ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

この記事に含まれるtag :
FPS  XBLA  

【Call of Duty Classic】地獄のスターリングラード

   ↑  2014/04/07 (月)  カテゴリー: XBOX 360
14040701.jpg
ヴォルガ川に浮かぶ頼りないボロ船。そこにすし詰めにされた乗客たちの表情は、どれも不安と恐怖でいっぱいだ。
無理もない。ここにいる連中は周りを囲む政治将校たちを除けば、そのほとんどがついこの間まで鍬やスパナを手にしていた単なる農民や工員だったのだから。それは主人公であるアレクセイも例外ではない。
この面々を載せた船が向かう先は100万都市。しかし船から見上げる街は、あちこちから黒煙が立ち上り、そして建物という建物はすべて瓦礫と化している。
川面に落ちた砲弾が水柱をあげ、上空はドイツ軍戦闘機が縦横無尽に飛び回り、格好の標的であるこのボロ船団に襲いかかってくる。
この猛攻を避けて川の中に飛び込んでも逃げ場はない。味方の政治将校に即座に射殺されるのがオチだから。
これ以上はない八方塞がりの中、アレクセイの乗った船は辛うじて河岸に辿り着く。もっともそれが幸運だったのかは定かではない。
アレクセイが足を踏み入れるのは、1942年現在この世でもっとも地獄に近い場所。独ソ両軍が終わりのない人的消耗戦を繰り広げるスターリングラードなのだから。
14040702.jpg
両者の地位が逆転し、あまつさえ天と地ほどの差がついてしまった今では信じられないことかもしれないが、『Call of Duty』シリーズの栄えある第一作が世に出た頃は、ミリタリーFPSは『Medal of Honor』シリーズの独壇場で、初代『Call of Duty』は、その柳の下のどじょうを狙ったフォロワーという印象が強かった。
その中で後発の『CoD』が拠り所としたのは、『MoH』以上に練りこまれたスクリプト演出の過剰なフィーチャーと、連合国の複数の軍隊にまたがったオムニバス視点という二つの個性。そしてこの『CoD』ならではのパーソナリティは、以後のシリーズに脈々と受け継がれてゆく。
『CoD』が『MoH』の単なる追随者に留まらない強烈なインパクトを残したのも、この二つの特徴があってこそだった。
オムニバス構成だからこそ盛り込めたソビエト赤軍のエピソードは、『MoH』でいくらでも代用が効く凡庸なアメリカ軍やイギリス軍のシナリオを押しのけて初代『CoD』の事実上のメインエピソードとなり、『CoD』が『MoH』と並ぶミリタリーFPSのもう一方の雄であることを、遊ぶ者に強烈に印象づけたのであった。
14040703.jpg
命からがら上陸したアレクセイ。しかし彼の受難はまだまだ続く。
「命あるかぎりひたすら前に進め! 後ろに下がる者は撃ち殺す!」
冷酷な政治将校たちに急き立てられ、ベルトコンベア式に銃弾が飛び交うスターリングラードの街中に追いやられる即席兵士たち。その中で銃を支給されるのは、わずか三人に一人だけだ。
我らがアレクセイも丸腰のままで、ドイツ軍の猛烈な銃火の中に否応なしに押し出されてゆく。そして驚くことに、彼はそのまま一発の銃弾も放つどころか、このソ連軍エピソードのファーストステージを、ついに最後まで銃を手にしないまま終えるのだ。
このヒロイックな要素などかけらもないステージは、『MoH』ノルマンディー上陸シークエンスを遥かに凌ぐインパクトを与えてくれた(そして以降の『CoD』シリーズの中にも、これを上回るシークエンスはそう見当たらない)が、惜しむらくはそれ以降のステージで、アレクセイが第一級祖国戦争勲章を一ダース貰えるくらいの活躍をしてしまうワンマンアーミーに、何の前触れもなく就任してしまうことで、これなんかはゲームという媒体の表現の限界を表してるのかもしれない。
14040704.jpg
このXBLA版『Call of Duty Classic』は、日本国内では未配信の上に、海外タグを使っても地域制限がかかってダウンロードできないという、いけずな商品なのだが、ある一時期に手違いで日本国内のマーケットプレイスに当たり前のような顔をして並んでいるという祭りが起こり、オレの場合はそれを運良く逃さず買えることができた。
もっともこういうエポックなゲームを、そんなイレギュラー的な手段を経なければ買えないというのも、なかなかにさもしい話である。
PC版はSteamで日本からでも購入できるので、未プレイの方はぜひ一度この"無理矢理徴用された朴訥なロシア農民"の立場を体験してみてはいかがだろうか。



この記事に含まれるtag : FPS XBLA 

(記事編集) http://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2068.html

2014/04/07 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


スターリン非情!

「卵をめぐる祖父の戦争」という小説を思い出します。
ドイツ軍より自国の政治将校に射殺された兵士の方が多い
のでは・・・。ナポレオンの頃からロシアに手を出すと、
手痛いしっぺ返しを受けるんですよね。

奈良の亀母 |  2014/04/08 (火) 00:55 No.783


ドイツ軍の銃弾に撃たれる場合も、政治将校に弾が当たる場所まで押し出されてるわけですから、実質連中に撃ち殺されてるようなもんですよね。

与一 |  2014/04/08 (火) 18:42 No.784

コメント:を投稿する 記事: 【Call of Duty Classic】地獄のスターリングラード

お気軽にコメント:をぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント:) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメント:として投稿する。(管理人にのみ公開)

Trackback