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【Driver: San Francisco】H・B・ハリッキー主義

   ↑  2014/04/13 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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かつてアメリカ映画界に、H・B・ハリッキーという素晴らしい男がいた。
「バニシング IN 60」と「ジャンクマン」の二作を監督から主演、脚本、カースタントにプロデューサーまでをも兼任して作り上げ、新作映画の撮影中に倒れてきたセットの下敷きになるアクシデントで、わずか48才でこの世を去ってしまった人物だ。
ハリッキーは映画以上にクルマを愛した男だった。彼にとって映画とは、愛するクルマがかっ飛んだりひっくり返ったり宙に舞ったりする美しい姿を、みんなに見せびらかすための手段に他ならなかった。
『Driver』シリーズは、70年代のカースタントムービーをゲームの上で再現しようと試みた、ハリッキー愛溢れるフランチャイズなのだが、実に20年近くの歴史を有するにも関わらず、いつまでもB級臭がちっとも抜けないのも、これまた元ネタのカースタント映画と足並みを揃えているところだ。
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初代プレイステーションの『ドライバー 潜入カーチェイス大作戦』に始まって、以降『ドライバー パラレルラインズ』に『Dirver 76』と、クライムアクションやら何やら他のゲームの様式にほいほいすり寄っちゃう節操のなさも、これまたこのシリーズの恒例だったりするが、テーマはカースタント、主役はマッスルカー、ビバ70年代という基本の芯だけはちっともブレない。つまるところ真正のハリッキーワールドだ。
『Driver』シリーズの現在のところの最新型、『Driver San Francisco』がすり寄ったのは、『バーンアウトパラダイス』タイプのオープンワールド型クルマゲーム。
サンフランシスコの街中を自由に走り回って、メインストーリーを気まぐれに消化しながら、そこらに転がっているレースイベントやスタントイベントをこなしたりこなさなかったりする。
『バーンアウトパラダイス』との大きな違いは、クルマ好きのためのクルマゲームになっていることだ。
登場するクルマはすべて実在車。そしてコクピット視点モードもしっかりと搭載。『バーンアウトパラダイス』につい感じてしまった歯痒い部分が、ここにはすべてフォローされている。
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さらにサンフランシスコのクルマ天国化をさらに後押しするのが、シリーズ恒例の主人公ターナーに備わった、死にかけの人間ならではの特殊能力"ドライバー憑依"だ。
街中にいるクルマのハンドルを握る者の体に、ひょいと乗り移ってジャックすることができる夢の能力。
もう街を走るスポーツカーや高級車を羨む必要はない。ワンタッチ憑依でもうランボルギーニだろうがパガーニだろうが、煮るも焼くも思いのままだから。
この街を走るクルマはすべてオレのモノ。特に高そうなクルマに憑依したときは、いつも以上に無茶な走りをしたくなるのは人情だ。
ワイルドに走り回って少々ぼこぼこになったところで知ったこっちゃねえ。保険くらいちゃんと入ってるんだろ?
オレもマロリー・ワイス症候群で吐血して倒れ、昏睡状態になりガチに死にかけた経験があるのだが、その時にこの能力が手に入らなかったのが、つくづく悔やまれる。
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高級車から大衆車、ボロ車から公用車と、次から次へとクルマを乗り換えてゆく感覚は、ネットサーフィンならぬクルマサーフィン。
クルマの内装の高い再現度が、このクルマサーフィンをさらに豊穣なものにしてくれるだろう。
『Forza』や『GT』に出てくるようなクルマはともかく、こんな機会でもなければ、AMCペーサーやオールズモービル・カトラス、ケンワース製タンクローリーの内装をしげしげと眺めるチャンスなんて、そうそうありはしない。
各地に転がるミッションは、絶妙なまでの難易度曲線で、まろやかにその歯ごたえを増してゆき、その内容もレースにタイムアタック、ハリッキー世界の再現を目論んだスタントチャレンジに、馬鹿馬鹿しくも最高な憑依型クルマタワーディフェンスと、これ以上はないくらいバラエティに富んだ内容。
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「バニシング IN 60」の主役マスタング・マッハ1に、ダッジ・チャージャーやチャレンジャー、ポンティアック・ファイアーバードなどの煌めくアメリカンマッスルカーが、人混みをかき分けクルマを弾き飛ばし街を爆走する姿には、「トランザム7000」に「バニシング・ポイント」、「白熱(バート・レイノルズ版)」に「バニシング IN TURBO」など、実際の街中で生のクルマたちがかっ飛んだりひっくり返ったり燃え上がったりしていた、70年代のカースタント映画名作群が否応なしにオーバーラップしてくるであろう。このゲームの最大の目的は、脳裏に焼き付いているこれらの映画を、モニターの上で再現することなのだ。
そしてそれを彩る楽曲群は、アレサ・フランクリンにファンカデリック、ストゥージスらリアル70年代勢に、ザ・ヘヴィーやダートボムズなどの生まれてくる時代を間違えた若年寄たち。
プライマル・スクリームのように、音楽的には70年代とさほどリンクしていない連中にしたって、使われている楽曲はずばり「バニシング・ポイント」にオマージュを捧げた"Kowalski"だ。
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あまりにも大胆でご都合主義で馬鹿馬鹿しくてハチャメチャなドライバー憑依システムを臆面もなく導入したことにより、シリーズに一貫していた70年代カースタント映画をリスペクトする、そのコンセプトの完成形に限りなく近づいたと同時に、オープンワールドという舞台を近年もっとも有効に活用しているゲームとして確たる成功を得た『ドライバー サン・フランシスコ』。
クルマのハンドルを握ることにより課せられる制約を、可能な限り極限まで取っ払ったフリーダムなクルマワールド。
クルマを愛しすぎるあまり、そのクルマが派手にぶっ壊れるところにまでに、あらん限りの情念をぶち込んだ男、H・B・ハリッキー。
彼のスピリットにありったけの敬意をこめて、サン・フランシスコの街中を何ものにも縛られず、自由奔放に爆走しようじゃないか。どうせこっちは警官だ。反則キップを切る無粋な奴なんていやしないんだから。



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2014/04/13 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


これ買ってみるかな、なんか初期Xboxのダブルスティールとプレステのランナバウトっぽさが画像から見える

 |  2014/05/09 (金) 20:06 [ 編集 ] No.811


もうもろにそんなテイストですよ。
初代XBOXだとダブルスティールの他にミッドタウンマッドネスなんかも、これに近い感じがありますね。

与一 |  2014/05/11 (日) 16:14 No.812

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