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映画【びんばりハイスクール】

   ↑  2014/05/18 (日)  カテゴリー: 映画・DVD
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よくコミックの映画化の話が持ち上がるたびに、「実写化にろくなものは無し」みたいな声で溢れかえりますが、私なんかはそれを聞いていつも「むしろ実写化はハズレの方が少ないだろ」と奇異に感じていました。
先日亡くなった、「トラック野郎」シリーズで知られる鈴木則文監督は、そのキャリアの晩年は主に人気漫画の映画化が主でしたが、「伊賀野カバ丸」に「コータローまかりとおる!」、「ザ・サムライ」といったそれらの作品に触れていたことが、私のコミックの実写化映画に対するイメージを高めているのかもしれません。
そして監督が最後にメガホンを取った映画もコミック原作。
石井まゆみの「びんばりハイスクール」は、80年代末に週刊少女フレンドで連載されていた「スケバン刑事」系統のコミックでしたが、実写化された「スケバン刑事」が原作とは似て非なる道を歩んだのと同様に、鈴木監督の手を経たこの「びんばりハイスクール」も、設定やキャラクター相関を借りてはいても、そのムードは原作とはまったく異なります。
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コミックと実写映画は、そりゃ多少の違いはあっても当たり前というおおらかな時代だからこそ許されていたこともあるでしょうが、鈴木監督は「伊賀野カバ丸」や「コータローまかりとおる!」のときと同様に、原作に対するアバウトな認識や解釈を、その職人芸と和製スタントアクションチーム(本作では倉田プロモーション)の力できっちりと落とし前をつけています。
主人公の織田陽湖は正義感の強いヤンキー女子高生という、いかにも80年代らしいキャラクター。
それを演じるのは新人の藤瀬かおり。この時代はちょっと陰と険のあるヒロインがもてはやされていましたが、藤瀬はそれをさらにハードコアに煮詰めたような女優さん。
ぶっきらぼうでちょっぴり刺のある佇まいはかなり魅力的なのですが、これ以外に代表作がないまま表舞台から姿を消してしまったのが実に惜しまれます。
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彼女が転校先で学園の封建支配を目論むお嬢様と対決するのが主なあらすじ。
学園エリートのくせしてどっからどうみても東映顔ばかりの面々を従えたお嬢様役は、元ミスマガジンの日原麻貴。
そして二人の間でまるで運動会の綱引きのように引っ張りっこされる色男は竹内力。
今ではにわかに信じられないことかもしれませんが、当時の力さんは「爽やかだけど問題解決には何一つ役に立たないイケメン」なんて役柄を得意としていました。
案の定、力さんは二人の嫉妬心を焚きつけるだけ焚きつけて、とっとと退場。さあ、後に残されたのは日原&楯の会みたいな風体のエリート体育会系学園自警団と藤瀬&落ちこぼれヤンキー軍団プラス一般生たちの対立(この構図にオタクが一枚も噛んでいないのは、当時はオタたちが人権はおろかその存在すら認知されてなかったからです)。
そして学園の自由をめぐる二派の争いは、タイアップした日通のロゴがあちこちに映りまくる港湾地区で、倉田プロモーション大盤振る舞いのスチャラカ大乱闘クライマックスを迎えます。
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何故か福岡ダイエーホークスのスタジャンを愛用する藤瀬。私服の下にプロレスコスチュームを着用している準備のよさで乱闘に参加してくるキューティ鈴木。その巨大なヘアスタイルを収めるためにザクみたいな特殊ヘルメットを被る塩沢とき。そしてお色気セクシーショット担当は片桐はいり。鈴木監督ならでは無意味なサービスもあちこちにてんこもり。
百合っぽいムードがことごとく上滑りしてしまうのも、これまた鈴木監督らしいところです。
やたらと男臭い映画をさんざん撮ってきたロバート・アルドリッチの遺作は、きっぷのいい女たちの世界を描いた「カリフォルニア・ドールズ」でしたが、鈴木則文監督の現役の最後を飾った作品も、これまたカラッと小気味いい女子高生アクションなのでした。

<未DVD化>



(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2095.html

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