ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

【ナイトメア・クリーチャーズ】霧の都と暗黒ポリゴン

   ↑  2014/05/10 (土)  カテゴリー: PS1
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ロンドンの街が紅蓮の炎に包み込まれた1666年と1874年の歴史に残る大火災。
1666年はパン屋の竈、1874年はストーブ、それぞれの火の不始末が原因とされるこの大火だが、しかし歴史の真実は時として燃えさかる炎の陰に隠れている。
紅蓮の炎の向こうに蠢いていたのは、黒魔術師による禁断の実験。
そして1666年のそれは、自らが作り上げた邪悪な創造物を無に返そうとする、異端の研究者にかすかに芽生えた良心が生み出した人為的な火災であった。
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しかし208年後の大火はその反対だ。
蘇った禁断の実験。再びこの世の生を受けた悪夢のクリーチャーたち。
邪悪な企みによって呼び出された魔界の獣たちは、大火に混乱するロンドンの闇の中で、哀れな犠牲者たちの肉を貪っていた。
その地獄絵図に私怨をもって立ち向かうのは、タイトパンツのお姉ちゃんと棒きれ抱えた物騒な坊主。
アーリープレイステーションに狂い咲いた、暗黒のビジュアルとPS初期ならではの薄汚いローポリゴンのコラボレーションが生み出す魔界絵巻『ナイトメア・クリーチャーズ』。
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昼でも薄暗い裏路地。汚水から滲み出る悪臭。あたりをうろつき回る病原菌を抱えた害獣。不衛生極まりない近世ロンドンの下町。
不細工なローポリゴンで形作られた勃興期の3Dゲームは、現代の目からみるとどれも醜悪に映ってしまうが、『ナイトメアクリーチャーズ』はそれすらも逆手にとって、掃き溜めみたいに薄汚れた下町が、大火の混乱と魔物たちの襲来により、さらに暗黒に染まった様子を絶妙に表現している。
そしてその暗黒ロンドンを跋扈する悪夢のクリーチャーたち。
ハイテンションのままノンストップに主人公キャラが躍動する今時の3Dアクションゲームであれば、その立場は大部屋俳優のごとき気の利いたやられ役に留まってしまいがちだが、『ナイトメアクリーチャーズ』のそれは不細工なデザイン&ポリゴンにも関わらず、重厚な存在感でこちらの前に立ちふさがってくる。
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クリーチャーたちも自キャラも、その動きはもっさりとしてコントローラ越しのレスポンスも鈍重だ。
そんなもどかしいような動きの重たさも、これまた怪我の功名的にキャラクターたちに生々しい息遣いを与えてくれる。
21世紀型ハック&スラッシュアクションのスピーディーな爽快感とはおよそ正反対の、鈍臭くそれでいて臨場感に溢れる戦闘。
坊主の得物である角棒はもとより、お姉ちゃんの振るう剣の一撃すらも、金属が腐肉をぐちゃっと叩くまるで鈍器のような手応え。
武器にまとわりつくのは腐った血と脂の感触。霧の都の暗部を舞台に繰り広げられる、人間と魔界の創造物たちとの暗黒闘争劇。
暗く、重たく、薄汚い。当時のポリゴン技術とゲームが奇跡のシンクロを果たしたこの『ナイトメア・クリーチャーズ』を今の技術でいかにリメイクしようとも、そのあまりにダークで混沌とした世界は再現不可能だろうとも。



(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2090.html

2014/05/10 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


ロンドン暗黒絵巻

由貴先生の伯爵カインシリーズを思い出します。
中世のペスト、ロンドン塔の惨殺、切り裂きジャックと
暗黒の歴史を秘めたロンドン。
PS初期は今の高度なハードでも再現出来ないような
突き抜けた傑作が登場して楽しかったです。

奈良の亀母 |  2014/05/11 (日) 21:17 No.813


今ひとつ洗練されてないシステムやらレスポンスやらも、逆にどんよりしたロンドンの空気を醸し出していたのですから、まさにPSの一番幸福な時代と合致していたゲームですよね。

与一 |  2014/05/12 (月) 17:54 No.815

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