションアドベンチャーでしかないだろう。
いや、当時としても、このクセのある操作性は、思うようにままならない厄介極まりないシロモノであった。
操作系が未整理でちっともフレンドリーでないのはともかくとして、3Dゲームネイティブの人たちにとっては理解できないことかもしれないが、当時のプレイヤーにとっては、3Dで構成された擬似空間の中で、3Dのキャラクターを動かすという行為自体が、まったく未知の行いであったからだ。
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だがそんなとっつきの悪さを乗り越えるのは容易いことだった。
魑魅魍魎が蠢く不気味な洋館。ドラマチックに切り替わるカメラアングル。プレイヤーキャラを進める歩みの一つ一つが、過去のゲームとはまったく違う緊張感に満ちている。
先に何が待ち構えているか分からないホーンテッドハウスと、3Dゲームという未知で予測がつかないジャンルへの怖れと好奇心が、ぎこちなくカーンビーを動かすオレの中でものの見事にシンクロしていたのだった。
そして開けたドアからびっくり箱のごとく姿を現すゾンビ。そのキョンシーの出来損ないみたいな挙動は、今から見ると噴飯ものだが、その時のオレはキーボードをひっくり返すくらいどわーっとぶったまげた。
慌てながらもゾンビ目がけてヤクザキックの連打連打連打。ゾンビには蹴りが一番効く。オレが『アローン・イン・ザ・ダーク』で学んだ重要な教訓だ(これは『アローン・イン・ザ・ダーク2』において、"ゾンビに頭突き"という手段にまでエスカレートする)。
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技術が日進月歩で進化する当時にあって、オリジナルから2年の遅れで登場した3DO版の『アローン・イン・ザ・ダーク』は、やはり旬を大きく外した印象は否めない。
だが、その操作体系はパソコン版よりも幾分か洗練され、そしてゲームのバックグラウンドを彩る、今は亡き屋敷の主ハートウッドの声を担当するのは、あの天本英世という大きなボーナス付きだ。
謎多き館の中で、やがて露わになるのは恐ろしきクトゥルーの影。ゲームを変えた男カーンビーと暗黒神話の付き合いは、以後も脈々と続いてゆくこととなるが、実在のカーンビーが例の屋敷を去った後どうなったのか、その消息は誰も知ることはない。



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